目次

  1. はじめに
  2. 数学を制覇せよ! 大学受験までの計画
    1. 2.1 現役生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)
    2. 2.2 現役生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)
    3. 2.3 浪人生・既卒生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)
    4. 2.4 浪人生・既卒生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)
    5. 2.5 高校1年生のうちにやっておきたいこと(受験3~2年前)
    6. 2.6 高校2年生のうちにやっておきたいこと(受験2~1年前)
  3. 【重要!】数学の勉強で大切なこと
    1. 3.1 数学学習の大原則
    2. 3.2 思考力の養成(問題を解く際の思考方針)
    3. 3.3 計算力の養成
    4. 3.4 用語を正しく理解する
    5. 3.5 中学数学内容理解の重要性
    6. 3.6(現役生)学校の授業の受け方(予習・復習)
    7. 3.7(現役生/浪人生・既卒生)集団授業・映像授業の受け方(予習・復習)
    8. 3.8(現役生/浪人生・既卒生)個別指導授業の受け方(予習・復習)
    9. 3.9 参考書・問題集の取り組み方
    10. 3.10 勉強時間のとり方
    11. 3.11 数学を勉強する上でのヒント
  4. 模試の復習方法
    1. 4.1 自己採点
    2. 4.2 問題の分類と2段階の解き直し(解答・解説を見ながら時間無制限、教科書・参考書を見ながら時間無制限)
    3. 4.3 知識の補充、類題演習
    4. 4.4 制限時間ありで何も見ずに解き直し
  5. 過去問の使い方
  6. 教科書傍用問題集の使い方
  7. 網羅系問題集の使い方
  8. 数学のおすすめ参考書・問題集
    1. 教科書レベル内容の参考書
    2. 教科書傍用問題集
    3. 入試基礎・初級レベル(単元別問題演習)
    4. 入試標準・中級レベル(単元別問題演習)
    5. 入試発展・上級レベル(問題演習)
    6. 最難関レベル
    7. 単元特化型
    8. 計算問題集
  9. 終わりに

1. はじめに

この記事では、大学受験に向けた数学の勉強の仕方について、完全未習者・初学者レベルから、東京大学理系(理科Ⅲ類を含む)・京都大学理系(医学部医学科を含む)・トップ国公立/私立医学部合格レベルにまで達する道のりをご紹介します。理系受験生はもとより、文系・薬学部の受験生も含め、数学ⅠAⅡBおよび数学Ⅲを大学受験に使用する可能性のある全ての受験生の方に向けて執筆しました。

大学受験において、数学が苦手なことは最後まで足を引っ張ってしまう可能性があります。なぜなら、知識があるだけでは点数にならないから。「yがxの関数であるとはどういうことか説明せよ」などの定義文をそのまま解答すればよいような出題は一部の例外を除いて極めて少ないといってよいでしょう。ほとんどの場合は、その場で複数の状況が与えられて問題を解決するという出題(値を求めたり証明したりする問題)です。

解法が整理しきれていない、考え方が身についていない、定義・定理・公式・性質が頭の中に入っていない、問題文を読んでも何をすればよいか見当もつかない……。この記事を読んでいる方もそういった経験がおありかと思います。これは思考力が足りていない状況であり、数学の苦手な人の多くがここに悩まされています。

計算を間違えてしまっても点数は引かれてしまいます。思わぬところで掛け算を足し算にしてしまっていたり(2の3乗を6と勘違いしてしまったことはありませんか? 2×3を5としてしまったことありませんか?)、符号を見間違えて−とすべきところを+にしてしまったり(9-17を8と書いたことありませんか?)……。もちろん本番では人によって極度の緊張状態になってしまうこともあり、精神状態が大きく影響を及ぼしてしまう部分でもあります。すなわち、普段の学習や模擬試験で失敗があってもなくても、本番でどうなるかわからないというところが大きな不安の要素のひとつといえます。

しかし、すべての試験が満点を取らなくてはいけないということはありません(医学部の試験だとそういったレベルの戦いになることはありますが……)。できる限り解法を押さえることは重要ですが、入試では全単元からまんべんなく問われるということはありません。できる限り正確にすばやく計算を行なうことができるのは重要ですが、些細な計算ミスもほかの大問をまるまる正答できればしっかりカバーできることもあります。人間なら取りこぼしがあって当然です。

大学受験勉強は合格点を取ることが最大の目標です。最短ルートで合格点を取るために戦略的に勉強していくこと。これが大学受験の(数学の)勉強のスタンスです。そして、その最短ルートをできる限りすべて示そうと試みたのがこの記事です。

また、全国の受験生が抱いている数学の勉強に対する色々な誤解を解こうという目的も持っています。例えば、中学校の数学が怪しい人がこの記事の早慶向けの学習法を採用していただいても効果が出ないというのは当たり前です。また、莫大にある解法をとりあえず暗記しさえすればよいというのも大きな間違いです。実際そういう人は記述模試などで手も足も出ない状況になっているのではないでしょうか。

ぜひしっかりと最後までお読みいただいて、この記事を大学受験に向けた数学の勉強に役立てていただければと思います。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 数学を制覇せよ! 大学受験までの計画

まずは、数学の学習がどういう流れで進んでいくのかをざっくり眺めてみましょう。闇雲に勉強しても効果が全くないわけではありませんが、適切な情報を収集して正しい学習方法・学習手順に従って取り組んだほうが、より効果的です。

以下では、2.1および2.2で現役生の年間学習スケジュール(理系・文系)を、2.3および2.4で現役生以外(浪人生・既卒生)(理系・文系)の年間学習スケジュールを、志望校別に紹介しました。あくまで一例にすぎないので、本記事の情報だけでなく、学校の先生や通っている塾のスタッフなど身近にいる大学受験に詳しい方に相談をして、自分の目で情報の取捨選択を行なってください。

■2.1 現役生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)

【1】東京大学理科Ⅲ類、京都大学医学部医学科、慶應義塾大学医学部
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3~5月:やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
6~12月:ハイレベル理系数学 or もっと考え抜く学コン
9~12月:志望校過去問演習(東大・京大は25ヵ年、慶應医学部は他私大医学部の対応も兼ねて『大学への数学増刊号 入試の軌跡 私大医学部 各大学5年分』に取り組んでください。
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

※高3に進級した段階で東大理系数学6問中3問程度は完答できるレベルに到達している必要があります。
※1年間通じて、月刊誌『大学への数学』の購読で入試基礎レベルおよび入試標準レベルをカバーします。さらに余力があれば、毎月学力コンテストに応募し、入賞を目指しましょう。

【2】東京大学理系、京都大学理系、東京工業大学、旧帝国公立医学部、私大医学部上位(東京慈恵会医科大学、順天堂大学医学部、日本医科大学)
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3〜6月:1対1対応の演習
7〜8月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
9〜11月:志望校過去問演習/やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
12月:センター試験対策
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習(国公立大学受験者のみ)

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

青チャートレベルの解法については、全てではなくとも半分以上について理解していることが前提です。大手模試では偏差値60以上です。

まず1対1対応の演習で標準レベルの解法について理解を深めながら、夏には上に挙げた参考書・問題集を使用して確率・整数の強化を図りましょう。

ただし、マスターオブ整数を使用する際に、京大理系を志望される方はなるべく全問に取り組んでください。それ以外の志望校の方について、全問取り組むとあまりに時間がかかってしまうという場合は、第1部、第2部だけでも構いません。さらに第1部の研究問題も除いてしまってよいでしょう。

