目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 理論化学
    2. 無機化学
    3. 有機化学
    4. 高分子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り
    2. 知識の補強
    3. 解法パターンの習得と計算力の増強
    4. 定番問題の習得
    5. 過去問演習

1. はじめに

岩手医科大学は岩手県盛岡市にあり、医・歯・薬3学部をもつ医療系総合大学であり、東北医科薬科大学が新設されるまでは東北地方唯一の私大医学部であった。志願者数は医学部人気に合わせてここ数年増加傾向にあり、日程上私大医学部受験の最初の受験となることが多いため、相当厳しい倍率の中で戦うこととなる。1次試験合格者は例年600名程度までのぼるため、2次試験での選抜性も高い大学である。
化学の入試を見ると、知識問題、計算問題ともに近年では難化傾向にあるため、対策はもう一ランク上を目指すつもりで行っていきたい。以下で詳細を見ていこう。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 概要

2.1 試験日
一般入試
1次試験:2017年1月18日(水)※終了
2次試験:2017年1月27日(金)・28日(土)※どちらか1日を選択

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数列とベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・小論文
・面接

(試験時間)
1次試験
・英語(60分)
・数学(60分)
・理科(90分)※2科目選択
・小論文(50分)

2次試験
・面接(一次試験合格発表時(HP)に面接時間を指定する)

2.3 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(150点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
全問記述式で、大問4〜5題で構成されている。例年、理論から2題で無機・有機・高分子から2〜3題程度出題されている。高分子からの出題は2題でている年度もあり、構成は年度ごとに変化している。

以前は、教科書の章末問題や入試の定番レベルの問題から出題されていたが、近年は知識問題、計算問題ともにやや難易度が上がった。試験時間が2科目90分であるため、時間配分が重要になってくる。物理と比べるとやや生物の方が時間を要するので、生物化学受験者は上手く時間を配分しながら進めて欲しい。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 理論化学
ここ数年は、電離平衡、化学平衡、酢酸エチルの加水分解速度、凝固点降下、気体、結晶格子、化学結合、分子の形などが出題された。特に傾向らしいものは見られず様々な分野から大問が作られている。計算問題、空所補充問題、正誤問題などの出題パターンが多い。

3.2 無機化学
医学部では珍しく、無機のみで構成された大問を作っている年度が見られる。物質の推定に関する問題が頻出なので、無機物質の性質に関しては一通り整理して覚えておきたい。その他、工業的製法や物質の色、化学式などの知識問題が出題されている。

3.3 有機化学
油脂の推定、有機化合物の構造決定、医薬品に関する知識問題、有機物質の性質や化学反応などの問題が出題されている。色々なパターンの問題が出題されているが、ほとんどのも問題は標準的難易度の問題である。

3.4 高分子
近年出題されていたのが、陽イオン交換樹脂、ペプチドの推定、電気泳動、糖の還元性あたりである。出題パターンとしては標準的な問題がほとんどである。知識問題だけでなく、計算問題も出しているので、高分子の計算も対策しておいて欲しい。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 教科書内容の振り返り
教科書を用意し、一章ずつ読み込む。入試問題は、原則として教科書から出題される。特に各教科書の参考・発展・コラム・実験などは、入試問題の格好の材料になり、出題頻度されやすい。岩手医科大の入試問題は、近年難易度は上がっている。それでも全体としては標準的な難易度の問題から構成されているので、まずは基本的な考え方を教科書をベースにしっかりと定着させることから始めて欲しい。

ただし、教科書の表現は初学者には少し難しいこともあるので、Step.1では全てを理解する必要はない。この段階では、各教科書の発展やコラムには触れなくても良い。ざっとどんなことが書かれているか整理していくと良い。読んでもすぐには理解出来ないという人は、下記の紹介されている参考書などを教科書の対応する箇所を合わせて読み込むと良い。また、実験装置や沈殿の色など目で見た方が記憶に残りやすいので、資料集も一冊用意しておくと良い。得た知識をどう使っていくのかについては下記の問題集を利用して、確認していくと良い。

○参考書
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-無機化学+有機化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学2+有機化学2-』(東進ブックス)
『フォトサイエンス化学図録』(数研出版)

○問題集
『セミナー化学』(第一学習社)
『リードα』(数研出版)

