目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
  3. 出題の特徴(概要)
    1. 出題の特徴
  4. 勉強法
    1. 単語・文法の定着
    2. 標準レベルの単語、文法、長文問題に取り組む
    3. 英文解釈に取り組む
    4. 英作文に取り組む
    5. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

九州地方の私立大学である久留米大学は、医学部の難易度は他の大学の医学部と比較して格別高いわけではありませんが、試験問題は難しい問題も出題されるうえに合格に必要とされる得点率も低くないので、入念な準備が必要になります。

医学部医学科のアドミッションポリシーには、入学者受入方針が3点記載されており、受験で成功するために必須ともいえる項目がきれいにまとまっていると思います。医学部受験を志すに当たって、是非下記の3点に当てはまっているかどうか、今現在の受験勉強に向けた姿勢を確認してみてください。

久留米大学医学部アドミッションポリシーより引用:

医学部の学士課程の教育を受けるに足る基礎学力を有していること。
自律的学習能力と旺盛な知的好奇心を有すること。
心身ともに健康で協調性に富み、高い倫理観と豊かな人間性を有すること。

合格の難易度に関してですが、倍率は10倍程度で、私立医学部の中では標準レベルとなります。合格最低得点率は、年によっては7割を超えることもあり、ケアレスミスを防ぎ、失点を抑えることが重要です。

2. 概要

2.1. 試験日
一般入試
1次試験:平成29年2月1日(水)
2次試験:平成29年2月13日(月)

2.2. 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数列・ベクトル)
理科:下記(1)(2)(3)から2科目選択
(1)物理基礎・物理(”原子”の章・編を除く)
(2)化学基礎・化学
(3)生物基礎・生物

(試験時間)
1次試験
・英語(90分)
・数学(90分)
・理科(120分)※2科目選択

2次試験
・小論文(60分)
・面接

2.3. 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)

2次試験
・小論文(50点)

2.4.出題の特徴(概要)
傾向は比較的安定しており、対策を立てやすいといえます。ちなみに、ここ数年では平成26年に大問4の空所補充問題が、会話文問題に変化しました。

試験の難易度は標準レベルですが、難問が若干含まれており、難問の傾向としては語彙力が高いという特徴があります。そのような問題は、時間をかけても解ける可能性が低いので、あまり時間を割かれないようにすることが大切です。英語を得点源にしたい人は、語彙力の強化(英検準1級水準)が望ましいでしょう。

試験時間に対する問題量は他の医学部と比べると少なく、解答する時間は十分にあることから精読重視の方針で臨むと良いといえます。

文法・語彙の選択問題のほか、誤文訂正問題が毎年出題され、文法の独立問題が多いという特徴があり、語彙は高いレベルまで出題されます。また、発音問題も毎年出題されるので対策を立てておきましょう。さらに、英文和訳と和文英訳問題も出題されるので記述力をつける必要もあります。26年度に新たに導入された会話問題の難易度は低めで、センターレベルの問題が解ければ問題ありません。

3. 出題の特徴(詳細)

3.1 英文読解
・空所補充、内容一致(大問1)
大問1は長文を読み、空所補充と内容一致問題に答える形式で、ここ数年で傾向の変化がありません。内容、語彙ともにセンター試験よりやや難しめで、空所補充問題の選択肢は意味や綴りがよく似た単語が出るので戸惑いがちです。

内容一致問題は、紛らわしい選択肢が多く、細部までよく読まないと誤った選択肢を選んでしまいます。精読をしっかりと行い、対策を立てておきましょう。

・整序問題(大問2)
通常の整序問題とは異なり、長文を読みながら空所を並び替える形式になっており、日本語訳はついていません。そのため、文脈を手がかりに意味を推測して並び替えなければならず、普通の整序問題よりも難しく感じるかもしれないでしょう。

しかしながら、問われているのは文法力、語彙力だということを忘れないようにしてください。基本を固めて意味の固まりを作れば解きやすくなります。

・英文和訳、和文英訳(大問3)
長文の途中にある下線部を英訳、和訳する形式の記述問題です。和文英訳は英語にしにくい単語があり、難しそうですが、長文の中にある単語をそのまま使うことができるものがあるので、あきらめずに長文の中に使える単語が無いかどうかを確認しましょう。

