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「物理」における電気分野は、静電気的な力や位置エネルギーについて理解を深めます。電気的な力は目に見えないため、電場や電位という概念を導入します。その中で電気力線や等電位線というような可視化を行ないますが、目に見えない電気現象をいかにイメージして理解するかということが重要になります。また、磁気現象は電気現象と密接に関連しているので、それらの関連をしっかり意識しながら電磁気現象を理解しましょう。電磁気現象においても仕事とエネルギーの関係は重要になってきます。

電場

この単元では、電気的な力を伝える「電場」と力と密接に関係がある位置エネルギーとしての「電位」という考え方を理解します。

電場という考え方を理解する手始めとして、静電誘導と誘電分極について理解しましょう。電気的な力が導体や不導体でどのようにはたらき、どのような結果に結びつくのかを理解します。そして電場、電場を可視化した電気力線という考え方を理解し、クーロンの法則から電場の強さを求める考え方、ガウスの法則という電気力線と電場の強さの関係を理解しましょう。さらに、一様な電場の場合と点電荷が作る場合の考え方の違いについても理解しましょう。

次に電位という考え方を理解します。電位というものは静電気力による位置エネルギーに関連する量で、重力による位置エネルギーmghにおける高さhに相当するものです。この重力による位置エネルギーの考え方との対比をしてください。そして、一様な電場中の電位、点電荷が作る電位について違いを意識しながら理解しましょう。さらに、導体や不導体が電場中に存在するときに内部の電場や電位がどうなるのかということも理解しましょう。

最後に、この単元の応用としてコンデンサーを理解します。ここまで学習した電場、電位の考え方を理解できていれば、コンデンサーの極板間の電場、電位、電気力線の本数、コンデンサーの電気容量と極板間隔や極板面積、極板間に誘電体を挟んだ場合の電気容量の関係などは比較的容易に理解できると思います。

また、コンデンサーに蓄えられる静電エネルギーに関しては、W=QV という仕事がQ-Vグラフ上でどのように表されるのかということをもとに理解していけばよいでしょう。さらに、コンデンサーの電気容量と極板間隔や極板面積の関係からコンデンサーを直列につないだ場合、並列につないだ場合の合成容量の考え方を理解しましょう。

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電流

この単元では、電流というものを電子の運動から理解し、回路上において電流がどのように流れるのかという法則を理解します。

まず始めに金属中における電子の運動から電流の式を導出することを理解し、自分でも導出できるようにしましょう。電場、電位というものが理解できていれば特に難しくはないと思います。この導出過程でオームの法則が導かれ、さらに抵抗と抵抗率、抵抗の長さ、抵抗の断面積の関係が導かれます。

次に回路を流れる電流についてですが、キルヒホッフの法則というものが非常に重要な考え方です。電流に関するキルヒホッフ第一法則と、電圧に関するキルヒホッフ第二法則というものがあります。概念自体はそれほど難しいものではありませんが、実際の問題にどのように適応するのかということは演習を通じて理解してください。コンデンサーやコイル、非直線抵抗を含む回路でも成り立つので、法則の根本原理をしっかり理解して各回路に関する問題を解いていきましょう。

また回路の問題には、ホイートストンブリッジ回路、「スイッチを閉じた瞬間」にどのようになるか、「スイッチを開いた瞬間」にどのようになるか、コンデンサーを含む回路におけるスイッチを切り替えるとどうなるか、コンデンサーを充電する際に電流と電圧の時間的変化はどのようなグラフになるか、など様々なパターンがあります。この単元の問題演習をする際には、パターン毎に問題演習をして、自分が解ける問題のパターンをひとつずつ増やしていくような取り組み方をするとよいでしょう。パターンが多いため、まとめてやろうとすると考え方がごちゃ混ぜになってしまうことがありますので注意しましょう。

また、この単元の周辺知識として電流計、電圧計、分流器、倍率器、半導体についても理解しておいてください。

電流と磁場

この単元では磁気についての性質と電気と磁気(電流と磁場)の関係について学習します。

最初に、磁気についての諸性質を理解します。磁気の種類とどのように力がはたらくか、磁場、磁力線、磁力線と磁気的な力がはたらく力の向き、透磁率、比透磁率、磁束密度、磁束など磁気を理解するための様々な考え方と定義を理解しましょう。

次に、電流と磁場の関係について理解します。直線電流が作る磁場、円形電流が作る磁場、ソレノイドの電流が作る磁場について、それぞれ電流と磁場の強さと向きについての関係を理解しましょう。電流が作る磁場の向きについては、これまで学習したことのある「右ねじの法則」で理解できます。強さについてはよく似た式の形をしているので、区別をしっかりしておいてください。また、この関係式の導出は、高校物理の範囲を超えているので結果だけ覚えるようにしてください。