秋からは志望校の入試問題演習をやりながら標準およびやや難の問題演習を行なってください。あくまでこちらはモデルケースなので、他科目とのバランスを取りつつ、英語や理科、国語がまずいという方は過去問演習だけを優先して行なうようにしてみてください。

【3】旧帝含む国公立大学上位校非医学部、早慶上智理工・理科大、同志社/立命館理工、私大医学部中堅・下位
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3~5月:大学への数学 入試数学基礎演習/大学への数学 数学Ⅲの入試基礎
6~9月半ば:1対1対応の演習
9月半ば~11月:志望校過去問演習/1対1対応の演習(2周目以降)/やさしい理系数学 or 理系数学の良問プラチカⅠAⅡB・Ⅲ
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

5月末までは、入試数学基礎演習と数学Ⅲの入試基礎を用いて教科書章末問題のレベルを完璧に仕上げてください。この基礎部分が揺らいだまま先に進むとセンター試験でも大コケしてしまう可能性があります。単元によって全く理解が追いついていないということであれば、体系数学など手持ちの教科書を用いてまずは基本知識を押さえることからスタートしましょう。

6月からは1対1対応の演習に入りましょう。このテキストで標準レベルをマスターすることが何よりも重要です。夏の間も1対1のマスターに専念してください。

夏以降は志望校の過去問と1対1対応の演習の2周目、そして入試問題集として理系数学の良問プラチカ、やさしい理系数学、重要問題集の中から1冊選んで取り組んでみましょう。数学が比較的苦手……という方は重要問題集を、苦手ではないけど時間がないという方はやさしい理系数学がおすすめです。ここまでやりきれれば、かなり自信を持って数学の試験に臨むことができると思います。

■2.2 現役生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)

【1】東京大学文系、京都大学文系、一橋大学
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3~4月:大学への数学 入試数学基礎演習
5~7月:1対1対応の演習
7~9月:1対1対応の演習/整数強化*/場合の数・確率強化**
10~11月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ or 新数学スタンダード演習
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

4月末までは入試数学基礎演習を使用して数学ⅠAⅡBの教科書章末問題レベルの内容を復習しましょう。単元によって理解度がまちまちであれば、教科書を使って基本的な定義・定理・公式・性質の復習をしてください。

5月からは1対1対応の演習を用いて標準レベルの内容を着実に積み上げていきましょう。9月末までに最低2周できれば、志望校の過去問に手を出すことのできるところまで行くことができます。

地歴の論述や英語・国語に時間を掛ける必要がある場合は、最低1周を心がけてください。例題のみという使い方もよいでしょう。

また、途中7月からは東大文系や一橋で頻出の整数および確率の対策を行ないます。こちらも時間がない方はひとまず1対1対応の演習のマスターに全力を注いでください。ただし、京都大学の文系を受験する方は、少なくとも整数の対策はやっておいたほうがよいでしょう。

秋以降は志望校の過去問演習と入試問題集(文系数学の良問プラチカあるいは新数学スタンダード演習)で入試文系数学のトップレベルまでのぼりつめます。

冬はしっかりセンター試験対策を行なってください。改めて数学ⅠAⅡBの基礎内容の確認をできるチャンスです。ここでもう一度しっかり基礎固めができれば、特に数学が苦手な人にとっては、2次試験対策に戻ったときに公式のど忘れなど基礎部分での失点が減っていることに気づくはずです。

【2】旧帝含む国公立大学上位校、早慶上智文系
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3~4月:入試数学基礎演習
5~7月:1対1対応の演習
7~9月:1対1対応の演習2周目/整数対策/場合の数・確率対策
10~1月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ

3~4月のうちに入試数学基礎演習を用いて、教科書レベルの知識内容に抜け漏れがないかどうか確認してください。もちろん抜けている単元をひとつでも残してしまうことはNGです。

5月以降は1対1対応の演習を中心に入試標準レベルの解法を習得していきます。

秋以降は志望校の過去問演習と文系数学の良問プラチカを使用して入試標準レベルの問題演習を行ないます。ただし、早慶志望者は志望校(+別学部)の過去問演習を徹底して行なってください。特に早稲田大学商学部などは、文系数学の中でもかなり特殊な出題(ガウス記号が頻出)をしており、理系数学として出題されてもおかしくない難易度のものが多く存在します。文系数学の良問プラチカはあくまで典型的かつ頻出の入試標準問題を集めた問題集ですので、早慶のような特殊な出題の場合、雰囲気がかなり異なります。

■2.3 浪人生・既卒生(理系:受験に数学Ⅲを必要とする方)

【1】東京大学理科Ⅲ類、京都大学医学部医学科、慶應義塾大学医学部
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3~5月:やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
6~12月:ハイレベル理系数学 or もっと考え抜く学コン
9~12月:志望校過去問演習(東大・京大は25ヵ年、慶應医学部は他私大医学部の対応も兼ねて『大学への数学増刊号 入試の軌跡 私大医学部 各大学5年分』に取り組んでください。
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

※受験勉強を開始する段階で東大理系数学6問中3問程度は完答できるレベルに達している必要があります。

1年間通じて、月刊誌『大学への数学』の購読で入試基礎レベル、入試標準レベルをカバーします。さらに余力があれば、毎月学力コンテストに応募し入賞を目指しましょう。

【2】東京大学理系、京都大学理系、東京工業大学、旧帝国公立医学部、私大医学部上位(東京慈恵会医科大学、順天堂大学医学部、日本医科大学)
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3~6月:1対1対応の演習
7~8月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
9~11月:志望校過去問演習/やさしい理系数学 or 新数学演習 or 上級問題精講ⅠAⅡB・Ⅲ
12月:センタ試験対策
1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習(国公立大学受験者のみ)

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

3~5月のうちに1対1対応の演習に掲載されている内容をひと通り学習し、標準レベルを身につけましょう。さらに6月から2ヶ月で2周目に取り組み、早急に標準レベルのマスターを目指します。

また6~7月の間は、整数および場合の数・確率の対策も行なってください。特に京都大学を志望する方は、1対1対応の演習だけでは弱いので、重点的に学習していただきたいところです。

8月以降は、志望校の過去問演習に入りつつ、入試問題集と微積分の対策を行ないます。同時に3種類を並行して進めていくことになるので、かなり大変になりますが、理系でトップレベルの大学を狙うにあたって、数学でビハインドするわけにはいきません。また、現役生と差をつけられる点はやはり微積分でしょう。かなりの対策時間を要するものの、現役生は他の単元の習得にも力を注ぐ必要があり微積分だけにたくさん時間をかけるわけにいきません。

同時並行が大変であれば、まず微積分基礎の極意を終了させてから、入試問題集に取り掛かってください。

【3】旧帝含む国公立大学上位校非医学部、早慶上智理工・理科大、同志社/立命館理工、私大医学部中堅・下位
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3~5月半ば:大学への数学 入試数学基礎演習/大学への数学 数学Ⅲの入試基礎
5月半ば~8月半ば:1対1対応の演習/整数対策/場合の数・確率対策
9月半ば~11月:志望校過去問演習/1対1対応の演習(2周目以降)/やさしい理系数学 or 理系数学の良問プラチカⅠAⅡB・Ⅲ
12~1月:センター対策
2月:志望校過去問演習

※計算問題集『合格る計算ⅠAⅡB』『合格る計算Ⅲ』は年間通して継続

3月から5月までは入試数学基礎演習および数学Ⅲの入試基礎を使って、数学ⅠAⅡBⅢ全体の教科書章末問題レベルの内容をしっかりと仕上げましょう。この段階で抜け漏れがあるにもかかわらず先に進んでしまうと、過去問演習あるいは本番で大きく足元をすくわれてしまう可能性があります。

