目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 単語と文法の基礎を固める
    2. 長文問題に取り組む
    3. 英文和訳に取り組む
    4. 英作文に取り組む
    5. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

京都大学の英語試験は、従来英文和訳と英作文のみだったのですが、ここ数年で大きな変化が見られました。記述式問題も内容説明問題が出題されたり、選択式の問題が出題されたり、さらには自由英作文も出題されるようになりました。したがって、以前よりも他の国公立大学に近い傾向になってきたと言えるでしょう。

難易度は非常に高く、英文が抽象的で読みにくいというだけでなく設問も難しいため、多くの学習時間を割く必要があります。さらに、和文英訳では日本語の文言をかみ砕いて自然な英語にしなければなりません。すなわち、ただ単に日本語を英語に変換するだけでは不十分だと言え、高度な思考力、応用力をつけることが求められるのです。

試験時間は120分あるので、比較的時間に余裕はあるように見えますが、問題が難しいため、良い答案を作るために考え込んでしまうと時間があっという間に過ぎてしまうでしょう。もっとも、実力が足りていない場合は、手も足も出ずに大幅に時間が余ってしまうことも考えられます。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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2. 概要

2.1 試験日

2.1. 試験日
2月25日
・文系
国語:9:30~11:30
数学:13:30~15:30

・理系
国語:9:30~11:00
数学:13:30~16:00

2月26日
・文系
外国語:9:30~11:30
地理歴史:13:30~15:00

・理系
外国語:9:30~11:30
理科:13:30~16:30

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式

(試験範囲)
英語、ドイツ語、フランス語、中国語から1科目。

(試験時間)
120分、計4問

(解答形式)
全問記述式

2.3 配点

文系:200点(合計600点)
理系:150点(合計700点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

近年多少の傾向の変化が見られたとは言え、京都大学の英語はほとんどが英文和訳と和文英訳で構成されています。また、長文の難易度が高いので、難解な英文を読みこなす力をつける必要があります。単に高度な単語力があるというだけでは不十分で、論理的思考力を養わなければ正確に読むことは難しいでしょう。ここ数年は自由英作文も出題されるようになったため、そちらへの対応も不可欠です。文法の単独問題は出題されませんが、英文和訳や英作文などで正確な文法知識が必要となるので、文法演習も怠ってはなりません。

2次試験は難問が出題されるためにどうしても難しいものに手を出さなければならないと思ってしまう人が多いと思いますが、京大が発表した最低点は、センター試験の得点を合わせて計算されたもので60%前後なので、二次試験だけで考えると、おおよそ50%前後になるのではないかと考えられます。つまり、難解な部分で落としても基本知識を活かす部分で途中点が稼げれば、十分に合格水準に達することができるのです。そこで、難しい問題集・参考書に手を出す前に、基本的な知識に抜けがないかを確認するべきでしょう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 英文和訳

京都大学の英語問題では、従来から中心となってきた問題形式で、難易度は他の国公立大学に比べても高いと言えます。英文和訳で得点をするためには、まず①英文の意味を理解できること、②適切な和訳を作成することの2つの力が必要となります。

まず重要なのは①です。長文が抽象的でわかりにくいものが多いので、まずは長文の意味が分からなければ訳すのも困難になります。単語のレベルも高いので、推測する力も必要です。また、文と文、段落と段落のつながりを理解することで、文章全体で何を言いたいのか、筆者の主張をつかむことを目標としましょう。下線部分は、だいたい文構造が他よりも複雑になっています。SVOCや省略、倒置などに注意しながら、大まかな意味をとらえ、次に詳細な和訳を作るようにしましょう。

これができたら、次に②の答案作成力をつけましょう。これは直訳調でわかりにくい訳を分かりやすい訳にすることを意味し、英語力とは別の技能、すなわち、日本語の表現力、単語力が必要となります。模範解答を参考にするなどして、明快でわかりやすい答案が書けるようにならなければなりません。

3.2 選択式問題

以前は記述式の問題しか出題されなかったのですが、近年は選択式の長文空所補充問題も出題されるようになりました。

文章の内容が読み取れていれば比較的基本的な知識で解くことができる問題が多いのですが、選択肢の中には類義語が混ざっていることがあるので、単語帳などで日本語の意味だけを覚えてきた人は、引っかかってしまうかもしれません。

