目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
    5. 合格得点
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の確認
    2. 基礎問題で解法をインプット
    3. 標準問題でアウトプットの練習
    4. 物理という名の道具を使う職人になろう:応用・発展レベルの問題演習
    5. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

イギリスの教育専門誌である「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」による世界の大学ランキングによると日本国内の1位は東京大学(世界34位)で、大阪大学は4位(世界63位)でした。しかし、英国の科学誌ネイチャーによる世界の大学や研究機関が発表した研究成果が特許にどれだけ結びついていたかということをまとめたランキングによると、日本では大阪大学が首位(世界31位)でした(理化学研究所が39位、京都大学が53位、東京大学は95位)。
これらのことから、大阪大学は実社会に直結するアイディアや技術に強い大学といえるでしょう。

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2. 概要

詳細は募集要項で必ず確認して下さい
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/admissions
募集人員
理学部:222人
医学部医学科:100人
医学部保健学科
看護学専攻:80人
放射線技術科学専攻:40人
検査技術科学専攻:40人
歯学部:53人
薬学部
  薬学科:25人
  薬科学科:55人
工学部
 応用自然科学科:217人
 応用理工学科:248人
 電子情報工学科:162人
 環境・エネルギー工学科:75人
 地球総合工学科:118人
基礎工学部
  電子物理科学科:99人
  化学応用科学科:84人
  システム科学科:169人
  情報科学科:83人

2.1 試験日

出願期間
平成30年1月22日(月)~1月31日(水)

第1段階選抜結果の発表
平成30年2月7日(水)
理学部:約3倍、医学部医学科:約2.6倍、薬学部:約4倍、工学部:約3倍、基礎工学部:約3倍 で第1段階選抜を実施します。また、医学部医学科はセンター試験の総点が900点満点中720点以上という基準もあります。

個別学力検査実施日
平成30年2月25日(日)、26日(月) 
※26日(月)は医学部医学科及び歯学部のみ

2月25日の時間割
理学部、医学部医学科、歯学部、薬学部、工学部、基礎工学部
・数学 9:00~11:30(150分)
・英語 13:00~14:30(90分)
・理科 15:30~18:00(150分)

医学部保健学科 看護学専攻
・数学 10:00~11:30(90分)
・外国語 13:00~14:30(90分)
・理科 15:30~16:45(75分)

医学部保健学科 放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻
・数学 9:00~11:30(150分)
・外国語 13:00~14:30(90分)
・理科 15:30~18:00(150分)

2月26日の時間割
医学部医学科
・面接 9:00~

歯学部
・面接 10:00~

合格発表日
平成30年3月9日(金)

2.2 試験範囲・試験時間

(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III
数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数列ベクトル)
物理:「物理基礎」、「物理」
化学:「化学基礎」、「化学」
生物:「生物基礎」、「生物」

(試験時間)
理科2科目で150分
※医学部保健学科 看護学専攻のみ理科1科目

2.3 配点

■理学部(総合計1000点)
センター試験(合計300点)
 国語(100点)、地歴公民(50点)、理科(50点)、数学(50点)、外国語(50点)
個別試験(合計700点)
 理科(250点)、数学(250点)、英語(200点)

■医学部医学科(総合計1100点)
センター試験(合計500点)
 国語(100点)、地歴公民(100点)、理科(100点)、数学(100点)、外国語(100点)
個別試験(合計600点)
 理科(200点)、数学(200点)、英語(200点) 
※面接の結果によって、医師及び医学研究者になる適正に欠けると判断された場合は、筆記試験の得点に関わらず不合格となります。

■医学部保健学科 看護学専攻(総合計1000点)
センター試験(合計600点)
 国語(100点)、地歴公民(100点)、理科(100点)、数学(100点)、外国語(200点)
個別試験(合計400点)
 理科(100点)、数学(100点)、外国語(200点)

■医学部保健学科 放射線技術科学専攻・検査技術科学専攻(総合計1100点)
センター試験(合計500点)
 国語(100点)、地歴公民(100点)、理科(100点)、数学(100点)、外国語(100点)
個別試験(合計600点)
 理科(200点)、数学(200点)、外国語(200点)

■歯学部(総合計1250点)
センター試験(合計450点)
 国語(100点)、地歴公民(50点)、理科(100点)、数学(100点)、外国語(100点)
個別試験(合計800点)
 理科(200点)、数学(200点)、外国語(200点)、面接(200点)

■薬学部(総合計1050点)
センター試験(合計400点)
 国語(100点)、地歴公民(50点)、理科(100点)、数学(100点)、外国語(50点)
個別試験(合計650点)
 理科(250点)、数学(250点)、英語(150点)

