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この単元では、原子の構造だけでなく、原子核の中でどのような物理法則が成り立っているのか、それによってスペクトルなどの現象をどのように理解できるのかということを学習します。原子内部における物理法則は、これまで学習した運動方程式などの考え方に量子条件のような原子物理独自の考え方をプラスします。

電子と光

この単元では、物質の粒子と波動の二重性について学習します。原子サイズ以下のミクロな世界では全く違う物理現象が起こっていることの最たる例です。実験結果からそのような二重性は確かめられていますが、その結果は覚えておくしかないでしょう。全然違う法則が成り立っているのだと割り切って覚えてください。

まずは、原子物理学が発展するきっかけになった陰極線、トムソンの実験、ミリカンの実験について理解しましょう。これらについては、これまで学習した考え方を使って理解できるので復習にもなると思います。

次に、光の粒子性についてです。これまで学習した光は波動として扱ってきました。ここでは光を光子という粒子として考えなければ説明できない「光電効果」という現象について学習していきます。光電効果がどのような現象で、光を波として考えると説明できないのはなぜなのかということを理解しましょう。光を粒子として考えた場合においても質量はゼロなので、エネルギーもこれまで学習した運動エネルギーのように考えることはできません。光のエネルギーをどのように表すのか、プランク定数や仕事関数、阻止電圧などの量の定義や実験によってどのように求めるのか丁寧に理解していきましょう。

すでに学習したように光は電磁波の一種で、そのひとつにX線があります。光の粒子性に関する現象として、X線のコンプトン散乱についても理解しましょう。この現象から、なぜX線が粒子性を持つといえるのか、運動量をどのように定義するのか、散乱後のX線の波長の変化をどのように表すのかなどポイントとなる部分は多いので、確実に理解していってください。X線に関しては、X線の発生原理や特性X線、最短波長やスペクトル、X線回折など周辺知識も多くありますので、漏れのないようにしてください。

最後に物質の波動性についてです。ここでは、ド・ブロイ波長という考え方を理解しましょう。このド・ブロイ波長の考え方は、次の単元の水素原子モデルを考えるときに重要になってきます。

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苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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原子と原子核

この単元では、原子核の内部構造や原子核反応について理解していきます。化学でも学習していますが、原子は中心に原子核があり、その周りに電子が存在しています。この構造を実験的に解き明かしたのがラザフォードです。このラザフォードの散乱実験の概要とそれによって原子核の構造がどのようにわかったのかを理解しましょう。

次は、水素原子模型について理解していきましょう。水素原子は原子核である陽子1つのまわりを電子1つが回っているという単純な構造です。これをクーロン力が向心力となる円運動と考えて運動方程式を立てます。さらに「量子条件」という新たな考え方を適応することで電子の半径やエネルギーを求めます。電子が存在する軌道半径が変化することによってエネルギーが放出されたり吸収されたりし、その放出されたエネルギーに相当する波長が水素原子に特有の線スペクトルになるという一連の流れを理解し、自分で導出できるようになってください。

このあとは原子核反応について学習していきます。原子核の構成や同位体について再確認したあと、統一原子質量単位で原子の質量を考えること、アルファ崩壊などの原子核崩壊、放射線とその性質について定義や現象を理解しましょう。

また、原子核崩壊を定量的に考える方法である半減期や原子核崩壊における運動量保存則やエネルギー保存則を理解しましょう。エネルギー保存則を理解する際には「質量とエネルギーの等価性」という原子分野特有の考え方を理解する必要があります。

最後に、この単元における周辺知識として、原子核反応における反応の種類、陽子や中性子のさらに内部構造である素粒子についても理解しておきましょう。