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ここでは、化学基礎の理論分野の学習のポイントや攻略の鍵についてお伝えしていきます。

物質の構成

最初に混合物の分離方法が6つ登場します。ろ過・分留(蒸留含む)・再結晶・昇華・抽出・クロマトグラフィーについては分離法と具体例を覚えましょう。

また、元素記号や化学式が登場します。このあとの単元で覚えていけば良いのですが、早いうちから覚えていくと先に進んだときに楽になるので少しずつ覚えていきましょう。地殻を構成する元素(酸素やケイ素、アルミニウム、鉄、カルシウム、ナトリウム)や炎色反応などこの先の単元で登場の少ない知識もありますので、ドンドン覚えていきましょう。

また、状態変化がなぜ起こるのかについては、気体という単元を理解するためには欠かせないポイントになってきますので、しっかりと理解しておきましょう。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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物質の構成粒子

原子の構造や化学を理解する上で重要な概念になってくる電子配置について学習します。

電子配置が同じ元素を同族元素と言い、この同族元素が化学的性質が似ているという特徴があります。原子番号1-20の元素記号や電子配置については、周期表を見なくても答えられるようにしておきましょう。電子親和力やイオン化エネルギーといった重要なキーワードも出てきますのでしっかりと定義を押さえておきましょう。

粒子の結合

化学結合と分子間力について学習します。これらは分子や物体の性質を決める重要な因子になります。

イオン結合とは陽イオンと陰イオンの間にはたらく静電気力によってできています。このとき各イオンはそのイオン内ですべての原子が閉殻の電子配置をとっています。共有結合とは原子同士が互いに1つずつ電子を出し合ってできる結合です。一方、配位結合は片方が一方的に電子を与えて結合を作ります。金属結合は自由電子を全体で共有するという特殊な結合です。これらの結合は化学結合と呼ばれ、かなり強い結合になります。それぞれの結合についての特徴、結晶の特性などしっかりと理解しておきましょう。

分子間力は化学結合に比べて非常に弱い相互作用ですが、分子同士がくっついたり離れたりといった可逆的な変化は分子間力のおかげで成り立っています。ちなみに分子間力は、ファンデルワールス力、静電気力(クーロン力)、水素結合の3つの総称ですが、ファンデルワールス力のことを言っているのに分子間力と書いてあったりするので、何について言及しているのかを注意してくださいね。

ファンデルワールス力はすべての分子間にはたらく弱い引力で、分子量が大きくなると強くなります。静電気力は極性分子のδ+とδの間にはたらく引力で、ファンデルワールス力よりも強いものです。水素結合は静電気力の中でH原子を間にはさんでいる場合を指します。主にF, O, N原子の場合ですが、水素結合の強さは静電気力と同じ程度で、ファンデルワールス力よりも強いです。

そして、これらの分子間力がはたらく結果、融点・沸点が変わってきます。例えば、CH4とNH3は分子量は同程度なのでファンデルワールス力は同程度働きます。しかし、NH3は極性分子なので、NH3の場合は静電気力(水素結合)も働きます。その結果、NH3の方が100℃以上も沸点が高くなります。このような出題は、特に記述問題として問われることが多いので、なぜその場合に沸点が高くなるのかをしっかり見極めていきましょう。

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物質量と化学反応式

化学でつまずく人が多い物質量(mol)とそれを用いた考え方について学習します。

例えば「2 Cu + O2 → 2 CuO」という反応があるとき、2個のCu原子が1個の酸素分子と反応して、2個のCuOができます。このように反応は分子の個数で決まるため、分子の個数を基準に考える必要があります。しかし、2個のCu原子というのは人間の手ではかり取ることができないほど、軽いものです。したがって、我々がはかり取ることができるレベルの個数で考える必要があり、6 x 1023個の固まりを1 molとしました。Cu原子1 molの重さは63.5 gで、これならはかり取ることができます。

それではCu原子が5個、酸素分子が1個あると、どう反応するでしょうか? Cu原子が4個あまり、酸素分子は0個、CuOは2個となります。

このように反応前後の変化の様子を理解することはこの後の理論化学の基礎となります。物質の質量と物質量と気体の体積の関係、濃度というものの取り扱いなどこの単元で確実に理解しておきましょう。

酸と塩基の反応

酸と塩基の中和反応について学習します。中和は化学基礎でしか扱わないので、ここでしっかりと押さえておきましょう。酸と塩基の定義はいくつかありますが、ここではH+を出すものを酸、OHを出すものを塩基と考えてみましょう(アレニウスの定義)。

塩化水素HClが水に溶けると、H+とClに完全に電離します。一方、酢酸CH3COOHが水に溶けるとほんの少しだけH+とCH3COOに電離します。前者を強酸、後者を弱酸と言いますが、この違いが弱酸の遊離、加水分解など多様な性質を与えます。

またこの溶液内での水素イオン濃度[H+]の指標としてpHという概念があります。pHが小さいほど酸性、pH 7で中性、pHが大きいほど塩基性となります。水素イオン濃度を求めて、pHを算出するという計算は確実にできるようにしておきましょう。

酸と塩基を混ぜると中和反応が起きて、水と塩ができます(例. HCl + NaOH → H2O + NaCl)。この反応と、pHに対して色変化する試薬を用いることで溶液の濃度を算出することができ、これを中和滴定と言います。中和滴定の器具の使い方や進め方の手順はきちんと理解しておきましょう。中和滴定の終了時には酸も塩基もちょうど反応して0になります。これさえわかっていれば、反応の前後のモル変化を考えれば対応できます。中和滴定だから、新たに公式を覚えるということではなく、何をしているのか正しく理解することが重要です。

酸化還元反応

酸化還元滴定、イオン化傾向、電池、電気分解について学習します。酸化還元滴定は化学基礎でしか扱いません。酸化剤、還元剤の半反応式を覚えることがすべてなのですが、式を丸ごと覚えきるのは大変です。出発物と生成物を覚え、そこから自分で導くことができるようにしましょう。

例えば、過マンガン酸カリウム(酸性条件)では、MnO4がMn2+になることを覚えます。このときのMnの酸化数変化 (+7→+2) や全体の電荷のバランスを考えれば、「MnO4 + 8 H+ + 5 e →Mn2+ + 4 H2O」という式を導くことができます。

イオン化傾向は語呂合わせで覚えてしまいましょう。イオン化傾向さえ覚えてしまえば、電池の理解が進みます。

Zn板とCu板を硫酸につけて導線につなぐと、まずイオン化傾向の大きいZnがイオンになります(Zn → Zn2+ + 2 e)。このとき発生する電子は導線を通って、Cu板へと辿り着き、水素イオンが受け取ります(2 H+ + 2 e → H2)。これが最初の電池であるボルタ電池のしくみです。このように繋いでしまえば勝手にZn板からCu板の方に電子が流れていくのが電池反応です。

一方、電源をつないで強制的に電子の流れる方向をコントロールするのが電気分解です。電気分解で電子を受け取るのは何か、電子を放出するのは何かさえ理解してしまえば得意分野にできるでしょう。