目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 理論化学
    2. 無機化学
    3. 有機化学
    4. 高分子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り
    2. 知識の補強
    3. 解法パターンの習得と計算力の増強
    4. 定番問題の習得
    5. 過去問演習

1. はじめに

金沢医科大学は、1972年に日本海側では唯一の私立医科大学として開校した。医学部の中で比較的入りやすい部類に入るが、それでも早慶の理工学部に匹敵する偏差値が要求されるため、決して簡単に入れる大学ではない。本学の教育理念はアドミッションポリシーにおいて、下記のように記されている。

「生命への畏敬-Reverentia Vitae」を基本とし、「倫理に徹した人間性豊かな良医の育成」を建学の精神に掲げ、豊かな知識や技術と思いやりの心とを兼ね備えた臨床医を社会へ送り出すことに努めています。

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2. 概要

2.1 試験日
一般入試
1次試験:2017年1月19日(木)
2次試験:2017年1月30日(月)/1月31日(火)※希望日を選択
※2017年度の一般入試は終了しました。

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・グループ面接
・小論文

(試験時間)
1次試験
・数学(60分)
・英語(60分)
・理科(120分)※2科目選択

2次試験
・グループ面接(1グループ約20分)
・小論文(60分)

2.3 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)

2次試験
・小論文(60点)
・面接(重視)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
10-20題の小問からなるマークシート形式である。出題年によってばらつきはあるが、理論化学、有機化学、無機化学分野で30%ずつ、残りが高分子といった比率となっていることが多い。小問は何も関連が無い場合もあれば、3つ連続した場合もある。分野ごとに例年のようによく問われる問題がみられるので、そこは必ず取りたい。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 理論化学
例年3割程度出題されている。知識問題というよりは計算問題が主である。近年では、ルシャトリエの原理、電解精錬、水和物の溶解度、ヘンリーの法則、緩衝液、滴定、気体、過酸化水素の分解、などが出題されている。教科書を大きく逸脱するということはなく、教科書レベルの問題が多い。発展内容も含めて、計算問題をしっかりと復習しておこう。気体反応に関しては反応の前後により何がどう変わるかまで押さえておこう。

3.2 無機化学
化学基礎の知識問題も含めて例年3割程度出題されている。複数の選択肢に対するすべての正誤判定が必要なマーク問題が多いのは金沢医科大学の特徴である。一つでもわからない部分があれば間違えてしまうため、得点を落としやすい部分と言えるかもしれない。金属イオンの定性分析はよく出題されており、他には気体発生、濃硫酸の性質、製法、などがある。他者との差をつけるためにも、無機全般にわたってしっかりとした知識をつけておこう。

3.3 有機化学
例年3割程度出題されている。実験結果からの組成式、分子式の算出はよく出題されている。確実に押さえておきたい。それに絡めて、アルコール、エステル、芳香族の構造推定が近年出題された。いずれも問題集で散見される問題であるため、構造推定に関してはきちんと対策できるはずである。医薬品のような有機に関する知識問題が問われることもあるので、発展内容も含めて教科書全体を復習しておきたい。

3.4 高分子
例年の傾向では1-2割程度出題されている。近年では、ジペプチドの構造推定、糖の性質、アミノ酸の性質、ポリペプチドの組成比、などが出題されている。天然有機、天然高分子がほとんどであり、合成高分子はあまり出題されていないようだ。アミノ酸に関する分子式を求める問題や2つのアミノ酸からなるポリペプチドの問題などは必ず解けるようにしておこう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 教科書内容の振り返り
教科書を用意し、一章ずつ読み込む。入試問題は、原則として教科書から出題されている。金沢医科大学の問題は、難易度も標準的で設問数もそれほど多くない。理論・無機・有機とバランスよく出題されているので、知識の穴がなくなるようにバランスよく学習することが大切である。教科書の内容をしっかりと学習していけば十分に高得点が取れる。
ただし、教科書の表現は初学者には少し難しいこともあるので、Step.1では全てを理解する必要はない。この段階では、各教科書の発展やコラムには触れなくても良い。ざっとどんなことが書かれているか整理していくと良い。読んでもすぐには理解出来ないという人は、下記の紹介されている参考書などを教科書の対応する箇所を合わせて読み込むと良い。また、実験装置や沈殿の色など目で見た方が記憶に残りやすいので、資料集も一冊用意しておくと良い。得た知識をどう使っていくのかについては下記の問題集を利用して、確認していくと良い。