6月からは1対1対応の演習に入りましょう。11月までに最低2周し、掲載されている全問題について人に解説できるレベルを目指します。ただし、1対1では整数および場合の数・確率が弱いので、整数についてはマスターオブ整数あるいは整数 分野別 標準問題精講を、場合の数・確率については合格る確率+場合の数あるいは場合の数・確率 分野別 標準問題精講を用いて対策を深めていきます。

8月半ばからは、1対1対応の演習の2周目を回しながら、志望校の過去問演習および標準~やや難レベルの入試問題集を用いて万全の状態を作っていきます。数学が得意な方はやさしい理系数学を、苦手だという人は重要問題集で固めていってください。特に数Ⅲの微積分については、力を入れて全テーマをマスターしてください。

■2.4 浪人生・既卒生(文系・薬学系:受験に数学Ⅲを必要としない方)

【1】東京大学文系、京都大学文系、一橋大学
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3~5月:1対1対応の演習
6~7月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
8月:1対1対応の演習(3周目)
9~11月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ or 新数学スタンダード演習
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

*整数強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 整数 分野別 標準問題精講
・マスターオブ整数

**場合の数・確率強化:以下のいずれかを使用してください。
・数学 場合の数・確率 分野別 標準問題精講
・合格る確率+場合の数

※ある程度計算力等を身につけている方を対象とします。

3月から1対1対応の演習を用いて数学ⅠAⅡBの全単元の標準レベルの解法をマスターしてください。年間で最低3周することによって、最低でも、東大文系であれば4問中1完半、京大文系および一橋であれば、5題中2題完答できることを目指します。

6~7月の2ヶ月間では、1対1の2周目を行ないつつ、整数と場合の数・確率の対策を深め、夏終わりに実施される一般的な記述式の模擬試験で偏差値70を超えることを目標としましょう。

9月からは志望校の過去問演習と入試問題集を並行して進めていきます。過去問演習については最低5年分を実施してください。頻出内容が若干異なるとはいえ、東大、京大、一橋のすべてに手を出してみるのもおすすめです。また、早慶をはじめとする難関私大も受験する場合は、そちらの過去問演習も徹底して実施してください。国公立とは頻出分野も出題方法・内容も大きく異るため、別途対策が必要となります。

12月からはセンター試験対策に集中しましょう。改めて全単元の基礎を確認し、得意な方は数学ⅠAおよび数学ⅡBの両方で満点を、苦手な方でもそれぞれ85点以上を目標としてください。

【2】旧帝含む国公立大学上位校、早慶上智文系
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3~5月:1対1対応の演習
6~7月:1対1対応の演習(2周目)/整数強化*/場合の数・確率強化**
8月:1対1対応の演習(3周目)
9~11月:志望校過去問演習/文系数学の良問プラチカ or 新数学スタンダード演習
12~1月:センター試験対策
2月:志望校過去問演習

基本的に東大・京大・一橋を目指す方と同じプランで進めていきましょう。受験科目の中でも数学は、大コケする可能性のある特殊な科目です。力を入れておくに越したことはないでしょう。

また早慶が第一志望だとしても、合格者の多くは東大・京大・一橋を併願している受験層です。同じ土俵の上で戦うのだということを忘れないでください。

■2.5 高校1年生のうちにやっておきたいこと(受験3~2年前)

【1】数学ⅠA教科書傍用問題集に取り組んでおく(特に2次関数、三角比、場合の数・確率)

高校1年生で何よりもやっておいてほしいことは、教科書傍用問題集に取り組むことです。数学ⅠAの基礎固めは高校数学全体の基礎固めと同じです。いくら数学ⅡBや数学Ⅲなど抽象度の高い内容を扱っても数学ⅠAの土台が固まっていないのでは、難しいレベルの問題に対応できません。

【2】中学の復習をする(特に幾何・図形分野)

高校に入学したてで、すぐに数学についていけなくなってしまうことの大きな原因は、中学数学に相当やり残しがあるためです。高校2年に入ってしまうと数学ⅡB、早いところで高1のうちに数学ⅡBを終え、高2の初めや途中から数学Ⅲに入ってしまうところもあります。

また特に幾何・図形分野が抜けていると、図形と式、積分、ベクトルといった図形が絡む他分野の問題を解く際に致命的になることがあります。面積を求めろと言われても領域部分が扇形であれば、積分ではなく扇形の面積公式を利用するはずです。

あとからでは取り返しがつかなくなる前に、きちんと取りこぼしを押さえておきましょう。ひと通り学習はおわっているはずですから、中学で習いたての頃よりは学習スピードが上がっているはずです。夏休みなどまとまった時間を利用してみてはいかがでしょうか。

■2.6 高校2年生のうちにやっておきたいこと(受験2~1年前)

【1】数学ⅠA教科書傍用問題集あるいは網羅系問題集に取り組んでおく(特に2次関数、三角比、場合の数・確率)

高校1年生と同じく、教科書傍用問題集に取り組んでください。特に2次関数、三角比は数学ⅡBの三角関数、図形と式、ベクトルの理解に大きく関わります。

網羅系問題集とは青チャートやFocus Goldといった分厚く、解法をできるだけ多くわかりやすく解説してくれている参考書のことを指します。詳しくは、後の章で解説していますので、そちらをご覧ください。

【2】数学ⅡB教科書傍用問題集あるいは網羅系問題集に取り組んでおく(全単元!)

学校の授業の進度に合わせて、数学ⅡBの教科書傍用問題集に取り組んでおきましょう。もちろん網羅系問題集でもかまいません。文系であれば、高3からスムーズに問題演習に移れるように、理系であれば数学Ⅲに接続できるように準備をしておきたいところです。

【3】(理系)数学Ⅲを先取り学習しておく

理系に進むのであれば、この高2のうちに教科書学習と計算練習だけはしっかり取り組んでおきたいところです。難関大を目指すのであればなおさら。高3の1年間は、多くの時間を理科の学習に費やすことなりますから、高2のうちに準備しておきましょう。

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3. 【重要!】数学の勉強で大切なこと

■3.1 数学学習の大原則

数学の学習の大原則のひとつは「思考を正すこと」です。問題文を読んだときに思ったこと、浮かんだこと、やろうとしたこと、やったこと。これらすべてが正しい方向に修正されれば、正しく問題に解答できるという至ってシンプルな話です。

これをやるために問題演習をたくさん行なうわけですが、そのときに「思考を正そう」と思って取り組んでいないとただ問題を解くだけで、自分の中にノウハウがたまらないことになってしまいます。

そして、もうひとつの大原則は「計算力をつけること」。もちろん小学校で勉強した四則計算から始まり、方程式や不等式、平方根や指数・対数・三角関数、そして極限・微分・積分の計算ができるようになること。これは誰でもわかる計算力の部分です。

しかし、これだけではありません。問題を見た瞬間にある程度頭の中で計算を進めて見通しを立てること。高校数学ではこれも計算力のひとつに入ります。

これら2つの身につけ方は、3.2と3.3で詳しく述べていきます。

■3.2 思考力の養成(問題を解く際の思考方針)

思考の正し方は、自分がどのように思考しているかを具体化することから始まります。数学の問題を解くときは、いつでも、以下のように取り組んでください。

・1問につき、答案を書くための「下書き」と解答用紙に書く「記述答案」の2種類を書いてみる。
・ひとつひとつの問題で考えたことをきちんと絵や文字に起こしておく。
・それらをきちんと論理立てられた「答案」にまとめてみる。

