目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験科目
    2. 試験時間
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 理論化学
    2. 無機化学
    3. 有機化学
    4. 高分子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り
    2. 知識の補強
    3. 解法パターンの習得と計算力の増強
    4. 定番問題の習得
    5. 過去問演習

1. はじめに

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 概要

2.1 試験日
一般入試
1次試験:2017年2月1日(水)
2次試験:2017年2月18日(土)
※2017年度の一般入試は終了しました。

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数式、ベクトル)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から2科目選択。
・小論文
・面接

(試験時間)
1次試験
・数学(70分)
・英語(70分)
・理科(120分)※2科目選択
・小論文(60分)
2次試験
・面接

2.3 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)※各100点
・小論文(小論文の評価は、一次試験合格者選抜では使用せず、二次試験合格者選抜の時に使用する。)
2次試験
・面接

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
2016年度からの新設学部である。薬学部が併設されているため、化学では薬学部の流れを踏襲している可能性も高いので、昨年度の問題を中心に薬学部の傾向も含めて紹介する。昨年度は、全問マークシート方式を採用。大問4題の構成が、理論2題・有機1題・高分子1題であった。薬科大と併設されているため、無機の比率が少なく、天然高分子からの出題が見られるという薬学部に多い構成となっている。問題分量は普通で難易度がそれほど高くないが、基礎的な理解力を問う問題構成となっている。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 理論化学
大問1・2題程度出題されている。出題の中心は、正誤問題と計算問題である。正誤問題に関しては、選択肢から複数の解答を選ぶ形式のものが多く、やや難度は高い。ホウ酸の電子式や水素化ホウ素ナトリウムの酸化数など見慣れない問題も多く含まれている。いずれの問題もただの知識というよりは原理をしっかりと理解しているかが試される問題となっている。もう1題凝固点降下の問題が出題されたが、こちらは標準的な難易度の問題で、教科書の章末レベルの問題であった。計算問題に関しては、基本に忠実な問題が中心であった。

3.2 無機化学
新設から2年、無機化学をテーマとした大問はされなかったが、小問単位で見れば、知識問題中心に出題されている。合金や触媒などのかなり細かいことが聞かれていた。薬学部の過去問を見てもほとんどが知識問題であり、教科書レベルの知識は一通り押さえてから試験に臨んで欲しい。

3.3 有機化学
この2年は、構造決定の問題が1題出題されていた。有機化合物が水和物として回収されるなど、あまり見かけない問題設定もあったが、概ね標準的難易度の問題であった。正誤問題において光学異性体についての理解度が問われる問題があったが、このあたりは薬学部らしい出題の仕方であり、今後も光学異性体に関してはしっかりと学習して臨む必要がある。薬学部の過去問を見ると、医薬品関連の問題は良く出題されているので、対策をしっかりと行っておいて欲しい。

3.4 高分子
天然有機の範囲から1題出題された。ペプチドの異性体問題やヘモグロビンに結合する酸素の定量、酵素に関する正誤問題など物理受験者にはやや馴染みのないテーマも出題されている。前身が薬学部であるため、今後も天然有機の範囲から出題があることは十分考えられるので、しっかりと対策して臨みたい。薬学部の過去問では合成高分子はあまり見られないが、医学部では今後出題される可能性もあるので、製法や原料など最低限の知識はおさえておいた方が良いだろう。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 教科書内容の振り返り

教科書を用意し、一章ずつ読み込む。入試問題は、原則として教科書から出題される。特に各教科書の参考・発展・コラム・実験などは、入試問題の格好の材料になりやすいのでしっかりと理解を深めていくこと。東北医科薬科大学の初年度の入試問題としては、無機・有機などは薬学部の傾向を踏襲しつつも、理論分野では医学部らしくやや思考力を必要とする問題も入れてきたという印象である。思考力を磨くために、原理をしっかりと押さえ、化学現象を自分の言葉で説明出来るように理解を深めて欲しい。今後も薬学部の傾向は踏襲すると思われるので、天然有機化学の範囲や医薬品などの問題は引き続き対策しておくことを勧めたい。教科書レベルを大きく逸脱するような知識問題は出ていないので、教科書を中心に、無機・有機の知識を整理していって欲しい。

ただし、教科書の表現は初学者には少し難しいこともあるので、Step.1では全てを理解する必要はない。この段階では、各教科書の発展やコラムには触れなくても良い。ざっとどんなことが書かれているか整理していくと良い。読んでもすぐには理解出来ないという人は、下記の紹介されている参考書などを教科書の対応する箇所を合わせて読み込むと良い。また、実験装置や沈殿の色など目で見た方が記憶に残りやすいので、資料集も一冊用意しておくと良い。得た知識をどう使っていくのかについては下記の問題集を利用して、確認していくと良い。

