目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 配点
    3. 出題の傾向(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 力学
    2. 電磁気学
    3. 熱力学
    4. 波動
    5. 原子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の確認
    2. 基礎問題で解法をインプット
    3. 標準問題でアウトプットの練習
    4. 過去問を用いた演習

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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1. はじめに

聖マリアンナ医科大学は、「キリスト教的人類愛に根ざした、生命の尊厳を基調とする医師としての使命感を自覚し、人類社会に奉仕する人間の育成、ならびに専門的研究の成果を人類の福祉に活かしていく医師の養成」を建学の精神に掲げるカトリック系の大学です。
本学では幅広い医学的知識・技能と豊かな人間性をもった医師の輩出に力を注いでますが、アドミッション・ポリシーには次のような記載があります。

 医師には生涯「自ら学ぶ力」が必要である。そのために、高校では医学を学ぶ上で基盤となる数学、理科をしっかりと学んでおくこと。その際は、表面的・断片的な知識の詰め込みでなく、体系的な知識と確かな応用力を身に付けるよう心がけることが必要である。

(引用元:聖マリアンナ医科大学|アドミッションポリシー・カリキュラムポリシー・ディプロマポリシー

また、数学や理科だけでなく、英語の表現力や語彙力、文章の読解力および表現力、論理的思考力等も重視されています。
入試問題は典型的なものが多く、難易度は入試標準レベルのものが中心です。
しかしアドミッション・ポリシーにある通り、教科書の公式・定型解法をただ丸暗記するだけでは対応できない問題が出題されることも十分考えられます。本学の入試対策では、教科書・学習参考書を繰り返し演習して、しっかりと理解を深めることが大切です。

以下、本学に合格するまでのプロセスを詳しく解説していきます。

2. 概要

2.1. 試験日
第1次試験:
平成29年1月31日(火)
1限:数学(9:00~10:30)
2限:英語(11:20~12:50)
3限:理科(14:10~16:40)
※平成29年度の第1次試験は終了しました。

第2次試験:
平成29年2月11日(土)、12日(日)[いずれか1日]
1限:適性試験(9:00~9:30)
2限:小論文(10:20~11:20)
3限:面接(13:00~16:00)
※第1次試験合格者のみに対して行う。

2.2. 配点
(前期日程)
英語(100点)
数学(100点)
理科(200点)
※全教科に基準点を設け、1科目でも基準点に達しない場合は、不合格となることもある。
適性検査:参考にする。
小論文(100点):読解力、理解力、文章表現力、論理性等を評価する。
面接(100点):将来医療を担う人材としての目的意識、態度、表現力、積極性、協調性、社会性等を総合的に評価する。

2.3.出題の傾向(概要)
2010年度以降、大問5題で第1問は小問集合4問という構成は変わっていません。力学、熱力学、電磁気学、波動から小問集合1問と大問1題という出題範囲がほとんどでした。しかし、2016年度入試第1問の小問集合は、力学から1問、電磁気学から2問、物理学と社会から1問、大問は力学、電磁気、熱力学、原子の分野から各1題と変化がありました。
小問集合は教科書レベルですが、語句の定義や細かな知識が問われたりするので、教科書の隅々まで精読しておく必要があります。解答時間は理科2科目で150分ですが、見慣れない設定の問題が出題されたり、数値計算をする問題があったり、グラフを書く問題があったりするので、必ずしも余裕があるとは言えません。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 力学
小問集合で1問、大問で1題出題されています。小問集合で出題されているテーマは「等加速度直線運動」、「自由落下」、「等速円運動」、「万有引力」、「力のモーメント」、「力学的エネルギー」など難易度の低い問題が出題されています。語句の定義が問われたり、数値計算があったりするものの、確実に正解するべきでしょう。
大問で近年出題されたテーマは、「斜方投射とはね返り」、「円環上の物体の運動」、「単振動」、「力のモーメント」、「糸につり下げられた物体の運動」、「静止した物体のへの衝突」などです。
・「力のモーメント」では、人の腕の質量を計測するモデルがテーマとして出題されています。
・「単振動」では、グラフを書く問題が出題されています。
・「静止した物体への衝突」では、衝突前後の速度ベクトルが同一平面上にあることを説明させる問題が出題されています。
このように、大問では多種多様な状況設定や問われ方がなされています。

3.2 電磁気学
小問集合において近年出題されたテーマは「静電誘導と誘電分極」、「半導体」、「ローレンツ力」、「変圧器」、「電磁誘導の法則」、「金属中の電子の運動」、「発電所からの送電」などで、いずれも教科書レベルの問題です。ただし、用語や半導体の原料など思わぬ落とし穴となるような問題も出題されているので、教科書のコラムなども含めてしっかりと読みこんでおきましょう。
大問で近年出題されたテーマは、「RLC交流回路」、「すべり抵抗器」、「コンデンサー」、「直流回路」、「電流が作る磁場」などです。数値計算やグラフを選択する問題などが出題されていますが、2011年度に出題された円形コイルに流れる電流が作る磁場に関する問題は数学の楕円の式に関する知識が必要で、かなり高度な問題でした。

3.3 熱力学
小問集合において近年出題されたテーマは「気体の状態変化」、「熱機関」、「熱と温度」、「熱の伝わり方」などです。この分野は特に知識が問われる問題が出題されています。2010年度に出題された熱の3種類の伝わり方「伝導」「放射」「対流」を正しく正答できた受験生は少なかったのではないでしょうか。
大問で近年出題されたテーマは、「気体の状態変化」、「圧力と水にはたらく力のつり合い」、「気体の分子運動論」、「熱と温度」などです。
「気体分子運動論」などは典型的な問題でしたが、「気体の状態変化」ではP-Vグラフ、V-Tグラフ、P-Tグラフの変換などが問われたり、計算結果を数値表から求めなければいけなかったり、「圧力と水にはたらく力のつり合い」では問題の状況設定が特殊なものであったりと、思考力が問われる問題が多く出題されています。