これらに取り組むだけで、飛躍的に思考力が上がります。

しかし、見たことある問題でないとすぐに手が止まってしまう方も多いはず。それは自然と類問の型にはめることしかしていないからです。型にはまらないとわかった瞬間、思考の方針を変える必要があります。いくつか代表的なものを紹介します。

1. ゴールから逆算して何を求める必要があるのかを考える

数学の苦手な方に一番足りない視点です。手元でやれることをやって解けるのなら、数学の問題を解くことに論理性は必要ありません。何を求めるのかというゴールから逆算していくことで、はじめの一歩として何をすべきかが見えることがあります

Aを求めるということは、Bがわかれば良いということだ。Bを求めるにはCを計算すればよい。Cを計算するにはまず、Dを変形することだ。

このように考えていくことで、まず答案はDの変形から行なえばいいということが導けます。とにかく問題文を読んで思ったことをかたっぱしからやっている方はぜひ、試してみてください。

2. 実験して得られた具体例から法則を見抜く

莫大な大きさの数字を扱う問題であったり、サイコロをn回投げるという抽象的な設定の問題の場合は、そこにどういった法則があるのかはそのまま眺めているだけでは一向に見えてきません。具体的な数字を代入して実験しながら、どういう法則があるのかを観察・考察してみましょう。

3. 視覚化(図やグラフに起こしてみる)して、図形的な情報として捉え直す

「aを0でない定数とする。すべての実数xに対して2次不等式ax^2+2ax-3+4/a<0が成り立つ」という問題は確かに教科書の練習問題ばかりやっていると見慣れない表現に見えます。しかし、

・問題文の言い換え:「2次不等式ax^2+2ax-3+4/a<0の解がすべての実数となる」ということです。
・図形的情報への変換:左辺をf(x)としてy=f(x)のグラフをxy平面に描けば、グラフは「上に凸」で「x軸の下側にある」ということです。

このように自分で言い換えていくと、見たことのある内容に帰着させることができます。

4. 知識の関連性を考える

最大・最小問題は、関数の挙動と捉えても不等式で表現される値域として考えてもよいものです。関数と捉えれば、微分して増減を調べたり、不等式であれば相加平均と相乗平均の大小関係を利用できます。「微分」や「相加平均と相乗平均の大小関係」はそれぞれ別の単元で学習しますが、最大・最小問題という軸で捉えると、関連知識として結びつきます。

ほかにも様々な軸で知識の相互関連を考えてみましょう。このようにして、ひとつひとつの知識の使い方という部分まで踏み込んでマスターしていきましょう。

もちろんこれだけではありません。角を設定したり、置き換えを利用したり、対称性を利用したり……。リストアップすれば枚挙に暇がありません。

闇雲にただ問題を解くだけでは、こういった視点が全く身につかず、いくつも問題を解いているのに時間だけを浪費する羽目になってしまいます。入試問題を解くというアウトプットを意識できると、自然とこういった目線で数学の勉強を進めることができるようになっていけます。

■3.3 計算力の養成

毎日30分必ず計算だけの時間を確保すること。

思考力以外にひとつ重要なものを挙げるとすれば、「計算力」にほかなりません。しかし、思考力に比べて格段に見過ごされ、過小評価されてしまう項目です。塾や予備校でも、計算に特化した講座やトレーニングは行なってくれないことがほとんど。

「計算は誰でもできる」「解法・解き方のほうが大事」……。決して間違っているとはいいません。しかし、自分に計算力があるかどうかというのはなかなか客観的に判断できないものです。解法さえあっていればあとの計算は間違っていたって大丈夫と思っている方すら見かけます。

私立大学を第一志望にしている人は、きっとマークシート式の試験を受けることになるでしょう。途中過程は評価されず、最後の計算結果で一発勝負。ここで少しでも計算間違いをすれば、計算が遅くて試験が解き終わらなかったら、1年まるごと台なしに……。そういった世界にいることを忘れないでください。

高校数学では、本質を見通す力を含めて「計算力」と呼んでいます。ただ単に四則計算を速く正確に行なうことができればよいというだけではありません。いくつか方針が浮かんだときにどの方針が妥当な選択肢なのかはやはり計算してみないと判断がつかないものです。そのときにある程度先まで計算を見通すことができれば、どの攻め方がよいのかという検討がつくものでしょう。

計算力の強化はもはや本質的な理解と切り離せない考え方であり、必要不可欠なもの。7番で紹介する参考書を用いてしっかり鍛え上げてください。

■3.4 用語を正しく理解する

【1】日常語と同じ表現でありながら意味が異なる言葉

数学で用いる日本語は日常語と同じ表現をしておきながら、意味が微妙に違うことがあります。

例えば「または」という言葉。「AまたはB」といったら、「AかBかのどちらか一方」という意味を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし数学では、「Aは成り立つがBは成り立たない」「Aは成り立たないがBは成り立つ」「AもBも成り立つ」のいずれかひとつが成り立つことを「AまたはB」といいます。

ほかにも「必要」「十分」という言葉は日常用語のそれとは少し意味が異なります。部分集合と言っても自分自身もまた部分集合のひとつです。「任意」という言葉は「すべて」と言い換えることができます。

こういったことはなかなか自分では気づきづらい部分かと思いますので、インターネット上にあるWeblio辞書の算数用語集・数学用語集を用いて細かく慎重に調べていくか、学校・塾・予備校の先生に質問するようにしてみましょう。

【2】数学ならではの専門用語

以下に挙げるような言葉の意味をきちんと正しく日本語で説明できるでしょうか。

・関数
・線分
・絶対値
・正三角形
・定数
・実数
・命題
・部分集合
・漸化式
・多項式
・仰角
・導関数
・整式
・第1象限
・対偶

これらの言葉がきちんと説明できないと問題文自体を正しく理解できないおそれがあります。この記事を読んでいる皆さんはインターネット環境があると思いますから、ぜひ一度上のような言葉を調べてみてください。

特に、これまであまり説明されてきていない(知っている前提)けれど定義を言えと言われたら困るような言葉は要注意です。思わぬところで勘違いが発生しているかもしれません。

定義というのはいろんなことを述べていくために設定する最初のお約束事です。これがずれてしまうと同じ文章を読んでも人によって違う解釈が出てきてしまいます。

問題文で登場するたびに「知っているつもりだけど、うまく説明できない」言葉をWeblio辞書の算数用語集・数学用語集で調べてみましょう。正しい用語の定義なくして、正しい理解なしです。

■3.5 中学数学内容理解の重要性

大学入試の試験範囲は、例えば理系であれば「高校数学ⅠAⅡBⅢ」と定められていることが多いですが、もちろん高校数学を理解するには中学までの数学(さらには小学校の算数)を理解している必要があります。

大手予備校実施の模擬試験で偏差値45を切る場合、高校数学の前に中学数学からやり直したほうが、高校数学からいきなり始めるよりも最終到達点が上がります。なぜなら、数学の思考の土台は、知識自体が難しくならない中学数学のほうが固めやすいからです。

高校に入ると、ベクトルや数列、微積分と非常に抽象的な内容がどんどん入ってきます。もちろんそういった知識を習得すること自体が大切なのは明らかなことです。しかし、結局問題を解くときは問題の解き方に適した思考をしなければなりません。知識さえおぼつかないのに、その知識を使ってさらに思考力を磨こうというのは非常に難しいことなのです。

その点、中学数学であれば、高校内容より知識としては理解しやすいものが多い(当たり前ですね)ので、その中で発展問題、さらには難関高校入試問題にまで踏みこむことができれば、思考力の養成自体に全力を注ぐことができます。