■Step.2 知識の補強
Step.1で全体像を掴めたら、知識の補強を進めていこう。岩手医科大では、試験時間が短いので、知識問題の解答スピードが重要になってくる。手際良く解答出来るようにアウトプットまで意識して知識を身に付けていって欲しい。以下に各単元の注意すべきポイントとオススメの参考書について記載する。

◯理論化学
知識問題としては空所補充問題や適語選択などが多く、教科書や参考書などに載っている程度の文章が出題されている。用語の定義などを中心に一つ一つ丁寧に理解を深めて欲しい。

『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

◯無機化学
ほぼ毎年、無機単独で大問が作られている。系統分析や気体の発生など総合的な内容が問われている年度が多い。物質ごとの性質や化学反応は十分に理解しておかないといけない。化学反応の基本原理は、酸塩基反応と酸化還元反応である。基本原理をしっかりと理解し、化学反応式を書けるようにして欲しい。

『福間の無機化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

◯有機化学
構造決定の問題だけでなく、医薬品の知識問題や油脂なども出題されている。官能基の性質や有機物質の性質だけでなく、細かい知識に関しても丁寧に整理しながら知識を身に付けていって欲しい。

◯高分子
ここ数年で登場している問題は天然高分子の範囲であるので、天然高分子を中心に知識の整理が必要である。特にアミノ酸の性質やタンパク質の分析は頻出である。等電点や電気泳動などの用語理解や各pHにおけるアミノ酸の帯電状態、糖類の構造や還元性あたりもしっかりと整理しておいて欲しい。

『鎌田の有機化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

■Step.3 解法パターンの習得と計算力の増強
Step.3では、計算問題の解法の習得に向けて学習を進めていく。岩手医科大の計算問題は、問題分量がそれほど多くないが、試験時間が短いため、手際良く問題を解いていくひつようがある。一つ一つの計算問題はそれほど難易度が高くないため、難しい問題よりは一行問題レベルでも数をこなし、正確に計算を行う力を身に付けたが良い。下記の問題集や参考書を使い、標準的な計算問題の解法を身に付けていく。

『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

『基礎問題精講』(旺文社)

『ゼロから始める化学計算問題』(中経出版)・・・ドリル形式になっているので、苦手な人はこちらを使って練習すると良い。
『化学計算問題の徹底整理』(数研出版)・・・入試レベルの計算問題が良いという場合は、こちらの問題集で練習すると良い。

■Step.4 定番問題の習得
ここからは実際の大学入試問題を使って、定番の問題の解法を押さえていく。岩手医科大では、出題される問題のテーマとしては定番なものが多いので、一冊で良いのでしっかりと問題のテーマと解き方を身に付けて欲しい。

『化学重要問題集』(数研出版)

『化学の良問問題集』(旺文社)

○参考書
『化学の新研究』(三省堂)

■Step.5 過去問演習
Step.1-3をクリアしたら過去問演習に入りましょう。
『岩手医科大学(医学部)』(教学社)

本Stepでは以下の手順に沿って演習・復習に取り組めば、ただ普通に過去問を解くということをするよりも数段効果的であるのでぜひ参考にしてほしい:
1. まずは制限時間内で解いてみる。
2. 制限時間が終了した段階でここまでの出来を採点する。
3. 時間が足りずに解ききれなかった問題を、時間無制限で取り組み、答え合わせを行う
4. 自分に足りなかったポイントを列挙する。知識問題で間違えたなら今まで学習した項目のどの部分が抜けていたのか。考察問題で間違えたならどういった視点が足りないのか。時間があれば解けるもののスピードが足りないならどの部分の理解と練習が足りないのかといった観点を大事にしよう。
5. Step.4に戻り、該当単元の演習を再度行った上で、周辺分野の知識をすべて整理する。

過去問をある程度進めたら、Step.4の自己分析を元に、同時並行で弱点補強を進めよう。直前期に赤本や難しい問題ばかりに手を出したくなることもあると思うが、大事なことは難しい問題が理解できることではなく、合格点を取ること。忘れていた知識を整理したり、計算のスピードや正確性を磨くことが意外と合格への近道だったりする。ちょっとした問題に足元をすくわれないようにしっかりと足場を固めよう。

過去問をすべて終えたら、難易度の近い私大医学部の問題を使って演習していこう。問題の構成としては東北医科薬科大学や久留米大、藤田保健衛生大など挙げられるので、活用してみてほしい。

(参考)