目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

日本医科大学は、日本最古の私立医科大学として知られており、その前身である済生学舎からは、野口英世をはじめとした著名な医師が輩出されている。慶應義塾大学医学部や東京慈恵会医科大学と並び、「私立医学部御三家」と言われている通り、入試問題は各科目、私立医学部の中でも難関の部類に入り、合格するためにはかなり時間をかけた綿密な対策が必要となる。
1年次は武蔵境キャンパス、2~6年次は文京区の千駄木キャンパスに通学することになっている。また最近の入試情報を見ると倍率も17倍以上になっており、2010年の13.2倍、2011年の15.1倍と徐々に人気が上がってきている大学である。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 概要

2.1 試験日
【一般入試】
(前期日程)
1次試験:平成29年1月23日(月)
1限:英語
2限:数学
3限:理科
2次試験:平成29年2月1日(水)または2月2日(木)
小論文
面接
※平成29年度の一般入試前期日程は終了しました。

(後期日程)
1次試験:平成29年2月27日(月)
1限:英語
2限:数学
3限:理科
2次試験:平成29年3月8日(水)
小論文
面接

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ
数学:数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B(ベクトル、数列)
理科:物理、化学、生物の3科目から2科目選択

(試験時間)
英語:9:00-10:30
数学:11:25-12:55
理科:14:10-16:10

2.3 配点
英語:300点
数学:300点
理科:400点(200点×2)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
日本医科大学の一般入試は標準問題で構成され、いたずらに難しい考察問題は出題されない。したがって比較的高得点の競走となるが、70%の得点率があれば生物選択者の合格圏内に入っていると思ってよいだろう。模試の偏差値や判定は受験者の能力を正確に反映しているとは一概に言えないので、模試の結果に左右されることなく、過去問研究に励んでほしい。とにかく、単語問題は条件反射的に、考察問題では実験の流れと結果がすぐに思い浮かぶくらいまで訓練しておきたい。

出題範囲は教科書の内容全体に渡っているが、ほとんどの年度が細胞、遺伝情報、生殖と発生、代謝などの非植物分野からの出題で構成されていることが本学の特徴的な出題パターンである。しかし、大問に複数の単元が融合されることもあるため、生物全範囲の幅広い知識と正確な理解が試されている。

出題形式は、毎年大問が3つから構成され、そのうち1題以上は必ず考察問題としての出題になっている。時間は2科目120分であるが、考察問題には少し多めの25分をあて、他の大問をミスなく早めに仕上げられるかどうかが合格へのカギとなってくる。選択問題は例年少なく、記述解答がメインとなる。加えて、字数制限が指定されない記述が多いため、普段からマークに頼った解答をしている受験生は問題が難解に感じるかもしれない。

計算問題に関してはあまり出題がなく、年度によっては全く計算問題が登場しないこともある。その中でもDNA合成における細胞数の計算や、腎臓、代謝、免疫に関するものがほとんであり、計算問題の比重が少ない大学であるといえる。出題構成に関しても題問1つが計算問題のみで構成されることは少なく、ほとんどが小問として独立して出題されている。したがって、計算問題があまり得意ではない、という受験生にとっては取り組みやすい問題構成であるといえる。1つ注意点があるとすれば、計算が記述である年度もあるため、選択肢に頼った解答ができないというところである。考察問題と計算問題の比率は9:1程度である。

考察問題はやや複雑なものもあるが、問題自体は標準的であり長文を読んで即座に実験内容を理解できるか、という能力が試される。大半が実験結果を知っていれば解答にたどり着けるものが多く、リード文がそれほど長くないのが日本医科大学医学部の出題傾向である。日頃から考察問題の概要と結果をノートなどにストックしておくと本番で効果を発揮するかもしれない。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子
新課程にでてくるような細胞接着や細胞骨格の問題が出題されることが多い。また、動物細胞の組織やミクロメーターの計算、細胞分画法が出題されている年もある。実験系の話題が多いので、標準レベルのテキストを用いて考察問題中心の対策をしておく必要がある。最近、他大学でも出題の多い体細胞分裂や分裂の阻害剤、同位体による標識に関する出題も増加していくだろう。

3.2 代謝
2、3年の間隔で定期的に出題がある。いずれも酵素(タンパク質)からの出題が多く、次いで代謝経路に関する問が多い。いずれも難易度的には標準レベル~易であり、取りこぼしはできない。テキストや問題集に載っているような実験考察問題が多いのでしっかり対策をしていれば問題なく完答できるだろう。

3.3 遺伝情報の発現
日本医科大学では最も頻出する単元である。ほぼ毎年、必ず1題は出題されたいるため、しっかりとした対策が必要となる。DNA 複製や転写、翻訳に関する問いやバイオテクノロジー、遺伝子の転写調節の分野が毎年のように出題される。スプライシングの過程や遺伝子の組換え実験は頻出である。複数の制限酵素を用いて遺伝子を切り離して遺伝子組み換えする題材は新課程以降のブームとなっているため、しっかりと実験の流れを掴んでおこう。