もちろん受験までに時間がない方はここまでするべきではないでしょう。ただし、受験まであと1年以上あるものの中学数学がおぼつかないという方はぜひ、復習に取り組んでみてください。やり直し教材で3ヶ月もあれば、ひと通りやり直すことができるしょう。

■3.6(現役生)学校の授業の受け方(予習・復習)

現役高校生の皆さんは、ぜひ学校の授業を大事にしてください。ここで教科書学習をしっかりやってひとつひとつの知識を確実に吸収しておけば、受験勉強にスムーズに移ることができます。受験勉強の第一歩、基礎固めだと思って、取り組んでいきましょう。

【1】予習の仕方

授業のときに初めて内容を聞く、ということのないように教科書を事前に読んでおき、例題、練習問題については手を動かしてみてください。このときに問題を解けるかどうかは気にしてはいけません。内容を「ちら見」することが目的なので「ふーん、こういうものなのか」と思えるところまで読んで理解してもらえれば十分です。また、このとき疑問に思ったことは、その点を気にしながら授業を聞けるように、付箋にでも書いておいて貼っておきましょう。

1回50分の授業に対して、予習は30分程度でかまいません。

【2】復習の仕方

1. 定義・定理・公式・性質を中身を考えながらノートに整理する
また、できればそのタイミングで暗唱までしてしまいましょう。問題文などにあった知らない用語もここで調べておくとよいでしょう。

2. 教科書の例題と練習問題を解く
学習した定義・定理・公式・性質をどのように利用するのかという点に思いを馳せながら解いてみてください。

3. 1章分を終えたら章末問題を解く
このとき、解けなくても恥ずかしいだなんて思わないでください。教科書の章末問題は入試レベルの難易度のものも存在します。最初から全問解ける人はやっぱり優秀です。

4. 教科書傍用問題集で同じ範囲の問題に取り組む
教科書には載ってないようなジャンルの問題も存在します。どんな問題があるのかと楽しみに解いてみてください。

1回50分の授業に対して、復習は2時間程度かけられるのが理想です。

ただ数学といえば、高校での授業時間数は英語並に多く、高校2年生で理系を選択すれば、ほぼ毎日数学に触れることになります。毎日の授業を大事にするのは簡単なことではありません。しかし、せっかくこの記事を読んでいただけているということは数学の勉強を本格的に開始したいと思っているはず。毎日頑張ろうとせず、まずはできる範囲で頑張ってみましょう。

■3.7(現役生/浪人生・既卒生)集団授業・映像授業の受け方(予習・復習)

塾や予備校に通っている方は集団のクラス授業を受講していることでしょう。予習の仕方について担当講師の方から細かく指示が出ている場合はそちらに従ってください。

そうでない場合、受講の姿勢は学習効果に大きく影響を及ぼしますので、しっかりとした予習→授業→復習という流れを構築していく必要があります。せっかくお金を払って授業を受けに行っているわけですから、学習効果を最大化したいと考えるのは当然ですね。

【1】予習の仕方

おそらく多くの予備校のテキストは、要点解説、例題、講義用問題という順でページが構成されているかと思います。

1.
要点解説を熟読し、必要があれば教科書で証明を確認してください。マーカー等を入れながら読むのがよいでしょう。要点解説自体が載っていなければ、収録されている問題に関連する教科書内容を自分で探して事項の整理を行なってください。

2.
例題を自力で解いて、予習段階での実力を確認しましょう。

3.
講義用問題の必要題数だけ解きます。その際、1問につき、答案を書くための「下書き」と解答用紙に書く「記述答案」の2種類を書いてみてください。

授業というのは「この問題ではどのように思考すればよかったか、今後どのように思考していけばよいか」を教わる場です。自分がいまどのような思考をしているかを明確化しておかなければ、授業に出る意味がほとんどないといっても過言ではありません。ここが予習のキモとなる部分です。

受講している授業のレベルにもよりますが、予習は1講につき2時間程度と考えるのが妥当でしょう。

【2】復習の仕方

こちらも担当講師の方の指示に従ってください。別段細かい指示がない場合は以下の通りに取り組んでみてください。

1.
講義ノートを読み返し、1問ずつ解答の流れを整理し、自分でポイントをまとめ直す

2.
問題を解くために要となった知識事項を調べ直し、覚え直す。定理・公式であればできる限り証明まで確認してください。必ずしも証明をノートに書く必要はありません。

3.
何も見ずに問題を解き直してみる。このとき、記憶を頼りに解いてもよいのですが、自分が人に説明できない式変形や発想は許されません。すべて理解したうえで、その理解が自分ひとりで組み立てられることを実感しながら解いてください。二度と出ない問題を用いて「今後どのように対処していけばよいのか」という方針を学習しているのだという意識を忘れないでください。

4.
関連する単元の教科書章末問題や教科書傍用問題集の問題を解き直す。その問題を解くのに必要だった知識を集め直してください。

5.
数日後に、問題だけを見て解答の流れを思い出してみる

1回の授業の復習にかける時間は、4~6時間程度です。相当長いと思うかもしれませんが、それに見合うレベルで密度が高く、意味のある問題をやっているわけですから、骨の髄まで味わいましょう。

■3.8(現役生/浪人生・既卒生)個別指導授業の受け方(予習・復習)

個別指導授業は、集団授業に比べてひとりひとりの状況に合わせてカリキュラムや学習内容を個別にデザインしてくれるものですから、最適な内容・スピードで学習を進めることができます。担当講師は受講生のレベルを知った上で授業デザイン・宿題量調整を行ないますので、担当講師の指示通りに学習することが一番効率の良い方法です。

その上で、以下の項目に注目してみると、より学習効率をあげられるかもしれません。

1.
授業は講師が一方的に話す講義形式ではなく、生徒とのディスカッションをもとに進めていくケースが多く、口頭でのやり取りが多くなりがちなので、講師の話す内容を逐一メモして、あとで見返せるようにする。必要があれば講師の方にメモ書きしてもらうように依頼しましょう。

2.
わからない部分を聞くというのが授業のメインであるので、予習段階でわからないことが何なのかを必ず明確にしていくこと。また、それに対して自分なりの意見を用意しておくこと。これができないとほとんど意味のない時間になってしまいます。予習時間にどれだけじっくり考えこむことができるかということが授業の価値を大きく左右します。

3.
授業の時間は「その科目のプロ」と議論できる貴重な時間です。できる限り建設的な質問を心がけましょう

質問の例を以下に挙げてみますので参考にしてみてください:
・〇〇という単元をひと通り理解するには何が重要な項目なのか?
・今回は因数分解の問題だったが、これをxの関数とみて最大・最小を聞かれた場合は、どのように考えればよいのか?
・〇〇という単元を学習するうえで注意しておかなければならないことはあるか? つまづきやすいポイントはどこか?
・どのくらいのスピード
・自分の解答で理解が足りない部分や不必要な部分はどこか? また、先生ならどのように解くか?
・この問題の発想の源泉はどこにあるのか? 何を思ってどのように解いたのか? 先生は何を大事にしているからそのように解いたのか?(プロの考え方をまねる)
・〇〇という単元はまだ未習で何にも知らないのだが、ダイジェストでどういった単元なのかの説明を簡単にしてもらえないか?(自習するときにとっつきやすくするため)

