目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 用語・定義の確認
    2. 実験、考察問題への取り組み
    3. 計算問題への取り組み
    4. 過去問・模擬問題を用いた演習

1. はじめに

東京女子医科大学は、東京新宿の私立医大で、女子大学かつ医科大学という世界的にも珍しい大学となっている。2011年には大々的な教育制度改革を行っており、先進的な教育に取り組んでいる。その改革の一つであるMDプログラム2011には、下記のように定められているので確認してほしい。

  1. アウトカムと呼ぶ学生が最終的に到達すべき医師の持つべき実践する力を基に構築された知識・技能・態度の統合
  2. 高度先進医療、地域医療、外来医療、海外臨床研修(一部学生)など現代の医師が行う医療の場で医療実践力学修
  3. 医学の対象であるヒトと医療者として接する人の正常と異常の統合的学習を通じた全人的医療の実践力学修
  4. 科学的思考力・臨床的思考力の統合
  5. 医師としての素養、使命感、態度、倫理観、言語・文章作成・情報交換、専門的国際コミュニケーションなどを学年縦断的に学ぶカリキュラム

(引用元:東京女子医科大学|医学部|医学部カリキュラム

再受験には厳しい態度を示していると言われているが、実質4浪以上が合格するケースも珍しくない。

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受験にこそパーソナルトレーナーを。4年間、一次試験すら通過できなかった僕が『医学部合格』を勝ち取れた理由
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2. 概要

2.1. 試験日
一般入試
1次試験:平成29年1月26日(木)午前8時50分より(試験会場:京王プラザホテル東京 )

2次試験:平成29年2月8日(水)または2月9日(木)
第1次合格者発表の際にいずれか1日を指定します。
※日程の変更は不可
(試験会場:東京女子医科大学医学部)

2.2. 試験範囲・試験時間・解答形式
(試験範囲)
・英語:コミュニケーション英語 I・コミュニケーション英語 II
・数学:数学 I、数学 II、数学 III、数学A、数学B(数列、ベクトル)
・理科:[物理] 物理基礎・物理
[化学] 化学基礎・化学
[生物] 生物基礎・生物
(上記の「物理基礎・物理」,「化学基礎・化学」,「生物基礎・生物」の3科目から出願時に届け出た2科目を選択する。)
・適性・小論文(評価は第1次試験合格者選抜には使用せず、第2次試験合格者選抜のときに使用します)
・第2次試験面接(第1次試験合格者に対して実施します)

(試験時間)
1次試験
・数学(60分)
・英語(60分)
・理科(120分)※2科目選択
・小論文

2次試験
・面接(10~15分)

2.3. 配点
1次試験
・英語(100点)
・数学(100点)
・理科(200点)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
東京女子医科大学の問題の特徴としては、選択問題と論述問題が半数ずつほどあり、考察問題のウエイトが多くなっていることである。問題文は各大問とも非常に長く、的確な問題把握能力が必要となってくる。他大学の私大医学部の特徴としては、全問マークシート方式が多いため、当大学用に論述対策が必要になってくる。字数指定がないものがほとんどであり、しっかりとポイントを数え上げて記述する力が必要になってくる。

大問は5~9つからなり、年度によって変動がある。 出題形式は長文の問題文(1ページに及ぶ)に適語補充や下線部説明が施された形になっているが、実験系統の考察問題が主体になっている。特筆しておきたいことと言えば初見問題がほとんどであり、典型的な問題が少ないことであろう。ただし、問われる用語自体は教科書の範囲を逸脱することのない標準的なものである。文章の正誤問題、理由を問う記述問題、グラフの読み取り、計算問題、描図問題などがバランスよく出題されている。

計算問題は各大問に複数あり、やはり典型的な計算問題は少ない。遺伝の問題などは問題文も長いため、一度理解できないと感じた場合は一度諦めて次の問題に進むなど、適切な時間配分を心がける必要がある。時間は2科目で120分であるため、1題に平均10分程度の時間しか使うことができない。長文を読解しながら記述もこなさなければいけないと考えると、効率的な解答能力と素早い読解力が必要になってくる。体内環境や代謝、動物の反応、遺伝、遺伝情報からの出題が多い傾向にある。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 細胞と分子
体細胞分裂、膜タンパクや浸透圧からの出題が多い。その他、細胞小器官などの細かい名称は問われたりしないが、その他生体系分野との融合問題に関連していることの多い単元である。直接問われることがなくてもしっかりと対策しておこう。

3.2 代謝
東京女子医科大学ではよく出題される単元である。年度によっては大問が2つとも代謝であったりする。問われる内容が酸化的リン酸化であったり、複雑な代謝経路であったりと覚えるべき用語が多いため、教科書レベルの基本をしっかり抑えておく必要がある。また、計算問題が多い単元でもある。

3.3 遺伝情報の発現
遺伝暗号表を用いた問題が多く、プライマーの設置や塩基置換、遺伝子組み換えと合わせて出題されることがおおい。難易度が他の分野よりも高めなので重要問題集など考察メインの参考書をしっかりと仕上げよう。

