目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

東京医科大学は、東京都の西新宿に位置する私立医科大学で、私立医学部の中ではかなり上位に位置する。また、留学プログラムが充実しており、国外における医療現場に参加して学ぶこともできる。カリキュラムポリシーには、次のように記載されている。

  1. 6年間の教育到達目標を定め、学習成果をきめ細かく形成的に評価する。
  2. 質の高い教養教育とともに、基礎医学と臨床医学を連携した教育を実践する。
  3. 能動的学修を促すアクティブ・ラーニングを実施する。
  4. 入学早期から、現場やシミュレーション実習により多くの医療を体験しながら学ぶ。
  5. 臨床実習に充分な期間を確保し、診療参加型臨床実習を実践する。
  6. 行動科学・患者学、医療プロフェッショナリズム、医療倫理、緩和医療など学年を横断して深く学修する。
  7. チーム医療教育のため、看護学科や他大学との多職種連携教育を実践する。
  8. 知識や技術の評価に加え、コミュニケーション能力や礼儀・礼節も重んじる。
  9. ICT を活用した教育を行う。
  10. 海外留学の機会も設け、単位として認定する。

(引用元:東京医科大学|入試・入学案内|医学科|ポリシー

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 概要

2.1 試験日
一般入試
1次試験:2017年2月4日(土)
2次試験:2017年2月12日(日)
※2017年度の一般入試は終了しました。

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II
・数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(「数列」及び「ベクトル」)
・理科:『物理基礎・物理』、『化学基礎・化学』、『生物基礎・生物』の3科目から1科目選択。(試験場で問題配布後、選択)
・小論文
・面接
・適性検査
※小論文、面接、適性検査は第1次試験合格者に対してのみ実施します。

(試験時間)
1次試験
・数学(60分)
・英語(60分)
・理科(120分)※2科目選択

2次試験
・小論文(60分)
・面接
・適性検査(50分)

2.3 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)※各100点

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
試験時間は理科2科目で120分。全問マークシート方式の問題である。選択肢は非常に多く、4~10個の選択肢から、誤ったものや正しいものを1つ、複数選ぶという形式である。

出題形式は毎年固定形式であることが強く、例年大問1が小問集合となっており、複数分野の内容に関して細かい知識が問われる。いずれにしても選択肢は非常に紛らわしく、解きにくいものが多い。

全体的に考察問題と知識問題の両方が問われるが、どちらもかなり高度な知識を要求されており、一部教科書の知識を超えたような知識も問われることがある。総合力、応用力を問うことが多く、考察力や判断力を持つ学生を求めていると考えられる。

出題範囲は教科書の内容全体に渡っており、植物の範囲も例外ではない。中でも分子生物や体内環境、生態系は毎年出題されており、5大中1大は必ず植物の分野ら出題されている。植物であっても発生や遺伝と絡めての出題であったりと、手ごわい問題が多い。教科書レベルの問題は、かなり細かいところまで出題されているので、基礎事項の徹底した理解が必要である。教科書では図や表、脚注にも注意を払って勉強しておきたい。教科書に加えて図説をしっかり読んでおく必要がある。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子
細胞の観察や放射性標識された細胞の融合、顕微鏡の観察など、実験系の問題が多く問われる。細胞分裂の計算問題や酵母の生活史なども出題されているため、直接的に暗記事項ばかりを問われることは少ない単元といえる。

3.2 代謝
人体に関する代謝機構の問題が問われていることは少ないところがまれである。多く出題されているのはむしろ光合成の方であり、対策はしっかりしておいてほしい。また、酵素からの出題も多く、タンパク質やATP合成の細かい知識をまとめておこう。

3.3 遺伝情報の発現
大問1の小問で問われる以外に、それ以降の大問2~5でも再度問われることもしばしばある。総合的な出題形式が多く、遺伝や発生の問題と関連させてからの出題が多い。

3.4 生殖と発生
植物や動物の発生がメインであり、核相の定義や使い方が曖昧だと解けない問題も多いため、深い理解が問われるところである。典型問題が少ないため、しっかりとした定義の理解が重要になってくるところである。

3.5 遺伝
遺伝の出題は毎年あるわけではなく、数年に一度出題される間隔である。免疫や発生などの問題と関連させての出題が多く、純粋で典型的な遺伝問題とは違った癖のある問題が多く、得点しにくい。

3.6 動物の反応と行動
循環系、排出、筋肉生理と神経生理、反射、ホルモン、免疫のうちいずれかは、毎年出題されている。上記の生理学系統の問題は難易度が相対的に高いため、部分的に図説の利用などをして学習を進める必要がある。

3.7 植物の環境応答
植物ホルモンや花芽形成の出題が多い。光条件の考察実験や植物ホルモンの作用は試験前にしっかり確認しておく必要がある。発生の単元同様、青色光受容タンパク質やオーキシン輸送タンパクなど新出単語が多く注意すべき単元である。