■工学部(総合計1000点)
※工学部は選抜の段階によって異なる配点で得点が算出されます。詳細は入試要項で確認して下さい。

■基礎工学部(総合計1000点)
センター試験(合計300点)
 国語(75点)、地歴公民(50点)、理科(50点)、数学(75点)、外国語(50点)
個別試験(合計700点)
 理科(250点)、数学(250点)、外国語(200点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

大阪大学の物理は、東京大学や京都大学にも決して引けを取らないくらい難易度が高い問題が出題されています。従って、問題文を読み解き状況をしっかりと把握できる理解力、そこに成り立つ関係式を見つけ出すことができる発想力、煩雑な計算を解きることのできる計算能力など物理に関する総合力が問われます。

問題の構成は大問3題で、解答時間は理科2科目で150分です。単純計算で1題25分ですが、難易度や計算量を考えるとかなり短いと言えるでしょう。例年、力学と電磁気学が大問で1題ずつ出題されています。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 力学

毎年大問1題、第1問で出題されています。近年出題されたテーマは、「運動の法則」、「単振動」、「物体の衝突」、「鉛直ばね振り子」、「力のつり合い」などで、物体の衝突が頻出テーマです。

2017年度に出題された等加速度運動などは簡単な設定で解法も浮かびやすいものでしたが、多くの場合は複雑で、放物面内を運動している物体に別の物体が衝突する場合や、可動台上にある円筒面を通過する物体など、解くために様々なことを考えなければならない問題が多く出題されています。特に物体の衝突などのテーマは、相対速度や慣性力、運動量保存や反発係数など考えるべき方程式の種類も多く、どの立場の観測者から見た運動なのかも確認する必要があります。

3.2 電磁気学

毎年大問1題、第2問で出題されています。近年出題されたテーマは、「磁場中を運動する導体棒」、「コンデンサー」、「ダイオードを含む回路」、「RLC直流回路」、「静電場、静磁場中を運動する荷電粒子」、「自己誘導、相互誘導」などです。「磁場中を運動する導体棒」や「RLC直流回路」などが頻出単元となっています。問題集に掲載されているような設定の問題が比較的多く出題されていますが、たとえば2015年に出題されたゲルマニウムラジオに関する問題では、ダイオードを含む回路、交流回路、多数の極板で構成されるコンデンサー、など複数のテーマが関連する難問でした。また、コイルを含む回路では、微小量を含む計算があることが多いので、微小量の扱いも問題なくできるようにしておきましょう。

3.3 熱力学

ほぼ毎年出題されています。近年出題されたテーマは、「気体の状態変化」、「気体の熱サイクル」、「熱と温度」、「ピストン付き容器内の風船」などです。「気体の状態変化」に関する問題が頻出テーマです。「気体の状態変化」に関する出題は、細かいところで様々なバリエーションがあるものの、典型的な設定から大きく外れているということはありません。状況に応じて適切に力のつり合いやボイル・シャルルの法則、熱力学第一法則などの関係式を使っていけばよいでしょう。

3.4 波動

過去10年間で出題されたのは、2017年の第3問の前半部分として疎密波に関する問題と、2013年のニュートンリングのみで出題頻度は低いと言えます。難易度もそこまで高いとは言えないので、まずは後述する問題集の応用レベルのものを一通り演習しておけば良いでしょう。

3.5 原子

 2002年に出題されて以降、出題がありません。しかし、今後も出題がないとは言えないので対策はしておきましょう。光電効果やコンプトン散乱、核反応など基本的な問題は確実に解けるようにしておきましょう。応用問題に対応するために、他大学(できれば難関大と呼ばれる大学)の過去問などを通じて実戦的な問題演習もしておきましょう。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 教科書内容の確認

教科書で扱われている現象の理解し、語句の定義を正確に覚え、公式の導出が確実にできるようになることが第一段階です。グラフや図などがある事項については、現象とグラフ、グラフと式の関係も自分のものにしましょう。公式の導出は自分でできるようになって下さい。その過程で物理現象をより深く理解でき、問題を解くうえで必ず大きな力になります。そして、自分で導出ができるようになったら答案を書くつもりで書いてみて、添削してもらうと良いでしょう。教科書以外にも例えば、

『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】力学編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】熱・波動・原子編』(東進ブックス)
『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』(学研教育出版)
『宇宙一わかりやすい高校物理(電磁気・熱・原子)』(学研教育出版)
『秘伝の物理講義(力学・波動)』(学研プラス)
『秘伝の物理講義(電磁気・熱・原子)』(学研プラス)

