目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

川崎医科大学は、岡山県の私立医大である。以前は現役至上主義で通っていたが、最近は浪人生に寛容な大学へと変化してきている。2015年一般入学者において現役比率が7.3%しかなく、浪人生にとっても十分勝機があるといえる。入試難易度としては、医学部の中で比較的入りやすく、また問題の難易度もそこまで高くないので、対策が立てやすいと言える。しかし、一般入試の募集人数は約60名(地域枠除く)しかなく、2015年は一般入試の倍率が20倍以上とかなりの高倍率であることに注意しなければならない。

また、2015年の最低得点は350点中245点にも及び、7割は最低でも取らなければならない。かなり高得点率での勝負が予想されるので、ケアレスミスの防止や基礎固めが合否を左右することになるだろう。

合格後は1年間、寮生活が義務付けられており、6年間の学費も4500万円と非常に高い。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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2. 概要

2.1 試験日
一般入試(前期)
1次試験:平成29年1月22日(日)
2次試験:平成29年1月27日(金)、28日(土)のいずれか
※2017年度の一般入試は終了しました。

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語I・II・III、英語表現I・II
数学:数学 I ・数学 II ・数学 III ・数学A・数学B
ただし、「確率分布と統計的な推測」を除く。
物理:物理基礎、物理
化学:化学基礎、化学
生物:生物基礎、生物

(試験時間)
1次試験
・英語(80分)
・数学(80分)
・理科(120分)※2科目選択
・小論文(50分)

2次試験
面接(1次合格者のみ)

2.3 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(150点)
・小論文(50点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
出題形式は毎年固定形式であることが強く、例年大問が2つで、各大問は30問程度の小問で構成されている。複数分野の内容に関して細かい知識が問われるが、教科書の問題を逸脱することはないので安心してほしい。いずれにしても選択肢は非常に紛らわしく、解きにくいものが多い。選択肢も6~10個ほどあるため、判断に困ることがある。

全体的に考察問題と知識問題の両方が問われるが、どちらも標準的な知識を要求されており、どちらにしてもリード文は短く、典型的な問題が多い。総合力、応用力を問うことが多く、考察力や判断力を試しているというよりも、素早い処理能力を試されているような印象を受ける。

出題範囲は教科書の内容全体に渡っており、植物の範囲も例外ではない。中でも分子生物や体内環境、生態系は数年に1度出題されており、2016年度も生態系の分野から出題されている。植物であっても発生や遺伝と絡めての出題であったりと、手ごわい問題が多い。教科書レベルの問題は、コラムなどの細かいところまで出題されているので、基礎事項の徹底した理解が必要である。教科書では図や表、脚注にも注意を払って勉強しておきたい。教科書に加えて図説などをしっかり読んでおくことも有効である。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子
細胞の観察や放射性標識された細胞の融合、顕微鏡の観察など、実験系の問題が多く問われる。細胞分裂の計算問題や酵母の生活史なども出題されているため、直接的に暗記事項ばかりを問われることは少ない単元といえる。

3.2 代謝
人体に関する代謝機構の問題が問われていることが少ない大学はまれである。多く出題されているのはむしろ光合成の方であり、対策はしっかりしておいてほしい。また、酵素からの出題も多く、タンパク質やATP合成の細かい知識をまとめておこう。

3.3 遺伝情報の発現
考察問題として出題されることが多く、この分野は難易度が高い。総合的な出題形式が多く、遺伝や発生の問題と関連させてからの出題が多い。バイオテクノロジーやPCR法、制限酵素を用いた実験などは、一通り問題集を解き切るようにしたい。

3.4 生殖と発生
植物や動物の発生がメインであり、核相の定義や使い方が曖昧だと解けない問題も多いため、深い理解が問われるところである。典型問題が少ないため、しっかりとした定義の理解が重要になってくるところである。

3.5 遺伝
遺伝の出題は毎年あるわけではなく、数年に一度出題される間隔である。免疫や発生などの問題と関連させての出題が多く、純粋で典型的な遺伝問題とは違った癖のある問題が多く、得点しにくい。