英文和訳は文構造は複雑ではないものの、レベルの高い単語が入っています。英文解釈も重要ですが、単語力が低い状態では太刀打ちできない可能性があります。

3.2 英文法
・会話文問題(大問4)
平成26年から新しく導入された形式です。一文を読み、適切な応答を答えるため、読解というよりも文法問題に近いといえるでしょう。当然ですが、会話表現が頻繁に出てくるので、頻出の会話表現は覚えておく必要があります。難易度はセンターレベルで、満点を狙うことも十分にできます。

・誤文訂正問題(大問5)
典型的な誤文訂正問題です。この単元は苦手ない人が多いので、他大学の過去問などを通じて対策を立てておきましょう。レベルは標準的で、MARCHの過去問で似たレベルの問題を数多く解くことができるはずです。

・空所補充問題(大問6)
一見すると普通の空所補充問題ですが、語彙力やあまり見かけない決まり表現が数問出題されます。また、綴りや意味が似た単語があり、大問1と同様に正確な語彙力が鍵を握ります。英検準1級レベルの語彙も出るので、英語を得点源としたい人はそのレベルまで高める必要がありるでしょう。

・発音問題(大問7)
出題される語はセンター試験などではあまり見かけない語なので、レベルは高めです。特に和製英語は要注意で、過去にも複数出題されています。ローマ字発音で単語を覚えるのではなく、単語帳に記載されている発音記号を確認したり、付属のCDを聞いて正しい発音で単語を覚えましょう。

4. 勉強法

■Step.1:基本単語・文法の定着
久留米大学医学部の問題には、毎年文法と語彙の4択問題が10題、誤文訂正問題と整序問題が5台ずつ出題されます。そのため、文法と単語力の強化は必要不可欠と言えるでしょう。難易度に関しては、4択問題は基本レベルと応用レベルが半々くらいで、誤文訂正問題と整序問題は多くが基本知識で解けます。4択問題の中でも語彙問題は、英検準1級レベル以上のものが出題されることもあり、英語で得点を稼ぐためには、そこまで語彙を高めておくと差がつくでしょう。ただし、そこまでの単語力をつけるにはかなりの時間がかかるので、他の教科の兼ね合いでやるかやらないか決めてください。合否は総合力で決まるので、単語にかける分を数学や理科に回した方が得策ということもあると思います。

難易度が高い問題が出るといっても、いきなり難しい単語帳に手を出すのは禁物です。長文問題で高得点を上げるためには、基本単語がどのくらい身についているかが鍵となります。特に久留米の問題は内容一致問題でかなりきわどい選択肢を出すのが特徴なので、ちょっとした読み違いが失点を招いてしまいます。
・『キクタンBasic4000
・『システム英単語 Basic 改訂新版

文法に関しては、まずは薄めの問題集を一冊仕上げて弱点を補強していくのが最も効率の良い方法でしょう。最初から分厚い問題集を手掛けると、一周するのに時間がかかってしまうので、挫折する可能性が上がるということを覚えておいてください。文法力に自信の無い人は特に、無理して分厚い問題集に手を出す必要はありません。
・『英文法・語法 SPEED攻略10日間

問題集だけでもある程度力はつきますが、どうしても知識に漏れが出てきてしまったり、本当は理解できていないのに答えだけ覚えてしまうということもあるかもしれません。そのようなときには、一度文法参考書を読んでみることをおすすめします。文法問題集を解いた単元を読んでみると知識が整理されたり、間違った解き方をしていることに気づくことができます。

文法参考書はできるだけ読みやすいものを選んだ方が良いと思います。また、あまりに分厚すぎるものは読むのに時間がかかってしまうので、英語力に自信のある人以外は避けるべきでしょう。
・『総合英語Forest
・『チャート式 基礎からの新総合英語

■Step.2:標準レベルの単語、文法、長文問題に取り組む
入試で必要とされる力はStep1で紹介したものだけでは不十分なので、ある程度基礎力が固まってきたらレベルを上げてみましょう。
・『英単語ターゲット1900
・『システム英単語

