目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 単語と文法の基礎を固める
    2. 長文問題に取り組む
    3. 英文和訳に取り組む
    4. 英作文に取り組む
    5. リスニングに取り組む
    6. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

慶應義塾大学の文学部は、経済学部、法学部と並んで最も歴史のある学部です。1年生は日吉キャンパスで一般教養科目を中心に学び、2年生からは三田キャンパスに移動します。三田キャンパスでは17もの選択肢の中から自分の専攻科目を選ぶことができ、まさに学問の自由を享受することができるカリキュラムとなっています。卒業生は、非常に幅広い分野に進んでいます。
(参考)
慶應義塾大学文学部|文学部について|進路

文学部の倍率はおおむね3~4倍と、そこまで高くなく、また、受験科目も英語・地理歴史(世界史or日本史)・小論文の3科目なので一般の私大よりは対策が立てやすいと言えますが、いずれの科目も難易度が高く、文系難関大学であることに変わりはありません。さらに、英語は記述式の問題が中心となるので、他の私立大学のついでに受験するという心構えでは到底合格することはできないでしょう。合格を勝ち取るためにはしっかりとした勉強法と計画を確立し、それを継続しなければなりません。次章からは、入試問題の傾向や特徴、入試対策などについて解説していきます。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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2. 概要

2.1 試験日

2.1. 試験日
平成30(2018)年2月15日(木)
1時限:外国語 10:00-12:00
2時限:地理歴史 13:15-14:15
3時限:小論文 15:10-16:40

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式

(試験範囲)
・外国語
英語(コミュニケーション英語基礎・コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II)、ドイツ語、フランス語、中国語のうち1科目選択

(試験時間)
120分

(解答形式)
全問記述式

2.3 配点

外国語:150/350点
地歴:100/350点(日本史、世界史から1科目選択)
小論文:100/350点

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

慶應義塾大学文学部の英語は、辞書の使用が許可されている(ただし、電子辞書は不可)のが非常に特徴的です。2000語近くの「超長文」が出題され、単語も難しく、文章の抽象度も高い傾向にあります。そのため、長文を読むのにどうしても時間がかかりがちで、実際には辞書を引いている時間的余裕はあまりなく、解答に直結する単語を少し引く程度ではないかと思われます。また、辞書を持ち込むことが許可されており、120分間という長い試験時間が与えられているということは、英文和訳などでも直訳ではなく、自然な和訳を書くことが求められていると考えるべきでしょう。英文の抽象度の高さは国内の試験の中でも有数で、単語の意味が分かっても意味が理解できないことが多いため、辞書を持ち込むことができるから簡単に解くことができるというわけではありません。ちなみに、普段電子辞書を使っている人は、本番に備えて紙の辞書を使うように心がけましょう。

入試問題は、2006年と2011~2013年は複数の大問構成となっていたものの、それ以外の年は長文が1題という構成です。私立大学の中では珍しく、英文和訳や内容説明といった記述中心の問題構成となっています。そのため、英語力だけでなく、国語力も鍛えておかなければなりません。本学部の試験では国語が出題されないものの、このように各科目で間接的に国語力が要求されるのです。また、和文英訳問題も出題されますが、そこまで難易度が高いものではなく、一般的な国公立大学に出題されるレベルです。とは言え、和文英訳の対策を全くしていないようでは難しいので、対策をしておく必要はあります。

近年では文学的な文章だけでなく、英字新聞からの抜粋なども出題されることがあるため、幅広いジャンルの英文を読んでおきましょう。合格するためには、非常に高度な読解力と記述力が必要とされるため、一般的なマークシート形式の長文問題集を解くだけでは対応が難しいと言え、私立大学とは言え、実際には国公立受験をする際の記述対策が不可欠です。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 英文和訳

英文和訳問題は、難関国公立大学に匹敵するレベルの問題が出題されます。下線部には省略、倒置といった構文が使われていることが多く、元々抽象的で意味が分かりにくい文章の一部に下線が引かれているため、それまでの内容を理解することができなければ、解答するのが難しいでしょう。英文の構造自体は本学部を受験する人にとってはそれほど難しくないかもしれませんが、自然な和訳にするための国語力、抽象的な文の意味をつかむ力を身につけなければなりません。そのためにも、普段の学習では大体意味が合っていれば良いということではなく、模範解答と自分が作った解答でどこが違うのかをよく確認してください。

