目次

  1. はじめに
  2. 入試の概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・配点・解答形式
    3. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 例年の出題形式・傾向
    2. 小問集合でも侮れない
    3. 用語の定義説明、公式・定理の証明が頻出
    4. 2017年度入試の講評
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. Step.1 基本事項の完全マスター
    2. Step.2 入試標準問題集で定型解法をマスター
    3. Step.3 上級入試問題の演習
    4. Step.4 過去問を使って対策の仕上げ

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受験にこそパーソナルトレーナーを。4年間、一次試験すら通過できなかった僕が『医学部合格』を勝ち取れた理由
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1. はじめに

順天堂大学医学部は、2007年頃までは中位私立医学部でした。しかし学費の大幅値下げを機に難易度が上昇し、近年では私立医学部御三家(慶應義塾大学医学部、東京慈恵会医科大学、日本医科大学)に次ぐ難関大学となっています。
本学の数学の特徴として、ことばの定義を説明させる問題や定理・公式の証明問題が出題されることが挙げられます。数学の知識を表面的に知っているのではなく、根本的に理解していることが求められます。

2. 概要

2.1 試験日
一般(A方式)
・1次試験:2017年1月19日(木) 会場:幕張メッセ
・2次試験日 2017年1月28日(土)~1月30日(月) いずれか1日
※会場:本郷・お茶の水キャンパス

2.2 試験範囲・試験時間・配点・解答形式
■試験範囲
一般(A方式)、一般(B方式)、東京都地域枠/新潟県地域枠
(1次試験)
・理科  物理「物理基礎、物理」、化学「化学基礎、化学」、生物「生物基礎、生
物」の3科目から2科目選択
・英語 コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ、英語表現Ⅰ・Ⅱ
・数学 数学Ⅰ~Ⅲ、数学A、数学B(「数列」、「ベクトル」)
・小論文 (小論文の評価は一次試験合格者選抜では使用せず、二次試験合格者選抜
のときに使用)

※センター・一般独自併用方式、センター利用方式および国際臨床医・研究医枠入学試験では数学の個別試験は課されません。

■試験時間
一般(A方式)、一般(B方式)、東京都地域枠/新潟県地域枠
10:00~12:00 理科(120分) 200点(各100点)
13:30~14:50 英語(80分)  225点(資格・検定試験25点分を含む)
15:40~16:50 数学(70分)  100点

■解答形式
マークシートおよび記述

2.3 出題の傾向と特徴(概要)
順天堂大学医学部の数学は、試験時間70分で大問3題の構成です。問題の難易度は、入試標準レベル~上位国公立大学レベルです。また出題量は制限時間に比べて多くなっているため、全問を完答するのは非常に難しいと言えます。
本学の特徴として、ことばの定義を説明させる問題や定理・公式の証明問題が出題されることが挙げられます。数学の知識を単なる道具として使うだけでなく、それらを他人に説明できるくらい深く理解していなければなりません。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 例年の出題形式・傾向
順天堂大学医学部の数学は、試験時間70分に対して問題量が多くなっています。
出題される大問3題は入試標準レベル~上位国公立大学レベルと難易度の水準も高いです。

各大問ごとの出題形式は、例年次のようになっています。
・大問1:マークシート方式(小問集合)
・大問2:マークシート方式(誘導つきの計算問題)
・大問3:記述方式(主に定義説明・証明問題)

また頻出単元は、全体として次の項目が挙げられます。
・三角比、三角関数
・図形と方程式
・ベクトル
・微分積分
・2次曲線
本学では特に図形の問題が頻出です。そのほとんどが融合問題であり、近年では図形と楕円(2次曲線)を絡めた問題がよく出題されています。
(図形の問題に限ったことではありませんが)設問文が分かりにくく出題の意図を読み取るのが難しい場合があります。本学以外でこのような問題に出会うことは少ないので、過去問をたくさん解いて慣れておく必要があります。

