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ここでは、化学の理論分野の学習のポイントや攻略の鍵についてお伝えしていきます。

粒子の結合と結晶構造

結合の成り立ち、結晶の構造について学習します。ほとんどは化学基礎の内容と同一ですが、化学現象を理解するうえで重要な内容です。それぞれのキーワードの定義をしっかりと押さえておきましょう。

単位格子内の金属や分子の数え方について、どの場合でも正しく数えられるようにしましょう。限界半径比は難関大でもよく出題されています。陽イオンが大きくなるとどうなるかを図示し、実際に自分で考えてみることが重要です。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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物質の三態と状態変化

物質の状態と分子間力との関係について学習します。どういう場合に分子間力が強くなるのか、分子間力が強いことは何をもたらすのかを考えてみましょう。

気体の圧力測定に用いられる水銀柱は、いろいろな場面で出題されます。「760 mmの水銀柱は何とつりあっているのか」という基本現象から、どのように圧力が求められるかを演習を通して理解しておきましょう。

気体

気体分子の圧力、体積や温度との関係について学習します。気体分野が苦手な人は多く、入試でもよく出題されます。ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル・シャルルの法則から気体の状態方程式の導出までは比較的わかりやすいです。

分圧について戸惑う人が多いかもしれません。分圧というものについては、電車内に男女20人ずつ、計40人入っている状態をイメージすると理解が進みます。男性の圧力(p男)と女性の圧力(p女)が分圧であり、人間全員の圧力が全圧です。当然、全圧はp男+p女です。今回のように人数が等しい場合、圧力は分子の数に比例するので、p男 = p女です。

実在気体と理想気体の違いについて、なぜZが1からずれるのかを理解しましょう。気体の状態で圧力を上げていくと、分子同士が近づいていきます。ある程度近づくと分子間力がはたらき、さらに距離が近づいていきます。このとき理論的に求められる体積よりも小さな体積となるため、Zが1より小さくなります。分子間力がはたらく距離よりもさらに圧力を大きくしていくと、分子同士が接した状態で最小の体積となります。さらに圧力を上げてもそれ以上体積を小さくすることはできないため(体積は最小値で一定となるため)、圧力 × 体積の値が大きくなります。したがって、Zが1より大きくなります。

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溶液

物質が溶液に溶けるしくみ、溶けることで何が起きるかについて学習します。溶解度、再結晶、溶液の濃度は化学基礎の内容と同じで、これらはセンター試験でも頻出の問題になります。何が起きているのかを正しく理解して解けるようにしていきましょう。

気体の溶解について、ヘンリーの法則を正しく理解できていないことが多いです。例えば、気体の圧力が2倍になった時に、水に溶けている分子の質量、物質量、体積はどうなるかという問題です。ヘンリーの法則に従って、気体の圧力が2倍になれば、2倍の分子が溶けます。したがって、質量と物質量は2倍になりますが、体積は異なります。もともとn [mol]溶けていて、水中で気体がV [L]の体積を占めているとします。気体の圧力が2倍になると、押される力が強くなるので、n [mol]の気体は水中で1/2 V [L]の体積となります。しかし、溶ける物質量は2n [mol]となっているため、1/2 V + 1/2 VでV [L]の体積となります。したがって、圧力が変化したとしても水中に溶けている気体が占める体積は変わらず、一定となります。

蒸気圧降下、沸点上昇等のキーワードは水和です。水中でH2O分子どうしはOのδ-とHのδ-間の静電気力(水素結合)がはたらいています。ここにNaClを加えると、Na+とH2Oのδ、ClとH2Oのδ+の静電気力がはたらきます。静電気力は電荷が大きいほど強いので、後者の方が強い分子間力となります。すなわち、後者(NaCl水溶液)の方が沸騰しにくいのです。これが蒸気圧降下等の原因となります。

化学反応とエネルギー

化学反応に伴う熱量の出入りについて学習します。例えば、水が水蒸気になるというのは身の回りでも日常的に起きていることですが、これは発熱反応でしょうか、吸熱反応でしょうか? エネルギー的にみると水(液体)の方が水蒸気(気体)よりも安定であり、エネルギー図としては下に位置します。水から水蒸気になるには下から上に移動しなければいけないので、エネルギーが必要になります。したがって、これは吸熱反応となります。

また、燃焼熱、生成熱、溶解熱、中和熱、結合エネルギーのような〇〇熱がQ kJと問題文で与えられたとき、これを正しく熱化学方程式にできるようになればほぼすべての問題に対応できます。基本をしっかりと身につけたうえで応用的な解き方を身につけていきましょう。

電池と電気分解

ほとんどの内容が化学基礎の内容と同じです。単に網羅的に暗記するのではなく、イオン化傾向の違いが電池をもたらすこと、電子の流れを一方向に定めるのが電気分解であることを理解する必要があります。電気分解の工業的な利用に関しても、どうしてそのようなことができるのかを考えて、覚えていきましょう。

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化学反応の速さとしくみ

化学反応の速度について学習します。物質が反応するためには分子同士が衝突しなければならないことが重要概念です。したがって、反応速度は物質の濃度に比例し、「H2 + I2 → 2 HI」という反応であれば、反応速度v = k [H2][I2]という式で表されます。

実際に実験した結果から反応速度式を決定するという問題はよく見られるので、どのような手順で解いていくのか、演習を通して身につけておきましょう。余力があれば律速段階という考え方、活性化エネルギーの求め方まで理解しておきましょう。

化学平衡

理論化学の集大成となる化学平衡を学習します。「化学反応が平衡状態にあるとき、濃度・圧力・温度などの条件が変わることで、正反応または逆反応が進んで、新しい平衡状態になる」というルシャトリエの原理の定性的な理解、定量的な理解がポイントになります。いろいろな平衡反応について、○○を加えたらどうなるか、圧力を上げたらどうなるか、温度を下げたらどうなるかを押さえていきましょう。

後半は溶液中での化学平衡です。主に弱酸・弱塩基が中心になります。A ⇋ Bの平衡定数がKとしたとき、K = 100や0.01とはどのような状態を指すでしょうか?K = [B]/[A]なので、K = 100ということは[A] : [B] = 1 : 100と、反応がほぼ右側に進行している状態を指します。一方、K = 0.01ということは[A] : [B] = 100 : 1と、反応がほぼ左側に進行している状態を指します。したがって、Kは大きいほど反応が右側に進みます。平衡定数があたえられたときの弱酸のpH算出、塩の加水分解のしくみと加水分解時のpH算出、緩衝液のしくみとpH算出、溶解度の考え方について理解していきましょう。

ルシャトリエの原理を理解し、反応前後の物質量変化(圧力変化、濃度変化)を書きだすことができれば、ほぼ終わりです。塩の加水分解、緩衝液については必要な式を自分で導出できるようにしておきましょう。他分野との複合問題として出題されやすい分野ですので、わからないときは他分野の方も確認してみましょう。