目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の特徴(概要)
  3. 出題の特徴
  4. 勉強法
    1. 単語・文法の定着
    2. 標準レベルの単語、長文、英作文に取り組む
    3. 応用レベルの長文問題、英作文に取り組む
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

日本医科大学は、日本最古の私立医科大学として知られており、その前身である済生学舎からは、野口英世をはじめとした著名な医師が輩出されています。慶應義塾大学医学部や東京慈恵会医科大学と並び、俗に「私立医学部御三家」と言われている通り、入試問題は各科目、私立医学部の中でも難関の部類に入り、合格するためにはかなり時間をかけた綿密な対策が必要です。英語は読解問題で構成されており、文法問題が出題されないのが大きな特徴です。以下、合格するまでのプロセスを詳しく解説していきます。

2. 概要

2.1. 試験日
一般入試
(前期日程)
1次試験:平成29年1月23日(月)
1限:英語、2限:数学、3限:理科
2次試験:平成29年2月1日(水)または2月2日(木)
小論文、面接
(後期日程)
1次試験:平成29年2月27日(月)
1限:英語、2限:数学、3限:理科
2次試験:平成29年3月8日(水)
小論文、面接

2.2. 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ
数学:数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(ベクトル、数列)
理科:物理、化学、生物の3科目から2科目選択

(試験時間(1次試験、前期・後期共通))
英語:9:00-10:30
数学:11:25-12:55
理科:14:10-16:10

2.3. 配点
英語:300点
数学:300点
理科:400点(200点×2)

2.4.出題の特徴(概要)
2013年からは、長文の大問3題から構成されており(それ以前は大問4題)、2016年度は大問3が会話問題に変更され、会話表現の重要度が上がりました。また、2016年度には、従来の文中に適語を入れる部分英作文から、50語以内の自由英作文へと大きく傾向が変化しています。文法問題は今のところ出題されていませんが、読解問題の中に文法知識を必要とする問題も出題されているため、文法学習を怠ってはなりません。また、英作文が出題されるので、英作文の対策を兼ねた文法学習をする必要があります。具体的には、整序問題から始め、英作文が書けるレベルにまで引き上げていき、基礎力がついたところで自由英作文の対策を行うと良いでしょう。

読解問題は、難易度が高めで語彙レベルも高い論説文が出題されます。ちなみに、2016年度は“Rob Dunn Lab”という専門誌から出題されました。理系の論文に読み慣れておくことが必要不可欠といえますが、過去をさかのぼると人文系の長文も出題されているので、バランスの取れた学習をするべきでしょう。

時間は90分あるため、時間配分はそれほど厳しいものではありません。その分正確な読解、英文和訳力、英作文力が要求されます。

3. 出題の特徴(詳細)

3.1 長文問題
・空所補充問題
ここ数年、大問3つの長文が出題されていますが、ほとんどの長文問題には空所補充問題が出題されています。形式は、適切な形に直して記述する問題や20択もある中から選択する問題もあり、かなり難易度が高いといえるでしょう。

選択肢が多い場合は、まず選択肢の品詞を分類し、文章の中でどの品詞が入るのかを考えれば時間のロスを大幅に防ぐことができるはずです。ただし、名詞と動詞の両方に使えるような複数の品詞を持つ単語があるので注意してください。

・同意表現問題
単語の同意表現を答える問題では、語彙力が鍵を握ります。特に2016年度の大問2で、文章中の単語と同じ意味で使われている選択肢を答える問題が出題され、第一義だけでなく、さまざまな意味を知っておく重要性が増加したといえるでしょう。

単語帳で覚えるときに、一通り第一義を覚えた単語を対象に、その他の意味が言えるか確認して2周、3周と繰り返すようにしてください。知っていると思っていた単語でも意外な意味を持っていることに気づくはずです。

・英文和訳問題
日本医科大学の英語では、例年英文和訳問題が出題されます。英文そのものの難易度はそこまで高くありませんが、熟語、多義語、少し難しめの単語の知識が差を生むと思われます。例えば、be liable toの意味を答えられるか、concernの意味をいくつ知っているか、integrityの意味を知っているかといったところで解答の精度が変わってくるでしょう。

・英作文問題
2016年度は、自由英作文が出題されました。自由英作文は過去に出題されたことはありましたが、近年では出題されていませんでした。この問題で高得点を取るためには、自分の意見をまとめ、論理的な英文を書けるようにしなければなりません。自分の意見→理由→結論という順に書くとわかりやすく書けます。

・日本語記述式問題
2016年度の新傾向問題です。「筆者が読者に対して何を何のために期待しているか」という設問が出題されました。一見、どのように答えて良いのか難しく感じるかもしれませんが、該当箇所探して訳せば良いと考えましょう。問題文が大きな手がかりになることが多いので、よく読んでください。上記の問題では、「何のために」という部分がキーワードとなります。2段落にto test(検証するために)という文言があるので、その一文を訳せば解答になります。

・文補充問題
2016年度の新傾向問題です。一文を文章中のどこに入れるのかを単語、時制、キーワードなどをヒントに考えましょう。キーワードが新情報として扱われているのか、旧情報として扱われているのかを考えれば、選択肢を絞り込めるでしょう。

3.2 会話問題
2016年度に初めて会話文の大問が出題されました。以下、扱われた問題の傾向と分析について解説します。

・意見要約問題
会話の内容から、どの意見に最も賛成すると思われるかを答える形式の問題です。センター試験の会話問題で類似形式の問題が出題されているので、解いておくと良いでしょう。また、下線が引かれている人称代名詞が誰を指しているのかを答える問題も出題されました。前後をよく読み、その人の意見が書かれている部分から推測して解きましょう。

