目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験科目
    2. 試験時間
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 理論化学
    2. 無機化学
    3. 有機化学
    4. 高分子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り
    2. 知識の補強
    3. 解法パターンの習得と計算力の増強
    4. 定番問題の習得
    5. 過去問演習

1. はじめに

昭和大医学部は、首都圏に8つもの医学附属病院を持つ歴史ある大学である。1年次には寮生活を通して他学部学生との交流の機会を持つなど、コミュニケーション能力を非常に意識していると言えるだろう。また2年次からは、この付属病院と連携した教育も行われ、チーム医療を重視した教育プログラムが特徴のひとつである。医学部のアドミッションポリシーは以下の通り。

以下、昭和大学医学部アドミッションポリシーより引用:

昭和大学医学部は、「“至極一貫”の精神のもと、真心と情熱をもって医学・医療の発展と国民の健康増進と福祉に寄与する医師の育成」を教育目標としています。建学理念・教育目標に則り、医系総合大学の利点を生かした特色ある教育システムを通じて、優れた臨床医、研究分野にも秀でた医師の育成を目指しています。

(引用元:昭和大学|医学部アドミッションポリシー

理科の特徴としては、問題数は多いものの、設定された時間とのバランスを見ると時間配分はそれほど難しくないだろう。しかし構成は年度ごとに変更され、計算能力よりも知識などを問われる要素が強いため、幅広く、深いところまで知識を定着させることが必要不可欠と言える。

以下、本学に合格するためのプロセスを解説していく。

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受験にこそパーソナルトレーナーを。4年間、一次試験すら通過できなかった僕が『医学部合格』を勝ち取れた理由
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2. 概要

2.1 試験科目
1次試験:
・英語
・数学
・理科(物理・化学・生物から2科目選択)

2次試験:
・小論文
・面接

2.2 試験時間
1次試験
・英語(140分)
・数学(140分)
・理科(140分)※2科目選択

2次試験
・面接(60分)
・小論文(10分)

2.3 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点[100×2])

2次試験
・面接
・小論文

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
全問記述式で、大問の数は年度により異なり、だいたい5, 6題である。理論2題・有機1題・高分子1題は出題されているが、構成は年度によって変わる。試験時間2科目140分なので、問題量は多く見えるが、計算分量も多くはなく、時間配分としてはそれほど厳しくはない。基本的には標準的難易度の問題から構成されている。ただし、例年生物化学の範囲から深い知識問題が出題されており、やや生物受験生が有利なように感じる。生物受験者も知らないような内容が出題されることもある。また、問題全体として計算問題よりも知識問題重視である。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 理論化学
電池と電気分解、滴定、化学平衡、熱化学方程式などの分野が良く出題されている。特に電気分解は、前期後期のどちらかでほぼ毎年出題されている。COD (Chemical Oxygen Demand, 化学的酸素要求量) や直並列混合の電気分解などのやや難易度が高めの問題も出題されている。また、コロイドの分散媒や分散質、各金属格子がどの結晶構造を取るかなど、あまり問題例がなくやや細かい知識問題も出題されているので、教科書に登場することは隈なく整理して理解しておきたい。

3.2 無機化学
無機の問題は、年度によって出題される年とされない年がある。無機物質の性質や元素ごとの各論、工業的製法などが出題されていた。化学反応式を書く問題も出題されたことがある。問題のほとんどが知識問題であるため、まずは教科書内容をしっかりと押さえておきたい。

3.3 有機化学
有機の問題に関しては、毎年一題標準的な構造決定の問題が出題されている。特にひねった問題も少なく、標準的な問題集で十分に対策が可能である。記述式であり、異性体の構造式などを書くことがあるので、構造式はしっかりと書けるようにしておきたい。芳香族カルボン酸やエステルなどは頻出であり、しっかりと対策をして臨んで欲しい。

3.4 高分子
アミノ酸や糖類から例年1題程度出題されている。特にペプチドの推定は頻出である。核酸の構造を聞いてきたり、転写や翻訳に関する知識問題を聞いてきたり、主要なアミノ酸の構造を覚えていないと答えられないような問題を出題してきたりするので、物理受験者は要注意である。合成高分子に関する出題は近年あまり見られないが、天然ゴムに関する穴埋め問題が聞かれた年があるなど、知識全般要注意注意である。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 教科書内容の振り返り
教科書を用意し、一章ずつ読み込む。入試問題は、原則として教科書から出題される。各教科書の参考・発展・コラム・実験などは、入試問題の格好の材料になるのでしっかりと目を通しておきたい。昭和大学の入試問題では、分野問わずに知識問題でかなり細かいことが聞かれている。特に天然高分子などの生物化学の範囲は毎年のように深い知識が問われている。教科書に載せられているものは全て問われる可能性があると思って臨んで欲しい。
 ただし、教科書の表現は初学者には少し難しいこともあるので、Step.1では全てを理解する必要はない。この段階では、各教科書の発展やコラムには触れなくても良い。ざっとどんなことが書かれているか整理していくと良い。読んでもすぐには理解出来ないという人は、下記の紹介されている参考書などを教科書の対応する箇所を合わせて読み込むと良い。また、実験装置や沈殿の色など目で見た方が記憶に残りやすいので、資料集も一冊用意しておくと良い。得た知識をどう使っていくのかについては下記の問題集を利用して、確認していくと良い。

