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数学の参考書や問題集の選び方について自分なりに基準のある方はどれくらいいらっしゃいますか? 自分に合った本を、といっても何が自分に合っているのかを見定めるのは本当は難しいことです。

また、数学という科目は、日本語の言い回しが独特であったり、日常生活で経験しているものとは異なる概念を理解していく必要があるため、独学が非常に難しいといわれています。

この記事では、数学の参考書を選ぶコツと、STUDY HACKERリリース当初からご紹介してきた膨大な数の参考書レビューから、特に皆さんにおすすめしたい参考書・問題集を厳選してご紹介します。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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数学の参考書・問題集ってどれがいいの?正しい選び方

いまはたくさんの参考書・問題集があり、千差万別です。ただ本屋さんに行って眺めていても何がいいのかわからなくなってしまうもの。しっかりと判断基準を持っておくことが良い教材選びには必要不可欠といえます。

数学の参考書・問題集選びのポイントについて、要約すれば以下の3点です:

1. 解決したい課題をはっきりさせる
2. 知っている内容と知らない・理解できない内容がバランスよく混在しているかどうかを判断する
3. 買った直後から勉強したいと思えるものかどうか判断する

一つ一つについて説明を補足していきましょう。

1. 解決したい課題をはっきりさせる

本屋さんに行けば、たくさんの参考書に触れて、いろいろ目移りしてしまいがち。当初買うはずではなかったものを買って帰ってきてしまったなんて経験をした方も多いのではないでしょうか? しかし、そうして手に入れた教材を長く使うことというのはあまりありません。

ただなんとなく、やばいと思っているから参考書を買ったというパターンが最も継続しません。なぜなら、目的がないので、なんでその教材をやっているかわからなくなってしまうからです。現時点の自分の学力を振り返って、課題になっているポイントを明らかにしましょう。何を解決すればよいかがわかれば、そのために必要な教材を探そうと目的が生まれます。

2. 知っている内容と知らない・理解できない内容がバランスよく混在しているかどうかを判断する

自分の実力よりもはるかに高いレベル(知らないあるいは理解できない内容ばかり)のものがを選んでしまうと、一つ一つの内容理解にあまりに労力が割かれてしまい、全く進むことなく挫折してしまいかねません。もちろん知っている内容のものばかり入っているものは自分のためにならないので、選ぶ人は多くないかと思います。重要なのは、知っていることと知らないことのバランスです。

3. 買った直後から勉強したいと思えるものかどうか判断する

レイアウトやデザインも含めて考慮しましょう。内容が素晴らしくても文字ばかり多くて読む気が起こらないのであれば結局勉強しないことになってしまうので、意味をなしません。

数学の参考書・問題集の正しい使い方

数学の参考書・問題集の使い方は要約すれば以下の4点です:

1. 答案だけでなく考えたことも言語化・図式化してノートに書く
2. 自分の解法と問題集の解法を比較する
3. なぜその解法が正しいのかを考える
4. 1冊につき2回以上繰り返す

1. 答案だけでなく考えたことも言語化・図式化してノートに書く

数学の問題に取り組むとき、どうしても日本語を書かずにメモ書き程度に計算をして答えが出たらそれで良し! としてしまっている方が多く見受けられます。しかし、練習でやっていないことをいきなり本番でやるというのは非常に難しいことでしょう。普段から、日本語で答案が整理できていなければ、本当に理解しているか怪しい部分があります。

さらに、問題集に取り組むことの最大の意味は、思考の仕方を変えることでしょう。それまでの姿勢や着眼がだめだから、その問題集で演習することを通じて改善するわけです。明確に自分の考え方のどこが悪いのかを洗い出して、その点を改善するというのが目的を達成するための最大の方法でしょう。

解説を読めば正しい思考法がわかるわけですが、自分の考え方が明確になっていなければ、どこが悪いのかを明確に判断することができません。どの部分の思考に間違いあるいは無駄があったのか。そもそもどのように理解しておくべきだったのか。そういったことを明らかにするために、必ず答案だけでなく、考えたこと・思ったことも言葉や図にしてメモをしておきましょう。

2. 自分の解法と問題集の解法を比較する

問題集をやるというのは、問題を解いて、答えが出たら、解説ページの解説の最後の行に書いてある答えのところだけを見て、合っていれば○、間違っていれば×をつけ、間違ったときに初めて解説を読む。合っていればそのまま次の問題に進むということをしてしまっていませんか?

