目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 単語と文法の基礎を固める
    2. 長文問題に取り組む
    3. リスニング問題に取り組む
    4. 英作文に取り組む
    5. 英文和訳に取り組む
    6. 過去問・模擬試験を用いた演習

1. はじめに

東京大学の英語は、非常に幅広い単元が出題されます。極度な難問・奇問はあまり出題されないため、全く歯が立たないと感じることは少ないと思いますが、英作文から英文和訳、要約、リスニングに至るまでのあらゆる分野の対策をしなければなりません。また、ただ単に暗記すれば良いというものではなく、論理的思考力を用いて解く問題が数多く出題されます。また、時間に対する問題数が多く、合格点を取るためには万全の対策が必要です。

このような東京大学の試験に関する特徴については、アドミッションポリシーにも以下のような記載があります。
東京大学アドミッションポリシーより、引用:

東京大学の入試問題は,どの問題であれ,高等学校できちんと学び,身につけた力をもってすれば,決してハードルの高いものではありません。期待する学生を選抜するために実施される本学の学部入学試験は,以下の三つの基本方針に支えられています。
第一に,試験問題の内容は,高等学校教育段階において達成を目指すものと軌を一にしています。
第二に,入学後の教養教育に十分に対応できる資質として,文系・理系にとらわれず幅広く学習し,国際的な広い視野と外国語によるコミュニケーション能力を備えていることを重視します。そのため,文科各類の受験者にも理系の基礎知識や能力を求め,理科各類の受験者にも文系の基礎知識や能力を求めるほか,いずれの科類の受験者についても,外国語の基礎的な能力を要求します。
第三に,知識を詰めこむことよりも,持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視します。
東京大学は,志望する皆さんが以上のことを念頭に,高等学校までの教育からできるだけ多くのことを,できるだけ深く学ぶよう期待します。

(出典:東京大学|入学案内|東京大学アドミッション・ポリシー

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2. 概要

2.1 試験日

2.1. 試験日
2月25日
・文類
国語:9:30~12:00
数学:14:00~15:40

・理類
国語:9:30~11:10
数学:14:00~16:30

2月26日
・文類
地理歴史:9:30~12:00
外国語:14:00~16:00

・理類
理科:9:30~12:00
外国語:14:00~16:00

2.2 試験範囲・試験時間・解答形式

(試験範囲)
コミュニケーション英語Ⅰ,コミュニケーショ ン英語Ⅱ,コミュニケーション英語Ⅲ)
※一部マークシートに解答する問題があります。また,聞き取り試験(30分程度)を行います。

(試験時間)
120分、計5問(リスニング問題を含む)

(解答形式)
全問記述式

2.3 配点

文類:120点(合計440点)
理類:120点(合計440点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

例年、大問1で要約問題と文補充、大問2で英作文、大問3でリスニング、大問4で誤文訂正と英文和訳、大問5は長文読解という構成になっています。リスニングは試験開始45分後に開始され、約30分程度続きます。そのため、時間に対する分量は多く、時間が足りないと言う受験生も少なくありません。精読と速読をバランス良く鍛えることが合否を分けると言えるでしょう。

また、問題のジャンルが豊富なので、バランス良く学習する必要があります。例えば、長文や和訳の学習ばかりして、英作文やリスニングへの学習が疎かになるようではいけません。しかし、そうは言ってもあまりに要領悪く勉強すると、どれも合格水準に達しないまま試験日を迎えてしまうということにもなりかねません。日頃から、ダラダラと勉強することなく、短時間で習得することを目標に頑張りましょう。

英作文は和文英訳ではなく自由英作文形式なので、その点も注意が必要です。また、私大でよく出題される4択形式の文法問題は出題されないものの、大問4では誤文訂正問題が出題されるので、文法力も必要となります。

すなわち、全ての技能が要求されると言っても過言ではなく、逆に言うと、どのような大学の過去問演習をしても東大対策になると考えることもできます。幅広い問題演習を通じて、自分の苦手単元を極力減らし、バランスの取れた英語力をつけましょう。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 要約

大問1の(A)問題では、要約問題が毎年出題されています。短めの長文を読んで、日本語で要約を書きます。語数は70~80語となっている年もあれば、100~120語となっている年もあります。

