目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 微分・積分
    2. 図形総合(三角比・図形の性質・図形と式・ベクトル)
    3. その他
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
    2. 典型的で定番の問題を押さえる
    3. 数Ⅲは計算トレーニングが命
    4. 応用レベルの園主:数学的な思考力を鍛える
    5. 過去問・模擬試験を用いた演習

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1. はじめに

金沢医科大学は、例年岩手医科大学とともに私立医学部の中でも受験日程が早く、日程上重複する学校も少ない(2017年度受験では順天堂大学医学部の1次試験が重複します)ため、多くの医学部受験生が受験する学校の一つです。入試難易度でいえば、比較的入りやすい学校ではありますが、しっかり対策をしておかないと足元を掬われてしまうでしょう。数学は、問題集にありがちな問題ではなく、入試標準レベルを少しひねった言い回しをしたり、様々な分野を融合して出題するということが多いので、過去問を用いた演習は必須です。ただし、入試傾向が変わりやすい大学ですので、過去問の傾向を信じすぎないようにしましょう。

2. 概要

2.1. 試験日
一般入試
1次試験:2017年 1月19日(木)
2次試験:2017年 1月30日(月)/1月31日(火) ※希望日を選択

2.2. 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・グループ面接
・小論文

(試験時間)
1次試験
・数学(60分)
・英語(60分)
・理科(120分)※2科目選択

2次試験
・グループ面接(1グループ約20分)
・小論文(60分)

2.3. 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)

2次試験
・小論文(60点)
・面接(重視)

2.4.出題の傾向と特徴(概要)
○試験時間:60分
○解答形式:マークシートのみ
○大問構成:4-6問程度
様々な分野が融合されて出されることが多いため、固定の頻出分野があるわけではありません。広範囲に渡る網羅的な学習が求められます。
また、グラフや図形を用いた視覚的な解法が有効な問題が多く出題されるため、図形絡みの問題が苦手な人はかなり入念な対策が必要となるでしょう。図を丁寧に描いてみると、あとは少し計算すればパッと答えが出てしまうものも出ています。特にここ数年はこの傾向が色濃く出ていますから、過去問で総合的な演習を行うのが一番の対策となるといえます。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

60分で4-6題の出題なので、医学部としては標準的なセットといえます。各大問に、埋めるべきマーク部分は3-4箇所という出題の仕方ですので、1問のミスが意外に大きく響く可能性があります。8-9割取ることを目標にして、取り組むべきでしょう。

各大問の問題は色々な単元を融合して出題されることが多いため、一見すると、問題集によくある問題には見えないかもしれません。しかし、図やグラフを書くとあっさりと解けてしまうものも多くありますので、図形的な性質に着目して、立式するということを普段から心がけながら演習を進めつつ、それぞれの単元での標準的な問題もきちんとマスターしておきましょう。

特に出題されやすい分野については以下の項目を参考にしてください:

3.1 微分・積分
医学部ひいては理系入試の大きな特徴である数学Ⅱ・Ⅲの微分・積分が絡む出題は非常に多く、対策は必須といえます。特に数年前までは必ずと言っていいほど、数学Ⅱの微分・積分の問題が出題されていました。理系の受験生では数学Ⅱの微分・積分は少し対策が疎かになってしまいがちですので、問題集では飛ばさずにしっかり取り組んでくださいね。

数学Ⅲの微分・積分については、併願で受験する私大医学部の対策が有効です。典型的・標準的なレベルはしっかりマスターしましょう。特にグラフの描画や求積(面積・体積)で躓くことはないようにしましょうね。もちろん医学部の入試ではどこも時間制限が厳しいですから、極限・微分・積分の計算練習も必須です。

3.2 図形総合(三角比・図形の性質・図形と式・ベクトル)
問題文がベクトルを用いて書かれていても、ベクトルだけを使う問題とは限りません。そこに図形があるなら、図形の性質や三角比など図形に関連する単元はいずれも有効です。さらには、高校受験や中学受験でよくある、垂線を下ろす、補助線を引く、といったアプローチが有効なときもあったりします。普段から図形問題の演習では単元の区切りにこだわらず、どの単元もいつでも武器として使えるように準備しておきましょう。

3.3 その他
少ないですが、出題歴として、場合の数や確率、数列からも出題が見られます。また、新課程に入ってからはまだ複素数平面やデータの分析、整数は出題されていませんが、出題されないということが保証されているわけではないので、対策を疎かにしないようにしましょう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

4.1 教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
大学受験といえど、教科書レベルの内容を馬鹿にしてはいけません。忘れている定義・定理・公式などないように、ましてや理解できていない単元を残してしまうことは医学部受験では致命的になってしまいます。医学部といえど、教科書の例題や章末問題のレベルがそのまま出ることも大いにありますから、すでにこの教材から直接的な対策が始まっていると考えましょう。
未習項目がない方(学校や塾・予備校の授業で一通り数学ⅠAⅡBⅢの範囲については習った)は、以下に挙げるような基礎レベルの問題集を使用して、事項がうまく理解できているか確認しましょう。特に解けなかった問題については、教科書のどの事項が理解できていれば解けたのかということをしっかり確認するようにしましょうね。

