目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
    5. 合格得点
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の確認
    2. 基礎問題で解法をインプット
    3. 標準問題でアウトプットの練習
    4. 物理という名の道具を使う職人になろう:応用・発展レベルの問題演習
    5. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

東京工業大学は、創立から130年を越える歴史をもつ国立大学であり、日本でも最高峰の理工系総合大学です。世界を舞台に科学技術の分野で活躍できる人材の輩出と地球規模の課題を解決する研究成果によって社会に寄与し、長期目標である「世界最高の理工系総合大学」の実現を目指しています。

2016年4月、東工大は日本の大学で初めて、学部と大学院を統一し、「学院」を創設しました。「学院」では、学士課程(※学部相当)と修士課程、修士課程と博士後期課程の教育カリキュラムが継ぎ目なく学修しやすく設計された教育体系を提供しています。これにより、入学時から大学院までの出口を見通すことができ、自らの興味・関心に応じて多様な選択・挑戦が可能です。

入学生は、自分に最適な道へ進むため、まずは“類”を選んでスタートします。学生は類から系、系からコースへと、自身の描く将来像に向かって、豊富な選択肢からより広く深く学ぶことができます。教育する学問領域を7つの類に分け、類別に入試を実施しています。これにより学生は、1年目に理工系や文系の多様な教養科目を中心に幅広く学修したうえで、2年目に自分の選んだ類と対応する学院・系に進むことになります。つまり、1年間かけて知識や経験を培いながら、進路についてじっくりと考えることができるのです

mtp-ec
苦手だった英語でほぼ満点を取って国立千葉大学医学部に現役合格した話。
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2. 概要

2.1 試験日

個別学力検査実施日
前期日程
平成30年2月25日(日)
1限 数学 9:30~12:30 (180分)
2限 英語 14:00~15:30 (90分)
平成30年2月26日(月)
1限 物理 9:30~11:30 (120分)
2限 化学 13:00~15:00 (120分)
合格発表日
平成30年3月8日(木)
手続締切日
平成30年3月14日(水)、15日(木)

後期日程(第7類のみ)
平成30年3月13日(日)
合格発表日
平成30年3月20日(火)
手続締切日
平成30年3月27日(火)

2.2 試験範囲・試験時間

(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III
数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数列・ベクトル)
物理:「物理基礎」、「物理」
化学:「化学基礎」、「化学」

(試験時間)
物理 120分

2.3 配点

・英語(150点)
・数学(300点)
・物理(150点)
・化学(150点)
合計750点

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

解答時間は物理120分です。導出過程を要求される設問が大部分を占めています。大問3題なので、単純に考えると1題あたり40分です。かなりの思考力を要求されるので、各問題で問われている内容の本質をしっかりと見極めて解いていく必要があります。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 力学

例年第1問で出題されています。近年出題されたテーマは、「浮力と単振動」、「糸に通されたおもり」、「両端におもりがついた棒の回転」、「伸び縮みしない糸でつながった2物体の運動」、「円弧型のレール上の運動」、「2つの振り子の衝突」などで、どれも市販の問題集では見かけない設定です。
問題設定自体も標準レベルより一歩踏み込んだレベルが多く、例えば「浮力と単振動」に関する問題では、液体が大きな容器に入っており単振動による液面の変化も考慮に入れなければならない問題でした。「伸び縮みしない糸でつながった2物体の運動」に関する問題では、一方の物体にのみ摩擦がはたらき、糸が張ったりたるんだりを繰り返しながら斜面を下る設定で、グラフを描かせる設問も含まれています。
東工大物理力学の攻略の鍵は、ある一面に注目して立式をすれば良いということはなく、多面的全体的に状況を把握する視点といえるでしょう。

3.2 電磁気学

例年第2問で出題されています。近年出題されたテーマは「磁場中を運動する導体棒」、「磁場中を回転する導体棒」、「極板が引き上げられるコンデンサー」、「磁場中にある荷電粒子がつり下げられた振り子」、「極板がばねにつながったコンデンサー」、「電磁誘導とコイル」などで、電磁誘導に関する問題とコンデンサーに関する問題が多く出題されています。設問数が多いので設定が目まぐるしく変わります(これは電磁気だけに限りませんが)。
電磁気分野は特に状況を正確に把握するのが難しいので、問題文をしっかりと読み進めていくことのできる読解力も必要といえます。グラフを選択する問題もしばしば出題されているのは、状況把握がしっかりとできているかを確認する意味もあるのでしょう。

3.3 熱力学

およそ2年に1回の割合で出題されています。近年出題されたテーマは、「気体の分子運動論」、「可動壁で仕切られた気体」、「U字管に入った液体」、「ピストンが極板になっている容器になった気体」、「熱気球」などです。さまざまなテーマから出題されています。「ピストンが極板になっている容器になった気体」などはコンデンサーの単元との融合問題でした。微小計算が出来ることや、P-Vにおける関係などを理解していることだけでなく他分野との関連も問われる応用的、総合的な問題が出題されています。

3.4 波動

およそ2年に1回の割合で出題されています。近年出題されたテーマは、「平面波」、「弦の振動」、「ヤングの実験」、「疎密波」、「レンズ」です。各単元偏りなく出題されています。東工大と同じレベルの他大学でも出題されるような、目新しい設定ではない問題が多く出題されています。波の式や合成、微小量の扱い、グラフや作図などもしっかりと理解して使いこなせるようになれば高得点が期待できる単元といえます。