3.2 内容説明問題

例年、内容説明問題が数問出題され、そのうちの一つは100字を超える記述問題となります。この問題は配点も当然高いと思われ、ここでいかに高得点を取ることができるかが合否の鍵を握ると言っても過言ではありません。
長文が非常に長いため、まずは解答に該当する箇所を特定することができるようにならなければなりません。また、解答の根拠が分散している場合も少なくないことから、それらを見つけ、うまくまとめる力をつけることが求められます。

3.3 和文英訳問題

和文英訳問題は一般的な国公立大学に似た形式ですが、本学部の場合、辞書の持ち込みが許可されているため、単に辞書を引きながら直訳を作れば良いというものではありません。長文全体の意味をつかんだ上で、筆者の主張や本文の要旨をつかみ、その上で和訳をしなければなりません。したがって、英文の構造理解、長文の読解力、英文和訳の解答力の3つを身につけなければなりません。また、和文英訳問題は、本文中にヒントとなる単語が含まれていることがあります。本文を読みながら、そのような単語をチェックすることも忘れないようにしましょう。

3.4 その他選択式問題

長文の中で、選択式問題も出題されます。内容一致問題、空所補充問題などが中心となります。ただし、問題数は非常に少なく、各1問あるかどうかといったところです。また、難易度も本学部を受験する人にとっては難しくないので、取りこぼしのないようにしましょう。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 単語と文法の基礎を固める

本学部の試験は辞書が使えるので、語彙はそれほどやらなくても大丈夫だと思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。一文を読むたびにいちいち辞書を引いているようでは、内容が頭に入って来ないため読むのが遅くなり、時間不足になってしまうでしょう。記述問題が多いため、ただ120分以内に読み終われば良いというものでもありません。そのため、語彙力は身につけておかなければなりません。まずは、下記のレベルに相応する一般的な入試レベルの単語帳を完成させておきましょう。

『システム英単語』
『システム英単語』

・『ターゲット1900』
『ターゲット1900』

さらに余裕があれば、下記の上級レベルの単語帳にも手を伸ばしてみましょう。

・『キクタン リーディングAdvanced6000』
『キクタン リーディングAdvanced6000』

・『単語王2202』
『単語王2202』

・『速読英単語2 上級編』
『速読英単語2 上級編』

本学部の入試は、2000語もの英文を読まなければならないため、単語学習に関しても『速読英単語』シリーズのような長文読解を意識した単語帳に取り組むことをおすすめします。

また、英文和訳などで英熟語の知識も必要とされるので、熟語帳にも取り組んでいただきたいと思います。代表的なものは、以下の通りです。

・『速読英熟語』
『速読英熟語』

・『解体英熟語 改訂第2版』(Z会出版)

次に文法対策を行いましょう。入試問題では、文法の単独問題は出題されませんが、基本的な文法知識が無ければ当然英文和訳、和文英訳はもとより、正確に英文を読むこともままなりません。そこで、下記のような一般的な文法問題集は解けるだけの文法力を身につけておきましょう。

・『アップグレード 英文法・語法問題』
『アップグレード 英文法・語法問題』

・『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』
『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』

英文法問題集を解いていて、解説を読んでも理解が不十分だと感じたら、参考書を読んでみることをおすすめします。代表的なものを挙げますが、学校で使用しているものがあればそれでも十分です。

・『全解説頻出英文法・語法問題1000 』(桐原書店)
・『大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ)』(桐原書店)

さらに、単元別の問題集に慣れてしまったら、ランダム形式の問題集に取り組んでみましょう。本番の試験では文法単元別に分かれていないので、ランダム形式の問題でも高い得点率を出せるように対策しておいてください。

・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (標準編)』
・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (難関大学編)』

英文法問題集を解いていて、解説を読んでも理解が不十分だと感じたら、参考書を読んでみることをおすすめします。代表的なものを挙げますが、学校で使用しているものがあればそれでも十分です。

・『総合英語Forest』
『総合英語Forest』

さらに、英語構文の知識も英文和訳問題などで問われるので、取り組んでおきましょう。代表的なものは以下の通りです。

・『英語の構文150』
『英語の構文150』

・『解体英語構文 改訂版』(Z会)

4.2 長文問題に取り組む

次に長文問題に取り組んでみましょう。一橋大学の入試問題の中では最も配点が高い問題なので、しっかりと時間をかけて取り組んでください。入試問題は難問が多いですが、まずは焦らずに自分のレベルにあったものから始めましょう。レベル別に分かれているものが、自分のレベルに合わせやすいと思います。

