目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 理論化学
    2. 無機化学
    3. 有機化学
    4. 高分子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り
    2. 知識の補強
    3. 解法パターンの習得と計算力の増強
    4. 定番問題の習得
    5. 過去問演習

1. はじめに

大阪医科大学は、大阪府高槻市にある私立大学である。例年大問4つが出題されている。理論、無機、有機、高分子とバランスよく出題されているが、大問そのものが理論、無機のような各論の問題というよりは総合問題として出題される。教科書の発展内容も含めた教科書学習事項が、未知の化合物となって出題されているため、初見では戸惑うかもしれない。過去問を使って、十分に形式に慣れておく必要がある。

mtp-ec
苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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2. 概要

2.1 試験日
一般入試(前期日程)
1次試験:2017年2月11日(土・祝)
2次試験:2017年2月22日(水)
一般入試(後期日程)
1次試験:2017年3月10日(金)
2次試験:2017年3月17日(金)
※2017年度の一般入試は終了しました。

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数学Aは「場合の数と確率」「整数の性質」「図形の性質」を、 数学Bは「数列」「ベクトル」を範囲とする。)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。

(試験時間)
1次試験
・数学(100分)
・理科(120分)※2科目選択
・英語(80分)

2次試験
※1次試験合格者のみ、小論文・面接試験を実施

2.3 配点
1次試験
・数学(100点)
・理科(200点)
・英語(100点)

2次試験
不明

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
例年大問4つが出題されている。理論、無機、有機、高分子とバランスよく出題されているが、大問そのものが理論、無機のような各論の問題というよりは総合問題として出題される。教科書の発展内容も含めた教科書学習事項が、未知の化合物となって出題されているため、初見では戸惑うかもしれない。過去問を使って、十分に形式に慣れておく必要がある。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 理論化学
例年大問1つ程度は出題されており、他分野と組み合わせた問題が多い。また全体的に計算問題は少なめの印象である。近年では、アスコルビン酸を含む酸化還元滴定、溶解度積、酢酸エチル合成時の速さと平衡などが出題されている。よくある問題であっても、知らない化合物名となることで難易度が上がっている。文章をよく読めば必ず説明があるため、教科書内容をしっかりと理解した上で、過去問により対策したい。

3.2 無機化学
例年1問弱出題されている。近年では、分子軌道への電子の入り方、硫酸銅の脱水反応時の重量変化、金属化合物の推定、ハロゲンの性質などが出題されている。分子軌道のような教科書発展内容も含めて、教科書の知識を組み合わせて解くことが必須である。漏れがないように全体的に押さえておきたい。

3.3 有機化学
例年大問1つ程度出題されている。近年ではフェノールフタレインの合成、リンゴ酸の構造推定、ニトロベンゼンの合成、医薬品について出題されている。有機に関しても未知の化合物であることが多いが、構造推定タイプの問題なのでそれについてはあまり問題にはならないだろう。ただし、与えられた条件から反応式を推定するなど、基本反応の応用が必要であるため、問題文を素直に読み取ることが肝要である。教科書発展内容も含めて網羅し、特に、抽出操作、元素の分析法、沸点比較などは原理や実際の実験操作時にどうなるかを把握しておくべきである。

3.4 高分子
例年1問弱出題されている。近年では、糖加水分解時の透析過程、アミノ酸を緩衝液に溶解した際の帯電状態、アミノ酸のアセチル化などの有機反応、イオン交換樹脂が出題されている。天然有機、天然高分子の出題が多いため、該当範囲の教科書内容はしっかりと押さえておきたい。アミノ酸の性質、アミノ基やカルボキシル基の反応性については有機反応を理解しておこう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 教科書内容の振り返り
教科書を用意し、一章ずつ読み込む。入試問題は、原則として教科書から出題される。特に各教科書の参考・発展・コラム・実験などは、入試問題の格好の材料になり、出題頻度も高い。大阪医科大の特徴は、空所補充問題や記述問題が多く計算問題は少なめであること、総合問題中心であること、設問数が少なく、思考する時間は十分に与えられているというところにある。未知の内容も少なからず出題されているが、丁寧な誘導がついており、基本的には教科書に載っている知識で解けるようになっている。
各論中心で暗記中心だと本大学のような総合問題には対応できないので、しっかりと理論・無機・有機のつながりまで理解を深めて欲しい。実験の手順や注意事項など聞かれることもあるので、有名な実験に関してはしっかりと整理しておこう。
ただし、教科書の表現は初学者には少し難しいこともあるので、Step.1では全てを理解する必要はない。この段階では、各教科書の発展やコラムには触れなくても良い。ざっとどんなことが書かれているか整理していくと良い。読んでもすぐには理解出来ないという人は、下記の紹介されている参考書などを教科書の対応する箇所を合わせて読み込むと良い。また、実験装置や沈殿の色など目で見た方が記憶に残りやすいので、資料集も一冊用意しておくと良い。得た知識をどう使っていくのかについては下記の問題集を利用して、確認していくと良い。

