目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 小問集合
    2. 確率
    3. 微積分
    4. 数列
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
    2. 典型的かつ標準的な問題を押さえる
    3. 数Ⅲは計算トレーニングが命
    4. 応用レベルの演習:数学的な思考力を鍛える
    5. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

昭和大学医学部は、東京都大田区にある中難度の私大医学部です。1年次は歯学部と合同で全員寮生活を行う点が特徴的であり、医師国家試験の突破率も非常に高い数字を記録し続けています。他方、入試問題を見ると非常に高いボーダーとなるものの問題の難易度自体はそこまで高いわけではありません。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 概要

2.1. 試験日
【一般入試(2017年度)】
(選抜Ⅰ期)
1次試験:1月27日
2次試験:2月4日または5日

(選抜Ⅱ期)
1次試験:3月4日
2次試験:3月11日

2.2. 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数列・ベクトルのみ)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・小論文

(試験時間)
1次試験
・英語、数学(140分)
・理科(140分)※2科目選択

2次試験
・小論文(60分)
・面接(約10分)

2.3. 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)

2次試験
・小論文
・面接

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
(選考Ⅰ期・Ⅱ期共通)
試験時間:英数合わせて140分
出題数:4問
試験形式:記述・論述式(一部答えのみを解答)

単純計算で言えば70分で4問をさばくことになり、決して時間に余裕のある問題数とはいえません。計算が煩雑になることもあり、英語にかける時間を少し減らし、数学に多めに配分できるというのが望ましい流れです。

奇問難問への対策よりもとにかく徹底した基礎事項の理解と素早い対処が試されます。もちろん教科書だけで対策できるというわけではありませんが、多くの医学部のように手を出すべきでない難問が混在するということが多くない問題です。そのため、1次突破のボーダーが高くなることが多く、一つの計算ミスが命取りになってしまいます。

頻出分野は微積分、数列、三角関数、ベクトルあたりですが、小問集合が必ず出題されており、そちらは毎年幅広く出題されています。したがって、苦手分野を残すことはご法度です。食わず嫌いせずどの分野もまんべんなく学習してください。

なお、昭和大学医学部は、2017年度の入試のうち、唯一数学Bの「確率分布」を課している大学です。実際に2017年度選考Ⅰ期では確率分布からの出題がありました。教科書の内容について例題と練習問題をさらりと理解しておけば対処に困ることはないレベルでしたが、今後は激化する可能性があります。昭和大学医学部への志望度が高い方は対策を強化しておきましょう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 小問集合
大問4問のうち、最低2問は小問集合です。教科書レベルの内容も多く並びますので、確実に得点してください。頻出事項は極限計算、定積分計算、複素数平面、確率、整数、ベクトルですが、教科書例題レベルについては、すべての単元において瞬時にさばききれるようにしておきましょう。センター試験レベルで時間が足りないということのないレベルまでは少なくとも到達しておく必要があります。

3.2 確率
旧課程時は条件付き確率(および期待値)が頻出項目でした。このことは医学の分野では統計・確率がかなり肝になるというメッセージと捉えることもできます。
2017年度選考Ⅰ期は問題文の読み取りからしてかなり複雑でしたが、通常はここまで難関ではありません。実際選考Ⅱ期は典型的な条件付き確率の問題でした。場合分けを含む
なお、これまでの傾向から条件付き確率は今後も頻出テーマ隣り続けると思われますので、しっかり対策してください。

3.3 微積分
絶対値付きの関数あるいは無理関数の増減の調査や、絶対値付きの定積分計算など、問題集で扱われることの多いテーマが出題されます。定積分実行の際に強靭な計算力が求められることが多くありますので、『合格る計算 数学Ⅲ』など数学Ⅲ(特に極限、微分、積分)の計算問題集を1冊は仕上げておく必要があるでしょう。

3.4 数列
群数列や格子点、漸化式の一般項導出など、数列ならではの典型的な問題が並ぶ印象です。問題集で一度は見たことがあるようなテーマが並びますので、しっかり対策した人ならきちんと裁くことのできるような出題が心がけられているのかもしれません。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

4.1 教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
最初は教科書内容を振り返り、取りこぼしのある公式や定理について徹底的に復習していきましょう。
未習項目がない方(学校や塾・予備校の授業で一通り数学ⅠAⅡBⅢの範囲については習った)は、以下に挙げるような基礎レベルの問題集を使用して、事項が正しく理解できているか確認しましょう。特に解けなかった問題について、教科書のどの事項が理解できていれば解けたのかということをしっかり確認してください。

