目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

埼玉医科大学は、埼玉県入間郡毛呂山町にキャンパスを構える医学単科大学である。看護や臨床検査学科は医学部と異なり、川角キャンパスや日高キャンパスに存在している。私立医学部の中では難易度は比較的入りやすいイメージを持たれることが多いが、時間的な制約のため得点しにくい問題構成になっている。

埼玉医科大学のアドミッションポリシーには、以下の記載がある。
埼玉医科大学のアドミッションポリシーより引用:

自然科学(物理学、化学、生物学、等)、数学(統計学等)、日本語(語彙、読解力、作文力)、英語(語彙、読解力、作文力:辞書があれば一般的な内容の新聞等を読んで理解できる)に関して基礎的な学力を有する人

(引用元:埼玉医科大学 医学部|アドミッションポリシー

これは、難問奇問を出題せず、スタンダードなレベルの問題を数多く出題している入試傾向を反映していると言えるのではないだろうか。標準的な問題集による演習よりも、過去問を用いた対策が二次試験の点数に大きく反映される代表的な問題構成である。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 概要

2.1 試験日
2.1. 試験日
一般入試(前期)
1次試験:平成28年1月24日(日)
2次試験:平成28年1月31日(日)

一般入試(後期)
1次試験:平成28年2月14日(日)
2次試験:平成28年2月21日(日)

2.2. 試験範囲・試験時間
(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語I・II・III、英語表現I・II
数学:数学 I ・数学 II ・数学 III ・数学A・数学B
ただし、数学Bは「数列」、「ベクトル」を出題範囲とします。
物理:物理基礎、物理
化学:科学基礎、化学
生物:生物基礎、生物

(試験時間)
1次試験
・英語(80分)
・数学(60分)
・理科(100分)※2科目選択
・小論文(60分)

2次試験
面接(1次合格者のみ)

2.3. 配点
1次試験
・英語(150点)
・数学(100点)
・理科(200点)
・小論文(50点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
埼玉医科大学医学部の入試問題の特徴は、一般的な問題集に掲載されていないような珍しいタイプの問題が出題されているということである。また、2教科100分であるため時間的な制約が非常に厳しいと言える。得点率は毎年低く、6割程度の得点が確保できれば生物は合格水準に達するほどである。ここ2年で難易度が上がっており、考察実験問題の割合が増えている。加えてリード文が長く計算問題も多いため、考察問題に慣れていない受験生は大問ごとおとしかねない状況になってしまう。一方、標準問題を素早く処理できる受験生にとっては有利な試験問題といえる。また、時間の使い方と問題の取捨選択ができれば、かなり二次の得点率は上がるため、過去問題の対策が非常に重要になってくる。

出題形式は全問マークシート方式になっており、大問の数は年によって変動があり、3~5題となっている。2011年度からは安定して4題の出題を保っているが、今後も変動する可能性があるため注意が必要である。出題形式は、主に用語の選択や正誤問題、計算問題など多様な出題形式をとっている。

過去によく出題されたのは、神経系、免疫、循環系など動物生理に関する出題である。その他、タンパク質、遺伝などがよく出題されている。レベルは基礎~標準であり、実験データの読み取りや思考力が必要とされる問題も混在している。大問ごとに独立した単元が出題されるわけではなく、複数の単元が織り交ぜられた総合問題のような出題が埼玉医科大学生物の特徴であり、総合力が試される。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子
細胞周期の計算や細胞膜の働き、細胞小器官に関する出題が多い。いずれも知識問題なので教科書傍用のテキストで演習をすれば問題なく対応できるであろう。顕微鏡の使用方法やミクロメーターの計算など、見落としがちな問題も出題されるため、隅々まで基礎的な知識を身に着けておくようにしよう。

3.2 代謝
代謝経路に関する問題と酵素、タンパク質に関する問題がほとんどである。酵素は遺伝子の発言と関連させて出題されることが多いので、総合的な問題として出題されることを念頭に入れておこう。

3.3 遺伝情報の発現
頻出の多い単元の一つである。毎年、必ず1題は出題されたいるため、しっかりとした対策が必要となる。とはいっても、他の単元と絡めた出題が多く、単体として出題されることは少ない。遺伝や代謝と関連させられることが多い。DNA 複製や転写、翻訳に関する問いやバイオテクノロジーの分野がホットな話題である。

3.4 生殖と発生
両生類や棘皮動物の発生過程やホメオティック遺伝子、中胚葉誘導、誘導の連鎖などの出題が多い。旧課程同様、考察問題が出しやすい分野であるが、考察実験そのもののレパートリーは少なく、対策しておくと実験結果と解答が容易に想像できることが多い。過去に中胚葉誘導が出題されているが、結果を知っている受験生は容易に解答にたどり着けたはずである。発生は新課程から新出単語がかなり増えた単元でもある。母性効果因子やBMP、中胚葉誘導と誘導タンパク質の関係、間充織と上皮の分化などを重点的に再確認しておこう。

