目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
    5. 合格得点
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の確認
    2. 基礎問題で解法をインプット
    3. 標準問題でアウトプットの練習
    4. 物理という名の道具を使う職人になろう:応用・発展レベルの問題演習
    5. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

九州大学は、1867年に創設された賛生館を起源とする九州帝国大学を母体として設立されました。九州を代表する大学として、国内外における学術研究や産学官連携の中心となっています。
物理の試験を見てみると、難易度は標準から応用と少々高めなものの、原子以外の分野からバランスよく出題されており、対策はし易いといえます。しかし、効率よく学習を進めていけないと他科目とのバランスが取れなくなって来てしまいます。出題分析から使用する参考書や問題集やその使い方に至るまで、無駄のない対策・勉強を心がけていきましょう。

admin-ajax
看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
人気記事

2. 概要

九州大学には一般入試のほか、AO入試、推薦入試、帰国子女入試、国際コース入試など、学部によって様々な入試形態がありますが、ここでは一般入試について説明します。

理学部
 物理学科 前期42人、後期6人
 化学科 前期46人、後期8人
 地球惑星学科 前期32人、後期6人
 数学科 前期43人
 生物学科 前期34人、後期7人
 
医学部
 医学科  前期111人
 生命学科 前期12人
 保健学科(看護学専攻)  前期59人
 保健学科(放射線技術科学専攻)  前期27人
 保健学科(検査技術科学専攻)  前期27人

歯学部
 歯学科 前期45人

薬学部
 創薬科学科 前期45人、後期4人
 臨床薬学科 前期26人、後期4人

工学部
 建築学科 前期52人、後期6人
 電気情報工学科 前期130人、後期23人
 物質科学工学科 前期139人、後期24人
 地球環境工学科 前期123人、後期22人
 エネルギー科学科 前期81人、後期14人
 機械航空工学科 前期140人、後期24人

芸術工学部
 環境設計学科 前期28人
 工業設計学科 前期30人
 画像設計学科 前期18人
 音響設計学科 前期31人
 芸術情報設計学科 前期29人

農学部 前期172人、後期24人
 
共創学部 前期65人

2.1 試験日

前期日程
出願期間
 平成30年1月22日(月)~1月31日(水)
個別学力検査実施日
 平成30年2月25日(日)、26日(月)
合格発表日
 平成30年3月8日(木)

後期日程
出願期間
 平成30年1月22日(月)~1月31日(水)
個別学力検査実施日
 平成30年3月12日(月)
合格発表日
 平成30年3月21日(水)

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式

(試験範囲) 
英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III
数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B
(医学部看護学科看護学専攻は数学I・数学II・数学III・数学A・数学B)
物理:「物理基礎」、「物理」
化学:「化学基礎」、「化学」
生物:「生物基礎」、「生物」
地学:「地学基礎」、「地学」

(試験時間)
・数学 150分(医学保健学科看護学専攻は120分)
・理科 150分(2科目)
・外国語 120分

(解答形式)
全問記述式

2.3 配点

前期日程

%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e9%85%8d%e7%82%b9%e5%89%8d%e6%9c%9f

後期日程

%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e9%85%8d%e7%82%b9%e5%be%8c%e6%9c%9f

第1段階選抜倍率

%e4%b9%9d%e5%b7%9e%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e7%ac%ac%e4%b8%80%e6%ae%b5%e9%9a%8e%e9%81%b8%e6%8a%9c

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

九州大学入試における物理は大問3題で構成されており、理科2科目で150分の解答時間となっています。例年、第1問は力学、第2問は電磁気学、第3問は熱力学または波動の単元からの出題で、原子分野からの出題はほとんどありません。問題の難易度は標準~応用ですが、見慣れない設定の問題は少なく、比較的解きやすくなっています。また、各分野における頻出テーマがある程度決まっているので、そのような意味でも対策はしやすい大学と言えるでしょう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 力学

毎年大問1題、第1問で出題されています。近年出題されたテーマは、「ばね付き台車の上にある物体の運動」、「2物体の衝突」、「糸の先につり下げられた物体の運動」、「斜方投射された物体の床との衝突」、「回転する円盤上にある物体」などです。「物体の衝突」、「運動量保存」、「単振動」に関する問題が頻出です。特に単振動に関しては、摩擦がある場合の問題も多く出題されているのでしっかりと対策をしておきましょう。

3.2 電磁気学

毎年大問1題、第1問で出題されています。近年出題されたテーマは、「ベータトロン」、「金属中の電子の運動」、「ホール効果」、「磁場中を運動する導体棒」、「RLC直流回路」、「静電場、静磁場中を運動する荷電粒子」、「半導体」、「磁場中を回転するコイル」、「平行板コンデンサー」などです。電磁気学は力学に比べて出題テーマにばらつきがありますが、磁場中を運動する導体棒やコイルに関するテーマが良く出題されています。難易度も入試標準レベルのものがほとんどですので、基本をきちんと押さえていれば特に難しいことはないはずです。

3.3 熱力学

およそ2年に1回の割合で出題されています。「気体の状態変化」に関する出題がほとんどです。P-VグラフやV-Tグラフに関する問題であったり、ピストンにばねがついていたりとバリエーションは様々ですが、この単元における応用問題を一通りやっておけば対応できるでしょう。また、熱力学と波動はそれぞれ2年に1回の割合で出題されていますが、2年連続で熱力学や波動から出題されることも頻繁にあることに注意しておきましょう。

3.4 波動

およそ2年に1回の割合で出題されています。近年出題されたテーマは、「鏡による光の反射」、「レンズ」、「波の式」、「ドップラー効果」、「縦波」、「回折格子」、「光の屈折」などです。波動の単元はここ15年全て違うテーマで出題されており、狙いを絞るのが難しい単元です。しかしながら極端に難易度が高い問題が出題されているわけではないので、応用レベルの問題集1冊か過去問を一通り演習しておけば十分に対応できるでしょう。

