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本記事では、現役生と浪人生に分けて、志望校別に、1年間の学習の中でどんな参考書・問題集を使用するのかという点を紹介します。

闇雲に勉強しても効果が全くないわけではありませんが、適切な情報を収集して正しい学習方法・学習手順に従って取り組んだほうが、より効果的といえるのは当然ですね。年間の流れを知っているからこそ、自分でも計画の調整ができます。毎日何をすればいいのか、どのくらいの量やればいいのか、ということはゴールからの逆算によってわかることです。毎日気まぐれに勉強していると、それこそ思うとおりに成績は伸びてきませんし、単元ごとの得意不得意のバランスも解消されないかもしれません。

特に独学で勉強している方は、どれだけ情報を手に入れられるかが勝負の分かれ目といっても過言ではないでしょう。

ただし、本記事で紹介している内容はあくまで一例にすぎないので、本記事の情報だけでなく、学校の先生や通っている塾・予備校のスタッフなど身近にいる大学受験に詳しい方に相談をしながら、自分の目で情報の取捨選択を行なってください。

読者の皆様それぞれ志望校は異なると思いますので、自分に該当するものを下のリンクから選んでみてくださいね。

目次

  1. 現役生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)
    1. 1.1 東京大学理科Ⅲ類、京都大学医学部医学科、慶應義塾大学医学部
    2. 1.2 東京大学理系、京都大学理系、東京工業大学、旧帝国公立医学部、私大医学部上位(東京慈恵会医科大学、順天堂大学医学部、日本医科大学)
    3. 1.3 旧帝含む国公立大学上位校非医学部、早慶上智理工・理科大、同志社/立命館理工、私大医学部中堅・下位
  2. 現役生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)
    1. 2.1 東京大学文系、京都大学文系、一橋大学
    2. 2.2 旧帝含む国公立大学上位校、早慶上智文系、慶應薬学部、理科大薬学部
  3. 浪人生・既卒生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)
    1. 3.1 東京大学理科Ⅲ類、京都大学医学部医学科、慶應義塾大学医学部
    2. 3.2 東京大学理系、京都大学理系、東京工業大学、旧帝国公立医学部、私大医学部上位(東京慈恵会医科大学、順天堂大学医学部、日本医科大学)
    3. 3.3 旧帝含む国公立大学上位校非医学部、早慶上智理工・理科大、同志社/立命館理工、私大医学部中堅・下位
  4. 浪人生・既卒生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)
    1. 4.1 東京大学文系、京都大学文系、一橋大学
    2. 4.2 旧帝含む国公立大学上位校、早慶上智文系、慶應薬学部、理科大薬学部
  5. おわりに
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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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1 現役生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)

1.1 東京大学理科Ⅲ類、京都大学医学部医学科、慶應義塾大学医学部

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3~5月:やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
6~12月:ハイレベル理系数学 or もっと考え抜く学コン
9~12月:志望校過去問演習(東大・京大は25ヵ年、慶應医学部は他私大医学部の対応も兼ねて『大学への数学増刊号 入試の軌跡 私大医学部 各大学5年分』に取り組んでください。
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

※高3に進級した段階で東大理系数学6問中3問程度は完答できるレベルに到達している必要があります。
※1年間通じて、月刊誌『大学への数学』の購読で入試基礎レベルおよび入試標準レベルをカバーします。さらに余力があれば、毎月学力コンテストに応募し、入賞を目指しましょう。

1.2 東京大学理系、京都大学理系、東京工業大学、旧帝国公立医学部、私大医学部上位(東京慈恵会医科大学、順天堂大学医学部、日本医科大学)

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3〜6月:1対1対応の演習
7〜8月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
9〜11月:志望校過去問演習/やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
12月:センター試験対策
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習(国公立大学受験者のみ)

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

青チャートレベルの解法については、全てではなくとも半分以上について理解していることが前提です。大手模試では偏差値60以上です。

まず1対1対応の演習で標準レベルの解法について理解を深めながら、夏には上に挙げた参考書・問題集を使用して確率・整数の強化を図りましょう。

ただし、マスターオブ整数を使用する際に、京大理系を志望される方はなるべく全問に取り組んでください。それ以外の志望校の方について、全問取り組むとあまりに時間がかかってしまうという場合は、第1部、第2部だけでも構いません。さらに第1部の研究問題も除いてしまってよいでしょう。

秋からは志望校の入試問題演習をやりながら標準およびやや難の問題演習を行なってください。あくまでこちらはモデルケースなので、他科目とのバランスを取りつつ、英語や理科、国語がまずいという方は過去問演習だけを優先して行なうようにしてみてください。

1.3 旧帝含む国公立大学上位校非医学部、早慶上智理工・理科大、同志社/立命館理工、私大医学部中堅・下位

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3~5月:大学への数学 入試数学基礎演習/大学への数学 数学Ⅲの入試基礎
6~9月半ば:1対1対応の演習
9月半ば~11月:志望校過去問演習/1対1対応の演習(2周目以降)/やさしい理系数学 or 理系数学の良問プラチカⅠAⅡB・Ⅲ
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