長文は抽象的で分かりにくい文章が多く、ざっと読んだ程度では意味がつかめないことが多いので、このような長文を読み慣れておかなければなりません。こうした難解な長文を読むときに重要なのは、一文一文を訳すことに焦点を当てるのではなく、段落単位で広く意味をつかむように心がけることです。また、段落をまたいだ言い換え表現に気付けるようにすることも重要です。このようなことに気づくことができれば、要約がしやすくなります。

3.2 文補充

大問1の(B)問題では、文補充問題が出題されます。長文の中にある空所に入れるべき適切な文を選ぶ形式の問題ですが、選択肢が一文だけという年もあれば、選択肢が複数の文で構成されている場合もあり、年度によって、多少傾向が変わります。ただ、いずれにしても問われている技能は同じで、文章の論理展開が理解できているかどうかがポイントとなります。

また、このような問題を解くときには消去法を使うことも効果的です。東大の英語は分量が非常に多いため、効率良く解くという要領の良さも重要なカギを握ります。

3.3 英作文

大問2は英作文問題です。自由英作文形式の問題なので、和文英訳問題とは異なります。また、英検などで見られる、エッセイ形式の英作文ではないので、序論→意見→具体例→結論のような、形式ばった書き方を覚えなければならないタイプでもありません。大問2の(A)問題は、写真を見て、それについて意見を書く形式の問題で、(B)問題は、与えられた文に対する考えを答えたり、文章の一部を読んで、それに続く文を書かせるなど、様々な形式となっています。

難解な言い回しを駆使する必要はないので、基本単語を中心に適切な内容の英文を書くことを心がけましょう。

3.4 リスニング

大問3はリスニング問題です。開始45分後にリスニングが30程度行われます。この間に何をやるかということも重要なので、事前にシミュレーションを立てておきましょう。例えば、長文を読んでいる最中にリスニングで中断されてしまい、終わった後に戻ったら、内容が頭から抜けていたなどというのは最悪です。できれば、リスニング開始5分前にはリスニング問題の先読みをしておきたいものです。

大問3の中で(A), (B), (C)の3つに分かれており、(A)は講義やラジオ番組など長い音声の聞き取り問題で、(B)はそれに関連した会話を聞く問題となります。(C)は独立した会話や講義などのリスニングとなっています。

ある程度の長さの、ナチュラルな速度のリスニングが出題されます。また、内容的にもアカデミックな内容が問われることが多く、簡単なものではありません。そのような意味で、センター試験よりむしろ、TOEFLのリスニングの方が近い傾向と言えるでしょう。以上から、リスニング対策をしていない人にとっては難しいと思われます。

3.5 誤文訂正問題

大問4の(A)問題は、誤文訂正問題です。長文の中にいくつか下線が引いてあり、その中で誤っているものを選ぶ形式です。可算・不可算名詞や動詞の語法など、幅広く英文法・語法の知識を養う必要があります。難問・奇問の類に手を出すのではなく、基本を完全に押さえましょう。ここでいう完全というのは、4択問題が単に正解できるだけではなく、和文英訳でスラスラと書けたり、整序問題で出題されても自在に答えたりできるレベルです。

また、長文を読むのが遅いと、そもそも文法力以前に問題を解くのに時間がかかってしまいます。素早く読み解く力も要求される問題です。

3.6 英文和訳問題

大問4の(B)問題は、英文和訳問題です。一部の大学の英文和訳問題は、非常に難解な語彙が含まれていたり、英文構造が異様に複雑だったりすることがありますが、東大の問題では、そのような難問・奇問はほとんど出ません。その代わり、言われてみれば簡単だけれども、一見すると気づきにくい構文や文法項目などが含まれているため、正確に訳出することは容易なことではありません。ここでもやはり、基本が徹底的に会得できているかがポイントとなります。

3.7 長文読解問題

大問5は長文読解問題です。一般的な国公立レベルの長文の難易度で、特に難しい単語が出て来るわけではなく、超難関大学の中では比較的読みやすい文章が多い印象を受けるのではないかと思います。問題は選択式の問題と記述式の問題の両方があります。長文そのものの難易度はそこまで高くありませんが、しっかりと長文の内容を理解できていなければ答えられないような設問なので、読解力が必要です。ただし、読解力と言っても、いわゆるSVOCの文構造が複雑だということではないので、誤解しないようにしてください。本試験では、短時間で文章の流れがきちんとつかめるようにすることが求められます。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 単語と文法の基礎を固める