3.5 遺伝
埼玉医科大学の遺伝は、テキストに掲載されているような問題は少なく、問題を読んで戸惑う受験生が多いかもしれない。しかし、聞いていることは基本的なことばかりなので問題文を落ち着いて読んでいけば簡単に解けることも多い。計算力も大切だが、問題文を把握する理解力が試される問題となっている。センター試験の遺伝などを演習教材に使ってみると効果があるだろう。

3.6 動物の反応と行動
毎年出題のある分野である。ホルモン、受容器、免疫、循環系、排出、神経系、筋肉、全ての分野を満遍なく抑えて、本番に臨もう。筋肉や神経、腎臓の計算問題なども出題されるため、あらゆる角度から典型問題を攻略しておく必要がある。

3.7 植物の環境応答
植物ホルモンや花芽形成の2大分野を筆頭に出題が続いている。光条件の考察実験や植物ホルモンの作用は試験前にしっかり確認しておく必要がある。発生の単元同様、青色光受容タンパク質やオーキシン輸送タンパクなど新出単語が多く注意すべき単元である。

3.8 生物の多様性と生態系
他の医学部とは異なり、バイオームまでしっかり出題されているので全分野をしっかり対策しておく姿勢が必要となる。高山植物の名前や日本の植物群落など、差がつく問題が多く出題されるため、教科書中心の基本的な知識を定着させておく必要がある。

3.9 生命の起源と進化、生物の系統
動物の分類が一番多く出題される傾向にある分野であるが、植物の生活環まで出題されているため、しっかりとした対策が必要になる。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認
埼玉医科大学の生物は、急いでマニアックな単語を詰め込む必要はなく、そのような単語に本番で出会ったとしても落ち着いて消去法で対処できればそれでよい。基本単語は、問題を見た瞬間にアウトプットできるまでにブラッシュアップしてほしい。しかし、それ以上に重要なのは正確な定義の暗記であるので、単語の丸暗記ができたら、そのまま点数に反映するとは限らないことをしっかり覚えておこう。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎』(数研出版)
・『大森徹の最強講義』(文英堂)
・『大学入試の得点源(要点)』(文英堂)
・『生物 知識の焦点』(Z会出版)
・『理解しやすい生物、生物基礎』(文英堂)
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
・『生物基礎が面白いほどわかる本』(中経出版)

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも参考書や教科書を使って生物現象や用語の定着に努めるほうが効率的である。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。リードやセミナーを使う際の注意点としては、いきなり発展問題などはやらずに、セミナーのプロセスやリードにあるリードBなど基礎問題の反復練習に努めるほうが効率がよい。

問題集
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『らくらくマスター 生物・生物基礎』(河合出版)
・『生物用語の完全制覇』(河合出版)
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『リード light 生物 生物基礎』

■Step.2 実験、考察問題への取り組み
ここからは、標準問題を軸に実際の考察問題を解いていくことになる。近年の大学入試では、医学部にかかわらず考察問題を中心に問題が構成されることが多いが、埼玉医科大学では総合的な問題が出題されるといっても、実験結果が予測できるようなものばかりである。したがって、対策としては難しい考察問題を闇雲に解くのではなく、標準的な問題を数多くこなし、実験概要と結果をしっかり記憶しておくことである。時間の短縮につながるだけでなく、予測しながら解答をしていくことができるようになるため精神的にも安定する。ニワトリの真皮の誘導や、中胚葉誘導の実験結果など、普段から考察問題をこなしていく上で、ノートなどに実験結果をストックしていくとよいだろう。1周目の取り組み方としては、しっかりリード文を読んで自分で考えて答えを導き出しで見ることである。この時点で完璧な答案を作る必要は全くなく、わからなかった問題は解答解説を理解することを心がけよう。

また、重要問題集や標準問題集は考察問題がメインであるが、この問題集は国立大学の問題を多く掲載しており、埼玉医科大学にとってはオーバーワークな側面もあるため、時間がない人は手を出す必要はないだろう。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集』(旺文社)
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『生物重要問題集』(数研出版)
・『生物標準問題精講』(旺文社)

■Step.3 計算問題への取り組み
計算問題は、個別に対策しておく必要がある。セミナーやリードαなどの網羅系問題集にも計算問題は含まれているが、計算問題に対する網羅性はあまりよくない。

『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
『大森徹の生物 遺伝問題の解法』(旺文社)

埼玉医科大学は基本的であるが毎年、計算問題が数問出題されるため、必ず個別に対策しよう。特に、遺伝、神経の伝導速度、ミクロメーター、浸透圧、塩基対数の計算、ハーディー・ワインベルグの法則、系統樹、生体系に関する計算などは頻出である。 公式を暗記することも大切であるが、公式の導出過程を理解し、忘れないような学習をしていくことが重要である。また、計算問題に関する注意点であるが、計算問題のみが記述であることが多いため、選択肢に頼ることができず、自力での完答が求められる点に注意しておこう。

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習
Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問は、できれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、Step1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出しているのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解くときには時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。

(参考)
埼玉医科大学 医学部|アドミッションポリシー