■3.9 参考書・問題集の取り組み方

この項目では数学を自習で勉強する人に向けて、その方法や注意点を細かくお伝えします。

【1】知識の習得

参考書の各章であったり、問題集の要点解説部分であったりと、知識面について重点的に解説しているパートの読み方です。

1.
重要項目、忘れてはいけない項目をマーカーを入れつつ、鉛筆で書かれている情報を写したり、グラフを描いたりしながら、内容について実感を得られるように読んでください。ただ目を通すだけでは上滑りで何も頭に残らない恐れがあります。数学は紙と鉛筆で書きながらひとつひとつゆっくりと理解していく方法が一番効く学問です

2.
定理・公式・性質については、必要があれば手持ちの教科書で証明を確認してください。また、内容を覚えるだけでなく、「何に役に立つのか」「何ができるようになるのか」を考えてみること。もちろんその知識を使う問題を見ながら、セットで理解するのが一番良いですね。

【2】問題演習の方法

塾や予備校の授業を受けるときと同じ姿勢です。

1.
1問につき、答案を書くための「下書き」と解答用紙に書く「記述答案」の2種類を書いてみてください。また、ひとつひとつの問題を徹底的に考え抜き、それを下書き用紙の上で言葉や図、グラフに起こしていってみてください。なんとなくイメージは浮かぶんだけど……。それをなんとかして言葉にしてみましょう。そこを何も見ないで他人にスムーズに説明できるようになることが、その問題での最大の学習ポイントなのです。

2.
わからないときはわからない点を具体的に書き出してみましょう。そして、その過程で自分はどういう点が苦手なのかについて考えてみること。

3.
志望校入試問題レベルでなければ、手も足も出ない問題に長時間かけてはいけません。やはり1年間という制約の中で受験勉強をやっていく以上、不必要に長い時間をかけて取り組むと、学習の絶対量が不足します。ちんぷんかんぷんなら、さっさと切り上げて、解説を読みつつ何が足りていなかったのかを考えるほうが有益なこともあります。

【3】解答・解説の読み方

一番気をつけないといけないポイントはここです。「解答・解説をどのように読むか」。ただ読み流してしまう人は、ほとんど理解を深められていません。

1.
ただ読んで「理解した気になる」はNGです。以下の点に気をつけながら読んで下さい。
・今回キモになった考え方はどこか。
・今まで学習した内容の何が必要であったか。
常に前に学習したことに戻るというのが数学の基本です。

2.
解答は考えた順番ではありません。解答は、論理的な説明になるように順番を工夫したものであって、発想した順番、考えた順番で書かれているものではありません。どういう発想から始まって、この解答を書くに至ったのかを考えてみましょう。もちろんそれが明示的に書かれている参考書であれば、ありがたいですね。

3.
間違えた問題は、解答を声に出しながら一度書き写してみましょう。

ここは人によって意見が分かれるところです。読んで完璧に理解ができる人はそれでよいのですが、数学の場合、そもそもの考え方自体に出会ったことがないような答案を読む機会も多く、その場合ただ目を通すだけでは、頭に入ってこないことがほとんど。間違えた問題は、声に出しながら一度書き写してみてください。ゆっくり声に出していくと、自分の理解できるスピードに沿って、ひとつひとつ丁寧に理解できていくことでしょう。声に出しながらというのもポイントです。

4.
間違えた問題は、解答の手順を要約しましょう。書き写したあとは、解答の手順(流れ)をいくつかのステップに分解して要約してみましょう。

5.
正解した問題の解答をきちんと読みましょう。ただ正解さえすればよいというのでは、実はとんでもなく非効率な方法をとっていたかもしれないということに気づくことができません。

【4】復習の方法とタイミング

復習のときは以下の項目を大事にしてください。

1.
定義・定理・公式・性質をイメージだけでなくきちんと言葉で人に説明できるレベルで思い出せるか確認します。イメージだけで満足してしまうとあっという間に前提となる条件、ひいてはそもそもの内容自体を忘れてしまいます。

2.
問題だけを見て、解答の流れを思い返します。このとき、実際に計算をする必要はありません。ただし、少しでも曖昧な部分があれば、すぐにノートや解説を読み返して理解し直してください。

またタイミングは、1日後、3日後、1週間後を目安としてください。その後も適宜毎日移動時間にノートを見返すなど、触れる機会を極力持ってください。

■3.10 勉強時間のとり方

他科目とのバランスを取りながらなので、毎日絶対こうでなくてはならないというわけではありませんが、
1. 問題を解く時間を毎日2時間以上取る。
2. 計算練習の時間を毎日30分以上取る。
これらを意識してみてください。バランスとはいえ、英語と同じく絶対的な学習量はやはり他科目に比べて多いのが数学という科目です。

■3.11 数学を勉強する上でのヒント

数学の学習をするうえで、あまり教科書や参考書に直接書いてくれていないけれども、大事にしておくべき考え方があります。できる限り多く紹介していきたいと思います。

〇定義・定理・公式・性質の内容を正確に理解し、覚えておきましょう。そもそも覚えない、あるいは覚えたとしても丸暗記するということはNGです。

結局問題を解くために覚えているのであって、もちろん覚えるために覚えているのではありません。無目的にとにかく公式だけ丸暗記している人を見かけますが、結局その人はその公式をどう使えばいいか考えたことがないので、その公式を使用する問題に出会っても、使おうという発想に至ることができません。

なんのことかわからないものを覚えても一生使えないままです。この性質はいったいどういうことか? なぜこんな性質が成り立つのか? という疑問を持ちながらひとつひとつを理解していきましょう。内容を覚えるだけでなく、「何に役に立つのか」「何ができるようになるのか」を考えてみること。もちろんその知識を使う問題を見ながら、セットで理解するのが一番良いですね。必要があれば教科書を使って証明を確認することもしてください。

〇そもそも図を描かない、あるいは小さく描いてしまう、あるいは色んなパターンの図を描かないということはやめましょう。

小さいと気づくはずのことに気づかないことがあります。ましてや頭の中で図を考えようなんてしたら、ほかの処理が何にもできなくなってしまいます。図を大きく、複数のパターンを描くように心がけてください。立体や座標平面、グラフなど、図を描くときはひとつの図をノートの1/3くらいの大きさで描いてみてください。

小さい図は勘違いしか生みません。大きく描けばなかなか気づきにくいところにも目が行くようになります。

〇問題文の日本語表現やパターンを元に解法を覚えるのではなく、中身を考えましょう。

いまはどういう状況だから、どのように対処しなくてはならないのか。中身を考えましょう。問題文の日本語表現が変わったらもう解けないというのでは、もちろん入試には太刀打ちできません。問題を解くときの思考方針については3.2で改めて取り上げたいと思います。

〇マークシート式の試験しか受けなくても、日本語で記述式答案を書きましょう。

ノートに数式や図を羅列するだけでは意味がありません。自分の言葉で考えをまとめられなければ理解していないのと同じです。自分が使う参考書・問題集の解答に日本語がひとつもなかったら、読む気が起こらないでしょう。読む側の気持ちに立ってみてください。

〇手元のできることをやるだけでなく、ゴールから逆算して考えるようにしましょう。

苦手な人の考え方の典型です。やったことあることしかやろうとしないうえに、それで解けなければおしまい。いろいろ実験したり、図を書いてみたり、できることを試してみたり、何を求めればいいのかということを考えてみたり、いろいろやり方はあるはずですね。

〇学習した単元の相互の関連性を考えてみましょう。

例えば、小学校の時に勉強した三角形や四角形や直方体、立方体という図形について、中学校では、平行線や三平方の定理を用いて考察を深め、高校では三角比やベクトルという高度な技術で処理を施しました。図形と方程式、複素数平面では座標平面・座標空間でその図形を表す方程式の表現方法も学びました。