・意見の内容一致
意見を述べたものと同じ意味を表す選択肢を選ぶ形式の問題です。スラング表現は出てきていませんが、会話の流れをよく考えずに下線部と選択肢だけを見て答えると間違える危険性が高いので、全文に目を通して解答するようにしましょう。

4. 勉強法

■Step.1:基本単語・文法の定着
日本医科大学の英語で高得点を狙うためには、基本単語の知識のみならず、上級レベルの単語力、さらには多義語の知識が不可欠です。いきなり全て覚えることは不可能なので、基本単語から徐々に身につけていきましょう。

また、日本医科大学では発音・アクセント問題が出題されるので、単語を覚えるときに一緒に覚えてしまいましょう。付属のCDを繰り返し聞くと、より効果的です。
・『キクタンBasic4000
・『システム英単語 Basic 改訂新版

語彙と同時に、文法問題集も解いていきましょう。文法だけの問題は出題されていませんが、長文問題の中に文法知識を必要とする問題があります。少なくとも以下に挙げるセンターレベルの文法問題集は完璧にしておきたいところです。
・『改訂版 アップグレード 英文法・語法問題

このような文法問題集は、何冊もやるのではなく、1冊を確実にものにしてください。このように指摘すると何周回せば良いのかという質問をよく受けますが、間違えた問題だけでなく正解した問題も正解以外の選択肢がなぜ間違っているのか、この選択肢もここを変えれば正解になる、などあらゆる角度から応用を利かせられるようになって初めて完成と言えます。ただ正解することだけを目的に何周しても、あるいは何冊解いても一定レベル以上の力はつきません。

■Step.2:標準的レベルの単語、長文問題、英作文に取り組む
日本医科大学では、長文問題3題という構成になっています。そのため、長文問題をスムーズに読むために必要とされる語彙力、さらに英作文に対応できる発信力をつけなければなりません。好き嫌いはあるかもしれませんが、長文問題が大量に出るので、単語帳だけで覚えるよりも長文を読みながら単語を覚えていく方が効果的だと思います。また、日本医科大学では多義語の知識が重要になるので、その点を意識して単語を覚えましょう。速読英単語は、長文の中で単語を覚えるのに適しています。また、DUOは、多義語や派生語が豊富に書かれているので、おすすめです。
・『速読英単語1必修編
・『DUO 3.0

単語と同時に、長文読解問題を解いていきましょう。全訳がついており、音読用のページがついているものが個人的には復習しやすくて良いのではないかと思います。以下に挙げる2冊は、レベル別に分かれているので、自分の実力にあった合ったレベルの問題を解くことができます。
・『英語長文level別問題集3
・『やっておきたい英語長文500

また、日本医科大学では英作文が出題されます。2016年度は自由英作文が出題されましたが、今後どうなるのかわからないので、どちらが出題されても困らないようにしておくことが重要です。英作文と聞くと、面倒に感じるかもしれませんが、単語と文法の延長だと考えれば良いでしょう。定型文が頭に入っていないと文章も作れないので、まずは例文の暗唱から始めることをおすすめします。
・『英語の構文150

上記のような構文集に登場する例文が一通り頭に入ったら、易しめの英作文に入りましょう。順番を逆にして先に英作文を始めてしまうと、間違いだらけの英文を書いて、どんどん減点されてしまいます。書き終わったら、先生に見てもらい、自分の弱点を見つけて、繰り返し練習しましょう。また、解答例を音読して覚えることも大切です。
・『ドラゴン・イングリッシュ基本例文100

■Step.3:応用レベルの長文問題、英作文に取り組む
Step2で挙げたレベルの長文問題集が一通り終わったら、私大医学部に向けた長文問題に取り組みましょう。医療系の英文は読みにくいと感じるかもしれませんが、単語に慣れてくるとだんだんと読めるようになってくるはずです。ただし、日本医科大学の英語は、医療系以外の英文も出題されるので、バランスよく取り組むことが重要です。
・『私大医学部への英語

また、基本的な英作文がある程度書けるようになったら、自由英作文の対策を進めてみましょう。2016年度は、自由英作文が出題されました。論理的でわかりやすい英文を書いて高得点を目指しましょう。語数が短い(2016年度は、50ワード)ので、理由は1つで構いません。重要なのは、自分の主張を明確に書くこと(特に日本語の場合、結論をはっきり書かないことが多いので要注意!)、その理由を書くことです。
・『[自由英作文編]英作文のトレーニング

■Step.4:過去問、模擬問題を用いた演習
Step1~3が終わったら、過去問、模擬問題を解き、正答率を出しましょう。日本医科大学は、そこまで時間が厳しいわけではありませんが、時間を計って解き、制限時間以内に終わるか確認してください。

自己採点をした後、どのくらい取れたかを知ることも重要ですが、それよりもどこを間違えたのかをよく確認し、解説をよく読んだ上で、どこを伸ばさなければならないのかを冷静に分析することが重要です。自分の弱点がわかったら、Step1~3に立ち戻り、また過去問を解きましょう。

過去問は入試直前に1回だけ解いて終わりという人も見かけますが、3回は解くことをおすすめします。答えを覚えてしまうとよく言われますが、それで構いません。制限時間を短くして解いてください。何度も繰り返すことによって、他の問題を解いたときに類似性に気づいたり、応用が利いてくるはずです。