3.2 小問集合でも侮れない
大問1は複数分野からの小問集合です。
出題は入試標準レベルですが、一部の小問には難問が含まれていることがあります。
小問にはそれぞれ誘導がついているものの、あまり丁寧に解答の手順が示されていません。そのため、解答者自身が誘導文の行間を補って解き進めなければなりません。
また小問によっては、大問1題に匹敵する計算量を求められる場合があるので注意が必要です。

3.3 用語の定義説明、公式・定理の証明が頻出
本学では過去に「平方根」、「三角形の内心」、「対数関数」などのことばの定義を説明させる問題が出題されています。
また、公式・定理の証明問題では、「対数の底の変換公式」、「正弦定理」、「剰余の定理」などが扱われています。

このような基礎知識は当然知っているべきものです。しかし漠然と知っているだけでは不十分です。普段何気なく使っていることばの定義や公式の証明にまで注意を払い、基本事項を根本から理解するよう心がけましょう。

3.4 2017年度入試の講評
2017年度の数学入試問題は目立った出題傾向の変化はなく、難易度も平年並みでした。
今年度も制限時間70分に対して問題量の多い構成でした。ボーダー得点率は60%程度と予想されます。
各大問の講評は次の通りです。
●大問1:
(1) 隣接3項間漸化式
誘導がついていますが、それがなくても完答できてほしい基本的な問題でした。
(2) 回転軸が斜めの放物線の回転体の体積
典型的な積分の計算問題でした。しかしこの手の問題に慣れていないと計算が重く感じるかも知れません。
(3) 複素数平面
新課程に移行してから初めて出題されました。複素数平面上の回転変換に関する問題でしたが、出題テーマとしては典型的でした。
(4) 内積の最大値
計算で処理するよりも図形的に考える方が早い問題でした。
そこに気が付いたかどうかで解答時間に差が付いたと思われます。

●大問2:楕円の軌跡と面積
初めの楕円の一部の面積計算以降、出題の意図が分かりにくく解きづらい問題でした。
「糸を張りつめた状態で正方形の周りを一周させたときの頂点が動く軌跡」という一文を正しく理解するのに時間が掛かった受験生も多かったのではないでしょうか。
また大問の後半でも、さらに状況把握が難しい設問に入るため、この大問を完答できた受験生は極少数であったと思われます。

●大問3:凸不等式の証明
(1) は証明ではあったものの、関数f(x)の形を与えられた不等式に代入するだけの計算問題でした。(2)以降は難易度があがるため、初見では完答は難しかったでしょう。凸不等式の証明を一度経験しているか否かで差がついた問題でした。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

順天堂大学医学部の数学は、難易度が高く制限時間の厳しい試験です。典型問題ならば、問題を見た瞬間に解答を書き始められるだけの習熟度。定義説明や公式の証明問題なら、 他人に教えられるくらいの基本事項の深い理解度。本学の入試を突破するためには、この2つを兼ね備えていることが必要です。
ここではStep.1~Step.4に分けて、本学に合格するための学習方法を解説します。

■Step.1 基本事項の完全マスター

目標:教科書レベルの基礎固め
まずは教科書レベルの内容を振り返りから。
教科書の問題や、基本レベルの問題集を解いてみましょう。
ただ眺めるのではなく実際に手を動かして、基本事項をしっかりと理解できているか確かめましょう!「こんな公式あったかな?」、「そういえば昔、こんなこと勉強したな…」なんて言っているうちは、まだまだです。忘れていた公式はよく復習し、しっかりと頭に入れていきましょう。
順天堂大学医学部では、ことばの定義や公式の証明問題が出題されます。
漠然と基本事項を知っているだけでなく、他人に教えられるくらい理解を深めましょう。
教科書などを見ずに、紙とペンだけでことばの定義や公式の証明を書けるかどうかが、理解度の目安になります。

教科書や参考書が手元になければ、次のような参考書を使うとよいでしょう。
文字だけでなく図解を取り入れた懇切丁寧な解説が載っています。
『高校これでわかる数学I+A』(文英堂)
■Step.2 入試標準問題集で定型解法をマスター