東大の英語では、スピーキング以外の全技能が問われると言っても過言ではありません。そして、全てにおいてスタンダードな良問が出題されます。長文問題を解くにしても、英作文を書くにしても、基本となるのは、単語と文法です。そこで、以下の本を用いて対策を立てておきましょう。

・『システム英単語』(駿台文庫)
『システム英単語』

東大の英語は難単語があまり出てくるわけではないので、語彙力を高めれば良いというものではありません。ただ、もちろん一般的な大学入試で必要とされる水準の単語は必須なので、上記のような単語帳で対策を立てておきましょう。もちろん、レベルが同じであれば、別のシリーズの単語帳でも構いません。また、東大は速読力が重要なので、下記のような長文と一体化した単語帳に取り組むのもお勧めです。

・『キクタン リーディングAdvanced6000』(アルク)
『キクタン リーディングAdvanced6000』

・『速読英単語 1 必修編』(Z会出版)
『速読英単語 1 必修編』

上記の標準的なレベルが済んだら、次の難関レベルに挑戦していただきたいと思います。

・『速読英単語2 上級編』(Z会出版)
『速読英単語2 上級編』

・『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』(角川学芸出版)

次に、熟語に関してもすすめておきましょう。代表的なものは、以下の通りです。

・『速読英熟語』(Z会出版)
『速読英熟語』

・『解体英熟語 改訂第2版』(Z会出版)

単熟語と同時に、文法の問題集にも取り組んでおきましょう。文法問題集は、下記のような典型的なものから解いていくことをお勧めします。

・『アップグレード 英文法・語法問題』(数研出版)
『アップグレード 英文法・語法問題』

・『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』(桐原書店)
『NEXT STAGE 英文法・語法問題 3rd Edition』

このような文法問題集は4択問題が中心で東大の英語には出題されませんし、誤文訂正問題が少し出題されるものの、大した量ではないので、そもそも文法対策はいらないのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし、長文や英作文、リスニングに関しても、文法力が不十分だと圧倒的に不利になります。4択問題が出題されないのは、東大合格を目指すのであればできて当然なので出題されないのだと思っておきましょう。つまり、このレベルはできているのが前提だということで、もしできないのであれば、早急にやらなければならないのです。したがって、これらの文法問題集を完璧にしておくことが第一歩と考えましょう。

文法問題集を解いていて、理解が不十分だと感じるようであれば、文法の参考書を読んでおくことをお勧めします。代表的なものは、以下のものがあります。

・『総合英語Forest』
『総合英語Forest』

標準レベルの文法問題が終わったら、次は難関レベルの文法問題にも挑戦してみてください。

・『全解説頻出英文法・語法問題1000 』(桐原書店)
・『大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ)』(桐原書店)

さらに、単元別の問題集に慣れてしまったら、ランダム形式の問題集に取り組んでみましょう。

・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (標準編)』
・『全解説実力判定英文法ファイナル問題集―文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ (難関大学編)』
・『東京大学英語 1 文法・語法・語句整序』(河合出版)

また、文法と共に構文も覚えておくことをおすすめします。後に英文和訳をする段階になっても、構文の知識が欠けている状態だと、なかなか伸びません。

・『英語の構文150』
『英語の構文150』

・『解体英語構文 改訂版』(Z会出版)

4.2 長文問題に取り組む

単語と文法力がある程度ついてきたと思ったら、長文問題に取り組みましょう。長文はある程度数をこなして、素早く正確に読み、問題を解けるようになっておく必要があります。自分のレベルに合わせたレベル別の長文問題集などを利用しましょう。

・『やっておきたい英語長文』
『やっておきたい英語長文』

・『レベル別長文問題集』
『レベル別長文問題集』

最後のレベルは、東大入試で出題されるレベルよりも若干上の問題もありますが、余裕を持って素早く正確に解けるようにするためには、少し上のレベルの問題にも挑戦しておくべきです。また、東大レベルに直結した長文問題集には以下のものがあります。

・『灘高キムタツの東大英語リーディング』(アルク)

・『東京大学英語 2 物語・小説文』(河合出版)

・『TopGrade 難関大突破 英語長文問題精選』(学習研究社)

・『難関大のための上級問題 特訓リーディング』(旺文社)

