目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 数Ⅲ微積分
    2. 確率
    3. 整数
    4. 図形
    5. 複素数平面
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
    2. 典型的かつ標準的な問題を押さえる
    3. 数Ⅲは計算トレーニングが命
    4. 応用レベルの演習:数学的な思考力を鍛える
    5. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

大阪医科大学は自治医科大学、日本医科大学や東京慈恵会医科大学に並び、関西圏の私大医学部の中ではトップクラスの難易度を誇る医系大学です。卒業後の研究継続を条件に6年間の学費を半額に免除する「研究医枠入学試験」という制度を用意しており、臨床医ではなく研究医を目指す受験生の方にとっては、有力な候補の一つとなる大学と言えるでしょう。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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2. 概要

2.1 試験日
一般入試(前期日程)
1次試験:2017年2月11日(土・祝)
2次試験:2017年2月22日(水)

一般入試(後期日程)
1次試験:2017年3月10日(金)
2次試験:2017年3月17日(金)

※2017年度の一般入試は前期日程・後期日程ともに終了しました。

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数学Aは「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」を、 数学Bは「数列」「ベクトル」を範囲とする。)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。

(試験時間)
1次試験
・数学(100分)
・理科(120分)※2科目選択
・英語(80分)

2次試験
※1次試験合格者のみ、小論文・面接試験を実施

2.3 配点
1次試験
・数学(100点)
・理科(200点)
・英語(100点)

2次試験
不明

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
(前期・後期共通)
試験時間:100分
出題数:5問
試験形式:全問記述式

東京慈恵会医科大学や日本医科大学と同様に、私立医学部の中では数少ない全問記述式を採用しており、どのように思考したかの過程を重視した出題となっています。リード文は短く、制限時間や出題数を考えると、私大医学部でありながらもほとんど国公立大学と同じような問題セットと思って問題ないでしょう。受験層も国公立医学部を第一志望とする層を多く含みます。

出題内容を見ると、国公立大学同様、数Ⅲ微積分、確率、整数、図形が頻出分野で、証明問題もよく出題されています。特に毎年第5問は前期日程・後期日程ともに確率(特に確率漸化式が頻出)とお決まりのようです。
いずれもよく練られた良問で、数学に関する様々なスキルを図ろうとしている意志を出題から感じ取ることができます。ただし、小問が設定されている場合、(1)に当たる問題は毎回易しいことが多い印象です。

難易度は標準レベルあるいは多少それを超えるものも含まれており、『1対1対応の演習』や『実戦 数学重要問題集』、場合によっては『やさしい理系数学』等、国公立大学の対策をしっかり行うことのできる標準・上級レベルの問題集をしっかりこなすことが必須となります。しかし、奇をてらった出題はほとんどないので、きちんと努力が反映される試験となっているとも言えます。

大阪医科大学を受験する方々の併願校には東京慈恵会医科大学や日本医科大学も含まれることが多いでしょうから、こういった大学の過去問にも取り組んで、記述式の答案の書き方に慣れておきましょう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 数Ⅲ微積分
医学部であればどの大学でも頻出となるのがこの数Ⅲ微積分ですが、大阪医科大学については難関国公立大学レベルまで対策しておきたいところです。出題内容を見れば、平均値の定理や定積分を用いた不等式証明(さらに示した不等式にはさみうちの原理を用いて極限を考えることもあります)、関数方程式、媒介変数表示された曲線の追跡、面積、体積など、上位校で典型的なテーマが頻出となっています。微分可能や連続といった用語の定義を忘れることはご法度ですし、逆関数、合成関数を考えることも十分ありえます。その上で、もちろんさらに難度が増すこともあれば、もう少し取り組みやすい年もあるといったところでしょう。
大阪医科大学の微積分攻略にあたっては、『1対1対応の演習』などで、標準レベルの問題解法を一通りマスターすることが最低条件です。2周以上取り組んでください。さらに余力のある方は『上級問題精講』『やさしい理系数学』『数学Ⅲスタンダード演習』などを用いて標準レベルよりもやや高いレベルの問題集にチャレンジし、入試本番で差をつけられるレベルまで行ければより望ましいことですね。

3.2 確率
毎年第5問で出題されています。直近2年間での出題はありませんでしたが、確率漸化式での出題は以前から非常に多い点が特徴的です。問題集に載っているような典型的・基礎的なレベルはしっかりマスターした上で、難関国公立大学レベルの問題に触れておくことが望ましいといえます。演習経験がものをいう単元ですので、しっかり演習量を積んで考え方の原則を身に付けてください。
なお、文字計算、数値計算ともに煩雑になることもありますので、しっかりとした計算力もこの単元を通じて問われます。

3.3 整数
こちらも確率同様に、国公立大学と同じような出題の方向性です。剰余類や素数、最大公約数・最大公倍数など、整数の性質に関して幅広く問われます。また、論証(証明)問題として出題されることも多く、多くの受験生にとっては取り組みにくい単元と言えるでしょう。東大・京大・一橋大など難関国公立大学の問題にも触れておきましょう。

3.4 図形
基本的にはベクトルや三角比を用いるものが多いのですが、様々な側面から出題されており、過去には三角形の合同を証明する問題が出題されたこともあります。かなり幅広く出題されていますので、ここを得点源にするには、中学レベルの内容から復習が必要な人も出てくることでしょう。しかし、しっかり対策できれば、他の医学部の対策も兼ねることができますね。