このようなことにならないためには、コロケーション(単語と単語のつながり)を意識して覚えることが重要です。単語だけでなく、例文ごと覚えるのが有効な手段です。

3.3 内容説明問題

近年は説明問題も出題されます。指示語の内容を明確にしなければならないことが多いのですが、このタイプの問題は他の国公立大学でも問われる形式なので、なじみのある人は多いでしょう。

そこまでの難問が出題されるわけではないので、指示語の内容や、解答に該当する部分を特定するための学習をしておけば、高得点が期待できます。

3.4 和文英訳

以前から京都大学の和文英訳は最も難しいと言われることがよくあり、単純に日本語から英語に転換すれば良いというものではありません。いわゆる「和文和訳」と言われる、日本語を自然な英語に訳しやすい日本語に書き換え、その上で英訳する必要がある問題がほとんどです。というのも、文法的に合っていたとしても、ネイティブが絶対に書かないような不自然な英語を書いてしまうと、高得点が取れないからです。

そうは言っても、なかなかネイティブに添削を受ける機会に恵まれた人も少ないと思います。そのような人は、色々な英作文の参考書や過去問を通じて、模範解答をインプットすることです。フレーズ単位で減点されない部分が増えれば、その分途中点が多くなるはずです。

英語表現力だけでなく、日本語表現力を学習することも重要で、これが弱いと意訳を通り越して意味が異なる英訳をしてしまいます。受験参考書だけでなく、新聞の社説を読むことも大切です。

3.5 自由英作文

2016年から登場した新形式の問題で、訳しにくい日本語を英訳しなければならない和文英訳問題に比べると、解きやすいという印象を持つかもしれません。しかし、よく内容を見てみると、2016年は「積ん読」について説明、および意見を述べる問題、2017年は「音楽に国境は無い」ということの説明および、その問題点について書くというものでした。

ここで重要なのは、2016年の問題では「積ん読」が、「(本を読まずに)積んでおく」という意味の日本語だということを知らなければ、答えようがありませんし、2017年の問題も改めて説明せよと言われると意外と難しいテーマだと思います。このように、英語力だけでなく、幅広い教養も必要だということがわかります。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 単語と文法の基礎を固める

長文を読むにしても、英作文を書くにしても、単語力が無ければ始まりません。長文では、かなり難解な単語が出て来るので、難単語まで手を伸ばすことができればそれに越したことはありませんが、一般的な受験レベルの単語がしっかりと身についていれば、合格点を取れないことはありません。ちなみに、一般的なレベルとは、下記のような単語帳のレベルを指します。

・『システム英単語』
『システム英単語』

ターゲットであれば、1900レベルです。この程度は覚えておきたいもので、さらに余裕のある人は、上のレベルまでこなしておくと良いでしょう。

・『キクタン リーディングAdvanced6000』
『キクタン リーディングAdvanced6000』

・『単語王2202』
『単語王2202』

・『速読英単語2 上級編』
『速読英単語2 上級編』

・『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』(角川学芸出版)

また、熟語に関してもすすめておきましょう。代表的なものは、以下の通りです。

・『速読英熟語』
『速読英熟語』

・『解体英熟語 改訂第2版』(Z会出版)

さらに、文法も併せて対策をしておきましょう。単語と文法力が固まれば、ある程度長文が読めるようになるはずです。逆に、この二つがしっかりしていない段階で無理矢理長文対策などをしても、効果が薄いでしょう。

・『アップグレード 英文法・語法問題』
『アップグレード 英文法・語法問題』

・『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』
『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』

文法に関しても、できればもう一つ上のレベルの問題に挑戦しておきたいところです。代表的な問題集には以下のものが挙げられます。

・『全解説頻出英文法・語法問題1000 』(桐原書店)
・『大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ)』(桐原書店)

さらに、単元別の問題集に慣れてしまったら、ランダム形式の問題集に取り組んでみましょう。

・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (標準編)』
・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (難関大学編)』

これらの文法問題集は、最低でも5周くらいは解き、ほぼすべての問題について正解するだけでなく、解説まで理解していなければなりません。ただ、それで終わりというわけではなく、和訳を見て英語を書いてみるといった能動的な学習をすることをおすすめします。この地道な学習が将来的に和文英訳などで生きることになります。