○参考書
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-無機化学+有機化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学2+有機化学2-』(東進ブックス)
『フォトサイエンス化学図録』(数研出版)

○問題集
『セミナー化学』(第一学習社)
『リードα』(数研出版)

■Step.2 知識の補強
Step.1で全体像を掴めたら、知識の補強を進めていこう。金沢医科大学では、正誤問題に選択肢をすべて選べというタイプの問題や選択肢の数自体が多い問題などがあり、他者と差が付きやすいポイントの一つになる。以下に各単元の注意すべきポイントとオススメの参考書について記載する。

◯理論化学
理論分野では、正誤問題や計算問題が良く出題されている。計算問題を攻略する為には、まず定義や化学現象を知識として身に付けることが大事である。自分の言葉で説明するといったアウトプットを欠かさずに行って欲しい。

『化学一問一答』(東進books)
『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

◯無機化学
金属イオンの定性分析は、頻繁に出題されている。無機は、正誤問題が出題されやすいポイントでもあるので、知識は正確に身に付けて欲しい。一回覚えてもしばらく経てば徐々に抜けていく部分でもある。一度覚えても気を抜かずに定期的に知識の整理は行って欲しい。

『福間の無機化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

◯有機化学
標準的な構造決定の問題が出題されることが多い。標準的な難易度の構造決定問題が解けるぐらいの知識を身に付けることが本Stepの目標である。分子式の決定に関する計算を毎年のように出題しているが、計算が煩雑になりやすいのでこちらはしっかりと対策をして欲しい。構造推定に使う知識は標準的なものばかりなので、問題演習を通して知識を整理していけば十分である。

◯高分子
アミノ酸からの出題比率が高い。アミノ酸の性質に加えて、ポリペプチドの組成比などの計算問題が良く出題されている。知識問題はいずれも教科書レベルでなので、十分な対策を行って確実に得点が取れるようにしたい。

『鎌田の有機化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

■Step.3 解法パターンの習得と計算力の増強
Step.3では、入試の定番である計算問題の解法習得を進めていく。金沢医科大で出題される計算問題は、ほぼ全ての問題が一問一答形式である。一行計算問題を中心に対策していくと効果的である。アミノ酸の計算問題が良く出題されているので、十分な対策を行って欲しい。下記の問題集や参考書を使い、標準的な計算問題の解法を身に付けて欲しい。

『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

『基礎問題精講』(旺文社)

『ゼロから始める化学計算問題』(中経出版)・・・ドリル形式になっているので、苦手な人はこちらを使って練習すると良い。
『化学計算問題の徹底整理』(数研出版)・・・入試レベルの計算問題が良いという場合は、こちらの問題集で練習すると良い。

■Step.4 定番問題の習得
ここからは実際の大学入試問題を使って、定番の問題の解法を押さえていく。金沢医科大学では、複雑な文章読解を必要とするタイプの問題は少なく、ほとんどの問題が典型的な問題である。一冊の問題集で良いので一問一問確実に理解を深めていくような学習が効果的である。穴のある分野を作らないように、この分野最近手をつけていないなと感じたらすぐに知識の補強や問題演習を行いましょう。

○問題集

『化学基礎問題精講』(旺文社)

『化学重要問題集』(数研出版)

『化学の良問問題集』(旺文社)

○参考書
『化学の新研究』(三省堂)

■Step.5 過去問演習
Step.1-4をクリアしたら過去問演習に入りましょう。
『金沢医科大学(医学部)』(教学社)

本Stepでは下記のように過去問演習を進め、現時点での自分の学力を自己分析することを忘れないで下さい。時間を計って解き、解き切れなかった問題は時間を計らずに最後まで解く。採点後、解説を読み、解き方を理解する。自分には何が足らなかったのか自己分析を行う。自己分析を元に基礎の補強(Step.4)を行い、次年度に進む。

過去問をある程度進めたら、Step.4の自己分析を元に、同時並行で弱点補強を進めましょう。金沢医科大では合格点が高いため、穴のある分野を作るのはNGです。忘れていた知識を整理したり、計算のスピードや正確性を磨くことが合格への近道です。ちょっとした問題に足元をすくわれないようにしっかりと足場を固めましょう。

過去問をすべて終えたら、似た傾向の私大医学部の問題を使って演習していきましょう。選択肢の多い正誤問題としては、北里大や日大などで出題されています。また、小問集合が多いので東邦大なども演習問題として活用すると良いでしょう。