4.3 リスニング問題に取り組む

長文とともに、リスニングにも取り組んでいただきたいのですが、リスニングは大量に問題を解くというよりも、毎日聞くことを心がけましょう。リスニングが苦手だという原因の最も大きなものが、聞いている時間が短すぎるということにあります。通学途中や寝る前など、隙間時間を利用して毎日聞く習慣をつけてください。リスニングを聞く習慣をつけた上で、下記のようなリスニング問題集に取り組むと効果的です。

・『大学入試パーフェクトリスニング (Volume 1)』
入試レベルはVolume 2になるので、Volume 1が終わったらそちらにも取り組んでください。その他、NHKのラジオなど、定期的にリスニングをすることが大切です。

・『灘高キムタツの東大英語リスニング』(アルク)

4.4 英作文に取り組む

東大の英作文は、いわゆる和文英訳形式ではないのですが、自分の力で正しい英文を書けるようにするという意味では、和文英訳も無駄になるものではありません。また、文法対策で紹介した問題集を解いた後で、和訳を見て英語を書いてみるといった学習も有効です。闇雲に過去問に取り組むのではなく、まずは下記のような基本レベルの英語をある程度書けるようになることが、基礎となります。

・『ドラゴン・イングリッシュ基本例文100』
『ドラゴン・イングリッシュ基本例文100』

・『減点されない英作文』
『減点されない英作文』

また、文法が正しく使いこなせていないと感じたら、次の問題集がおすすめです。
・『例解 和文英訳教本 (文法矯正編) 』(プレイス)
・『例解 和文英訳教本 (長文編)』(プレイス)
・『英文表現力を豊かにする例解和文英訳教本 公式運用編』(プレイス)

このような問題集を通じて、ある程度の英文を書ける実力がついたら、自由英作文の対策を開始してください。

・『[自由英作文編]英作文のトレーニング』
『自由英作文編]英作文のトレーニング』

・『英文表現力を豊かにする例解和文英訳教本 自由英作文編』(プレイス)

4.5 英文和訳に取り組む

他の国公立大学と同様に、東大でも英文和訳問題が出題されるので、この対策も怠ることのないようにしましょう。ただし、英文和訳問題の参考書の中には英文構造が非常に難解な問題が含まれていることが珍しくありません。ところが、東大ではそこまで文構造が複雑なものが出て来る訳ではないので、あまり深みにはまって時間を奪われないように気をつけましょう。難解だと感じる問題は、ある程度考えたら解答を読む、あるいは読み飛ばしても構いません。代表的なものは、以下の通りです。

・『ポレポレ英文読解プロセス50』
『ポレポレ英文読解プロセス50』

・『英文解釈の技術100』
『英文解釈の技術100』

さらに、上級レベルは以下の通りです。このレベルまで完成させておけば、まず問題ないでしょう。
・『英文読解の透視図』(研究社)
『英文読解の透視図』(研究社)

・『英文解釈教室〈新装版〉』(研究社)

・『英語難構文の真髄』(プレイス)

・『「東大」英文解釈のすべて』(研究社)

4.6 過去問・模擬試験を用いた演習

以上の対策が一通り終わったら、過去問や模擬試験を通じて実戦力をつけましょう。各種予備校が行っている模試を受けて、時間配分を確認することも大切です。過去問は東大のものだけでなく、東北大学、名古屋大学、九州大学、大阪大学、お茶の水女子大学など国公立大学の問題も解いておきたいものです。要約や和文英訳などを中心に問題傾向が似た問題が数多く入手できるはずです。

当然のことですが、過去問や模試を受験した後は、復習が重要です。解きっぱなしにならないようにしましょう。誤答をまとめておくのも良いでしょう。東大の問題に特化した問題集は以下のものがあるので、参考にしてください。

・『東大研究英語』
『東大研究英語』

また、東大特有の単元に慣れるためには、以下の問題に取り組んでみましょう。まずは、段落整序対策です。
・『東京大学英語 3 段落整序』(河合出版)

要約対策には、以下の問題集を活用しましょう。
・『東京大学英語 5 要約 』(河合出版)
・『英語要旨大意問題演習』(駿台文庫)

(参考)
東京大学|入学案内|東京大学アドミッション・ポリシー
東京大学|入学案内|大学案内・選抜要項・募集要項(願書)ウェブ公開|平成30年度 東京大学入学者選抜要項