また、文法と共に構文も覚えておくことをおすすめします。後に英文和訳をする段階になっても、構文の知識が欠けている状態だと、なかなか伸びません。

・『英語の構文150』
『英語の構文150』

・『解体英語構文 改訂版』(Z会)

4.2 長文問題に取り組む

単語と文法が身についてきたら、長文問題にも取り組んでみましょう。レベル別長文問題集のレベル1~3は高校初級レベルでも取り組めます。下記の長文問題集はレベル別に分かれているため、自分の実力に適したものを選ぶことができます。京都大学を受験するためには、最終的に一番上のレベルまで解いておきたいものです。

・『やっておきたい英語長文』
『やっておきたい英語長文』

・『レベル別長文問題集』
『レベル別長文問題集』

また、難関大学に特化した問題集は、以下のものがあります。
・『TopGrade 難関大突破 英語長文問題精選』(学習研究社)

・『難関大のための 上級問題 特訓リーディング』(旺文社)

4.3 英文和訳に取り組む

英文和訳は、英文構造が複雑な問題であったり、気づきにくい言い換え表現になっていたりするため、解答が難しい問題です。そこで、できるだけ多くの英文和訳問題に取り組んでおきましょう。下記の問題集が代表的なものになります。これらの問題を解くだけでなく、模範解答の和訳と自分が書いたものを見比べて、どこを修正しなければならないかと考えることが大切です。また、SVOCや修飾関係など英文構造をしっかりと理解するように努めましょう。何となく単語をつなぎ合わせて和訳を作るというだけでは不十分です。

・『ポレポレ英文読解プロセス50』
『ポレポレ英文読解プロセス50』

・『英文解釈の技術100』
『英文解釈の技術100』

・『英文読解の透視図』(研究社)

・『英文解釈教室〈新装版〉』(研究社)

・『英語難構文の真髄』(プレイス)

4.4 英作文に取り組む

さらに、英作文の学習もしておきましょう。英作文は大きく分けて①和文英訳と②自由英作文がありますが、2016年から自由英作文形式の問題も出題されることになったため、両方の対策をする必要があります。

まずは、基本的な和文英訳の対策から始めることをおすすめします。というのも、基本的な書く力が無いと、自由英作文を添削してもらっても、ほとんど修正されるだけで効果的とは言えないからです。

・『ドラゴン・イングリッシュ基本例文100』
『ドラゴン・イングリッシュ基本例文100』

・『減点されない英作文』
『減点されない英作文』

また、文法が正しく使いこなせていないと感じたら、次の問題集がおすすめです。
・『例解 和文英訳教本 (文法矯正編) 』(プレイス)
・『例解 和文英訳教本 (長文編)』(プレイス)
・『英文表現力を豊かにする例解和文英訳教本 公式運用編』(プレイス)

多少のミスはあっても、どのような構文や単語を使えば良いのかがある程度わかってきたら、自由英作文も書けるようになっているはずです。早速、自由英作文の演習をしてみましょう。自由英作文と言った場合、賛成・反対意見を書くエッセイライティング形式の問題もあります。英検などがこの形式になっていますが、京都大学の場合は、そのような形式ではありません。ただし、意見を書く問題は過去に出題されているので、エッセイライティング形式の問題に取り組んでも無駄にはならないと思います。

・『京大入試に学ぶ和文英訳の技術』(プレイス)

・『[自由英作文編]英作文のトレーニング』
『自由英作文編]英作文のトレーニング』

4.5 過去問・模擬試験を用いた演習

以上の演習が終わったら、過去問に取り組んでみましょう。しかしそうは言っても、京都大学の過去問は難しすぎるという人は、まず旧帝大以外の過去問から始めてみてはどうでしょうか。これらの大学は比較的難易度が低く、また記述式という点で傾向が似ているのでおすすめです。

過去問以外にも、京都大学のレベルとなると、幅広い教養が随所で問われるので、日ごろから新聞や雑誌を通じて情報をインプットしておくことを忘れてはなりません。また、一日一つは長文を解くことを日課としてください。

その他、京都大学の英語に特化した参考書もあるので、一度書店で手に取ってみてはどうでしょうか。

・『「京大」英作文のすべて』
『「京大」英作文のすべて』

(参考)
京都大学|入試・高大連携|一般入試|学部入学者選抜要項|平成30年度 学部一般入試選抜要項(PDF版)