3.6 動物の反応と行動
循環系、排出、筋肉生理と神経生理、反射、ホルモン、免疫のうちいずれかは、かなり高い確率で出題されている。上記の生理学系統の問題は難易度が相対的に高いため、部分的に図説の利用などをして学習を進める必要がある。

3.7 植物の環境応答
植物ホルモンや花芽形成の出題が多い。光条件の考察実験や植物ホルモンの作用は試験前にしっかり確認しておく必要がある。発生の単元同様、青色光受容タンパク質やオーキシン輸送タンパクなど新出単語が多く注意すべき単元である。

3.8 生物の多様性と生態系
個体群の分野がよく出題されている。レベルは教科書レベルなので基礎知識をしっかり叩き込んでおけば問題ない。

3.9 生命の起源と進化、生物の系統
動物界からの出題が多い。図説のグラフや細部までしっかり確認を行っていきたい。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認
川崎医科大学の場合、教科書レベルの単語をしっかり消化できていれば問題ないといえる。
時間がある受験生は資料集などを用いて、教科書以外の用語をインプットしておくことが望ましい。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎』(数研出版)
・『大森徹の最強講義』(文英堂)
・『大学入試の得点源(要点)』(文英堂)
・『生物 知識の焦点』(Z会出版)
・『理解しやすい生物、生物基礎』(文英堂)
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
・『生物基礎が面白いほどわかる本』(中経出版)

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも参考書や教科書を使って生物現象や用語の定着に努めるほうが効率的である。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。リードやセミナーを使う際の注意点としては、いきなり発展問題などはやらずに、セミナーのプロセスやリードにあるリードBなど基礎問題の反復練習に努めるほうが効率がよい。

問題集
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『らくらくマスター 生物・生物基礎』(河合出版)
・『生物用語の完全制覇』(河合出版)
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『リード light 生物 生物基礎』

■Step.2 実験、考察問題への取り組み
川崎医科大学の大問2以降は、考察問題が中心となる出題であるため、まずは標準的な問題を攻略することに注力してほしい。対策としては難しい考察問題をたくさん解くのではなく、標準的な問題を数多くこなし、実験概要と結果をしっかり記憶しておくことである。時間の短縮につながるだけでなく、予測しながら解答をしていくことができるようになるため精神的にも安定する。普段から考察問題をこなしていく上で、ノートなどに実験結果をストックしていくとよいだろう。1周目の取り組み方としては、しっかりリード文を読んで自分で考えて答えを導き出しで見ることである。この時点で完璧な答案を作る必要は全くなく、わからなかった問題は解答解説を理解することを心がけよう。

また、重要問題集や標準問題集は考察問題がメインであるが、この問題集は国立大学の問題を多く掲載しているが、難易度としては川崎医科大学にはオーバーワークであろう。リードやセミナーなどの教科書傍用が入手できない場合は、良問問題集で代替して学習しよう。いずれも、標準以上の考察問題は掲載されていないが、理解度を深めるために2~3周を目処に学習を進めていこう。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集』(旺文社)
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『生物重要問題集』(数研出版)
・『生物標準問題精講』(旺文社)

■Step.3 計算問題への取り組み
計算問題は、個別に対策しておく必要がある。セミナーやリードαなどの網羅系問題集にも計算問題は含まれているが、計算問題に対する網羅性はあまりよくない。

『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
『大森徹の生物 遺伝問題の解法』(旺文社)

川崎医科大学は毎年、計算問題が数問出題されるが、さほど難易度の高いものはないので時間のない受験生は教科書傍用参考書の計算問題を3~4周やっておくのがよい

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習
Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問は、できれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、step1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出しているのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解くときには時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。過去問はできるだけ7割を目指し、普段から少ない時間の中で演習をして負荷をかけていくのがよい。

普段から学習したことをもとに、身近な事例と関連づけて生物現象を考える習慣を付けるようにしよう。このようなことの積み重ねが深い理解力、洞察力を養ってくれるだろう。