3.4 生殖と発生
2011年度以前はほとんど出題がなかったが、2012年度からはほぼ毎年出題されている。出題内容は、一定ではなく眼の誘導、動物の配偶子形成、ホメオティック遺伝子など様々である。旧課程同様、考察問題が出しやすい分野であるが、考察実験そのものの数は少なく、対策しておくと実験結果と解答が容易に想像できることが多いので対策はしやすい。発生は新課程から新出単語がかなり増えた単元でもある。母性効果因子やBMP、中胚葉誘導と誘導タンパク質の関係、間充織と上皮の分化などを重点的に再確認しておこう。

3.5 遺伝
日本医科大学の遺伝はここ7年間で1年分の出題しかなく、特に頻出しているわけでもない。内容も旧課程の補足遺伝子であるため、それほど難易度が高いわけでもなかった。新課程に移行してからは遺伝の分野が縮小されたので、今後も出題頻度としてはそれほど高くならないと思われる。

3.6 動物の反応と行動
筋肉や神経からの出題も侮れないが、一般的な傾向からいって心臓血管系や腎臓、消化器系、ホルモン、免疫など医学部らしい出題が続いている。特に日本医科大学ではこの分野で計算が出やすいため、他の単元以上に網羅的な対策が必要となってくる。例年、一単元で独立した出題は少なく腎臓とホルモン、など融合問題が多いのも特徴的である。

3.7 植物の環境応答
植物ホルモンや花芽形成の2大分野を筆頭に出題が続いている。光条件の考察実験や植物ホルモンの作用、光周性は試験前にしっかり確認しておく必要がある。発生の単元同様、青色光受容タンパク質やオーキシン輸送タンパクなど新出単語が多く、注意すべき単元である。

3.8 生物の多様性と生態系
あまり出題のない単元であるが、受験日程のギリギリになって対策するなどはしないようにしよう。資料集などで細かい知識を補強しておくとよい。年度によっては、生態ピラミッドが出題されたことがある。学習の優先順位としてはあまり高くないといえる。

3.9 生命の起源と進化、生物の系統
生物の多様性と生態系と同様でここ7年間で出題がなく、頻出単元とはいえないため、学習の優先順位はあまり高くない。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認
日本医科大学は標準的な問題が多いため、急いでマニアックな単語を詰め込む必要はないのだが、合わせて図を判断する問題など、図やグラフに対しても苦手意識がなくなるような学習を心がけよう。基本単語は、問題を見た瞬間にアウトプットできるまでにブラッシュアップしてほしい。しかし、それ以上に重要なのは正確な定義の暗記であるので、単語の丸暗記ができたら、そのまま点数に反映するとは限らないことをしっかり覚えておこう。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎』(数研出版)
・『大森徹の最強講義』(文英堂)
・『大学入試の得点源(要点)』(文英堂)
・『生物 知識の焦点』(Z会出版)
・『理解しやすい生物、生物基礎』(文英堂)
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
・『生物基礎が面白いほどわかる本』(中経出版)

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも参考書や教科書を使って生物現象や用語の定着に努めるほうが効率的である。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。リードやセミナーを使う際の注意点としては、いきなり発展問題などはやらずに、セミナーのプロセスやリードにあるリードBなど基礎問題の反復練習に努めるほうが効率がよい。

問題集
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『らくらくマスター 生物・生物基礎』(河合出版)
・『生物用語の完全制覇』(河合出版)
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『リード light 生物 生物基礎』

■Step.2 実験、考察問題への取り組み
ここからは、標準問題を軸に実際の考察問題を解いていくことになる。日本医科大学の入試問題では、考察問題を中心に問題が構成されることが多いが、実験結果が予測できるようなものばかりである。したがって、対策としては難しい考察問題を闇雲に解くのではなく、標準的な問題を数多くこなし、実験概要と結果をしっかり記憶しておくことである。時間の短縮につながるだけでなく、予測しながら解答をしていくことができるようになるため精神的にも安定する。ニワトリの真皮の誘導や、中胚葉誘導の実験結果など、普段から考察問題をこなしていく上で、ノートなどに実験結果をストックしていくとよいだろう。1周目の取り組み方としては、しっかりリード文を読んで自分で考えて答えを導き出しで見ることである。この時点で完璧な答案を作る必要は全くなく、わからなかった問題は解答解説を理解することを心がけよう。

また、重要問題集や標準問題集は考察問題がメインであるが、論述の練習が必須である。字数制限の有無によらず、文章を簡潔にまとめる力は必須である。この問題集は国立大学の問題を多く掲載しており、記述問題の対策にもなるため、必ず一冊は解くようにしよう。一人で添削ができない受験生は先生にお願いして添削をしてもらってほうが上達は早いであろう。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集』(旺文社)
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『生物重要問題集』(数研出版)
・『生物標準問題精講』(旺文社)

■Step.3 計算問題への取り組み
計算問題は、個別に対策しておく必要がある。セミナーやリードαなどの網羅系問題集にも計算問題は含まれているが、計算問題に対する網羅性はあまりよくない。

『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
『大森徹の生物 遺伝問題の解法』(旺文社)

日本医科大学は基本的に、計算問題があまり出題されておらず、難易度も標準的なので特に個別に対策が必要というわけでもない。上記二つの参考書を提案しているが、セミナーやリードにある典型的な計算問題を網羅できれば、本番や過去問演習で困ることはまずないであろう。

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習
Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問は、できれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、Step1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出しているのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解くときには時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。