次に文法は、下記に挙げるようなセンターレベルの問題集に取り組んでください。これらが一通りみにつけば、第一段階はクリアしたと言っても良いでしょう。また、これらの問題集には会話文問題も掲載されているので、合わせて解いてみてください。会話文問題は、平成26年から導入され、今後も継続して出題される可能性がありますので、対策をしておくことが望ましいと言えます。レベルはセンター試験が解ける程度で十分です。
・『改訂版 アップグレード 英文法・語法問題
・『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition

続いて、長文問題集に挑戦してみましょう。長文は問題の正解不正解よりも解説を読み、なぜ間違えたのかを明確化して、次に間違えないようにすることが大切です。また、意味がわからなかった英文は和訳と照らし合わせて確認し、それでも理解できない場合は質問するなどしてわからないままにしないことが重要といえます。

読めない文が多すぎる場合は、文法か単語に問題がある場合がほとんどだと思われるので、適宜Step1で紹介した教材に立ち返ってください。以下に紹介する問題集はレベル別になっているので、自分のレベルに合ったものを選びましょう。
・『英語長文レベル別問題集 (3) 標準編
・『やっておきたい 英語長文500

■Step.3:英文解釈に取り組む
久留米大学では英文和訳問題が出題されるので、そちらの対策も行いましょう。正しい英文和訳をするためには、きちんとした文法力と構文の知識を持つことが不可欠です。そこで、まずは構文集を使って知識を確認しましょう。先ほど挙げた文法問題集と重なるので、復習にもなります。
・『英語の構文150 – upgraded 99 lessons

次に、実際に英文和訳に取り組んでみましょう。英文和訳を完成させるには2段階あります。まずは、英文を読んだときに理解できるかどうか、次に適切な和訳を作れるかどうかです。

英文の理解力を上げるためには、単語力と文法力、さらには構文の把握力が必要になります。下記に挙げる英文解釈の問題集に取り組みましょう。それとは別に、英文の意味はわかっても自然な日本語を作ることができない人は、適切な和訳を作る力が必要です。これは英語力とは異なり答案作成力なので、問題集(先ほどの長文問題集も活用可能)の英文と和訳を繰り返し音読して英文の適切な訳が自然と出てくるように鍛えましょう。
・『大学受験のための英文熟考 上・下

■Step.4:英作文に取り組む
久留米大学医学部では、毎年一題、和文英訳問題が出題されます。難易度はそこまで高いわけではありませんが、日本語の単語の中には英語に変換するのが難しいものもあります。しかし、英文和訳問題と同じように、文章の中にそのまま使えるものがある場合が多いので、それを短時間で見つけることが重要です。

一部の国公立大学で問われるように、英訳しやすい日本語に和文和訳をしなければならないということはありませんが、複数の解答が可能な問題が多く見受けられます。当然のことながら、できるだけ簡単に書くことが望ましいので、日ごろから構文や単語を覚え、和文英訳の練習を積むと共に、時には主語を変えて複数の解答を書く練習をしてみましょう。そうは言っても、一題しか出ないうえに、そこまで難しいわけでもないので、あまり深入りして時間を割く必要はありません。模試などを受けてもいつも点数がつかないという人は、下記に挙げるもののうち、『大矢英作文講義の実況中継』を通読し、それから英作文問題に取りかかってください。
・『大矢英作文講義の実況中継
・『減点されない英作文

■Step.5:過去問・模擬問題集を用いた演習に取り組む
入試問題で網羅されている内容が一通り終わったら、過去問を解いてみましょう。細かく言うと、上記で紹介した学習以外にも整序問題と誤文訂正問題が出題されますが、難易度が低いため、過去問を解いてみたらできていたということであれば、あえて対策は必要ないかと思います。

誤文訂正問題は苦手な人が多いので、心配であれば誤文訂正問題のみが取り上げられた問題集やMARCHあたりの過去問を解いてみることをおすすめします。

過去問は10年分を3回は繰り返し解き、時間配分や傾向を体に染み込ませてください。さらに、他の私立医学部の過去問を解いてみるのも良いでしょう。久留米大学医学部は医療系の英文が出るので、下記に挙げるような参考書を通じて、医療系の長文読解に慣れるのも良い対策になります。
・『私大医学部への英語