目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験科目
    2. 試験時間
    3. 配点
    4. 出題の特徴(概要)
  3. 出題の特徴(詳細)
    1. 理論化学
    2. 無機化学
    3. 有機化学
    4. 高分子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り
    2. 知識の補強
    3. 解法パターンの習得と計算力の増強
    4. 定番問題の習得
    5. 過去問演習

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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1. はじめに

久留米大学の化学では、難問という難問は珍しく、教科書レベルないしはそれより少し上のレベルの問題をミスなく解答できることが重要である。入試難易度としては標準であるが、記述問題も出題されるため、中途半端な学習姿勢は許されない。1冊の問題集を徹底的に仕上げておきたいところ。また、特に構造決定問題や高分子分野からの出題が多いため、有機分野の対策は必須である。

2. 概要

2.1. 試験科目
第1次試験:
・英語
・数学
・理科(物理・化学・生物から2科目選択)

第2次試験:
・小論文
・面接

2.2. 試験時間
第1次試験:
・英語(90分)
・数学(90分)
・理科(2科目 120分)

第2次試験:
・小論文・面接(60分)

2.3. 配点
第1次試験:
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点[100×2])

第2次試験
・小論文・面接(計50点)

2.4.出題の特徴(概要)
全問記述式である。大問数が3題か4題で構成されており、ほとんどの問題は教科書某用問題集かそれより少し難しいぐらいの難易度で、問題の量も解答時間に対して適切な量である。計算問題も有機の構造決定も求められる知識に関しては、教科書レベルは大きく逸脱していないので、難度の高い問題に多く取り組むよりは、基礎的な内容を取りこぼしなく学習する方が良い。記述問題が毎年出題されているので、問題集や教科書に登場する実験手法や現象を自分で説明できるように一問一問丁寧に理解するような学習が求められている。また、新課程以前から高分子の出題比率が高いので、十分に対策すべきである。ノーベル賞受賞者の白川英樹氏が出題されており、問われる知識に関しては、難しくないものの幅広い印象である。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 理論化学
化学平衡や電離平衡など、平衡を扱う問題が多い。理論が易しい年は、教科書の章末レベルの問題が出題されることもあるが、題意が読み取りにくいような難度の高い問題も出題されることもある。きれいに割り切れないような数値を含む計算が多いので、小数の計算を正確に行えるように訓練が必要である。記述問題も良く出題されるので、解答が書けるように一通りの現象については説明出来るようになっておきたい。

3.2 無機化学
無機の出題は、総合的な問題かもしくは各論のどちらかがの出題される。各論が出題される場合は理論と組み合わせて出題されることが多い。銅と電解製錬や鉄と結晶格子、塩素と相対質量のような形で出題されている。教科書レベルから大きく外れるような出題は少ない。

3.3 有機化学
ほぼ毎年1題出題され、構造決定の問題が中心である。構造決定に関しては、実験手法も登場する物質も問題集を解いていれば何度も出会うようなものばかりであるので、一冊の問題集をしっかりと取り組んでおけば十分であろう。ただし、ベンゼンの配向性や油脂に含まれる脂肪酸のオゾン分解、マルコフニコフ則など、知識問題に関しては幅広く出題されているようなので、教科書のコラムや発展内容などは十分に目を通しておきたい。

3.4 高分子
大問数が多くない割に、新課程以前から高分子の出題頻度が高い。医学部では一般的に天然高分子の出題は高いが、合成高分子の出題頻度は高くないところが多いが、久留米大では合成高分子に関しても良く出題される。ノボラックやレゾールなどのやや細かい知識に関しても出題されているので、教科書に登場する用語に関してはしっかりと押さえておきたい。合成高分子の計算問題も頻出であるので、計算問題で戸惑わないようにしっかりと対策しておきたい。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1:教科書内容の振り返り

教科書を用意し、一章ずつ読み込む。入試問題は、原則として教科書から出題される。中には教科書から文章をそのままを抜き出したのではないかという問題さえも登場する。特に各教科書の参考・発展・コラム・実験などは、入試問題の題材となりやすく、出題頻度も高い。久留米大では、記述問題がよく出題されているが、教科書の記述を模範解答として利用することも出来るので、しっかりと内容を理解したい。
 ただし、教科書の表現は初学者には少し難しいこともあるので、Step.1では全てを理解する必要はない。この段階では、各教科書の発展やコラムには触れなくても良い。ざっとどんなことが書かれているか整理していくと良い。読んでもすぐには理解出来ないという人は、下記の紹介されている参考書などを教科書の対応する箇所を合わせて読み込むと良い。また、実験装置や沈殿の色など目で見た方が記憶に残りやすいので、資料集も一冊用意しておくと良い。得た知識をどう使っていくのかについては下記の問題集を利用して、確認していくと良い。

