目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

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受験にこそパーソナルトレーナーを。4年間、一次試験すら通過できなかった僕が『医学部合格』を勝ち取れた理由
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1. はじめに

日本大学医学部は、ここ数年で大きく傾向が変化した大学の一つである。2009年まで、記述形式の出題であったものが、2010年からマークシート方式に変更されている。過去問を解く際には、この傾向の違いに十分注意して欲しい。
大学のカリキュラムは、従来の講義型の授業から学習者が自ら考えて行動する能動的な教育へ切り替えており、OSCE (Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験) と呼ばれる手法で臨床技能を評価するなど、画期的な成績評価をしているのが特徴となっている。このことから、受け身ではなく、主体的な学習姿勢を持って取り組むことが重要だと考えられる。

2. 概要

2.1. 試験日
第1次試験:平成29年2月8日(水)
・理科 「物理基礎・物理」、「化学基礎・化学」、「生物基礎・生物」の3科目の中から2科目選択
・英語
・数学
第2次試験:平成29年2月16日(木)
・適性検査(心理テスト)
・小論文(800字以内)
・面接
※2017年度の一般入試は終了しました。

2.2. 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・読解(空所補充、同意表現、内容真偽)
・会話文
・文法、語彙(空所補充、誤文訂正)

(試験時間)
第1次試験:
・英語(75分)
・数学(75分)
・理科(60分×2)

第2次試験:
・適性検査(心理テスト)(80分)
・小論文(800字以内)(60分)
・面接(約20分)

2.3. 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)

2.4.出題の特徴(概要)

3. 出題の特徴(詳細)

3.1. 細胞と分子
細胞生物では、顕微鏡の使い方やミクロメーターの計算、細胞小器官や生物の大きさまで細かく問われている。またDNA合成の放射性同位体の取り込み実験や体細胞分裂の計算なども頻出といえる。
しかしながら、この分野からの出題が毎年決まって出ているというわけではないため、頻出単元であるとは言えない。DNAのチミジン取り込み実験や紡錘体の阻害実験などは初見で解くことが困難であるため、普段から標準問題集で演習するように心がけたい。

3.2. 代謝
代謝は頻出単元の一つである。呼吸商の計算、嫌気呼吸、好気呼吸、光合成の計算、発酵の計算など、とにかく計算問題と絡めての出題となることが多い。特に代謝経路のATPやNAD、二酸化炭素の生成量など細かい数値も聞かれるため、覚えることが多く苦手意識が多くなる単元でもある。教科書での基本的な用語や数値は必ず確認しておきたい。また、光合成の実験や人名などにも注意を払って学習していくとよい。

3.3. 遺伝情報の発現
最も頻出する単元の一つである。DNA複製や転写、翻訳に関する問いやバイオテクノロジーの分野が毎年のように出題される。強いて言えば、この分野のみ難易度が相対的に高めになっている。この分野でミスをなくすことが合格への鍵になるだろう。計算問題や考察問題が圧倒的に多く、用語問題などはあまり聞かれない。特に最近では出題傾向が変わり、バイオテクノロジーのうちPCRの計算や遺伝子の組み換え実験が頻出している。初見では時間をとられてしまうので、一度手元にある問題集で計算例や実験結果を知っておくとよい。

3.4. 生殖と発生
頻出単元ではなく、数年に一度出題される。両生類や棘皮動物の発生過程やホメオティック遺伝子、中胚葉誘導、誘導の連鎖などの頻出事項は最低限押さえておこう。旧課程同様、考察問題が出題されやすい分野であるが、考察実験そのもののレパートリーは少なく、対策しておくと実験結果と解答が容易に想像できることが多い。

3.5. 遺伝
日本大学の遺伝の計算は非常に簡単な分野なので、遺伝に苦手意識のあるヒトもしっかり対策しておくことをお勧めする。連鎖が絡むことが多いので、常染色体のみならず伴性遺伝に関する不完全連鎖までマスターしておこう。センターを併願している人はセンター遺伝のレベルを攻略できれば対策は万全といえる。
最近では、4つの表現型がでたり、センチモルガンの単位を用いたりと応用問題と思わせるような出題が見られるが、基本的にはメンデルの法則がメインの、素直な問題であり、基本をしっかり理解できていれば本番で焦ることはないだろう。

3.6. 動物の反応と行動
筋肉生理と神経生理、反射、ホルモン、免疫のうちいずれかは、毎年出題されることを肝に銘じておいてほしい。筋肉と神経では、膜電位と伝導速度の計算という受験生に嫌厭されがちな分野が多数出題されている。ホルモンでは医学部らしくオキシトシンやカルシトニンなど、一部教科書を逸脱した用語も出題されるが、消去法でも対応できるので落ち着いて取り組んでほしい。また、腎臓や肝臓、すい臓など消化器系の出題が多いため、中枢神経系や血管系の出題よりも優先してこちらの基本用語には対応できるようにしておこう。白血球の数や原尿量など、数値を覚えていることが前提の出題があったりするため、数値に関しては常に暗記する姿勢でいることが大切である。

3.7. 植物の環境応答
植物ホルモンや花芽形成の2大分野を筆頭に出題が続いている。光条件の考察実験や植物ホルモンの作用は試験前にしっかり確認しておく必要がある。