○参考書
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-無機化学+有機化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学2+有機化学2-』(東進ブックス)
『フォトサイエンス化学図録』(数研出版)

○問題集
『セミナー化学』(第一学習社)
『リードα』(数研出版)

■Step.2 知識の補強
大阪医科大学では、理論・無機・有機とバランス良く問題が出題されている。全体としては総合問題が多いので、知識も各論として捉えずにつながりを意識して身に付けていく必要がある。つながりを意識するためには、教科書や参考書は2周以上した方が良い。1周目では見えないことも2周目ではつながりとして捉えることが出来る。空所補充問題なども良く出題されているので、ここは確実に得点が欲しい。記述問題も良く聞かれているので、化学現象や実験手順など自分の言葉で説明できるようにしておきたい。

◯理論化学
全体的に融合問題が多い。アスコルビン酸の酸化還元滴定や酢酸エチルの加水分解などの少し難度の高いテーマが出題されている。このような融合問題は、教科書には登場しないが少し難しめの問題集などには登場してきている。総合問題でも使えるように、一つ一つの化学現象を自分の言葉で説明できるように理解していきたい。公式などもできる限り自分で導出できるようにして欲しい。

『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

◯無機化学
他の上位私大同様に無機単独の入試問題はほとんど出題されていない。ただし理論の問題とセットで無機の知識を利用するような問題は出題されているので、知識が少なくても良いわけではない。系統分析や気体の発生、物質の性質などについての知識はしっかりと押さえて欲しい。

『福間の無機化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

◯有機化学
構造決定の問題、医薬品合成、有機化合物の性質などいろいろな問題が出題されている。定番問題ばかり演習していると構造決定問題を中心に演習することになるが、医薬品の知識問題や有機化合物の性質などの知識をしっかりと身に付けて欲しい。

◯高分子
天然高分子からの出題比率が高い。穴埋め問題もよく出題されているので、まずは知識をガッチリと固めておきたい。等電点に関する問題が頻出であるので、アミノ酸の帯電状態を識別できるようにしておきたい。

『鎌田の有機化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

■Step.3 解法パターンの習得と計算力の増強
Step.3では、計算問題の解法の習得に向けて学習を進めていく。大阪医科大の計算問題は、分量は多くないが、その場で考えるタイプの問題が多いので、少し厄介である。化学現象の理解を伴っていないと何をして良いか分からなくなることもあるだろう。計算手法を身に付けることも大事だが、どのような現象に関する問題なのか、なぜこの公式を使うのかをしっかりと理解しながら演習を進めて欲しい。
下記の問題集や参考書を使い、計算問題の考え方をしっかりと掴んで欲しい。

『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

『基礎問題精講』(旺文社)
『ゼロから始める化学計算問題』(中経出版)・・・ドリル形式になっているので、苦手な人はこちらを使って練習すると良い。
『化学計算問題の徹底整理』(数研出版)・・・入試レベルの計算問題が良いという場合は、こちらの問題集で練習すると良い。

■Step.4 定番問題の習得
ここからは実際の大学入試問題を使って、定番の問題の解法を押さえていく。大阪医科大では、標準的な問題と比べるとやや難度の高い総合問題を出題している。難度の高い未知のテーマばかりが出題されているわけではなく、問題一つ一つを見ると標準的な難易度の問題も多い。ただし総合問題が中心で文章も長いので、難易度が高い問題にも当然取り組んでいく必要がある。重要問題集や良問問題集のような標準的な問題集で良いので、応用問題までしっかりと理解するまで取り組んで欲しい。その際に、解法の暗記ではなく、なぜそのように考えたのかしっかりと振り返りを行って欲しい。

○問題集
『化学重要問題集』(数研出版)

『化学の良問問題集』(旺文社)

○参考書
『化学の新研究』(三省堂)

■Step.5 過去問演習
Step.1-4をクリアしたら過去問演習に入りましょう。
『大阪医科大学』(教学社)

本Stepでは下記のように過去問演習を進め、現時点での自分の学力を自己分析することを忘れないこと。時間を計って解き、解き切れなかった問題は時間を計らずに最後まで解く。採点後、解説を読み、解き方を理解する。自分には何が足らなかったのか自己分析を行う。自己分析を元に基礎の補強(Step.4)を行い、次年度に進む。

過去問をある程度進めたら、Step.4の自己分析を元に、同時並行で弱点補強を進めましょう。大阪医科大学の問題は、難しい問題も登場するので、難しい問題ばかりに手を出したくなりますが、大事なことは難しい問題が理解できることではなく、合格点を取ることです。忘れていた知識を整理したり、計算のスピードや正確性を磨くことが意外と合格への近道だったりします。ちょっとした問題に足元をすくわれないようにしっかりと足場を固めましょう。

過去問を全て終えたら、中上位の国立の入試問題を演習問題として活用していきましょう。余力があれば、東大や京大を始めとする上位国立の入試問題に挑戦しましょう。