・教科書の章末問題
・4STEP(教科書傍用問題集)
『数学Ⅰ+A基礎問題精講』『数学Ⅱ+B基礎問題精講』『数学Ⅲ基礎問題精講』(旺文社)

カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集](駿台文庫)

未習項目がある方は、ひとまず未習項目をなくすことを目標に、全分野の学習を一通り行いましょう。
以下のような書籍のシリーズは、問題集もセットになっていることが多いので、そちらと合わせながら問題を解き進めてください。

『高校 これでわかる数学Ⅱ・B』(文英堂)

なお、この段階では、問題が解けなくても悲観的にならないでください。1問につき数分考えてわからないときは、すぐに解答を見てかまいません。あまり時間をかけずにまず一通り内容をざっくり復習するという感覚で行くほうが精神衛生上もよいでしょう。模擬試験や学校の定期テストで、数字の変わった問題が出たら、何も見ずに解くことができるというのがこのステップのゴールです。
このレベルがクリアできたら、次に移ってください。

4.2 典型的かつ標準的な問題を押さえる
次は大学受験で定番の問題について解法をストックしていきます。下に挙げる『青チャート』や『フォーカスゴールド』などのいわゆる「網羅系参考書」というものを使用するのもよし。網羅系問題集は分厚すぎて終わらない! 時間がない! という人は、『標準問題精講』に取り組んでみましょう。数学が得意でもう少し一問一問の質を大事にしたいという人は、『1対1対応の演習』がおすすめです。
このセクションでは、例題の解法をしっかり理解して習得できるようになることがゴールです。

『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A』(数研出版)
『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅲ』(数研出版)

『フォーカスゴールド』(啓林館)

『数学Ⅰ・A標準問題精講』(旺文社)
『数学Ⅱ・B標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅲ標準問題精講』(旺文社)

『大学への数学 1対1対応の演習』(東京出版)

4.3 数Ⅲは計算トレーニングが命
典型的で定番の問題が理解できたら、次の教材(4.4)と同時並行で、数Ⅲの計算練習を行いましょう。医学部入試では、計算の素早さが勝負の鍵を握ります。スピードは理解度に応じて上がっていくものですから、スピードを高める対策も含めて、以下の計算問題集で練習しましょう:

『合格る計算 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(文英堂)

『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)

入試直前まで徹底的に繰り返し、計算で躓くことのないようにしましょう。

4.4 応用レベルの演習:数学的な思考力を鍛える
この段階では、4.3までに備えてきた数学の基礎的な理解を、制限時間内で入試問題で合格点を取れるように、改めて整理していきます。

『医学部良問セレクト77』(聖文新社)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(河合出版)

『理系数学の良問プラチカ 数学Ⅲ』(河合出版)

いずれも国公立大学の対策を念頭に置いた問題集ですが、理系入試典型テーマを満遍なく扱いつつ、昭和大学医学部を合格ボーダーを超えられる程度まで攻略できるレベルまで実力を押し上げてくれます。

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』(数研出版)

数学でなんとか足引っ張らないように……。と思っている方はこちらをおすすめします。300問程度と絶妙に程よい量でありながら、どの分野も精選された良問を掲載しているしっかりした良書です。

いずれも最低2周はして、1問1問すべての問題について、他人に解説できるくらいの理解度を目指しましょう。

4.5 過去問・模擬問題を用いた演習
解く際には以下の手順に則ってみてください:

制限時間(約70分)で一通り解きます。本番は英語と数学同時の実施なので、実際に解くときも英数同時に解答してみましょう。
一通り取り組んだら、答え合わせをする前に、問題を解きながらどういった点を疑問に感じたかを書き出してみましょう。次回以降気をつけなければいけないこと、直さなくてはいけないことが浮き彫りになってきます。
答え合わせをしたら、正答率を算出するとともに、間違った問題の解答をしっかり理解しましょう。
続いて、今度は合っていた問題について解答をチェックします。合ってたのだから確認しなくていいのでは?と思う方もいるかもしれません。私大医学部の入試における最大の強敵は時間です。もし正解していてもそれが非効率なやり方なのだとしたらそれは回り回って他の問題を解く時間を奪った原因となってしまいます。合っていた問題も「やり方まで効率的であったか」という観点に立って、しっかり見直していきましょう。

また、大手予備校主催の記述型の模擬試験の問題も対策になります。1年間の受験勉強生活の中でそういった模試を受験するチャンスがあれば、ぜひ活用いただき、自分が受けた問題を自力で解けるようになるまでしっかり復習してみてください。