3.5 複素数平面
新課程に入ってから前期日程・後期日程の少なくともどちらか一方には含まれるようになってきています。図形や領域との融合が多いので、例えば複素数平面上の図形を表す方程式について垂直二等分線、円など教科書に掲載されているものは確実に押さえておくことが必須条件でしょう。1文字zのまま、2角実数x, yを用いたx+yi、極形式の3表現について、常にどの方向性で攻めるのがよいのかを考えながら演習をしましょう。
論証の形式を取ることもあるので、「標準問題精講」などのレベルは確実にマスターしておきたいところです。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

4.1 教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
最初は教科書内容を振り返り、取りこぼしのある公式や定理について徹底的に復習していきましょう。

未習項目がない方(学校や塾・予備校の授業で一通り数学ⅠAⅡBⅢの範囲については習った)は、以下に挙げるような基礎レベルの問題集を使用して、事項が正しく理解できているか確認しましょう。特に解けなかった問題について、教科書のどの事項が理解できていれば解けたのかということをしっかり確認してください。

・教科書の章末問題
・4STEP(教科書傍用問題集)
『数学Ⅰ+A基礎問題精講』『数学Ⅱ+B基礎問題精講』『数学Ⅲ基礎問題精講』(旺文社)

カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集](駿台文庫)

未習項目がある方は、ひとまず未習項目をなくすことを目標に、全分野の学習を一通り行いましょう。
以下のような書籍のシリーズは、問題集もセットになっていることが多いので、そちらと合わせながら問題を解き進めてください。

『高校 これでわかる数学Ⅱ・B』(文英堂)

なお、この段階では、問題が解けなくても悲観的にならないでください。1問につき数分考えてわからないときは、すぐに解答を見てかまいません。あまり時間をかけずにまず一通り内容をざっくり復習するという感覚で行くほうが精神衛生上もよいでしょう。模擬試験や学校の定期テストで、数字の変わった問題が出たら、何も見ずに解くことができるというのがこのステップのゴールです。
このレベルがクリアできたら、次に移ってください。

4.2 典型的かつ標準的な問題を押さえる
次は大学受験で定番の問題について解法をストックしていきます。下に挙げる『青チャート』や『フォーカスゴールド』などのいわゆる「網羅系参考書」というものを使用するのもよし。網羅系問題集は分厚すぎて終わらない! 時間がない! という人は、『標準問題精講』に取り組んでみましょう。数学が得意でもう少し一問一問の質を大事にしたいという人は、『1対1対応の演習』がおすすめです。
このセクションでは、例題の解法をしっかり理解して習得できるようになることがゴールです。

『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A』(数研出版)
『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅲ』(数研出版)

『フォーカスゴールド』(啓林館)

『数学Ⅰ・A標準問題精講』(旺文社)
『数学Ⅱ・B標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅲ標準問題精講』(旺文社)

『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)

4.3 数Ⅲは計算トレーニングが命
典型的で定番の問題が理解できたら、次の教材(4.4)と同時並行で、数Ⅲの計算練習を行いましょう。医学部入試では、計算の素早さが勝負の鍵を握ります。スピードは理解度に応じて上がっていくものですから、スピードを高める対策も含めて、以下の計算問題集で練習しましょう:

『合格る計算 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(文英堂)

『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)

入試直前まで徹底的に繰り返し、計算で躓くことのないようにしましょう。

4.4 応用レベルの演習:数学的な思考力を鍛える
この段階では、4.3までに備えてきた数学の基礎的な理解を、制限時間内で入試問題で合格点を取れるように、改めて整理していきます。まず、数学に得意な人にはこの1冊を紹介しましょう。

『やさしい理系数学』(河合出版)

4.3で『大学への数学 1対1対応の演習』をしっかりマスターできた人が次に進む問題集です。ここまでしっかり取り組むことができれば、大阪医科大学だけでなく東京慈恵会医科大学や慶應義塾大学医学部も射程圏内に捉えることができるかもしれません。

『医学部良問セレクト77』(聖文新社)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ』(河合出版)

上記2種類の問題集も大阪医科大学を攻略するのに適したレベル帯にあります。いずれも国公立大学の対策を念頭に置いた問題集ですが、大阪医科大学のレベルをしっかり攻略するために必要十分な内容を提供してくれています。

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』(数研出版)

上記の問題集と比べると若干レベルは劣るかと思います。数学でなんとか足引っ張らないように……。と思っている方はこちらをおすすめします。300問程度と絶妙に程よい量でありながら、どの分野も精選された良問を掲載しているしっかりした良書です。最低2周はして、1問1問すべての問題について、他人に解説できるくらいの理解度を目指しましょう。

4.5 過去問・模擬試験を用いた演習
解く際には以下の手順に則ってみてください:

制限時間で一通り解きます。時間の使い方も含めて実際の試験時間を味わいます。
一通り取り組んだら、答え合わせをする前に、問題を解きながらどういった点を疑問に感じたかを書き出してみましょう。次回以降気をつけなければいけないこと、直さなくてはいけないことが浮き彫りになってきます。
答え合わせをしたら、正答率を算出するとともに、間違った問題の解答をしっかり理解しましょう。
続いて、今度は合っていた問題について解答をチェックします。合ってたのだから確認しなくていいのでは?と思う方もいるかもしれません。私大医学部の入試における最大の強敵は時間です。もし正解していてもそれが非効率なやり方なのだとしたらそれは回り回って他の問題を解く時間を奪った原因となってしまいます。合っていた問題も「やり方まで効率的であったか」という観点に立って、しっかり見直していきましょう。

また、大手予備校主催の記述型の模擬試験の問題も対策になります。1年間の受験勉強生活の中でそういった模試を受験するチャンスがあれば、ぜひ活用いただき、自分が受けた問題を自力で解けるようになるまでしっかり復習してみてください。

(大阪医科大学)