5月末までは、入試数学基礎演習と数学Ⅲの入試基礎を用いて教科書章末問題のレベルを完璧に仕上げてください。この基礎部分が揺らいだまま先に進むとセンター試験でも大コケしてしまう可能性があります。単元によって全く理解が追いついていないということであれば、体系数学など手持ちの教科書を用いてまずは基本知識を押さえることからスタートしましょう。

6月からは1対1対応の演習に入りましょう。このテキストで標準レベルをマスターすることが何よりも重要です。夏の間も1対1のマスターに専念してください。

夏以降は志望校の過去問と1対1対応の演習の2周目、そして入試問題集として理系数学の良問プラチカ、やさしい理系数学、重要問題集の中から1冊選んで取り組んでみましょう。数学が比較的苦手……という方は重要問題集を、苦手ではないけど時間がないという方はやさしい理系数学がおすすめです。ここまでやりきれれば、かなり自信を持って数学の試験に臨むことができると思います。

2 現役生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)

2.1 東京大学文系、京都大学文系、一橋大学

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3~4月:大学への数学 入試数学基礎演習
5~7月:1対1対応の演習
7~9月:1対1対応の演習/整数強化*/場合の数・確率強化**
10~11月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ or 新数学スタンダード演習
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

4月末までは入試数学基礎演習を使用して数学ⅠAⅡBの教科書章末問題レベルの内容を復習しましょう。単元によって理解度がまちまちであれば、教科書を使って基本的な定義・定理・公式・性質の復習をしてください。

5月からは1対1対応の演習を用いて標準レベルの内容を着実に積み上げていきましょう。9月末までに最低2周できれば、志望校の過去問に手を出すことのできるところまで行くことができます。

地歴の論述や英語・国語に時間を掛ける必要がある場合は、最低1周を心がけてください。例題のみという使い方もよいでしょう。

また、途中7月からは東大文系や一橋で頻出の整数および確率の対策を行ないます。こちらも時間がない方はひとまず1対1対応の演習のマスターに全力を注いでください。ただし、京都大学の文系を受験する方は、少なくとも整数の対策はやっておいたほうがよいでしょう。

秋以降は志望校の過去問演習と入試問題集(文系数学の良問プラチカあるいは新数学スタンダード演習)で入試文系数学のトップレベルまでのぼりつめます。

冬はしっかりセンター試験対策を行なってください。改めて数学ⅠAⅡBの基礎内容の確認をできるチャンスです。ここでもう一度しっかり基礎固めができれば、特に数学が苦手な人にとっては、2次試験対策に戻ったときに公式のど忘れなど基礎部分での失点が減っていることに気づくはずです。

2.2 旧帝含む国公立大学上位校、早慶上智文系、慶應薬学部、理科大薬学部

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3~4月:入試数学基礎演習
5~7月:1対1対応の演習
7~9月:1対1対応の演習2周目/整数対策/場合の数・確率対策
10~1月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ

3~4月のうちに入試数学基礎演習を用いて、教科書レベルの知識内容に抜け漏れがないかどうか確認してください。もちろん抜けている単元をひとつでも残してしまうことはNGです。

5月以降は1対1対応の演習を中心に入試標準レベルの解法を習得していきます。

秋以降は志望校の過去問演習と文系数学の良問プラチカを使用して入試標準レベルの問題演習を行ないます。ただし、早慶志望者は志望校(+別学部)の過去問演習を徹底して行なってください。特に早稲田大学商学部などは、文系数学の中でもかなり特殊な出題(ガウス記号が頻出)をしており、理系数学として出題されてもおかしくない難易度のものが多く存在します。文系数学の良問プラチカはあくまで典型的かつ頻出の入試標準問題を集めた問題集ですので、早慶のような特殊な出題の場合、雰囲気がかなり異なります。

3 浪人生・既卒生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)

3.1 東京大学理科Ⅲ類、京都大学医学部医学科、慶應義塾大学医学部

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3~5月:やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
6~12月:ハイレベル理系数学 or もっと考え抜く学コン
9~12月:志望校過去問演習(東大・京大は25ヵ年、慶應医学部は他私大医学部の対応も兼ねて『大学への数学増刊号 入試の軌跡 私大医学部 各大学5年分』に取り組んでください。
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

※受験勉強を開始する段階で東大理系数学6問中3問程度は完答できるレベルに達している必要があります。

1年間通じて、月刊誌『大学への数学』の購読で入試基礎レベル、入試標準レベルをカバーします。さらに余力があれば、毎月学力コンテストに応募し入賞を目指しましょう。

3.2 東京大学理系、京都大学理系、東京工業大学、旧帝国公立医学部、私大医学部上位(東京慈恵会医科大学、順天堂大学医学部、日本医科大学)

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3~6月:1対1対応の演習
7~8月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
9~11月:志望校過去問演習/やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
12月:センタ試験対策
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習(国公立大学受験者のみ)