○参考書
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-無機化学+有機化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学2+有機化学2-』(東進ブックス)
『フォトサイエンス化学図録』(数研出版)

○問題集
『セミナー化学』(第一学習社)
『リードα』(数研出版)

■Step.2 知識の補強
Step.1で全体像を掴めたら、知識の補強を進めていこう。昭和大学では分野問わずに知識問題がかなり細かく出題されており、合否を分けるポイントになってくる。以下に各単元の注意すべきポイントとオススメの参考書について記載する。

◯理論化学
問題のほとんどは定番問題だが、各金属がどの結晶格子を取るかなどのかなり細かい知識問題も出題されている。化学現象などは具体例を含めて覚えておくこと。また、電気分解が頻繁に出題されているので、十分に対策して欲しい。極板の反応などは書かなくても頭に式が思い浮かぶぐらいを目指して欲しい。

『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

『化学一問一答』(東進books)

◯無機化学
無機物質の性質や元素の各論、工業的製法などの問題が出題されているが、いずれも知識問題中心である。まずは教科書を中心に知識の整理を行って欲しい。記述式で化学反応式を書く問題も出題されているので、化学反応式はしっかりと書けるように練習しておこう。

「福間の無機化学の講義」(大学受験Doシリーズ)

◯有機化学
構造推定の問題が中心であり、構造推定の問題が解くための知識を身に付けることが主な目的となる。まずは有機物質の名称と構造が一致するようになること、次に有機物質ごとの性質と性質に紐づく反応が理解できるようになることといったステップを踏んで学習していきましょう。記述問題であり、構造式を書くような問題が多いので、自分で構造式が書けるように訓練しておこう。

◯高分子
ペプチドの推定問題などは頻出である。電気泳動や等電点、タンパク質の検出など、アミノ酸に関する知識は隈なく整理しておきたい。リボースの構造を聞いてきたり、側鎖にアミド基を有するアミノ酸の名称を聞いてくるなどかなり細かいことを聞いてくることがある。20種類のアミノ酸や核酸の構造(特に塩基間の水素結合の配置など)を全て書けるようになるぐらいの意気込みでいた方が良い。合成高分子の出題比率は低いが、知識問題が急に聞かれる年もあるので、知識系の対策はしっかりと行って欲しい。

「鎌田の有機化学」(大学受験Doシリーズ)

■Step.3 解法パターンの習得と計算力の増強
Step.3では、計算問題の解法の習得に向けて学習を進めていく。計算問題としては定番の問題がほとんどである。試験時間70分と時間には余裕があるため、確実に計算出来るように訓練して欲しい。普段の試験であれば捨てるような計算量の多い問題も時間に余裕があるため、実力のある受験生は解いてくる可能性が高い。計算分量が多くなっても正確に計算出来るように、小数の計算の正確さを磨いて欲しい。

『鎌田の理論化学の講義』(大学受験Doシリーズ)

『基礎問題精講』(旺文社)

『化学計算問題の徹底整理』(数研出版)・・・入試レベルの計算問題が良いという場合は、こちらの問題集で練習すると良い。

■Step.4 定番問題の習得
ここからは実際の大学入試問題を使って、定番の問題の解法を押さえていく。知識問題の比重が高い以外では、標準的な難易度の問題がほとんどである。試験時間も厳しくないため、標準的な問題はほとんどの受験生が確実にとってくるであろうと思われるので、とにかく穴を作らないことを目指して欲しい。扱う問題集は、標準的な難易度のもので十分であるが、穴を作らないように2冊ぐらい取り組んでおくと良いだろう。

○問題集
『化学重要問題集』(数研出版)

『化学良問問題集』(旺文社)

○参考書
『化学の新研究』(三省堂)

■Step.5 過去問演習
Step.1-4をクリアしたら過去問演習に入りましょう。
『昭和大学』(教学社)

本Stepでは下記のように過去問演習を進め、現時点での自分の学力を自己分析することを忘れないこと。時間を計って解き、解き切れなかった問題は時間を計らずに最後まで解く。採点後、解説を読み、解き方を理解する。自分には何が足らなかったのか自己分析を行う。自己分析を元に基礎の補強(Step.1-4)を進めていこう。

過去問をある程度進めたら、Step.4の自己分析を元に、同時並行で知識の補強を進めよう。昭和大では知識問題が合否を分ける。天然有機の知識を中心にしっかりと知識を固めていこう。特にアミノ酸については有名なものは自分で書けるようにしておきたい。核酸を構成する糖や塩基についても書けるように練習してほしい。また、過去問で解けなかった問題を中心に、忘れていた知識を整理したり、計算のスピードや正確性を磨くことが合格への近道である。ちょっとした問題に足元をすくわれないようにしっかりと足場を固めよう。

過去問をすべて終えたら、似た傾向の私大医学部の問題を使って演習していこう。生物系の知識を盛り込んだ入試問題は出題する大学が限られてくつ。難易度の高い大学では、慶應義塾大学医学部や大阪医科大学、マーク式だが東邦大学医学部なども生物系の問題がよく出題されているので取り組んでみて欲しい。

(参考)
昭和大学|医学部アドミッションポリシー