こちらを踏まえると、入試で出題される図形問題は、
・小学校で学んだ角度、面積、体積の基本公式
・平行線と角(対頂角、錯角、同位角)・比(中点連結定理)、合同・相似、三平方の定理
・三角比、三角関数、ベクトル、複素数平面、図形と方程式
これらすべてが入り混じって出題されているということになります。個々の単元で何を扱っていたか、何を考察対象としていたかを考えることで単元ごとの関連性が見え、単元に縛られない解法を選択できるようになります。

〇問題集の解答に提示された「別解」に必ず目を通してみましょう。

特にセンター試験や私大受験では時間との勝負です。下手なやり方で時間をかけてできたとしても、それは時間がかかってしまったという点で「悪い解法」です。よりクオリティの高い、時間短縮になるような考え方、処理方法を身につけていきましょう。

〇自分の実力を顧みず、志望校の過去問だけできればいいと考えるのはやめましょう。

GMARCHの問題を満足に解くことのできない人が、早慶の入試問題を解き続けても、ほとんど意味をなしません。東京医科大学の問題に対応できない人が順天堂大学医学部の問題で合格点を取ることは難しいでしょう。自分に足りないものを調べ、解消していくことが勉強です。

〇計算をしない、あるいは合っていなくてもやり方(解法・解き方)があっているから正解としてしまうのはNG。

計算については3.3でも述べますが、計算が合っていて初めて正解です。易しかろうが難しかろうが、答えが出るまでは途中でやめないでください。また、計算を間違っていたらそれは明らかな実力不足です。

〇(3)は(1)と(2)を利用する。

小問の設定というのは問題全体を解くためのヒントになっていることがほとんどです。いつも(1)と(2)は解けるのに(3)で手も足も出なくなるという人は、(1)や(2)をちょっと無理してでも利用してみようと心がけてみてください。

〇単元によって好き嫌いをしないこと。

数学の単元はいずれの単元も別の複数の単元と関わっています。例えば、ベクトルが得意でも数学Aの図形の性質をきちんとマスターしていなければ入試での図形問題では対策が不完全になってしまいます。また、三角関数がわからなければ数Ⅲの微分積分はお手上げになってしまいます。ほかにも、論理がわかっていなければ、軌跡を求める際に十分性を確認する意味がわからないでしょう。

〇1回で理解できるものばかりではありません。しばらくやり続けたり、いったん寝かせてはじめて理解できることもあります。

これは理数系ならではという部分ですね。わからないながらも何日かしばらく続けてみたり、それでもだめならいったん先に進んで、あとから戻ってくるようにしたり。当時はわからなかったものがそのときになって、ふと理解できるということがあります。

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4. 模試の復習方法

模擬試験は、自分の実力をシビアに測定できる非常に貴重な機会です。マーク式、記述式といろいろな種類がありますが、志望校の形式に合わせて受験しましょう。ちなみに、模試というのは受験しておくと便利という程度のものではなく、受験生であれば全員必ず受験してほしいものです。

普段の学習では自分の学力を測定できるチャンスはそうそうありませんし、自分の肌感覚だけで判断してしまうと、学習計画も正確に立てることができないうえに、なにより本番で思わぬ弱点を突かれてしまい、不合格となってしまいます。

【マーク模試(センター型)】
(例)
・河合塾「全統マーク模試」「全統センター試験プレテスト」
・駿台「駿台全国マーク模試」「大学入試センター試験プレテスト」
・駿台・ベネッセ「駿台・ベネッセマーク模試」
・東進「センター試験本番レベル模試」
など

【記述模試・ハイレベル模試(一般)】
(例)
・河合塾「全統記述模試」「Z会共催プレステージ」「全統医進模試」
・駿台「駿台全国判定模試」「駿台全国模試(いわゆる駿台ハイレベル)」
・駿台・ベネッセ「駿台ベネッセ記述模試」
・代ゼミ「全国学力判定模試」
・東進「有名大本番レベル模試」「難関大本番レベル模試」

「数学」1科目の受験ですが、文系・理系あるいは志望校によって試験範囲が変更します。

【特定大学別模試】
(例)
・河合塾「東大即応オープン」「京大即応オープン」「早大・慶大オープン」
・駿台「東大入試実戦模試」「京大入試実戦模試」
・代ゼミ「東大入試プレ」「京大入試プレ」
・東進「東大入試本番レベル模試」「京大入試本番レベル模試」

■4.1 自己採点

マーク式の試験であれば、問題用紙に解答を書きこんでおいて、試験後に配布される解答・解説を見ながら自己採点をすることができます。

実際のセンター試験でも、翌日以降の新聞や各予備校が発行する解答を見ながら自己採点して、その点数を元に出願校を決定しますので、問題用紙に自分の解答を全部書いておくようにしておきましょう。

■4.2 問題の分類と2段階の解き直し(解答・解説を見ながら時間無制限、教科書・参考書を見ながら時間無制限)

まず問題ができた、できなかったの2パターンしかないはずはなく、問題を解きながらこれはわかるぞと自信を持って解いたものもあれば、ちょっとわかんないから勘で書いたというところもあるはずです。特に後者であれば、合っていたからということで復習せずに終わってしまったら、次に形を変えて出題されたときにできる保証はありません。

そこで、まずは全問題を以下のとおりに分類してみてください。
1. 自信を持って解答し、正解した問題
2. 自信を持って解答したが、間違えた問題
3. 自信や根拠をはっきり持てないまま、なんとなく解答し、正解してしまった問題
4. 自信や根拠をはっきり持てないまま、なんとなく解答し、間違えてしまった問題
5. 何もわからないはずなのに、運良く正解してしまった問題
6. 何もわからないために、間違えてしまった問題
これによって、どの部分を集中的・優先的に復習していけばいいかの検討がつきます。

次に問題の解き直しを行ないます。

1.
まず、解答・解説を読みながら1問ずつ丁寧に問題文の内容も含めて全体を理解しながら解き進めてみましょう。解答の流れをひと通り丁寧に理解していきます。必要な定義・定理・公式・性質も解説に書かれていますので、忘れて解けなかったという人は必ず確認して、ノートに一度写すようにしましょう。

解き進め自体の時間は無制限で取り組んでください。わからない部分を極力残さないようにしましょう。ただし、大半の問題に正解していた場合、このステップは飛ばしてもかまいません。

2.
解答の流れが頭に入ったら、解答・解説を閉じて、教科書・参考書等普段使いの教材のみを参考にしながら、問題を解き直してみてください

理解したと思っても意外に何も見ないでやれと言われると、また間違えてしまう可能性があります。それくらい学習というのは繰り返しやる必要のあるもので、1回で理解しきれる人は天才という型にはまるのかもしれません。

こちらも時間は無制限で取り組んでください。

■4.3 知識の補充、類題演習

問題をひと通り解き直したら、これまで使用していた教材を用いて、知識を入れ直していきましょう。教科書や参考書で間違えた単元に登場する定義・定理・公式・性質をすべて参照したうえで、これまでに使用した教材を用いて、その単元の基礎レベルの問題を解き直してください。

このときに気をつけたいのは、その問題に必要な知識「だけ」をやり直してしまうことです。ひとつ穴があると、その周辺にも理解の穴があるかもしれません。ピンポイントではなく、その周辺全体を覆うようにカバーしましょう。

