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勉強道具が揃ったら早速、高校化学の勉強をスタートしていきましょう! こちらでは、化学の学習法および学習する上で大切なことについてお話ししていきます。

定義は必ず押さえよう!

定義を正しく理解すること、これは化学に限らず理系科目すべてに共通する最も大事なことです。勉強は基礎が大事だという言葉を耳にすると思います。ここでいう基礎とは基本問題ではなく、定義の部分をしっかりと理解することを指しています。

例えば、一酸化炭素を酸化して二酸化炭素になるという反応について考えてみます。一酸化炭素30 [L]との反応に必要な酸素の体積はいくらかという問題だったとします。化学反応式で書くと、
2CO + O2 → 2CO2
となります。多くの人は『化学反応式の問題は、係数比 = mol比』だと考え、まず30 [L]を[mol]に変換して、[mol]を1/2倍として解きますね。もちろんこの考え方は正しいです。

ただし、アボガドロの法則を理解していると、別の考え方もできます。『同温・同圧で同体積には、気体の種類によらず、同じ分子数が含まれている』。これがアボガドロの法則でした。言い換えれば、同じ条件(同温・同圧)であれば、一酸化炭素でも酸素でも(気体の種類によらず)、体積と分子数は比例するということです。分子数と物質量はほぼ同じようなものですから、体積と物質量は比例すると言って良いでしょう。

このように理解すると、『気体の化学反応では、係数比 = mol比 = 体積』から一酸化炭素の半分の15 [L]になると一発で出ます。

このように化学では定義を正しく理解し、組み合わせることによって、複雑な問題でも明快に解答を出すことができることもあります。定義は確実に把握するようにしていきましょう。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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計算力を磨こう!(基本編)

入試問題のうち、知識問題の対策だけではおおよそ60%程度しかカバーすることができません。残りの40%は計算問題で構成されており、難関大学になればなるほど計算問題の攻略が鍵になってきます。

入試問題の40%は計算問題です。知識問題の対策だけでは得点できる部分が限定的となってしまいます。そこで、化学の計算問題を克服するポイントを下記にまとめました。

■小数の計算に強くなれ!

中学生になってから習う計算のほとんどは文字式を扱う計算です。小数の計算は小学校で習って以来、できて当たり前という形で進むはずです。

しかし、小学校で克服できないままになっていたり、社会人からの再受験生でしばらく触れていなかったなど様々な理由で苦手にしている人も多いのではないでしょうか。必要であれば、小数の計算の仕組みについても学習しておきましょう。

■物理量(単位)の扱いに慣れよう

化学の計算には、数多くの物理量が登場します。必ず押さえておくようにしましょう。特に組立単位には気をつけて下さい。

例えば密度とは、「単位体積当たりの質量」を表しており、単位は[g/cm3]となります。このように複数の物理量からなる単位を組立単位と呼びます。単位の定義により、質量[g]は密度[g/cm3]×体積[cm3]で求めることができます。質量 = 密度×体積など公式として覚えるのではなく、定義と単位を覚えて使いこなせるようにしていきましょう。

また、マイクロやナノといった単位の接頭辞についても一度は必ず整理しましょう。例えば、マイクロには、10のマイナス6乗をかけるという意味がありますので、1 [μm] =1×10-6 [m]という意味になります。覚えておきましょう。

■割合や比の計算に強くなろう

化学の計算は、割合や比を扱う計算問題が中心になります。前項で登場したように〇〇当たりの△△という物理量が良く出てきますので、割合や比の計算の理解が必須といえます。

割合と比の関係は、A:B =a:bであれば、Aに対するBの割合はb/aのように互いに変換することが可能です。問題集によって比で計算していたり、割合で計算していたりします。問題集の解説を理解するときに割合や比でつまずかないように理解を深めておきましょう。

■「物質量」という概念をしっかりと理解しよう

化学の世界には、結晶格子や分子などのミクロな世界も気体や水溶液などのマクロな世界もどちらも扱っていくことになります。

例えば、一酸化炭素を酸化して二酸化炭素になるという反応について考えてみます。目に見える質量で考えてみると、一酸化炭素56 [g]と酸素32 [g]が反応して二酸化炭素88 [g]が生成するという関係になります。一方で、目に見えない粒子の世界で見ると2CO + O2 → 2CO2のように化学反応式で書くことができ、一酸化炭素2分子と酸素1分子が反応していることが分かります。

この2つをつなぐのがアボガドロ定数であり、物質量という概念です。物質量という概念を取り入れることにより、一酸化炭素2 [mol] (56[g])と酸素1 [mol] (32[g])が反応するという目に見える質量という形で分子の世界を表現することができるようになります。

このようにして化学の世界ではミクロな世界とマクロな世界をつないでいます。物理量の考え方が理解できれば、その後の化学の学習が一段とスムーズに進むようになりますよ。

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計算力を磨こう!(応用編)

■文章から数式を起こせるようになろう

例えば、気体の圧力は、温度と物質量に比例し、体積に反比例するを数式化すると、P =R×nT/Vとなります。これを整理するとPV = nRTとなり、みなさんご存知の気体の状態方程式になります。仮に気体の状態方程式を知らなくても、文章から数式を起こせるでしょうか? 比例や反比例するのだから比例定数が必要だということにすぐ気がつくでしょうか?