目標:数学IA、IIB、III各分野の入試標準問題の定型解法の習得

教科書の内容が身についたら、次のStepに進みましょう。
この段階では、基本事項の使い方を実戦的に学んでいきます。

おすすめは、次に挙げるような学習参考書です。
1冊あたりの収録例題数が200を超え、様々な出題パターンを網羅して学べる『青チャート』や『フォーカスゴールド』よいでしょう。

「部活動で忙しい…」、「入試本番まであまり時間が…」という受験生は、1冊あたりの例題数が150程度とコンパクトにまとまった『標準問題精講』のシリーズを使ってもよいでしょう。

はじめのうちは初見の問題が多いため、解法の糸口が掴めない問題があるかも知れません。
もし5分考えても手が出ない場合は、すぐに模範解答を見て解法を覚えてしまいましょう。
それから1~2日後にもう1度同じ問題を解いて、自力で解けるようになっていればOKです。

Step.1と同様に、各分野の例題を何も見ずに解けるようになるまで繰り返し演習しましょう!
ここまでクリアできたら、次のStep.3に進みます。

『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A/Ⅱ+B/Ⅲ (通称:青チャート)』(数研出版)

『フォーカスゴールド』(啓林館)

『数学Ⅰ・A 標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅱ・B 標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅲ 標準問題精講』(旺文社)

入試標準問題に対応する力がついたら、計算トレーニングを始めるとよいでしょう。
単に計算スピード・精度を上げるだけでなく、教科書には載っていない計算の裏技を身につけることも出来ます。制限時間の厳しい本学の入試では、きっと役に立つはずです。
次のような計算練習用の問題集がおすすめです。

『カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集]』(駿台文庫)

『数学の計算革命』(駿台文庫)

『合格る計算 数学ⅠAⅡB』(文英堂)

『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)

■Step.3 上級入試問題の演習

目標:難関国公立大学レベルの問題に対応できるだけの力をつける

ここでは過去問演習に入る前の段階の演習を行います。
次に挙げるような問題集ならば、各分野ごとに難関国公立大学レベルの入試典型問題を演習することができます。

演習の際には入試本番を想定して制限時間を設けましょう。
入試本番では大問1問に掛けられる時間は25分程度ですから、これを目安に解いてください。

各単元の問題を何も見ずに解けるようになったら、いよいよ最後の仕上げ(Step.4)に入りましょう!

『大学への数学 1対1対応の演習』(数研出版)

『医学部攻略の数学 ⅠAⅡB/Ⅲ』(河合出版)

『数学Ⅰ・A/Ⅱ・B/Ⅲ 上級問題精講』(旺文社)

『やさしい理系数学』(河合出版)

■Step.4 過去問を使って対策の仕上げ

目標:順天堂大学医学部の特徴的な出題に慣れる

まずは本番同様に70分計って、過去問を解いてみてください。
さて、制限時間内に典型問題は完答できたでしょうか?定義や証明はきちんと書けたでしょうか?
解けなかった問題があれば、なぜ解けなかったのかを突き止めましょう。
例えば、次のような原因が考えられます。

 ・公式を忘れてしまっていた or 覚え違いがあった(→Step.1)
 ・定義や公式の証明が書けなかった(→Step.1)
 ・定型解法の定着が不十分だった(→Step.2)
 ・計算スピードが足りず時間内に解き終わらなかった(→Step.2)
 ・解けるはずの問題を計算ミスで落としてしまった(→Step.3)

この中に該当する項目があれば( )に記載した学習Stepに戻り、単元ごとに穴を埋めましょう。
また過去問は必ずもう1度問題を解き直しましょう。特に難解な図形問題については、誘導に乗って模範解答通りの解答を再現できるようにする大切です。
これが出来て初めて、「過去問を復習した」ことになります。

『順天堂大学(医学部)』(教学社)

(参考)
順天堂大学|医学部|入学案内|2017年度 医学部入学試験について