3.8 生物の多様性と生態系
特に出題の多い単元ではないが、バイオーム個体群の問題が数年の周期で出題されている。融合問題でいきなり登場することもあるが、問題数自体はそれほど多くない。

3.9 生命の起源と進化、生物の系統
ここまでの6年間で、ハーディーワインベルグや進化論、五界説、3ドメイン説など、毎年高い確率で出題が続いている。非生体系の問題であっても教科書の基本問題では対処しきれないことが多いので、図説のグラフや細部までしっかり確認を行っていきたい。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認
東京医科大学の場合、資料集の片隅に載っているような知識も問われることがある。時間が有り余っている受験生以外は基本用語と標準的な考察問題に的を絞った方が効率的である。急いでマニアックな単語を詰め込む必要はなく、そのような単語に本番で出会ったとしても落ち着いて消去法で対処できればそれでよい。基本単語は、問題を見た瞬間にアウトプットできるまでにブラッシュアップしてほしい。しかし、それ以上に重要なのは正確な定義の暗記であるので、単語の丸暗記ができたら、そのまま点数に反映するとは限らないことをしっかり覚えておこう。時間がある受験生は資料集などを用いて、教科書以外の用語をインプットしておくことが望ましい。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎』(数研出版)
・『大森徹の最強講義』(文英堂)
・『大学入試の得点源(要点)』(文英堂)
・『生物 知識の焦点』(Z会出版)
・『理解しやすい生物、生物基礎』(文英堂)
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
・『生物基礎が面白いほどわかる本』(中経出版)

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも参考書や教科書を使って生物現象や用語の定着に努めるほうが効率的である。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。リードやセミナーを使う際の注意点としては、いきなり発展問題などはやらずに、セミナーのプロセスやリードにあるリードBなど基礎問題の反復練習に努めるほうが効率がよい。

問題集
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『らくらくマスター 生物・生物基礎』(河合出版)
・『生物用語の完全制覇』(河合出版)
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『リード light 生物 生物基礎』

■Step.2 実験、考察問題への取り組み
ここからは、標準問題を軸に実際の考察問題を解いていくことになる。近年の大学入試では、医学部にかかわらず考察問題を中心に問題が構成されることが多いが、東京医科大学の大問2以降は、考察問題が中心となる出題であるため、まずは標準的な問題を攻略することに注力してほしい。対策としては難しい考察問題を闇雲に解くのではなく、標準的な問題を数多くこなし、実験概要と結果をしっかり記憶しておくことである。時間の短縮につながるだけでなく、予測しながら解答をしていくことができるようになるため精神的にも安定する。ニワトリの真皮の誘導や、中胚葉誘導の実験結果など、普段から考察問題をこなしていく上で、ノートなどに実験結果をストックしていくとよいだろう。1周目の取り組み方としては、しっかりリード文を読んで自分で考えて答えを導き出しで見ることである。この時点で完璧な答案を作る必要は全くなく、わからなかった問題は解答解説を理解することを心がけよう。

また、重要問題集や標準問題集は考察問題がメインであるが、この問題集は国立大学の問題を多く掲載しているが、難易度としては東京医科大学に最適である。リードやセミナーなどの教科書傍用が入手できない場合は、良問問題集で代替して学習しよう。いずれも、標準以上の考察問題は掲載されていないため、できるだけ早く重要問題集か標準問題精講に取りかかるようにしよう。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集』(旺文社)
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『生物重要問題集』(数研出版)
・『生物標準問題精講』(旺文社)

■Step.3 計算問題への取り組み
計算問題は、個別に対策しておく必要がある。セミナーやリードαなどの網羅系問題集にも計算問題は含まれているが、計算問題に対する網羅性はあまりよくない。

『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
『大森徹の生物 遺伝問題の解法』(旺文社)

東京医科大学は毎年、計算問題が数問出題されるため、必ず個別に対策しよう。特に、遺伝、神経の伝導速度、ミクロメーター、浸透圧、塩基対数の計算、ハーディー・ワインベルグの法則、系統樹、生体系に関する計算などは頻出である。 公式を暗記することも大切であるが、公式の導出過程を理解し、忘れないような学習をしていくことが重要である。計算問題は典型問題が出題されることが少ないが、原理を理解していれば解けるものがほとんである。計算方法を暗記することは極力控えて、公式の導出や難易度の高い計算問題にあたって、しっかり解説を熟読するような学習をしてほしい。

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習
Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問は、できれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、Step1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出しているのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解くときには時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。過去問はできるだけ7割を目指し、普段から少ない時間の中で演習をして負荷をかけていくのがよい。

普段から学習したことをもとに、身近な事例と関連づけて生物現象を考える習慣を付けるようにしよう。このようなことの積み重ねが深い理解力、洞察力を養うことに貢献してくれるだろう。