などの参考書が、現象や公式の成り立ちについての理解を助けてくれるでしょう。また図説を持っている人は図説も読んでおいてください。

4.2 基礎問題で解法をインプット

教科書で学習した内容を実際の問題に使う練習です。基礎的な問題は解ける人にはこの段階は飛ばしても構いません。ただし、次段階以降で少しでも不確かであったり不安だったりする分野、単元、問題のタイプがあれば、必ずこの段階に戻って解消するようにして下さい。

この段階は、基礎的な典型問題をできるだけ短時間で解けるようになるのが目標です。問題演習には、
「物理のエッセンス」(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]入門問題精講』(旺文社)
などを用いるのが良いでしょう。この段階では自分で問題を解く必要はありません(もちろん、解けるようであれば解いても構いません)。まずは「どのような状況設定の時にどのような解法を使うのかをインプットする」というところに重点を置きましょう。

『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(力学・電磁気)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(波動・熱・原子)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集High[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)

なども、どのように問題を解くのかを丁寧に解説しているので参考になると思います。解答・解説をしっかり読んで、別解などもしっかりインプットしましょう。問題を見た瞬間に正しい解法が思い浮かぶようになればこの段階は終了です。

4.3 解法のブラッシュアップ

次の段階は、大学受験における定番の問題で実際に問題が解けるかを演習していきます。この段階の問題演習には、

『良問の風 物理 頻出・標準入試問題集』(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]基礎問題精講』(旺文社)

などを用いると良いでしょう。

基礎段階でインプットした解法を、入試標準レベルで正しく使うことができるようになることが目標です。この段階では必ず自分の手で解いてみて下さい。その時には基礎段階で身に付けた解法をどのように活用するのかを意識しながら解きましょう。問題を見た瞬間にどのような解法を使うのか最低1つは思い浮かべられない場合は前段階に戻った方が良いかもしれません。自分が思い浮かべた解法で解けない場合もあるでしょう。その時には解答を見て自分の考えに何が足りなかったのかをしっかりと分析してください。学校の先生など身近にアドバイスをくれる人がいるのであれば、ぜひ聞きに行きましょう。
 
これらの問題集が一通りきちんととけるようになれば応用問題に取り組む基礎が身についたと考えられます。以下のような問題集に取り組んで、応用問題を解いてみましょう。現役生であれば、少なくとも夏休みには解き始めておいてほしいところです。

『名問の森 物理』(河合出版)
『実戦 物理重要問題集 – 物理基礎・物理』(数研出版)
『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)
『物理[物理基礎・物理]標準問題精講』(旺文社)
『体系物理』(教学社)

大阪大学の問題はこの段階が本番レベルと同等です。現役生であっても夏休みからこの段階に入れるような学習を進めていく必要があります。学校の授業がまだ全範囲終わっていない人でも、既習単元については前段階までの範囲を確実に終わらせておきましょう。標準問題までには出てこなかった考え方や解法も出てくるでしょう。それらを理解するだけでなく、初見の応用問題に対して何に注目しなければならないのか、といったことにも意識を向けて下さい。

4.4 過去問・模擬試験を用いた演習

最終段階は、実際に過去問を解いてみることです。赤本などを利用して時間を測りながら実際の入試のつもりで解いてみましょう。この段階のポイントは「時間を意識すること」、「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」です。

「時間を意識すること」ですが、「時間を意識すること」ですが、大阪大学は理科2科目で150分、物理は大問3題なので、単純計算で1題あたり25分となります。思考力や計算力を必要とされる難易度の高い問題では25分は短く感じられると思います。問題を解くときには常に時間を意識しましょう。

「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」に関して、特に見慣れない設定の問題の場合、問題文を解釈して自分が知っている解法に当てはめるということが問題になってきます。現象の理解、設問の意図の理解などが正しくできていたかのチェックは時間をかけて行いましょう。解答や解説に書いてあることを理解するだけでなく、問題文を読んだ時に設問の意図をどのように理解するのか、自分はどのように考えるべきだったのかをしっかりと吟味して下さい。
 
時間がある人は、実戦力と応用力を身に付けるために他大学の入試問題にも挑戦してみましょう。例えば東京大学や京都大学、東北大学などの過去問にも挑戦してみましょう。また、河合塾や駿台予備校、東進ハイスクールでは、大阪大学を志望する受験生向けに阪大模試を実施しているので、そちらも受験してみましょう。

また、大阪大学の物理の問題をとにかくたくさん演習したいという人には以下の問題集もおすすめです。
・『阪大の物理20カ年』(教学社)(過去問)
・『大阪大学への理科』(駿台文庫)(実戦問題集)

(参考)
Times Higher Education|World University Rankings 2016-2017
日本経済新聞「特許への論文引用数、日本は阪大が首位 英誌ランキング」
大阪大学|入学情報|学部学科入試|一般入試|平成30年度入試【平成30年4月入学】