■4.4 制限時間ありで何も見ずに解き直し

制限時間内に満点でクリアできれば復習はいったん完了です。そうでなければ、上記のステップを繰り返して、何度もチャレンジして満点クリアを目指しましょう。

※1つの模擬試験の問題の復習にかける時間
センター型であれば、数学ⅠA、数学ⅡBでそれぞれ120分(2時間ずつ)程度
記述式や特定大学別の模試であれば、数学1科目で180〜240分(3〜4時間)程度

5. 過去問の使い方

教科書、参考書、問題集で入試のための準備をばっちり整えたら、大体受験2~3ヶ月前から直前期にかけて志望校の過去問演習に集中する期間に入ります。教学社から出ている「赤本」シリーズや駿台文庫から出ている「青本」シリーズなどを用いて、演習をすることになります。

あくまでほぼ二度と出ない問題の集まりなので、やる意味がないかと思えば大違いです。

1. 制限時間でひと通り解きます。時間の使い方も含めて実際の試験時間を味わいます。

2. ひと通り取り組んだら、答え合わせをする前に、問題を解きながらどういった点を疑問に感じたかを書き出してみましょう。次回以降気をつけなければいけないこと、直さなくてはいけないことが浮き彫りになってきます。

3. 答え合わせをしたら、正答率を算出するとともに、間違った問題の解答をしっかり理解しましょう。これまでの学習に使用した教材を横におき、どの内容が抜けていたか調べながら解説を読んでみてください。

4. 合っていた問題について解答・解説をチェックします。「合っていたのだから確認しなくていいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、正解していてもそれが非効率なやり方なのだとしたら、それは回り回ってほかの問題を解く時間を奪った原因となってしまいます。合っていた問題も「やり方まで効率的であったか」という観点に立って、しっかり見直していきましょう。

6. 教科書傍用問題集の使い方

高1、高2生の方に特に知っておいていただきたいのがこの「教科書傍用問題集」の使い方です。

数研出版:4STEP、オリジナル
東京書籍:ニュースコープ
実教出版:エクセル

上記が最も有名なものです。使い方は至って簡単。Study Hackerの別記事から引用します。

1. 単元を選び、その単元の問題をひと通り解いて答え合わせをする
2. できなかった問題は問題と模範解答をノートに写す
3. 教科書のどの部分が必要だったかを調べる
4. 今後新しい問題を解く際に使えそうな指針を引き出す
5. その単元で何が重要だったかを語れるように問題と解答ごと覚えてしまう

(引用元:STUDY HACKER|【数学】傍用問題集だけで偏差値70を突破する方法

もっと詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
【数学】傍用問題集だけで偏差値70を突破する方法

7. 網羅系問題集の使い方

教科書傍用問題集と同じく、有名な参考書の種類に「網羅系問題集」というものがあります。辞書ほどの厚さで、数学ⅠAⅡBⅢすべてを合わせると1,000問以上掲載されている、解法辞書型の参考書・問題集です。以下のものが有名ですね。

【数研出版】
・チャート式 基礎と演習(いわゆる「白チャート」)
・チャート式 解法と演習(いわゆる「黄チャート」)
・チャート式 基礎からの数学(いわゆる「青チャート」)
・チャート式(いわゆる「赤チャート」)
※下に行くにつれて、難易度上昇。

【啓林館】
・Focus Gold(フォーカスゴールド)

この中での優劣はありません。使用する場合は書店で実際に手に取ってみて、自分に合うと思うものを選びましょう。

もちろん、上述したように、辞書ほどの厚さをしており掲載している問題数が膨大な量なので、受験までの1年間ですべてやり通すには相当な覚悟と能力を必要とします。しかし使い方を限定すれば、どのレベルの人にも使える強力な武器となるでしょう。使い方の例を紹介します。

A. 例題だけを解く

例題を解いて解答を確認し、解説・CHART(指針)を読みしっかり理解しましょう。練習問題は例題とすべてセットで解いていると時間がなくなってしまうので、例題で手が出なかったものだけ優先的に解いていくようにしましょう。

もちろんこのときに、「なぜその解法だと解けるのか?」「その解法以外に解き方はないのか?」ということを考えておかないと、結局問題文の字面だけで覚えてしまい、違う言い方をされたときに対応できなくなってしまいます。

B. 辞書的に使う

メインで使用する参考書・問題集は別に用意し、そちらを進めながら必要に応じて網羅系参考書で類題や解法の指針について調べる使い方です。必要に応じて、例題あるいは練習問題を解いて解法をマスターしましょう。

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8. 数学のおすすめ参考書・問題集

■教科書レベル内容の参考書

『白チャート』

『理解しやすい数学』

■教科書傍用問題集

『4STEP』

『エクセル数学』

4STEPは学校の先生を通じてのみ解答・解説を入手できる教材ですので、浪人生・既卒生の方など入手の手段がない方はエクセル数学をご利用ください。

■入試基礎・初級レベル(単元別問題演習)

以下に挙げる問題集・参考書は、教科書学習はひと通り終わって、改めて入試を前提にした理解をしていくという段階で使用するものです。

『基礎問題精講』シリーズ

『数学Ⅲ 基礎問題精講』(旺文社)

『入試数学基礎演習』

『大学への数学 入試数学基礎演習』(東京出版)

『数学Ⅲの入試基礎』

『大学への数学 数学Ⅲの入試基礎 講義と演習』(東京出版)

『黄チャート』シリーズ

『チャート式 解法と演習 数学Ⅰ・A』(数研出版)

『チャート式 解法と演習 数学Ⅱ・B』(数研出版)

『チャート式 解法と演習 数学Ⅲ』(数研出版)

■入試標準・中級レベル(単元別問題演習)

『青チャート』シリーズ

『チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A』(数研出版)

『チャート式 基礎からの数学Ⅲ』(数研出版)

『Focus Gold』シリーズ

『Focus Gold 数学Ⅲ』(啓林館)

『1対1対応の演習』

『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)

『標準問題精講』シリーズ

『数学Ⅰ・A 標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅱ・B 標準問題精講』(旺文社)

以下に挙げる問題集は多少の差こそあれ、いずれも同程度のレベルの問題集で、良問ばかりを選定している非常に質の高い問題集です。レイアウトや掲載問題数など好みに合わせて使用してみてください。

『新数学スタンダード演習』
『大学への数学 新数学スタンダード演習』(東京出版)

『数学Ⅲスタンダード演習』

『大学への数学 数学Ⅲスタンダード演習』(東京出版)

『文系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』

『文系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』(数研出版)

『スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B』

『スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B』(数研出版)

■入試発展・上級レベル(問題演習)

『赤チャート』

『医学部攻略への数学ⅠAⅡB』

『医学部攻略への数学Ⅲ』

『医学部攻略への数学Ⅲ』(河合出版)

『やさしい理系数学』

『やさしい理系数学』(河合出版)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ』

■最難関レベル

『解法の突破口』

『解決へのアプローチ』

『新数学演習』

『ハイレベル理系数学』

■単元特化型

【整数】

『マスターオブ整数』

『大学への数学 マスター・オブ・整数』(東京出版)

『整数 分野別 標準問題精講』

【場合の数・確率】

『合格る確率+場合の数』

『合格る確率[+場合の数]』(文英堂)

『場合の数・確率 分野別 標準問題精講』

■計算問題集

『合格る計算』シリーズ

『合格る計算 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(文英堂)

『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)

9. 終わりに

この記事では、数学の勉強法について網羅的に解説しました。ぜひご自身の学習に取り入れて、志望校への合格を勝ち取りましょう。

最後に、Study Hackerで過去に紹介している数学の勉強法のコラム記事をいくつか掲載します。興味が湧くものがありましたらぜひ見てみてください。

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