目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 日程など
    2. 試験科目・試験時間・配点・出題範囲
    3. 選抜方法
    4. 平成28年度入試結果
    5. 出題の傾向(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 力学
    2. 電磁気学
    3. 熱力学
    4. 波動
    5. 原子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の確認
    2. 基礎問題で解法をインプット
    3. 標準問題でアウトプットの練習
    4. 過去問を用いた演習

1. はじめに

川崎医科大学は、岡山県倉敷市にある私立医大です。本学の建学の精神は「人間(ひと)をつくる」「体をつくる」「医学をきわめる」の3点で、その理念のもとに行われる近代的かつ実践的な特色ある教育は、医学教育界の中でも高い評価を受けています。
医学部の中では比較的入りやすく、問題の難易度もそこまで高くはないため、対策は立てやすいでしょう。しかし一方で、一般入試の募集人数は約60名(地域枠除く)ほどで、2015年は一般入試の倍率が20倍以上と、かなりの高倍率でした。
また、かなり高得点率での勝負が予想されるので、問題の難易度が高くないからといって油断せず、基礎固めやケアレスミスの防止にしっかりと取り組みましょう。

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2. 概要

2.1. 日程など

一般入試(地域枠を除く)
・募集人員 60名
・出願期間 平成28年12月5日(月)~平成29年1月13日(金)
・試験日
第一次試験:平成29年1月22日(日)
第二次試験:平成29年1月27日(金)、28日(土)のいずれか大学が指定する日(第一次試験合格者のみ)
・合格発表
第一次試験:平成29年1月24日(火)17:00
第二次試験:平成29年2月1日(水)9:00
・入学手続き期間 平成29年2月2日(木)~平成29年2月7日(火)
※平成29年度の一般入試は終了しました。

2.2. 試験科目・試験時間・配点・出題範囲

第一次試験:平成29年1月22日(日)
1限:英語 9:00~10:20(80分)100点
2限:数学 11:20~12:50(80分)100点
3限:理科 14:10~16:40(120分)150点
4限:小論文 16:10~17:00(50分)
英語:コミュニケーション英語Ⅰ~Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ
数学:数学Ⅰ~Ⅲ、数学A、数学B(「確率分布と統計的な推測」を除く)
理科:物理(物理基礎、物理)、化学(化学基礎、化学)、生物(生物基礎、生物)の3科目から任意の2科目を選んで解答する。

第二次試験:平成1月27日(金)・1月28日(土)いずれか1日
試験科目:面接

2.3.選抜方法
第一次試験合格者は学力検査の成績によって決定する。
第二次試験合格者は学力検査、小論文、面接の成績及び調査書を総合的に判定して合格者を決定する。

2.4.平成28年度入試結果

一般入試

志願者数15641020544
受験者数1500975525
一次合格者数397259138
一次合格最低点 / 満点241.3 / 350
入学者数714130

(参考)
川崎医科大学|入試データ

2.5.出題の傾向(概要)
出題形式は、選択肢から選ぶマーク方式です。2014年度までは物理、化学、生物各2題、計6題のなかから4題を120分で解く形式でしたが、2015年度以降は、物理、化学、生物の3科目から2科目を選んで120分解く形式に変わっています。

試験の構成は大問2題ですが、各大問は複数分野の小問に分かれており、各小問における問題数も一定ではありません。出題される分野は、力学、電磁気、波動からが多くなっています。また、新課程になった2015年度以降、原子分野からも毎年出題されています。

問題の難易度としては標準的なものが多いのですが、状況設定があまり見慣れないものがあったり、複雑な文字式を計算しなければいけなかったり、細かな知識や物理現象の定性的な理解が問われたりもします。また、水平投射からのはね返りに関してn回はね返る設定や、力のモーメントに関して物体をn個に分割した設定など、一般項や数列の和を考えなければならない問題が頻出ですので、しっかりと対策しておく必要があります。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 力学
近年出題されたテーマは、「円筒面内を運動する物体」、「斜方投射」、「水平投射からの跳ね返り」、「単振動」、「はね返り」、「万有引力」、「力のモーメント」などです。「2.5.出題の傾向(概要)」でも述べましたが、n回地面ではね返る設定や、物体をn個に分割する設定など、数列の知識が必要な問題も出題されています。多少見慣れない設定はあるものの、全体としての難易度は標準的なものです。

3.2 電磁気学
近年出題されたテーマは、「磁場中を運動する荷電粒子の運動」、「RLC直列交流回路」、「金属の電気伝導モデル」、「半導体」、「抵抗のみからなる直流回路」、「直線電流が作る磁場」などでオーソドックスな設定の問題が多く出題されています。その一方で、抵抗やコンデンサーをn個つないだ数列の知識が必要な問題も出題されています。また、「半導体」に関する問題は単純な知識問題でした。

3.3 熱力学
出題される割合としては多くありません。出題された場合には物理基礎の「熱と温度」の分野から多く出題されています。オーソドックスな熱量保存の式に関する問題の他に、熱の伝わり方や語句に関する知識問題も出題されています。

3.4 波動
近年出題されたテーマは、「薄膜による光の干渉」、「平面波の反射、屈折」、「音」、「地表からの高度と音速の関係」、「ドップラー効果」、「波の重ね合せ」、「光の性質」、「気柱の共鳴」などです。ここでもオーソドックスな設定の問題が多い一方で、数列の知識が必要な問題も出題されています。また、音の三要素や光の性質に関する知識問題も多く出題されています。