3.8. 生物の多様性と生態系
生態系に限って言えば、計算問題の出題が数年に一度あり、その年の受験生の足枷となっているといえる。炭素の循環や濃縮率、キーストーン種、種間競争なの問題にも対応できるようにしておこう。センター試験を受けない受験生はこのあたりの準備が必須となる。バイオーム等の植生では目立った出題はない。

3.9. 生命の起源と進化、生物の系統
日本大学では、この分野を疎かにすると合格率は一気に落ちるといえる。地質時代や動物界の分類、系統樹の計算、ハーディー・ワインベルグの計算は頻出である。なぜかこの分野は手つかずにされることが多く、対策を一切せずに直観だけで挑む受験生が後を絶たない。この分野の知識がないと生物の得点が合格圏に届くことはないと断言できる。時間がない生徒であっても上記の項目だけは暗記しておこう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

4.1 用語、定義の確認

日本大学の場合、資料集などにのっているようなマニアックな単語を詰め込む必要はない。基本単語は、問題を見た瞬間にアウトプットできるまでにブラッシュアップしてほしい。しかし、それ以上に重要なのは正確な定義の暗記であるので、丸暗記したらそのまま点数に反映するとは限らないことをしっかり覚えておこう。

参考書

・『チャート式 新生物、生物基礎(数研出版)』
・『大森徹の最強講義(文英堂)』
・『大学入試の得点源(要点) (文英堂)』
・『生物 知識の焦点(Z会)』
・『理解しやすい生物、生物基礎(文英堂)』
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに(東進ブックス)』
・『生物基礎が面白いほどわかる本 (中経出版)』

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも参考書や教科書を使って生物現象や用語の定着に努めるほうが効率的である。
用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。リードやセミナーを使う際の注意点としては、いきなり発展問題などはやらずに、セミナーのプロセスやリードにあるリードBなど基礎問題の反復練習に努めるほうが効率がよい。

問題集

・『基礎問題精講(旺文社)』
・『らくらくマスター 生物・生物基礎(河合出版)』
・『生物用語の完全制覇(河合出版)』
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『リードlight 生物 生物基礎』

4.2 実験、考察問題に取り組む

ここからは、標準問題を軸に実際の考察問題を解いていく。近年の大学入試では、医学部にかかわらず考察問題を多く出す傾向が強くなってきている。定着した知識をもとにどのように考察問題に応用させていくかが重要となる。生物における応用問題は、こういった考察問題が大半である、と考えてもらって差し支えない。

日本大学は小問集合のような大問が大半であり、独立した考察問題は頻出しない。したがって、用語とその定義をしっかり覚えておけば、正当にたどり着けることが非常に多い。しかしながら、実験考察のリード文を省きながら、実験結果だけが問われることもあるため油断はできない。ニワトリの真皮の誘導や、中胚葉誘導の実験結果など、普段から考察問題をこなしていく上で、ノートなどに実験結果をストックしていくとよいだろう。

また、重要問題集や標準問題集は考察問題がメインであるため、考察問題のストックには有効であるが、知識の定着という意味ではあまり役に立たないかもしれない。したがって、step1の段階でこれらの問題集に手を出して挫折する受験生をよく目にするが、それは絶対にしないこと。ちなみに、この問題集は国立大学の問題を多く掲載しており日本大学にとってはオーバーワークな側面もあるため、時間がない人は手を出す必要はないだろう。

最後に、何冊くらい問題集をこなすべきかであるが、これは考察問題の数には多くあたったほうがよい、というのが答えである。したがって、冊数で決めるのはあまり意味のないことかもしれない。1冊だけでは、いかにその単元の理解が深くても初見の問題に出会ったときに素早い解答ができない可能性があるためである。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集 (旺文社)』
・『基礎問題精講 (旺文社)』
・『生物重要問題集(数研出版)』
・『生物標準問題精講(旺文社)』

4.3 計算問題への取り組み

計算問題は、個別に対策しておく必要がある。セミナーやリードαなどの網羅系問題集にも計算問題は含まれているが、計算問題に対する網羅性はあまりよくないからである。

・『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法(旺文社)』
・『大森徹の生物 遺伝問題の解法(旺文社)』

日本大学は毎年、計算問題が含まれるため、必ず個別に対策しよう。特に、遺伝、神経の伝導速度、ミクロメーター、浸透圧、塩基対数の計算、ハーディー・ワインバベルグの法則、系統樹などは頻出である。公式を暗記することも大切であるが、公式の導出過程を理解し、忘れないような学習をしていくことが重要である。

4.4 過去問・模擬試験を用いた演習
4.1.から4.3.が終了したら、過去問を解き始めよう。できれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、その時点で着手してもよい。直前期になるまで過去問を解かずに取っておくことに意味はない。必要であれば、4.1.を終えたころに一度過去問を解いてみてもいいかもしれない。どういった単元が頻出しているのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。

また、過去問を解くときには時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解き切れなければ意味がないからである。

単語を間違ったか、計算を間違ったか、それとも考察問題を間違ったかで上記の各stepに戻る、という学習を繰り返せば必ず合格基準に到達できるのが日本大学生物の特徴でもある。