・教科書の章末問題
・4STEP(教科書傍用問題集)
『数学Ⅰ+A基礎問題精講』『数学Ⅱ+B基礎問題精講』『数学Ⅲ基礎問題精講』(旺文社)

『カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集]』(駿台文庫)

未習項目がある方は以下のような参考書でまずは「知らない内容」をなくしましょう。こういったシリーズは問題集もセットになっていることが多いので、両方合わせてしっかり手を動かしましょう。
『高校 これでわかる数学Ⅱ・B』(文英堂)

なお、この段階では、解答を見ても「こんなの思いつかない」「どうしてここをxとおくの?」と、着想自体が難しいと思うことが多々あるかもしれません。5分から10分ほど考えてもわからないときはすぐに解答を見てしまって構いません。模擬試験や学校の定期テストで、数字の変わった問題が出たら、何も見ずに解くことができるというのがこのステップのゴールです。
このレベルがクリア出来ている方は、次に移ってください。

4.2 典型的で定番の問題を押さえる
教科書レベルがしっかりと押さえられたら、次はもう少し大学受験で定番の問題の解法を押さえていきましょう。ここではいわゆる「網羅系参考書」というものを使用します。下に挙げる『青チャート』や『フォーカスゴールド』は非常に分厚いものですので、終わらせられる自信がない……。という人は、『標準問題精講』に取り組んでみましょう。例題の解法をしっかり理解して習得できるようになることがゴールです。
このレベルもクリア出来ている方は次に進んで構いません。
『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A』(数研出版)
『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅲ』(数研出版)

『フォーカスゴールド』(啓林館)

『数学Ⅰ・A標準問題精講』(旺文社)
『数学Ⅱ・B標準問題精講』(旺文社)
『数学Ⅲ標準問題精講』(旺文社)

4.3 数Ⅲは計算トレーニングが命
典型的で定番の問題が理解できたら、次の教材と同時並行で計算練習を徹底的に行いましょう。極限・微分・積分については上位校での典型レベルまで引き上げておかないと、時間内に複雑な計算を処理し切ることができない可能性があります。以下の計算問題集を使用しましょう:

・『合格る計算ⅠAⅡB/Ⅲ』(文英堂)

かなり高いレベルまで収録していますので、入試直前まで繰り返し取り組んで、計算で躓くことのないようにしましょう。

4.4 応用レベルの演習:数学的な思考力を鍛える
4.2で一通り典型的な解法については押さえましたが、まだ実戦的な準備は整っていません。1冊、しっかりとした問題集を仕上げて準備万端の状態で過去問・本番に挑みましょう。ここで使用するのは、以下の問題集です:

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』(数研出版)

全分野の良問が勢揃いにも関わらず、300問程度と程よい量のしっかりした良書です。本書での練習がそのまま本番の解答力に結びつきます。数Ⅲ微積分の分野は少し厚めに収録されており、やりごたえは相当あります。最低2周はして、1問1問すべての問題について、他人に解説できるくらいの理解度を目指しましょう。

4.5 過去問・模擬試験を用いた演習
さて、ようやく過去問に入ります。金沢医科大学は総合的・融合的な出題が多いため、過去問で十分に演習をして感覚を掴んでおくことが必要不可欠といえます。

ここで注意しなくてはいけないのは、過去問は、ただ「ひたすら解く」という姿勢では、学力を伸ばせる可能性を摘んでしまう恐れがあるということ。解く際には以下の手順に則ってみるのはいかがでしょうか:

まず、制限時間60分で一通り解いてみましょう。時間の使い方も含めて実際の試験時間を味わいます。
一通り取り組んだら、答え合わせをする前に、問題を解きながらどういった点を疑問に感じたかを書き出してみましょう。次回以降気をつけなければいけないこと、直さなくてはいけないことが浮き彫りになってきます。
答え合わせをしたら、正答率を算出するとともに、間違った問題の解答をしっかり理解しましょう。
続いて、今度は合っていた問題について解答をチェックします。合ってたのだから確認しなくていいのでは?と思う方もいるかもしれません。私大医学部の入試における最大の強敵は時間です。もし正解していてもそれが非効率なやり方なのだとしたらそれは回り回って他の問題を解く時間を奪った原因となってしまいます。合っていた問題も「やり方まで効率的であったか」という観点に立って、しっかり見直していきましょう。

赤本収録分に関しては最低2周はして、直近で出題された内容については態勢を整えておきましょう。同レベルの医学部の対策、ないしは融合問題を多く出題する杏林大学医学部の対策も金沢医科大学の対策の糧になると思います。