目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

藤田保健衛生大学は愛知県豊明市にある私立大学で、同県内の愛知医科大学とほぼ同じくらいのレベルである。

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2. 概要

2.1 試験日
一般入試
1次試験:2017年1月21日(土)
2次試験:2017年1月31日(火)/2月1日(水)※いずれか希望する日
※2017年度の試験は終了しました。

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・面接

(試験時間)
1次試験
・英語(80分)
・数学(80分)
・理科(120分)※問題配布後、2科目選択

2次試験
・面接

2.3 配点
1次試験
・英語(200点)
・数学(200点)
・理科(200点)

2次試験
・面接(非公表)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
藤田保健衛生大学は例年、大問構成が4題であったが2016年などでは3つの大問から構成されているため、一概に固定されているとは言えない。各大問は10つの小問からなり、約1ページからなるリード文を軸に空所補充、下線部の説明問題から構成されている。

私立医学部の中には記述式の問題が出題されない大学も多いため、受験者は国公立大学の問題や記述式問題が課される私立医学部の過去問などを解いて、記述用の訓練を積む必要があるだろう。

記述問題の特徴としては、論述問題に字数制限が設けられていないということである。実際の解答欄は15㎝程度の幅のものが1~2行であることが多い。普段から問われている内容を正確に理解し、解答欄の大きさに合わせてアウトプットできるようにしておきたい。

大問3~4つのうちの大半は知識だけで解ける問題であるが、大問のうち1つは必ず考察問題になっているため、この大問で合否の分かれ目が決まってくる可能性は高い。やや難程度の考察問題が多く、知識で解ける大問を一気に片づけてしまい、考察問題にじっくり取り組むのが得策といえるだろう。内容は高校レベルから逸脱するものはないが、問題集にあるような典型問題ではないため、しっかり考察内容を理解する力が試されていると言える。

もう一つの出題の特徴としては、教科書の図や資料集、図説などに掲載されている図表がそのまま出題に用いられることがある点である。2016、2015年の第3問などは受験生であれば見たことのない人はいないはずである。普段の学習から有名な図表は記憶しておくようにするとよい。

なお、計算問題は圧倒的に少ない傾向にあり、小問の中に独立していくつか出題される程度である。遺伝の計算も全く出題されない年度が複数あり、考察・知識問題と計算問題の割合は9:1程度である。計算が苦手な受験生も論述対策をしっかり行っていけば十分合格点に到達できるだろう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子
過去の出題からはDNA 合成や細胞周期のグラフ問題が最も出題されている。酵素の出題も比較的多く、次いで細胞小器官を題材としたものが多い。藤田保健衛生大学では、頻出の単元といってよいだろう。ここ6年間のうちで4年出題されているため、今年も出題される可能性は十分にある。特にノーベル賞での小胞輸送から細胞小器官関連の出題が予想される。

3.2 代謝
脂肪の代謝や窒素化合物の代謝、呼吸の計算問題が過去の出題にあげられているが、オーソドックスなクエン酸回路や解糖系代謝産物の名称だけを問うような出題はあまり見られない。これから受験を控えている人たちは、酸化的リン酸化やアミノ基転移などのハイレベルな内容まで踏み込んでみよう。

3.3 遺伝情報の発現
考察問題が頻出する藤田保健衛生大学では、最も出題されやすい単元である。特にスプライシングの過程や遺伝子の組換え実験は頻出である。複数の制限酵素を用いて遺伝子を切り離して遺伝子組み換えする題材は新課程以降のブームとなっているため、しっかりと実験の流れを掴んでおこう。この大問は他の単元よりやや難易度が高いため注意が必要である。

3.4 生殖と発生
頻出単元ではなく、数年に一度出題される。両生類や棘皮動物の発生過程やホメオティック遺伝子、中胚葉誘導、誘導の連鎖などの頻出事項は最低限抑えておこう。旧課程同様、考察問題が出しやすい分野であるが、考察実験そのもののレパートリーは少なく、対策しておくと実験結果と解答が容易に想像できることが多い。発生は新課程から新出単語がかなり増えた単元でもある。母性効果因子やBMP、中胚葉誘導と誘導タンパク質の関係、間充織と上皮の分化などを重点的に再確認しておこう。

3.5 遺伝
藤田保健衛生大学では、ここ5年間で遺伝からの出題が全くない。受験生はまずセミナーやリードαで基礎問題を確認する程度に留め、頻出単元を優先して学習した方が得策である。もちろん遺伝を理解していないということは、合わせて生殖の単元を理解していないことになるため、時間に余裕がある場合はしっかり対策していくべきである。