このように文章から数式に変換したり、逆に数式を文字に変換する能力が試験会場では必要になります。難易度の高い大学を受ければ受けるほど、こうした能力が問われます。俗に言う「その場で考える問題」にもこうした能力が必要になる場面が多いといえます。常日頃から文章を数式化出来るか、数式を文章で表現できるかを意識すると良いでしょう。

■情報を整理できるようになろう

上位の大学になると、設問の文章がより複雑になってきます。ときには、グラフや表を読み取らなければならない問題もあるでしょう。そんなときは、自分で状況を整理する能力が問われます。

このあたりは、予備校に通っていれば予備校で教わったり、参考書や問題集に書かれている整理の仕方から自分で使いやすいものを取捨選択していって下さい。

■グラフを読み取る力を身につけよう

化学を勉強しているとぶつかる壁のひとつがグラフを読み解くことができないというもの。その原因のひとつは、縦軸や横軸の物理量をよく見ていないことにあります。グラフの概形から全然違う現象を想像して、設問とは全く関係ないことを答えに書いてしまう人もいます。

縦軸と横軸の物理量を見ることでどのような現象に関するグラフなどか頭にイメージしながら解くとこのような勘違いは減ってくるでしょう。

図を用いて理解力を高めよう!

化学の教科書や参考書には図やグラフなどがたくさん登場します。化学現象の理解を深めるためには、実は図やグラフが不可欠なんです。

図は漠然と眺めるのではなく、文字情報と照らし合わせて理解していきましょう。例えば塩素分子や塩化水素分子などの共有結合と、塩化ナトリウムのイオン結合の違いというのは、お互いが電子を出し合って電子殻が合体している図と、金属のNaから非金属のClに電子が移動することにより発生した静電気力により接近している図とがあれば、ビジュアルを用いた理解をすることができます。

図の状況を表すために、どのような用語を使ってまとめているかに注視すると、理解が深まったり、記述問題の参考にもなります。

またグラフが登場した場合は、必ず化学現象と結びつけて理解しましょう。どのような現象・公式・物理量に関するグラフなのかということを考えてみることで、より理解が深まってきます。例えば溶解度曲線をみれば、KNO3の溶解度が温度と非常に密接に関係していることから再結晶に適している物質であるということまで理解が深まります。

模試や過去問、問題集などで見たことがあるグラフに関して、理由を問うような問題があった場合には、使っている参考書に書き込んでおくと、自分だけのオリジナル参考書になるのではないでしょうか。

友達や知り合いに説明できるようになろう!

この単元が理解できたという状態は、友達や知り合いに説明できるようになっている状態を指しています。基本的な問題は解けるけど応用問題は解けないという人は多いと思います。こういうことは、問題集だけで勉強してきているような人にありがちです。問題は解けるけどなぜそう解くのか、どのような現象が起きているのかは分からないという人は多いのではないでしょうか。難しい問題になればなるほど問われるのは基礎(定義)の部分です。

化学でいう定義とは、化学現象のしくみの理解ということです。例えば、蒸気圧降下とは何かということを正しく文章で説明できるでしょうか。「蒸気圧降下とは、水などの溶媒に不揮発性の溶質が溶けている場合、蒸気圧が下がる現象」を指します。ではなぜ蒸気圧が降下するのか。「純溶媒に不揮発性の溶質が溶けると、溶液全体の粒子に対する溶媒分子の割合が減少し、液体表面から蒸発する溶媒分子の数が、同じ温度の純溶媒より減少する」と教科書には記載されています。

この「 」内のことを何も見ずに説明することができるという状態を「基礎力が身についている」と考えて下さい。逆に言えば、全範囲がこの説明できる状態になっていれば、あなたの学習はもう頂上までの八合目まで登っていると言って良いでしょう。ドンドン入試問題を解いて実力を磨いていきましょう。

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一通りのことを最低2周しよう!

教科書や参考書は、必ず2周しましょう。というよりも2周目からが本当の勉強だと思って下さい。

参考書を一週して一通りのことを覚えたと思っても、最初の方に進めた単元は覚えているでしょうか。人はしばらく触れていなかったことは忘れてしまいます。1周目では、細かい知識よりも大枠を理解することに、2周目では、単元の穴をなくしたり、細かい知識も覚えることに意識を向けて下さい。

1周目は、細かいところまで覚えなくても良いです。まずは登場する化学現象の仕組みや物理量の定義などを人に説明できるようになるまで理解していきましょう。問題集を進めると覚えておかなければならない細かい知識なども出てくると思いますが、マーカーなどで線を引いてあとで覚えることに回しても問題ありません。

2周目に入ると、一度覚えたことでも忘れていることがたくさんあると思います。まずは、化学現象の仕組みや物理量の定義の段階で抜けているものをもう一度確認しましょう。さらに、問題に聞かれる細かな知識に関しても自分でアウトプットできるようにしていきましょう。

また、単元ごとのつながりに注意を向けられるとより深い理解につながります。例えば、純物質と混合物では沸点が異なるという内容の記述があるとします。最初に見た段階では、そうなんだと思う程度だったと思います。この理由は、このあとの単元に出てくる沸点上昇という現象が関わっています。純溶媒に不揮発性の溶質が混ざることで沸点が上昇するという現象のため、純物質に比べ混合物では沸点が上昇していたのです。

このように、改めて学習することで、単元の間のつながりなど色々な発見が出てきます。多くの気づきにより、化学の面白さに触れてもらえるとより深く理解できるのではないでしょうか。

暗記と理解はどっちが大事?

結論から言えば両方必要になります。どんなに理解力や思考力のある人でも解き方や考え方を知らない問題を解くことは困難です。知識なきところから思考は生まれません。ある程度の解法パターン等は覚える必要があります。また、無機化合物の色など単純暗記系の知識は、暗記する以外に方法がありません。

一方で暗記だけで入試を乗り切れるかといえばそれもまた困難です。入試には無数のパターンがありますので、暗記だけでは未知の問題に出会ったときに対処できません。いくつかの知識を組み合わせる融合問題は、覚えるべきは基本となるパターンであり、どう融合させて解くかという運用法に関しては訓練で鍛えていくべきです。