目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向
  3. 出題の特徴
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
    2. 典型的で定番の問題を押さえる
    3. 数Ⅲは計算トレーニングが命
    4. 応用レベルの演習:数学的な思考力を鍛える
    5. 過去問・模擬試験を用いた演習

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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1. はじめに

東北医科薬科大学は、2016年に新設された、宮城県仙台市の私立医科大学です。それまで東北地方の私立医学部は岩手医科大学の一校のみでした。
2017年度入試は2年目ということもあり、1年目に比べてかなり難易度が上がっていますが、2016年度入試の内容を見る限り、決して難問揃いではなく、医学部中堅校の対策でしっかりと点数を取れるものが多い印象です。ただし、かなり高得点帯での争いとなりますので、日頃から計算結果が合うところまで含めて正確さを意識して学習しましょう。

2. 概要

2.1. 試験日
一般入試
1次試験:2017年2月1日(水)
2次試験:2017年2月18日(土)

2.2. 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・小論文
・面接

(試験時間)
1次試験
・数学(70分)
・英語(70分)
・理科(120分)※2科目選択
・小論文(60分)
2次試験
・面接

2.3. 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)※各100点
・小論文(小論文の評価は、一次試験合格者選抜では使用せず、二次試験合格者選抜の時に使用する。)
2次試験
・面接

2.4.出題の傾向と特徴
医学部の過去問は現時点で2016年度入試のもののみとなります。
全問マークシートで試験時間60分に対して、大問数は3つ。大問構成や問題設定は併設の薬学部と似ており、青チャートやFocus Goldなどに載っている典型的な問題を素早く的確に処理するということを念頭に学習を進めることができていれば、きちんと解答できる問題ばかりでした。以下の項目でも紹介する数研出版『数学 重要問題集』など一定レベルの問題集まで手を出すことができれば十分おつりがくるレベルです。
ただし、どの大問も分野を融合した形で出題されていますので、単元ごとの関連性を考えながら学習を進める必要があります。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

以下、過去問の内容についてのネタバレを含みますので、まだ演習していない、という方は一度問題を解いてからご覧ください。

大問1:図形と方程式、三角関数、ベクトル
大問1は、図形分野の問題でした。問題文中にベクトルの表記はありませんが、もちろん問題を解くのにベクトルを使用しても構いません。特に(2)の「3点が1直線に並ぶ」という条件は「2点を通る直線が残りの1点も通る」と読み替えて、方程式の計算に帰着させても構いませんが、「2つのベクトルが平行」すなわち「3点で作られる三角形の面積が0となる」とすれば、三角形の面積公式を利用する問題に変わり、そちらで解くことができれば(3)の計算も同時に実施できたのでベターでした。三角形の面積公式はベクトルの内積を用いるもの、成分を利用するものの2つが超のつくほど頻出ですから、いつでも使えるようにしておいてください。
(3)の面積の最大値については、最終的に三角関数の合成と最大・最小問題になりますので、教科書レベルの計算と言って良いでしょう。

薬学部の大問2も問題設定の数値が異なる程度でしたので、医学部の過去問を解いたら練習問題としてそちらも取り組んでみましょう。

大問2:確率(独立試行・反復試行の確率)、数列の和(等差×等比型)
青チャートなど網羅系問題集に載っているような問題を経験していれば、とても手の出しやすい問題でした。融合とはいえ、(1)から(4)は確率の問題、(5)は数列の問題ときれいに住み分けがなされていたので、融合問題が苦手という人も手を出しやすかったのではないでしょうか。

こちらも薬学部の大問1に少しだけ問題設定を変えた問題が出題されていましたので、医学部問題を解いたあとに復習として取り組んでみることをおすすめします。

大問3:数Ⅲ積分法(絶対値付き定積分)、数Ⅲ微分法(関数の増減)
積分区間の途中にkがありましたので、丁寧に場合分けをして、あとは計算を推し進めるのみでした。計算の内容自体も基本的で、医学部受験生であれば多くの方が完答できた問題かと思われます。
(2), (3)は(1)で作った定積分の計算結果の関数の増減を調べ、最小値を探る過程でした。こちらは数Ⅲ微分法からの出題です。とにかく微分して増減表を書けばいいので、手を動かしやすい問題でした。逆にいえば、ここで失点があると一気に合格が遠のいてしまうことでしょう。