3.6 動物の反応と行動
藤田保健衛生大学では最も出題の多い単元である。筋肉生理と神経生理、反射、ホルモン、免疫のうちいずれかは、毎年出題されている。特徴的なのは毎年異なった単元が出題されている点にある。2016年は聴覚(受容器)、2015年は神経と反射、2014年は動物の恒常性、2013年は視覚(受容器)、2012年は膜電位、体液の恒常性、腎臓などの出題になっている。2012年度以前は現在以上に出題ウエイトが多かったようだが、その分量の多さは相変わらずである。知識問題よりも考察問題や計算問題が含まれており、他の単元以上にしっかりとした学習が必要になってくるだろう。最近では、筋肉やホルモンからの出題が少ないため、これからの受験生はこの単元に要注意である。

3.7 植物の環境応答
過去目立った出題はないが、2016年に植物ホルモン、頂芽優勢、種子の発芽が出題されているため、今年の受験生は学習の手を緩めずしっかりと対策を立てておこう。

3.8 生物の多様性と生態系
過去目立った出題はないが、2016年にサンゴの生態と生存曲線が出題されているため、今年の受験生は学習の手を緩めずしっかりと対策を立てておこう。

3.9 生命の起源と進化
非生体系の中でも、医学部では出題の多い単元であるが、藤田保健衛生大学ではあまり頻出とは言えない。過去の出題は種の分類と多様性程度なので、五界説や動物界など頻出単元だけを最低限、覚えておこう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認
藤田保健衛生大学の場合、資料集の片隅に載っているような用語は問われることはなく、いたって標準的なものである。時間が有り余っている受験生以外は基本用語と標準的な考察問題に的を絞った方が効率的である。急いでマニアックな単語を詰め込む必要はなく、そのような単語に本番で出会ったとしても落ち着いて消去法で対処できればそれでよい。基本単語は、問題を見た瞬間にアウトプットできるまでにブラッシュアップしてほしい。しかし、それ以上に重要なのは正確な定義の暗記であるので、単語の丸暗記ができたら、そのまま点数に反映するとは限らないことをしっかり覚えておこう。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎(数研出版)』
・『大森徹の最強講義(文英堂)』
・『大学入試の得点源(要点) (文英堂)』
・『生物 知識の焦点(Z会)』
・『理解しやすい生物、生物基礎(文英堂)』
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに(東進ブックス)』
・『生物基礎が面白いほどわかる本 (中経出版)』

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも参考書や教科書を使って生物現象や用語の定着に努めるほうが効率的である。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。リードやセミナーを使う際の注意点としては、いきなり発展問題などはやらずに、セミナーのプロセスやリードにあるリードBなど基礎問題の反復練習に努めるほうが効率がよい。

問題集
・『基礎問題精講(旺文社)』
・『らくらくマスター 生物・生物基礎(河合出版)』
・『生物用語の完全制覇(河合出版)』
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『リード light 生物 生物基礎』

■Step.2 実験、考察問題への取り組み
近年の大学入試では、医学部にかかわらず考察問題を中心に問題が構成されることが多いが藤田保健衛生大学では標準的な考察問題がメインに出題されることが多い。レベルは標準的であっても、典型問題が出題されにくいためリード文を読む力や推察力が試される。普段から考察問題の実験結果をノートなどにストックしておき、本試験の問題に合わせて知識を引き出せるようにすると得点率は一気に上がってくる。1周目の時点で完璧な答案を作る必要は全くなく、わからなかった問題は解答解説を理解することを心がけよう。中途半端に問題を解き終えるのはナンセンスなので、1冊を完璧に終わらせることができた時のみ、次回の問題集に移行するようにしよう。

また、藤田保健衛生大学の出題は記述問題が多いため、できるだけ多くの論述問題に挑戦し、うまくできなかった場合は、解答例や教科書を参考にして、その表現を取り入れていくことが重要である。これを繰り返していくことで、要領よく文章をまとめる力が身につく。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集 (旺文社)』
・『基礎問題精講 (旺文社)』
・『生物重要問題集(数研出版)』
・『生物標準問題精講(旺文社)』

■Step.3 計算問題への取り組み
藤田保健衛生大学では遺伝やその他の計算からの出題が少ないため、このstepは省略してstep4に進んでしまってもよい。リードやセミナーに収録されている計算問題を使ってそれを代替してしまっても問題はないであろう。下記に計算問題に特化した参考書をあげておくので、必要な受験生は参考にしてほしい。

・『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法(旺文社)』
・『大森徹の生物 遺伝問題の解法(旺文社)』

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習

Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問はできれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、Step.1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出なのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解く際は、必ず時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。