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物理基礎での熱の単元は、「熱エネルギー」という観点が主でした。「物理」では熱エネルギーという観点も大きな柱ですが、「気体の分子運動」というミクロな視点から熱エネルギーをとらえるという考え方をします。ボイル・シャルルの法則や状態方程式など気体をマクロ的にとらえる見方と、気体の分子運動論というミクロ的にとらえる見方を結びつけて考えるようにしましょう。

気体のエネルギーと状態変化

まずは、化学でも取り上げられる「ボイル・シャルルの法則」と「理想気体の状態方程式」の定性的な理解から始めましょう。温度を下げると体積や圧力が減るといったイメージは問題を解くときにも重要です。次にこれらの関係式をミクロな視点から導出していきます。その際には力積と運動量の変化や反発係数が1である弾性衝突の考え方を使います。これを機会に復習もしておきましょう。そして最終的に理想気体の状態方程式や二乗平均速度、内部エネルギーなどが導出されます。この導出過程自体が問題として出題されることもよくあるので、導出は必ず自力でできるようにしておきましょう。

次に気体における仕事とエネルギーの関係である熱力学第一法則について理解しましょう。熱力学第一法則を「⊿U=Q+W」と表現する場合と「Q=⊿U+W」と表現する場合がありますが、前者は「気体の内部エネルギーの増加は、気体に加えた熱量と気体にした仕事の和である」、後者は「気体に加えた熱エネルギーは、気体の内部エネルギーの増加と気体がする仕事の和である」という意味になり、Wの正負が異なってきます。「仕事とエネルギーの関係」という視点があれば特に難しくはないのですが、混乱してしまう人がいるので気をつけましょう。自分が理解しやすいほうでかまいませんので、どちらで表現するのかあらかじめ決めておきましょう。

気体が状態変化をする特別な場合として、定圧変化、定積変化、等温変化、断熱変化があります。これらの変化がどのようなものかを理解し、各場合において熱力学第一法則がどのように書き換えられるかを理解しましょう。また、気体における比熱に対応するものして「モル比熱」というものがあります。モル比熱の定義と特別な場合としての「定積モル比熱」「定圧モル比熱」を理解し、これらの関係も導出できるようにしておきましょう。

気体の状態変化を理解するのに「P-Vグラフ」をよく使います。定圧変化、定積変化、等温変化、断熱変化がそれぞれP-Vグラフ上でどのように表現されるのか、それはボイル・シャルルの法則からどのように導かれるのかをしっかりと理解しましょう。ボイル・シャルルの法則とP-Vグラフの関係をしっかりと理解できれば、P-VグラフをV-Tグラフに変換するということは特に難しくないと思います。また、P-Vグラフにおける「気体がする仕事」「気体がされる仕事」の関係も理解しましょう。

最後に、熱機関と熱効率についても理解しておきましょう。気体の状態変化に関する問題が出題される場合には、最終的に熱効率まで計算させられることがよくあります。熱効率は定義が少し紛らわしいので確実に理解しておいてください。