○参考書
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-無機化学+有機化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学2+有機化学2-』(東進ブックス)
『フォトサイエンス化学図録』(数研出版)

○問題集
『セミナー化学』(第一学習社)
『リードα』(数研出版)

■Step.2 知識の補強

理論分野の知識は、化学現象を原理的に理解することが中心である。理解するということは自分の言葉で説明出来るということである。公式なども出来る限り自分の力で導出して欲しい。有機・高分子は知識問題が中心である。問題集を解くことと並行して知識を整理する時間をしっかりと確保して欲しい。以下に各単元の注意すべきポイントとオススメの参考書について記載する。

◯理論化学
この2年間の問題は、知識よりも理解力を問われている問題が主であった。化学現象を原理的に理解することを目標に進めて欲しい。2017年度はアレニウスプロットが出題されていたが、実験は手順を覚えることもそうだが、実験を原理的に理解することも忘れないように学習して欲しい。

『鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

◯無機化学
この2年は小問で数題という出題であった。薬学部では知識問題が主に出題されていた。無機化合物の性質や気体の製法、沈殿を作る無機イオン、系統分析、工業的製法などを中心に基本的な知識に穴を作らないように学習して欲しい。合金や触媒などや細かい知識も出ているので、最終的には教科書に載っているものは全て覚えるぐらいで臨んで欲しい。

『福間の無機化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

◯有機化学
標準的な構造決定の問題が出題されていたので、まずは官能基のごと性質や反応、芳香族カルボン酸やアミンなど良く問われることはしっかりと押さえておくこと。光学異性体に関しては、今年度も出題されていたが、薬学部でもよく出題されていたので今後も出題可能性が高いといえる。知識問題で特筆すべきは、医薬品関連の問題である。薬学部併設の医学部なので、今後医薬品関連の問題が出題される可能性は十分に考えられるので、しっかりと対策しておこう。

◯高分子
2016年度は、アミノ酸を含めた生体内での物質について出題されていた。薬学部の過去問を見ても天然有機はかなりの頻度で出題されている。まずは、アミノ酸・糖類の構造や性質に関する知識をしっかりとまとめて身につけて欲しい。合成高分子は、ここ数年ほとんど出題されていないが、製法や原料など最低限の知識はおさえておいた方が良いだろう。

『鎌田の有機化学の講義 三訂版 (大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

■Step.3 解法パターンの習得と計算力の増強

Step.3では、計算問題の解法の習得に向けて学習を進めていく。東北医科薬科大学では、計算問題の比率がそれほど高くなく、標準的難易度の問題が多い。一行系の計算問題が中心なので、まずは基本的な計算パターンをしっかりと押さえ、確実に得点を取れるようにしていきたい。

『鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

『化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 三訂版』(旺文社)

『ゼロから始める化学計算問題』(中経出版)・・・ドリル形式になっているので、苦手な人はこちらを使って練習すると良い。

『化学計算問題の徹底整理』(数研出版)・・・入試レベルの計算問題が良いという場合は、こちらの問題集で練習すると良い。

■Step.4 定番問題の習得

ここからは実際の大学入試問題を使って、定番の問題の解法を押さえていく。東北医科薬科大学の入試問題は、標準的難易度の問題が中心である。まずは一冊の問題集についてしっかりと理解を深めていくことが良いだろう。

『化学重要問題集』(数研出版)

『化学の良問問題集』(旺文社)

○参考書
『化学の新研究』(三省堂)

■Step.5 過去問演習

Step.1-3をクリアしたら過去問演習に入る。
『東北医科薬科大学(医学部)』(教学社)

本Stepでは下記のように過去問演習を進め、現時点での自分の学力を自己分析することを忘れないで下さい。時間を計って解き、解き切れなかった問題は時間を計らずに最後まで解く。採点後、解説を読み、解き方を理解する。自分には何が足らなかったのか自己分析を行う。自己分析を元に基礎の補強(Step.4)を行い、次年度に進む。

過去問をある程度進めたら、Step.4の自己分析を元に、同時並行で弱点補強を進めましょう。この時期に赤本や難しい問題ばかりに手を出したくなりますが、大事なことは難しい問題が理解できることではなく、合格点を取ることです。忘れていた知識を整理したり、計算のスピードや正確性を磨くことが意外と合格への近道だったりします。ちょっとした問題に足元をすくわれないようにしっかりと足場を固めましょう。

過去問演習を一通り終えたら、他の私大の医学部の過去問などを解いていきましょう。傾向が近いのは東邦大学や昭和大学などのように薬学部併設の大学である。医薬品や天然有機の範囲は十分に対策しておきたいところである。