3.5 原子
旧課程の2012年度、新課程になってから2015年度、2016年度に出題されています。現象や法則と関係の深い人物を答えるといった知識問題が多いのですが、2016年度は素粒子に関する知識問題が出題され、多くの受験生が戸惑ったと思います。

4. 勉強法

4.1.教科書内容の確認

教科書で扱われている現象の理解し、語句の定義を正確に覚え、公式の導出が確実にできるようになることが第一段階です。グラフや図などがある事項については、現象とグラフ、グラフと式の関係も自分のものにしましょう。特に太字で書いてある語句は、定義だけでなく現象や法則との関連をしっかりと理解しておいて下さい。また、公式の導出は自分でできるようになって下さい。その過程で物理現象をより深く理解でき、問題を解くうえで必ず大きな力になります。そして、自分で導出ができるようになったら答案を書くつもりで書いてみて、添削してもらうと良いでしょう。教科書以外にも例えば、

『橋元の物理をはじめからていねいに(力学編)』(東進ブックス)

『橋元の物理をはじめからていねいに 熱・波動・電磁気編』(東進ブックス)

などの参考書が、現象や公式の成り立ちについての理解を助けてくれるでしょう。
川﨑医科大学では知識問題が多く出題されています。教科書の隅々までしっかりと読み、図録を持っている場合は図録もしっかりと読んでおきましょう。

4.2.基礎問題で解法をインプット

教科書で学習した内容を実際の問題に使う練習です。まずは基礎的な典型問題をできるだけ短時間で解けるようになるのが目標です。この段階の問題演習には、

『物理のエッセンス 力学・波動』(河合塾)

『物理のエッセンス 熱・電磁気・原子』(河合塾) 

『入門問題精講』(旺文社)

などを用いるのが良いでしょう。この段階では自分で問題を解く必要はありません(もちろん、解けるようであれば解いても構いません)。まずは「どのような状況設定の時にどのような解法を使うのかをインプットする」というところに重点を置きましょう。

『為近の物理1・2解法の発想とルール 力学・電磁気』(Gakken) 

『為近の物理1・2解法の発想とルール 波動・熱・原子』(Gakken)

などもどのように問題を解くのかを丁寧に解説しているので参考になると思います。解答・解説をしっかり読んで、別解などもしっかりインプットしましょう。問題を見た瞬間に正しい解法が思い浮かぶようになればこの段階は終了です。

4.3.標準問題でアウトプットの練習
次の段階は、大学受験における定番の問題で実際に問題が解けるかを演習していきます。この段階の問題演習には、

『良問の風』(河合塾)

『基礎問題精講』(旺文社) 

などを用いると良いでしょう。
基礎段階でインプットした解法を、入試標準レベルで正しく使うことができるようになることが目標です。この段階では必ず自分の手で解いてみて下さい。その時には基礎段階で身に付けた解法をどのように活用するのかを意識しながら解きましょう。問題を見た瞬間にどのような解法を使うのか最低1つは思い浮かべられない場合は前段階に戻った方が良いかもしれません。自分が思い浮かべた解法で解けない場合もあるでしょう。その時には解答を見て自分の考えに何が足りなかったのかをしっかりと分析してください。学校の先生など身近にアドバイスをくれる人がいるのであれば、ぜひ聞きに行きましょう。
 
以上の問題集が一通り終わったら、どのような問題が出題されても慌てず最短時間で解答できるようにするために以下の問題集に取り組んでみましょう。

『名問の森 力学・熱・波動1』(河合塾)

『名問の森 波動2・電磁気・原子』(河合塾)

『標準問題精講』(旺文社)

『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)

『体系物理』(教学社)

時間がない人は川崎医科大学で頻出の数列の知識が必要な問題だけでも解いておきましょう。力学における「物体の衝突とはね返り」と、電磁気における抵抗やコンデンサーをn個接続する問題はやっておくと良いでしょう。

4.4.過去問を用いた演習

最終段階は、実際に過去問を解いてみることです。赤本などを利用して時間を測りながら実際の入試のつもりで解いてみましょう。この段階のポイントは「時間を意識すること」と「問題を解く順番を意識すること」です。前段階までがきちんとできていれば、問題の解法自体はある程度分かるはずです。あとは入試を突破するための実戦力を身に付けます。
実際の入試には制限時間があるので、まずは制限時間内に解くスピードを身に付ける必要があります。次に、問題を解く順番も意識しましょう。実際の入試では「解ける問題から先に解く」というのが鉄則です。時間をかけて難しい問題を1問解くよりもまずは簡単な問題を短時間で5問解きましょう。実際に入試問題を解いた後に、問題の解く順番も最適だったかどうか確認してみましょう。その後、自分が解けなかった問題の吟味をしっかりとして下さい。特に難易度が高くて解けなかった問題は、自分の知っている解法にどのように結び付けるのかを意識しながら解答を自分のものにしてください。

時間がある人は、実戦力と応用力を身に付けるために他大学の入試問題にも挑戦してみましょう。応用力をさらに磨くために順天堂大学医学部や東京慈恵会医科大学、慶応大学医学部などにチャレンジしてみて下さい。川崎医科大学で出題される難問にも十分対応できる応用力が身につくことでしょう。

この記事があなたの川﨑医科大学合格の手助けになれば幸いです。成功を祈っています。

(参考)
川崎医科大学|建学の精神