答えがあっていたからそれで良いとするのは受験生として、半人前かもしれません。試験は時間との勝負。もしかしたら、もっと効率的あるいは正確な計算方法があったかもしれません。あるいはあなたが方程式を解いて答えを出した問題は、グラフを描けば一発で解答できるものだったかもしれません。

大事なことは正解したときに、自分の答えと問題集の解答を見比べることです。もちろん自分のやり方のほうが効率的なときもあるでしょう。しかし、逆のときは自分の学習・成長のチャンスです。解答の導き方を見比べて、自分にない発想はそこで吸収しましょう。別解があればもちろんそちらも吸収してください。載せる意味がない別解なら載せられていないはずです。1通りでしか解けないより、何通りでも解答が導き出せるほうが圧倒的に視点が豊かだと思いませんか?

3. なぜその解法が正しいのかを考える

皆さんの中には、問題集の解答・解説を見て、これはこういう解法だから覚えよう、「〇〇と聞かれたら△△をする」だと、何も考えずに暗記してしまっていませんか?
もちろん意味がないことは明らか。本番ではもちろん設定が違うことはおろか、そのような聞かれ方をしないから問題が難しく見えるのであって、そのような定式化をしても有効ではありません。

問題集に乗っている問題は過去のものであって今後二度と出ないという前提に立ちましょう(もちろん数字が異なるだけの問題が出てしまうこともあります、それはラッキーと捉えましょう)。

二度と出ないのであれば、「〇〇と聞かれたら△△をする」という定式化には意味がありません。大事なことは「次に似たような設定がでてきたときにどのように対処すべきか」の答えを得ることです。

そのためには、「なぜその解法だと解けたのか?」「数学ができる人はこの問題を見て、何を考えたから、その解法で解くに至ったのか」ということを考える必要があります。理屈はいいからとにかくそうする、のではなく、この問題の状況設定だと自然にそういった解法になるのはなぜなのか。どのような思考回路をしているとそういう発想・考え方に至るのかと考えることによって、暗記に頼らない、「思考力」を身につけることができます。

その考え方は直接的に問題集には書いていないかもしれません。しかし、そこを考えるのが、数学の一番の勉強です。

4. 1冊につき3回以上繰り返す

問題集の回数にはそれぞれ役割があります:

1周目:その教材の中で自分ができるものとできないものとを仕分けする
2周目:できないものをもう一度学習する
3周目:できないものができるようになっているか確認する

もちろん3周する必要のない問題もあるでしょう。しかし、世の中の受験生には不十分な理解のまま先に進もうとする受験生があまりにも多くいます。一つのことを習得するのに、一度やっただけでマスターできる人は限られています。普通は、2回、3回と繰り返し取り組むことによって、ようやく定着してくるものです。

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レベル別・ジャンル別おすすめ数学参考書・問題集

■教科書レベルの参考書

『白チャート』シリーズ(数研出版)
教科書内容の確認と教科書レベルの問題と類題の演習をするなら、まさしくこちら。網羅系問題集などと呼ばれることもあり、1冊あたりがかなり分厚いことが特徴ですが、その分手厚く導いてくれます。薄い問題集の場合、取り組む抵抗感は減るものの、その分解説が減ってしまうので、独学中心かつ初学者の方には、親切とは言い切れないこともしばしばあります。

『理解しやすい』シリーズ(文英堂)

■教科書傍用問題集

『4STEP』

『エクセル数学』

4STEPは学校の先生を通じてのみ解答・解説を入手できる教材です。他方、エクセル数学は解答解説セットで販売している、唯一の教科書傍用問題集。浪人生・既卒生の方など4STEPのような問題集の解答・解説を入手する手段がない方はエクセルをご利用ください。