電流が磁場から受ける力の向きは、すでに学習した「フレミングの左手の法則」で求められます。力の大きさは直感的に理解できるかと思いますので、イメージとセットで覚えるようにしてください。

さらに電流が受ける力の大きさを、「ローレンツ力」という運動している荷電粒子が磁場から受ける力という観点から理解できるように、ローレンツ力についても理解しましょう。ローレンツ力に関連して、サイクロトロンという加速器についても勉強しておくとよいでしょう。さらに、この単元の周辺知識としてホール効果についても理解しておきましょう。

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電磁誘導と電磁波

この単元では、コイルを貫く磁場が変化した場合やコイルが磁場中を運動する場合に、コイルに電流が流れる現象である電磁誘導について理解していきます。

まずはレンツの法則を理解しましょう。レンツの法則を理解できたら渦電流という現象も理解できるので、併せて渦電流の現象を理解しておきましょう。次に、レンツの法則に基づいて電磁誘導の法則の式の意味と形を理解しましょう。

これを理解したら、磁場中を横切るコイルに生じる誘導起電力を電磁誘導から求めてみましょう。同じ現象を、磁場中を運動する荷電粒子にはたらくローレンツ力という観点から誘導起電力を求め、電磁誘導の法則から導いたものと同じになることを確認しましょう。磁場中をコイルが通過すると誘導電流が流れますが、コイルに電流が流れるということはエネルギーが発生しているということです。エネルギー保存則を考えると、このエネルギーはどこかから供給されているはずです。このように、誘導起電力や誘導電流を考える場合はエネルギーという観点を必ず持つようにしましょう。

入試問題でこの単元が取り上げられる際は、エネルギーに関する設問が出題される場合がほとんどです。また、電磁誘導の法則から導出される自己誘導の関係式と相互誘導の関係式も自分で導出できるようにしておきましょう。さらに自己誘導に関連して、コイルに蓄えられるエネルギーに関しても理解しておきましょう。

続いて、電磁誘導の法則からの発展として交流について学習していきます。交流電流は直流電流と違い電流(電圧)の向きが周期的に変化しますが、この交流電流は磁場中のコイルの回転によって発生します。まずは電磁誘導の法則から磁場中のコイルの回転によって交流電流が発生することを理解しましょう。この際に交流電流で導入される電流や電圧の「実効値」という考え方と、電流や電圧の最大値と実効値の関係についても理解しておきましょう。

交流は発電所で発生させた電流を各家庭などに送電する際に使用されています。このときに変圧器を用いていますが、この変圧器における電圧と巻き数の関係は電磁誘導の法則から理解できます。変圧器の関係式を自分で導出できるようになるとともに、送電におけるエネルギーロスを少なくするためには送電する電圧を大きくすればよいということも、消費電力の式から導出できるようにしておきましょう。

次に抵抗やコンデンサー、コイルを交流電源につないだときにどのようになるのかを理解しましょう。交流電源に抵抗をつないだ場合、交流電源の電圧の大きさの変化と同じように交流電流の大きさが変化します。しかし、交流電源にコイルやコンデンサーをつないだときには振る舞いが異なります。具体的には交流電圧が最大になるときには、電流がゼロになります。

この現象を直感的に理解するには、コンデンサーに蓄えられる電荷が最大(コンデンサーにかかる電圧が最大)のとき回路に流れる電流がゼロ、コイルにかかる電圧が最大(電圧の変化がゼロ)のとき、自己誘導による電流がゼロとなることから理解できます。式の上でも電磁誘導の法則から導出できますが、微分の考え方を使いましょう。もちろん、微分の考え方から導出できるほうがよいのですが、実際の試験では導出する時間はないので関係式は覚えるようにしてください。

その際にリアクタンスという量が出てくるので、抵抗の場合、コイルの場合、コンデンサーの場合とそれぞれ区別して覚えてください。抵抗、コイル、コンデンサーをそれぞれ理解したら、直列回路や並列回路において組み合わさった場合も理解して下さい。その際には、直列につないだ場合の電流が極大になる現象、並列につないだ場合は電流が極小になる現象、コンデンサーとコイルによる振動回路など特徴的な現象は自分で導出できるようになりましょう。

最後に電磁波についても理解しておきましょう。電磁波は電場と磁場の振動が伝わる横波で、波長によって様々な種類の名前がついています。これらの種類と現象をしっかりと結びつけておきましょう。