3.5 原子

直近15年で出題されたのは2017年と2004年のみです。しかも、大問全てが原子の単元というわけではなく、光の反射や屈折に関して波動性だけでなく粒子性も使って解くというものでした。しかし、大問での出題がないからといって今後も出題がないとは言えないので対策はしておきましょう。光電効果やコンプトン散乱、核反応など問題集に載っている問題は一通り解けるようにしておきましょう。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 教科書内容の確認

教科書で扱われている現象の理解し、語句の定義を正確に覚え、公式の導出が確実にできるようになることが第一段階です。グラフや図などがある事項については、現象とグラフ、グラフと式の関係も自分のものにしましょう。公式の導出は自分でできるようになって下さい。その過程で物理現象をより深く理解でき、問題を解くうえで必ず大きな力になります。そして、自分で導出ができるようになったら答案を書くつもりで書いてみて、添削してもらうと良いでしょう。教科書以外にも例えば、

『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】力学編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】熱・波動・原子編』(東進ブックス)
『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』(学研教育出版)
『宇宙一わかりやすい高校物理(電磁気・熱・原子)』(学研教育出版)
『秘伝の物理講義(力学・波動)』(学研プラス)
『秘伝の物理講義(電磁気・熱・原子)』(学研プラス)

などの参考書が、現象や公式の成り立ちについての理解を助けてくれるでしょう。

4.2 基礎問題で解法をインプット

教科書で学習した内容を実際の問題に使う練習です。基礎的な問題は解ける人にはこの段階は飛ばしても構いません。ただし、次段階以降で少しでも不確かであったり不安だったりする分野、単元、問題のタイプがあれば、必ずこの段階に戻って解消するようにして下さい。

この段階は、基礎的な典型問題をできるだけ短時間で解けるようになるのが目標です。問題演習には、
「物理のエッセンス」(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]入門問題精講』(旺文社)
などを用いるのが良いでしょう。この段階では自分で問題を解く必要はありません(もちろん、解けるようであれば解いても構いません)。まずは「どのような状況設定の時にどのような解法を使うのかをインプットする」というところに重点を置きましょう。

『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(力学・電磁気)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(波動・熱・原子)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集High[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)

なども、どのように問題を解くのかを丁寧に解説しているので参考になると思います。解答・解説をしっかり読んで、別解などもしっかりインプットしましょう。問題を見た瞬間に正しい解法が思い浮かぶようになればこの段階は終了です。

4.3 標準問題でアウトプットの練習

次の段階は、大学受験における定番の問題で実際に問題が解けるかを演習していきます。この段階の問題演習には、

『良問の風 物理 頻出・標準入試問題集』(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]基礎問題精講』(旺文社)

などを用いると良いでしょう。

基礎段階でインプットした解法を、入試標準レベルで正しく使うことができるようになることが目標です。この段階では必ず自分の手で解いてみて下さい。その時には基礎段階で身に付けた解法をどのように活用するのかを意識しながら解きましょう。問題を見た瞬間にどのような解法を使うのか最低1つは思い浮かべられない場合は前段階に戻った方が良いかもしれません。自分が思い浮かべた解法で解けない場合もあるでしょう。その時には解答を見て自分の考えに何が足りなかったのかをしっかりと分析してください。学校の先生など身近にアドバイスをくれる人がいるのであれば、ぜひ聞きに行きましょう。
 
これらの問題集が一通りきちんととけるようになれば応用問題に取り組む基礎が身についたと考えられます。以下のような問題集に取り組んで、応用問題を解いてみましょう。

『名問の森 物理』(河合出版)
『実戦 物理重要問題集 – 物理基礎・物理』(数研出版)
『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)
『物理[物理基礎・物理]標準問題精講』(旺文社)
『体系物理』(教学社)

九州大学を受験する際には、ここで紹介した応用問題集は1種類まででとどめておきましょう。入試標準レベルの問題集を終えた後に時間がなければ過去問演習に入ってください。九州大学の場合は、問題集で入試応用レベルの問題を演習するよりも過去問で演習した方が効率良く九州大学対策ができるからです。

4.4 過去問・模擬試験を用いた演習

最終段階は、実際に過去問を解いてみることです。赤本などを利用して時間を測りながら実際の入試のつもりで解いてみましょう。この段階のポイントは「時間を意識すること」、「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」です。

「時間を意識すること」ですが、九州大学は理科2科目で150分、物理は大問3題なので、単純計算で1題あたり25分となります。思考力や計算力を必要とされる難易度の高い問題では25分は短く感じられると思います。問題を解くときには常に時間を意識しましょう。

「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」に関して、特に見慣れない設定の問題の場合、問題文を解釈して自分が知っている解法に当てはめるということが問題になってきます。現象の理解、設問の意図の理解などが正しくできていたかのチェックは時間をかけて行いましょう。解答や解説に書いてあることを理解するだけでなく、問題文を読んだ時に設問の意図をどのように理解するのか、自分はどのように考えるべきだったのかをしっかりと吟味して下さい。
 
手に入る過去問を全て演習し終えて時間があるようであれば、他大学の過去問にも挑戦してみましょう。例えば、旧帝大、慶應義塾大学理工学部、早稲田大学基幹・先進・創造理工学部などです。また、河合塾、駿台予備校、東進ハイスクール、代々木ゼミナールでは、九州大学を志望する受験生向けに九大模試を実施しているので、そちらも受験してみましょう。

(参考)
九州大学|入試・入学|学部入試|大学案内・募集要項・入学者選抜概要|平成30(2018)年度 九州大学 入学者選抜概要 [PDF]