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数学の学習をするうえで、あまり教科書や参考書に直接書いてくれてはいないけれども、大事にすべき考え方があります。数ある考え方の中でも、特に数学が苦手な方、苦手ではないけどそこまで飛び抜けた成績を出すことができていない方にとって、非常に有効なものをいくつかご紹介したいと思います。

〇定義・定理・公式・性質の内容を正確に理解し、覚えておきましょう。そもそも覚えない、あるいは覚えたとしても丸暗記するということはNGです。

結局問題を解くために覚えているのであって、もちろん覚えるために覚えているのではありません。無目的にとにかく公式だけ丸暗記している人を見かけますが、結局その人はその公式をどう使えばいいか考えたことがないので、その公式を使用する問題に出会っても、使おうという発想に至ることができません。

なんのことかわからないものを覚えても一生使えないままです。この性質はいったいどういうことか? なぜこんな性質が成り立つのか? という疑問を持ちながらひとつひとつを理解していきましょう。内容を覚えるだけでなく、「何に役に立つのか」「何ができるようになるのか」を考えてみること。もちろんその知識を使う問題を見ながら、セットで理解するのが一番良いですね。必要があれば教科書を使って証明を確認することもしてください。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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〇そもそも図を描かない、あるいは小さく描いてしまう、あるいは色んなパターンの図を描かないということはやめましょう。

小さいと気づくはずのことに気づかないことがあります。ましてや頭の中で図を考えようなんてしたら、ほかの処理が何にもできなくなってしまいます。図を大きく、複数のパターンを描くように心がけてください。立体や座標平面、グラフなど、図を描くときはひとつの図をノートの1/3くらいの大きさで描いてみてください。

小さい図は勘違いしか生みません。大きく描けばなかなか気づきにくいところにも目が行くようになります。

〇問題文の日本語表現やパターンを元に解法を覚えるのではなく、中身を考えましょう。

数学の勉強は問題文と解法をセットで覚えることだと思ってしまっている方はいませんか? 問題文の日本語につられてしまう人を「字面病」と揶揄するような言葉もあるくらいです。そのような勉強をしても入試本番で見たことない表現を前にして固まってしまうのが関の山。根本的に捉え方を変える必要があります。

いまはどういう状況だから、どのように対処しなくてはならないのか。問題文で言われている状況を考えましょう。与えられた条件をどのように数学的な情報に言い換えられるかを考えてみましょう。

〇マークシート式の試験しか受けなくても、日本語で記述式答案を書きましょう。

ノートに数式や図を羅列するだけでは人に伝わる文章になりません。また、自分の言葉で考えをまとめられなければ理解していないのと同じです。自分が使っている参考書・問題集の解答・解説に式変形しか載っておらず、日本語がひとつもなかったら、読む気が起こらないでしょう。読む側の気持ちに立ってみてください。

〇手元のできることをやるだけでなく、ゴールから逆算して考えるようにしましょう。

苦手な人の考え方の典型です。やったことあることしかやろうとしない(とりあえず2乗する、とりあえず因数分解する……etc.)うえに、それで解けなければ何の打ち手も出せないまま試合終了。それではいつまでも、見たことある問題は解ける、見たことない問題は解けないという状況から脱することができません。

いろいろ実験したり、図を書いてみたり、できることを試してみたり、何を求めればいいのかということを考えてみたり、いろいろやり方はあるはずですね。

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〇学習した単元の相互の関連性を考えてみましょう。

例えば、小学校の時に勉強した三角形や四角形や直方体、立方体という図形について、中学校では、平行線や三平方の定理を用いて考察を深め、高校では三角比やベクトルという高度な技術で処理を施しました。図形と方程式では座標平面でその図形を表す方程式の表現方法も学びました。ベクトルや複素数平面でも図形を表す方程式の表現を学んでいます。

こちらを踏まえると、入試で出題される図形問題は、
・小学校で学んだ角度、面積、体積の基本公式
・平行線と角(対頂角、錯角、同位角)・比(中点連結定理)、合同・相似、三平方の定理
・三角比、三角関数、ベクトル、複素数平面、図形と方程式
これらすべてが入り混じって出題されているということになります。個々の単元で何を扱っていたか、何を考察対象としていたかを考えることで単元ごとの関連性が見え、単元に縛られない解法を選択できるようになります。

〇問題集の解答に提示された「別解」に必ず目を通してみましょう。

特にセンター試験や私大受験では時間との勝負です。下手なやり方で時間をかけてできたとしても、それは時間がかかってしまったという点で「悪い解法」です。よりクオリティの高い、時間短縮になるような考え方、処理方法を身につけていきましょう。

〇自分の実力を顧みず、志望校の過去問だけできればいいと考えるのはやめましょう。

GMARCHの問題を満足に解くことのできない人が、早慶の入試問題を解き続けても、ほとんど意味をなしません。東京医科大学の問題に対応できない人が順天堂大学医学部の問題で合格点を取ることは難しいでしょう。自分に足りないものを調べ、解消していくことが勉強です。

〇計算をしない、あるいは合っていなくてもやり方(解法・解き方)があっているから正解としてしまうのはNG。

計算については3.3でも述べますが、計算が合っていて初めて正解です。易しかろうが難しかろうが、答えが出るまでは途中でやめないでください。また、計算を間違っていたらそれは明らかな実力不足です。

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〇(3)は(1)と(2)を利用する。

小問の設定というのは問題全体を解くためのヒントになっていることがほとんどです。いつも(1)と(2)は解けるのに(3)で手も足も出なくなるという人は、(1)や(2)をちょっと無理してでも利用してみようと心がけてみてください。

〇単元によって好き嫌いをしないこと。

数学の単元はいずれの単元も別の複数の単元と関わっています。例えば、ベクトルが得意でも数学Aの図形の性質をきちんとマスターしていなければ入試での図形問題では対策が不完全になってしまいます。また、三角関数がわからなければ数Ⅲの微分積分はお手上げになってしまいます。ほかにも、論理がわかっていなければ、軌跡を求める際に十分性を確認する意味がわからないでしょう。

〇1回で理解できるものばかりではありません。しばらくやり続けたり、いったん寝かせてはじめて理解できることもあります。

これは理数系ならではという部分ですね。わからないながらも何日かしばらく続けてみたり、それでもだめならいったん先に進んで、あとから戻ってくるようにしたり。当時はわからなかったものがそのときになって、ふと理解できるということがあります。