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

3~5月のうちに1対1対応の演習に掲載されている内容をひと通り学習し、標準レベルを身につけましょう。さらに6月から2ヶ月で2周目に取り組み、早急に標準レベルのマスターを目指します。

また6~7月の間は、整数および場合の数・確率の対策も行なってください。特に京都大学を志望する方は、1対1対応の演習だけでは弱いので、重点的に学習していただきたいところです。

8月以降は、志望校の過去問演習に入りつつ、入試問題集と微積分の対策を行ないます。同時に3種類を並行して進めていくことになるので、かなり大変になりますが、理系でトップレベルの大学を狙うにあたって、数学でビハインドするわけにはいきません。また、現役生と差をつけられる点はやはり微積分でしょう。かなりの対策時間を要するものの、現役生は他の単元の習得にも力を注ぐ必要があり微積分だけにたくさん時間をかけるわけにいきません。

同時並行が大変であれば、まず微積分基礎の極意を終了させてから、入試問題集に取り掛かってください。

3.3 旧帝含む国公立大学上位校非医学部、早慶上智理工・理科大、同志社/立命館理工、私大医学部中堅・下位

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3~5月半ば:大学への数学 入試数学基礎演習/大学への数学 数学Ⅲの入試基礎
5月半ば~8月半ば:1対1対応の演習/整数対策/場合の数・確率対策
9月半ば~11月:志望校過去問演習/1対1対応の演習(2周目以降)/やさしい理系数学 or 理系数学の良問プラチカⅠAⅡB・Ⅲ
12~1月:センター対策
2月:志望校過去問演習

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

3月から5月までは入試数学基礎演習および数学Ⅲの入試基礎を使って、数学ⅠAⅡBⅢ全体の教科書章末問題レベルの内容をしっかりと仕上げましょう。この段階で抜け漏れがあるにもかかわらず先に進んでしまうと、過去問演習あるいは本番で大きく足元をすくわれてしまう可能性があります。

6月からは1対1対応の演習に入りましょう。11月までに最低2周し、掲載されている全問題について人に解説できるレベルを目指します。ただし、1対1では整数および場合の数・確率が弱いので、整数についてはマスターオブ整数あるいは整数 分野別 標準問題精講を、場合の数・確率については合格る確率+場合の数あるいは場合の数・確率 分野別 標準問題精講を用いて対策を深めていきます。

8月半ばからは、1対1対応の演習の2周目を回しながら、志望校の過去問演習および標準~やや難レベルの入試問題集を用いて万全の状態を作っていきます。数学が得意な方はやさしい理系数学を、苦手だという人は重要問題集で固めていってください。特に数Ⅲの微積分については、力を入れて全テーマをマスターしてください。

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4 浪人生・既卒生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)

4.1 東京大学文系、京都大学文系、一橋大学

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3~5月:1対1対応の演習
6~7月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
8月:1対1対応の演習(3周目)
9~11月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ or 新数学スタンダード演習
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

※ある程度計算力等を身につけている方を対象とします。

3月から1対1対応の演習を用いて数学ⅠAⅡBの全単元の標準レベルの解法をマスターしてください。年間で最低3周することによって、最低でも、東大文系であれば4問中1完半、京大文系および一橋であれば、5題中2題完答できることを目指します。

6~7月の2ヶ月間では、1対1の2周目を行ないつつ、整数と場合の数・確率の対策を深め、夏終わりに実施される一般的な記述式の模擬試験で偏差値70を超えることを目標としましょう。

9月からは志望校の過去問演習と入試問題集を並行して進めていきます。過去問演習については最低5年分を実施してください。頻出内容が若干異なるとはいえ、東大、京大、一橋のすべてに手を出してみるのもおすすめです。また、早慶をはじめとする難関私大も受験する場合は、そちらの過去問演習も徹底して実施してください。国公立とは頻出分野も出題方法・内容も大きく異るため、別途対策が必要となります。

12月からはセンター試験対策に集中しましょう。改めて全単元の基礎を確認し、得意な方は数学ⅠAおよび数学ⅡBの両方で満点を、苦手な方でもそれぞれ85点以上を目標としてください。

4.2 旧帝含む国公立大学上位校、早慶上智文系、慶應薬学部、理科大薬学部

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3~5月:1対1対応の演習
6~7月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
8月:1対1対応の演習(3周目)
9~11月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ or 新数学スタンダード演習
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

基本的に東大・京大・一橋を目指す方と同じプランで進めていきましょう。受験科目の中でも数学は、大コケする可能性のある特殊な科目です。力を入れておくに越したことはないでしょう。

また早慶が第一志望だとしても、合格者の多くは東大・京大・一橋を併願している受験層です。同じ土俵の上で戦うのだということを忘れないでください。

5 おわりに

ある程度使用する参考書も限定して、ご紹介しました。もちろんここに採用しなかった参考書・問題集の中にも名著はたくさん存在しており、読者の方それぞれご自身に合うものを使っていただくのがベストだと思います。一つの例として捉えていただき、自分だけの勉強計画を作ってみてくださいね。