総じて、取り組みやすい問題が多かったので、1次通過はかなり熾烈な争いになったことと予想されます。問題が簡単ということは落とすことができないということでもあります。知識のゆらぎがないように、基礎的内容を徹底して頭に入れておくことが重要です。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1.教科書内容の振り返り:公式や定理の総復習
教科書内容を振り返り、取りこぼしのある公式や定理については徹底的に復習してください。未習項目がない方(学校や塾・予備校の授業で一通り数学ⅠAⅡBⅢの範囲については習った)は、以下に挙げるような基礎レベルの問題集を使用して、事項が正しく理解できているか確認しましょう。特に解けなかった問題については、教科書のどの事項が理解できていれば解けたのかということをしっかり確認するようにしましょうね。

・教科書の章末問題
・4STEP(教科書傍用問題集)

『数学Ⅰ+A基礎問題精講』『数学Ⅱ+B基礎問題精講』『数学Ⅲ基礎問題精講』(旺文社)

『カルキュール数学I・A [基礎力・計算力アップ問題集]』(駿台文庫)

未習項目がある方はひとまず未習項目をなくすことを目標に全分野の学習を行いましょう。
こういったシリーズは問題集もセットになっていることが多いので、そちらと合わせながら問題を解き進めてください。

『高校 これでわかる数学Ⅱ・B』(文英堂)

なお、この段階では、問題が解けなくても悲観的にならないでくださいね。1問につき数分考えてわからないなら、すぐに解答を見てしまいましょう。あまり時間をかけずにまず一通り内容をざっくり復習するという感覚で行くほうが精神衛生上もよいでしょう。模擬試験や学校の定期テストで、数字の変わった問題が出たら、何も見ずに解くことができるというのがこのステップのゴールです。
このレベルがクリアできたら、次に移ってください。

4.2 典型的で定番の問題を押さえる

次はもう少し大学受験で定番となっている問題について解法をストックしていきます。下に挙げる『青チャート』や『フォーカスゴールド』などのいわゆる「網羅系参考書」というものを使用するのもよし。網羅系問題集は分厚すぎて終わらない! 時間がない! という人は、『標準問題精講』に取り組んでみましょう。例題の解法をしっかり理解して習得できるようになることがゴールです。

『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅰ+A』(数研出版)

『新課程 チャート式 基礎からの数学Ⅲ』(数研出版)

『フォーカスゴールド』(啓林館)

『数学Ⅰ・A標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅱ・B標準問題精講』(旺文社)

『数学Ⅲ標準問題精講』(旺文社)

4.3 数Ⅲは計算トレーニングが命

典型的で定番の問題が理解できたら、次の教材と同時並行で計算練習を徹底的に行いましょう。極限・微分・積分については上位校での典型レベルまで引き上げておかないと、時間内に複雑な計算を処理し切ることができない可能性があります。以下の計算問題集を使用しましょう。

『合格る計算 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B』(文英堂)

『合格る計算 数学Ⅲ』(文英堂)

入試直前まで徹底的に繰り返し、計算で躓くことのないようにしましょう。

4.4 応用レベルの演習:数学的な思考力を鍛える

2016年度入試を見る限りでは、4.3の項目まででも正直、十分対策はしきれています。
しかし、東北医科薬科大学を受験される方の中で、ここ1校しか受けないという状況は考えにくく、多くの方が岩手医科大学や金沢医科大学、杏林大学医学部など他の私大医学部を併願されていることと思いますので、そちらの対策も兼ねて、1冊、しっかりとした問題集を仕上げておきましょう:

『実戦 数学重要問題集 -数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B』(数研出版)

300問程度と絶妙に程よい量でありながら、どの分野も精選された良問を掲載しているしっかりした良書です。最低2周はして、1問1問すべての問題について、他人に解説できるくらいの理解度を目指しましょう。

4.5 過去問・模擬試験を用いた演習

少なくとも2016年度の入試問題は必ず取り組み、余力があれば薬学部の問題にも取り組んでください。それ以前に関しては薬学部の問題しかありませんから、志望度に応じて取り組んでください。

解く際には以下の手順に則ってみてください:

制限時間60分で一通り解きます。時間の使い方も含めて実際の試験時間を味わいます。
一通り取り組んだら、答え合わせをする前に、問題を解きながらどういった点を疑問に感じたかを書き出してみましょう。次回以降気をつけなければいけないこと、直さなくてはいけないことが浮き彫りになってきます。
答え合わせをしたら、正答率を算出するとともに、間違った問題の解答をしっかり理解しましょう。
続いて、今度は合っていた問題について解答をチェックします。合ってたのだから確認しなくていいのでは?と思う方もいるかもしれません。私大医学部の入試における最大の強敵は時間です。もし正解していてもそれが非効率なやり方なのだとしたらそれは回り回って他の問題を解く時間を奪った原因となってしまいます。合っていた問題も「やり方まで効率的であったか」という観点に立って、しっかり見直していきましょう。