3.5 原子

少なくとも直近10年間は出題がありません。しかし、今後も出題がないとは言えないので対策はしておきましょう。光電効果やコンプトン散乱、核反応など基本的な問題は確実に解けるようにしておきましょう。その上で、東工大と同じレベルの他大学(例えば旧帝大、早稲田大学や慶應義塾大学など)の過去問で対策しておくと良いでしょう。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 教科書内容の確認

教科書で扱われている現象の理解し、語句の定義を正確に覚え、公式の導出が確実にできるようになることが第一段階です。グラフや図などがある事項については、現象とグラフ、グラフと式の関係も自分のものにしましょう。公式の導出は自分でできるようになって下さい。その過程で物理現象をより深く理解でき、問題を解くうえで必ず大きな力になります。そして、自分で導出ができるようになったら答案を書くつもりで書いてみて、添削してもらうと良いでしょう。教科書以外にも例えば、

『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】力学編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】熱・波動・原子編』(東進ブックス)
『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』(学研教育出版)
『宇宙一わかりやすい高校物理(電磁気・熱・原子)』(学研教育出版)
『秘伝の物理講義(力学・波動)』(学研プラス)
『秘伝の物理講義(電磁気・熱・原子)』(学研プラス)

などの参考書が、現象や公式の成り立ちについての理解を助けてくれるでしょう。また図説を持っている人は図説も読んでおいてください。

4.2 基礎問題で解法をインプット

教科書で学習した内容を実際の問題に使う練習です。基礎的な問題は解ける人にはこの段階は飛ばしても構いません。ただし、次段階以降で少しでも不確かであったり不安だったりする分野、単元、問題のタイプがあれば、必ずこの段階に戻って解消するようにして下さい。

この段階は、基礎的な典型問題をできるだけ短時間で解けるようになるのが目標です。問題演習には、
「物理のエッセンス」(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]入門問題精講』(旺文社)
などを用いるのが良いでしょう。この段階では自分で問題を解く必要はありません(もちろん、解けるようであれば解いても構いません)。まずは「どのような状況設定の時にどのような解法を使うのかをインプットする」というところに重点を置きましょう。

『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(力学・電磁気)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(波動・熱・原子)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集High[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)

なども、どのように問題を解くのかを丁寧に解説しているので参考になると思います。解答・解説をしっかり読んで、別解などもしっかりインプットしましょう。問題を見た瞬間に正しい解法が思い浮かぶようになればこの段階は終了です。

4.3 解法のブラッシュアップ

次の段階は、大学受験における定番の問題で実際に問題が解けるかを演習していきます。この段階の問題演習には、

『良問の風 物理 頻出・標準入試問題集』(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]基礎問題精講』(旺文社)

などを用いると良いでしょう。

基礎段階でインプットした解法を、入試標準レベルで正しく使うことができるようになることが目標です。この段階では必ず自分の手で解いてみて下さい。その時には基礎段階で身に付けた解法をどのように活用するのかを意識しながら解きましょう。問題を見た瞬間にどのような解法を使うのか最低1つは思い浮かべられない場合は前段階に戻った方が良いかもしれません。自分が思い浮かべた解法で解けない場合もあるでしょう。その時には解答を見て自分の考えに何が足りなかったのかをしっかりと分析してください。学校の先生など身近にアドバイスをくれる人がいるのであれば、ぜひ聞きに行きましょう。
 
これらの問題集が一通りきちんととけるようになれば応用問題に取り組む基礎が身についたと考えられます。以下のような問題集に取り組んで、応用問題を解いてみましょう。現役生であれば、少なくとも夏休みには解き始めておいてほしいところです。

『名問の森 物理』(河合出版)
『実戦 物理重要問題集 – 物理基礎・物理』(数研出版)
『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)
『物理[物理基礎・物理]標準問題精講』(旺文社)
『体系物理』(教学社)

4.4 過去問・模擬試験を用いた演習

最終段階は、実際に過去問を解いてみることです。赤本などを利用して時間を測りながら実際の入試のつもりで解いてみましょう。この段階のポイントは「時間を意識すること」、「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」です。

「時間を意識すること」ですが、東工大は1科目120分あり、1題あたり40分あることから時間的な余裕は十分にあると思われがちです。しかし、思考力や計算力を必要とされるので、40分があっという間に経ってしまうということはよくあります。問題を解くときには常に時間を意識しましょう。
「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」に関してですが、特に見慣れない設定の問題の場合、問題文を解釈して自分が知っている解法に当てはめるということが問題になってきます。現象の理解、設問の意図の理解などが正しくできていたかのチェックは時間をかけて行いましょう。解答や解説に書いてあることを理解するだけでなく、問題文を読んだ時に設問の意図をどのように理解するのか、自分はどのように考えるべきだったのかをしっかりと吟味して下さい。
 
時間がある人は、実戦力と応用力を身に付けるために他大学の入試問題にも挑戦してみましょう。例えば旧帝大、早稲田大学や慶應義塾大学などの過去問にも挑戦してみましょう。また、河合塾や駿台予備学校では東工大受験生向けに東工大模試を実施しているので、そちらも受験してみましょう。

(参考)
東京工業大学|入学案内(学士課程)|前期日程試験
東京工業大学|新着入試情報|平成30年度入学者選抜要項及び平成30年度出願資格審査実施要項を公表しました|平成30年度入学者選抜要項