■入試基礎・初級レベル(単元別問題演習)

以下に挙げる問題集・参考書は、教科書内容はひと通り学習し終えて、改めて受験を意識して問題演習を行う段階の方を対象にしています。教科書に掲載されている問題と同じか多少それより上くらいのレベルのものですので、教科書を読んでいた段階で教科書掲載の例題などに余裕を持って解答できていたならば、本ステップは飛ばしても構いません。

『基礎問題精講』シリーズ

『数学Ⅲ 基礎問題精講』(旺文社)

『大学への数学 入試数学基礎演習』

『大学への数学 入試数学基礎演習』(東京出版)

『大学への数学 数学Ⅲの入試基礎 講義と演習』

『大学への数学 数学Ⅲの入試基礎 講義と演習』(東京出版)

『黄チャート』シリーズ

『チャート式 解法と演習 数学Ⅰ・A』(数研出版)

『チャート式 解法と演習 数学Ⅱ・B』(数研出版)

『チャート式 解法と演習 数学Ⅲ』(数研出版)

■入試標準・中級レベル(単元別問題演習)

教科書には直接掲載のないものの、大学受験では典型的な問題あるいは効果の高い問題を演習していきます。問題演習をしながら、改めて、今まで教科書だけでは理解できていなかったポイントに気づいたりすることができます。場合分けのポイントであったり、立式・変数設定のコツ、図形問題や最大最小問題の捌き方、そういった基本的なスキルを身に着けるフェーズです。
なお、中堅私大文系であればこのレベルの問題がそのまま入試に出ることもあるでしょう。

『青チャート』シリーズ

『チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A』(数研出版)

『チャート式 基礎からの数学Ⅲ』(数研出版)

『Focus Gold』シリーズ

『Focus Gold 数学Ⅲ』(啓林館)

数学が得意な方は、ぜひ以下に挙げる問題集をおすすめします。東大・京大に準じる、旧帝大を始めとした難関国公立大学や、医学部でも最難関でなければ、以下の問題集に登場するような項目が解答の基本になります。

『1対1対応の演習』(東京出版)

『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)

『標準問題精講』シリーズ

『数学Ⅰ・A 標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅱ・B 標準問題精講』(旺文社)

以下に挙げる問題集は多少の差こそあれ、いずれも同程度のレベルの問題集で、良問ばかりを選定している非常に質の高い問題集です。東大・京大・東工大・一橋大を志望する方はここまで演習に取り組むことができれば、過去問演習の段階で良い手応えを感じることができるでしょう。レイアウトや掲載問題数など好みに合わせて使用してみてください。

『新数学スタンダード演習』(東京出版)
『大学への数学 新数学スタンダード演習』(東京出版)

『数学Ⅲスタンダード演習』(東京出版)

『大学への数学 数学Ⅲスタンダード演習』(東京出版)

『文系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『文系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』(数研出版)

『スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B』

『スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B』(数研出版)

■入試発展・上級レベル(問題演習)

以下は、医学部の中でもさらに最難関国公立・私立志望あるいは東大・京大でも数学を得点源にしたい方におすすめの問題集です。

『赤チャート』シリーズ(数研出版)

『医学部攻略への数学ⅠAⅡB』(河合出版)

『医学部攻略への数学Ⅲ』(河合出版)

『医学部攻略への数学Ⅲ』(河合出版)

『やさしい理系数学』(河合出版)

『やさしい理系数学』(河合出版)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ』(河合出版)

■最難関レベル

『解法の突破口』(東京出版)

『新数学演習』(東京出版)

『ハイレベル理系数学』(河合出版)

■単元特化型

【整数】

『マスターオブ整数』(東京出版)

『大学への数学 マスター・オブ・整数』(東京出版)

『整数 分野別 標準問題精講』

【場合の数・確率】

『合格る確率+場合の数』

『合格る確率[+場合の数]』(文英堂)

『場合の数・確率 分野別 標準問題精講』

■計算問題集

『合格る計算』シリーズ

『合格る計算 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(文英堂)

『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)