3.4 波動
小問集合において近年出題されたテーマは「レンズ」、「ドップラー効果」、「音波」、「光の屈折、反射」、「光の性質」などです。「音波」では音の三要素に関する知識が、「光の性質」では光の分散に関する知識が問われています。
大問で近年出題されたテーマは、「ドップラー効果」、「平面波」、「光の屈折」などです。「ドップラー効果」では音源が単振動をする設定、「光の屈折」では屈折率の定義を図に書いて説明する設問や、屈折という現象を光の性質から説明させる設問などが出題されています。特に光の分野は作図も含めて図形的に考える問題が多いので、しっかりとマスターしておきましょう。

3.5 原子
新課程になって2016年度に大問で1題出題されました。テーマは「放射線」で難易度は標準的なものでした。しかし他分野との比較からしても今後は難易度の高い問題も出題されることが予想されるので、十分な対策が必要です。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

4.1 教科書内容の確認

教科書で扱われている現象の理解し、語句の定義を正確に覚え、公式の導出が確実にできるようになることが第一段階です。グラフや図などがある事項については、現象とグラフ、グラフと式の関係も自分のものにしましょう。公式の導出は自分でできるようになって下さい。その過程で物理現象をより深く理解でき、問題を解くうえで必ず大きな力になります。そして、自分で導出ができるようになったら答案を書くつもりで書いてみて、添削してもらうと良いでしょう。教科書以外にも例えば、

『橋元の物理をはじめからていねいに(力学編)』(東進ブックス)

『橋元の物理をはじめからていねいに 熱・波動・電磁気編』(東進ブックス)

などの参考書が、現象や公式の成り立ちについての理解を助けてくれるでしょう。
聖マリアンナ医科大学では知識問題が多く出題されています。教科書の隅々までしっかりと読み、図録を持っている場合は図録もしっかりと読んでおきましょう。

4.2 基礎問題で解法をインプット

教科書で学習した内容を実際の問題に使う練習です。まずは基礎的な典型問題をできるだけ短時間で解けるようになるのが目標です。この段階の問題演習には、

『物理のエッセンス 力学・波動』(河合塾)

『物理のエッセンス 熱・電磁気・原子』(河合塾) 

『入門問題精講』(旺文社)

などを用いるのが良いでしょう。この段階では自分で問題を解く必要はありません(もちろん、解けるようであれば解いても構いません)。まずは「どのような状況設定の時にどのような解法を使うのかをインプットする」というところに重点を置きましょう。

『為近の物理1・2解法の発想とルール 力学・電磁気』(Gakken) 

『為近の物理1・2解法の発想とルール 波動・熱・原子』(Gakken)

などもどのように問題を解くのかを丁寧に解説しているので参考になると思います。解答・解説をしっかり読んで、別解などもしっかりインプットしましょう。問題を見た瞬間に正しい解法が思い浮かぶようになればこの段階は終了です。

4.3 標準問題でアウトプットの練習

次の段階は、大学受験における定番の問題で実際に問題が解けるかを演習していきます。この段階の問題演習には、

『良問の風』(河合塾)

『基礎問題精講』(旺文社) 

などを用いると良いでしょう。

基礎段階でインプットした解法を、入試標準レベルで正しく使うことができるようになることが目標です。この段階では必ず自分の手で解いてみて下さい。その時には基礎段階で身に付けた解法をどのように活用するのかを意識しながら解きましょう。問題を見た瞬間にどのような解法を使うのか最低1つは思い浮かべられない場合は前段階に戻った方が良いかもしれません。自分が思い浮かべた解法で解けない場合もあるでしょう。その時には解答を見て自分の考えに何が足りなかったのかをしっかりと分析してください。学校の先生など身近にアドバイスをくれる人がいるのであれば、ぜひ聞きに行きましょう。

以上の問題集が一通り終われば、どのような問題が出題されても慌てず最短時間で解答できるようにするために以下の問題集に取り組んでみましょう。

『名問の森 力学・熱・波動1』(河合塾)

『名問の森 波動2・電磁気・原子』(河合塾)

『標準問題精講』(旺文社)

『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)

『体系物理』(教学社)

4.4 過去問を用いた演習

最終段階は、実際に過去問を解いてみることです。赤本などを利用して時間を測りながら実際の入試のつもりで解いてみましょう。この段階のポイントは「時間を意識すること」と「問題を解く順番を意識すること」です。前段階までがきちんとできていれば、問題の解法自体は分かるはずです。あとは入試を突破するための実戦力を身に付けます。

実際の入試には制限時間があるので、まずは制限時間内に解くスピードを身に付ける必要があります。 次に、問題を解く順番も意識しましょう。実際の入試では「解ける問題から先に解く」というのが鉄則です。時間をかけて難しい問題を1問解くよりもまずは簡単な問題を短時間で5問解きましょう。実際に入試問題を解いた後に、問題の解く順番も最適だったかどうか確認してみましょう。
時間がある人は、実戦力と応用力を身に付けるために他大学の入試問題にも挑戦してみましょう。日本医科大学、昭和大学など様々なタイプの問題を解いてみるのが良いでしょう。さらに時間がある人は、応用力をさらに磨くために順天堂大学医学部や東京慈恵会医科大学、慶応大学医学部などにもチャレンジしてみて下さい。

この記事があなたの聖マリアンナ医科大学合格の手助けになれば幸いです。成功を祈っています。