○参考書
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-無機化学+有機化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学2+有機化学2-』(東進ブックス)
『フォトサイエンス化学図録』(数研出版)

○問題集
『セミナー化学』(第一学習社)
『リードα』(数研出版)

■Step.2:知識の補強

Step.1で全体像を掴めたら、知識の補充を進めていこう。久留米大学では計算問題の割合が大きいので計算問題に目がいきがちだが、記述問題も多く出題されるので、まず先に知識を補強する。理論からの記述問題に対応するため、現象を自分の言葉で説明出来るように整理しておきたい。無機・有機に関しても多くの情報が登場するため、知識を整理しながら身につけていきたい。以下に各単元の注意すべきポイントとオススメの参考書について記載する。

◯理論化学
久留米大学では、理論範囲に関する知識問題ははほとんど問われない。ただし、計算問題を理解するためには現象を正しく理解しないと立式することが出来ない。また。記述問題が問われることも多いため、知識を増やすよりは一つ一つの現象を説明できるように理解していくことが大事である。特に化学平衡に関する問題は頻出で、入念に対策をしたい。

『鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

◯無機化学
物質ごとの各論について問われる単元である。一般的には暗記単元とみられているが、化学反応が起こるしくみとなるのは、酸塩基・酸化還元・化学平衡などの基礎理論である。やみくもに暗記をするのではなく、上記の基礎理論とともに整理しながら覚えるようにすることが重要である。久留米大では、難易度の高い知識などはあまり出題されないが、無機の問題の中に理論の問題が小問として出題されることがある。無機と理論を別々に対策するのではなく、つながりのある部分はセットで理解するようにしていきたい。

『福間の無機化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

◯有機化学
久留米大では、入試定番の構造決定が多く出題されている。難しい問題に取り組むよりは、定番の問題をいかに迅速に解くか、そのための知識整理を心がけると良い。マルコフニコフ則やベンゼンの配向性など、教科書のコラムに載っているようなやや細かい題材もポイントになるので、入念に読んで知識を深めたい。

『鎌田の有機化学の講義 三訂版 (大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

■Step.3:解法パターンの習得と計算力の補強

Step.3では、久留米大学の入試問題は、問題分量がそれほど多くないので、計算問題をいかに正確に解いていくかは合否を分ける。下記の問題集や参考書を使い、標準的な計算問題の解法を身に付けていく。計算問題を早く正確に解く計算力も必要とされるため、オススメの計算問題集も下記に記載しておく。単位換算が苦手な人は、入試問題に入った時に思わぬ場所で躓かぬようにこの段階で克服しておこう。

『化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 三訂版』(旺文社)

『ゼロから始める化学計算問題』(中経出版)・・・ドリル形式になっているので、苦手な人はこちらを使って練習すると良い。

『化学計算問題の徹底整理』(数研出版)・・・入試レベルの計算問題が良いという場合は、こちらの問題集で練習すると良い。

■Step.4:定番問題の習得

ここからは実際の大学入試問題を使って、定番の問題の解法を押さえていく。久留米大では、出題される問題のテーマとしては定番なものが多いので、一冊で良いのでしっかりと問題のテーマと解き方を身に付けたい。記述問題がよく出題されるので、良く出る定番ものに関しては模範解答を作って繰り返し、セルフチェックして身につけたい。

◯問題集

『実戦 化学重要問題集 ― 化学基礎・化学』(数研出版)

『化学の良問問題集』(旺文社)

◯参考書

『化学の新研究』(三省堂)

■Step.5:過去問演習

Step.1-3をクリアしたら過去問演習に入りましょう。

『久留米大学(医学部)』(教学社)

本Stepでは下記のように過去問演習を進め、現時点での自分の学力を自己分析することを忘れないこと。時間を計って解き、解き切れなかった問題は時間を計らずに最後まで解く。採点後、解説を読み、解き方を理解する。自分には何が足らなかったのか自己分析を行う。自己分析を元に基礎の補強(Step.4)を行い、次年度に進む。

過去問をある程度進めたら、Step.4の自己分析を元に、同時並行で弱点補強を進めよう。この時期に赤本や難しい問題ばかりに手を出したくなるが、大事なことは難しい問題が理解できることではなく、合格点を取ることである。忘れていた知識を整理したり、計算のスピードや正確性を磨くことが意外と合格への近道であることもある。ちょっとした問題に足元をすくわれないようにしっかりと足場を固めよう。