・『やっておきたい英語長文』
『やっておきたい英語長文』

・『レベル別長文問題集』
『レベル別長文問題集』

下記の問題集はリスニングCDがついており、長文問題集でありながら、センター試験のリスニング対策としても有効です。シャドーイングやディクテーションなど、リスニングのトレーニングも行いましょう。

・『大学入試英語長文ハイパートレーニング (レベル3)』(桐原書店)
・『大学入試 全レベル問題集 英語長文 6国公立大レベル』(旺文社)

最後の仕上げに難関レベルの長文問題集にも挑戦してみましょう。本学部の入試問題は、記述中心なので、どちらかと言うと国公立対策の問題集の方が適しています。特に内容説明問題の配点が高いので、そちらの対策を念入りに行いましょう。

・『TopGrade 難関大突破 英語長文問題精選』(学習研究社)
・『難関大のための 上級問題 特訓リーディング』(旺文社)

4.3 英文和訳に取り組む

長文問題の中には英文和訳問題も出題されるので、英文和訳の対策も行っておきたいところです。もっとも、この問題は毎年難問が出題されるわけではないので、一部の難関国公立大学のような文構造が複雑な英文和訳対策をする必要はありません。それよりも、自然な和訳を作るのが難しい問題が出題されるため、模範解答に近づけるように学習する必要があります。

・『入門英文解釈の技術70』
『入門英文解釈の技術70』

・『基礎英文解釈の技術100』

英文読解の基本を中学レベルから確認してくれる本では、以下がおすすめです。

・『英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版』

次に、入試レベルの問題集に入りましょう。

・『ポレポレ英文読解プロセス50』
『ポレポレ英文読解プロセス50』

・『英文解釈の技術100』
『英文解釈の技術100』

最後の仕上げに、下記の難関入試レベルに取り組んでおけば万全です。ただし、これらは文構造が非常に複雑な問題が含まれているため、全てを綿密にやる必要はありません。むしろ、長文問題でしっかりと読めていない部分を完璧にすることを目指した方が得点につながると思います。

・『英文読解の透視図』(研究社)

・『英文解釈教室〈新装版〉』(研究社)

4.4 英作文に取り組む(自由英作文)

本学部では、和文英訳問題が出題されますが、難易度はそこまで高いものではありません。一部の難関大学で出題されるような、まず与えられた日本語を英訳しやすい日本語に意訳する、いわゆる「和文和訳」をする必要もありません。それだけに、和文英訳対策を少ししておくだけで得点源にすることができるでしょう。まずは、下記のような基本例文の暗唱から始めてみましょう。

・『ドラゴン・イングリッシュ基本例文100』
『ドラゴン・イングリッシュ基本例文100』

・『減点されない英作文』
『減点されない英作文』

その他、文法に力を入れた英作文対策の参考書は、以下のようなものもあります。
また、文法が正しく使いこなせていないと感じたら、次の問題集がおすすめです。
・『例解 和文英訳教本 (文法矯正編) 』(プレイス)
・『例解 和文英訳教本 (長文編)』(プレイス)
・『英文表現力を豊かにする例解和文英訳教本 公式運用編』(プレイス)

本学部の和文英訳の難易度と配点を考えると、上記の対策をしっかりとこなすだけでも十分対応可能です。最低でも3周は解き、表現を定着させましょう。

4.5 過去問・模擬試験を用いた演習

最後に過去問に取り組んで実戦力をつけましょう。最初は時間を計る必要はありませんが、直前期には時間を計り、本番と同じ状況で解いてみることを忘れてはなりません。本学部の過去問はもちろんのこと、他学部の過去問も解いておきましょう。確かに問題の形式は異なりますが、長文の難易度は近いものがありますし、近年では文学部も英字新聞からの抜粋が出題されるなど必ずしも文学系の長文が出るとは限らないからです。

また、他大学の過去問、特に記述が多い国公立大学の問題を解いてみましょう。問題を解くことも重要ですが、復習が何よりも重要です。特に本学部の問題の場合、自然な和訳、説明文が書けるように対策することが求められます。そのためには、何気なく読み飛ばしてしまいがちな長文であったり、解答の和訳などを注意深く読み、吸収するようにしてください。

さらに、慶應義塾大学の過去問を集めた問題もありますので、是非一度解いてみてください。

・『慶應の英語[第6版]』(教学社)

(参考)
慶應義塾大学文学部|文学部について|進路
インターネット出願ガイダンス|2018年度 一般入学試験要項|一般入学試験 入学試験要項(抜粋版)
慶應義塾大学文学部|文学部について|進路