3.4 生殖と発生
蛍光色素を用いた問題などが多く、実験考察問題がメインとなる。リード文の中にヒントが多くあるので、知識問題というよりは読解力が試される問題である。出題頻度は高くはなく、どちらかというと遺伝の問題の方がよく出題される。

3.5 遺伝
突然変異や花弁など、あまりあつかったことのない話題を用いた遺伝問題が毎年出題されている。典型問題とは異なり、1~2ページに及ぶリード文を読解しながらの計算問題なので難易度は非常に高いと言える。

3.6 動物の反応と行動
描図問題として出題されることが多いため、教科書や図説を用いた徹底理解を心がけよう。腎臓の計算や酸素解離曲線などは決まった解き方があるため、基本問題は反射的に解けるようにしておこう。代謝の単元同様、計算問題の多い単元である。

3.7 植物の環境応答
ここ7年を通してあまり出題のない分野である。気孔の開閉や葉の葉肉組織の図などはしっかりと図説などで確認しておこう。その他の単元を優先的に学習したほうが効率性は良いかもしれない。

3.8 生物の多様性と生態系
生態系、環境破壊、植物群落、個体群など、進化の分野と合わせて出題がある分野である。受験日程のギリギリになって対策するなどはしないようにしよう。資料集などで細かい知識を補強しておくとよい。

3.9 生命の起源と進化、生物の系統
非生体系の中では出題が多い分野である。地質時代や動物界の分類、系統樹の計算、ハーディーワインベルグの計算は頻出である。MN式血液型の集団遺伝や熱水噴出孔の生態系など典型的ではない問題もよく問われる。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 用語・定義の確認
東京女子医科大学では、正誤問題が詳細で紛らわしいため、しっかりとした用語の定義をマスターしていく必要がある。基本的な用語は教科書や図説を読んでまとめておくとよいが、その際はグラフや表の読み取りも漏れなくしておこう。一つの用語に関してまとめるよりも、その内容に関することをまとめておく方が応用力がつきやすいだろう。他の分野との関連性を意識すること以外に、グラフや模式図を書き出したり視覚を用いた学習も心がけたい。

参考書
・『チャート式 新生物、生物基礎』(数研出版)
・『大森徹の最強講義』(文英堂)
・『大学入試の得点源(要点)』(文英堂)
・『生物 知識の焦点』(Z会出版)
・『理解しやすい生物、生物基礎』(文英堂)
・『田部の生物基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
・『生物基礎が面白いほどわかる本』(中経出版)

初学者は、いきなり問題を解き始めるよりも参考書や教科書を使って生物現象や用語の定着に努めるほうが効率的である。用語が定着した後は、問題集でアウトプットしていこう。リードやセミナーを使う際の注意点としては、いきなり発展問題などはやらずに、セミナーのプロセスやリードにあるリードBなど基礎問題の反復練習に努めるほうが効率がよい。これらの問題集の解説は簡素なことも多いため、教科書で調べたり、身近な先生などに指導をお願いするのもよいだろう。

問題集
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『らくらくマスター 生物・生物基礎』(河合出版)
・『生物用語の完全制覇』(河合出版)
・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『リード light 生物 生物基礎』

■Step.2 実験、考察問題への取り組み
医学部かそうでないかということにかかわらず、生物の入試問題は考察問題を中心に構成されることが多いが、東京女子医科大学では特に典型的な問題が少なく、問題文を読解する力が非常に重要となってくる。したがって、標準的な問題を数多くこなし、早い段階から重要問題集や標準問題集などの問題文の長い考察問題に取り組むようにしたい。1周目の取り組み方としては、しっかりリード文を読んで自分で考えて答えを導き出しで見ることである。この時点で完璧な答案を作る必要は全くなく、わからなかった問題は解答解説を理解することを心がけよう。
また、重要問題集や標準問題集は考察問題がメインであるが、この問題集は国立大学の問題を多く掲載しており、記述対策にもなるため東京女子医科大学の対策としても十分に役立つだろう。
最後に余裕のある受験生は過去問に行く前に、考える生物100選を使ってみるのもよい。考察問題は重要問題集などと重複することもなく、傾向も似ているため良い練習教材になるだろう。難易度は東京女子医科大学よりも若干高めである。

・『セミナー 生物』
・『リードα 生物』
・『生物の良問問題集』(旺文社)
・『基礎問題精講』(旺文社)
・『生物重要問題集』(数研出版)
・『生物標準問題精講』(旺文社)

■Step.3 計算問題への取り組み
計算問題は、個別に対策しておく必要がある。セミナーやリードαなどの網羅系問題集にも計算問題は含まれているが、計算問題に対する網羅性はあまりよくない。

『大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法』(旺文社)
『大森徹の生物 遺伝問題の解法』(旺文社)

東京女子医科大学は標準レベル以上の計算問題が毎年数問出題されるため必ず個別に対策しよう。計算問題のみが記述であることが多いため、選択肢に頼ることができず、自力での完答が求められる点に注意しておこう。

■Step.4 過去問・模擬問題を用いた演習
Step1~3が終了したら、過去問を解き始めよう。過去問は、できれば夏明け辺りから始めたいところである。もちろん、もっと早い段階で実力がついていれば、過去問に着手してもよい。よく直前期になるまで過去問を解かずに取っておくという話を聞くが、Step1を終えたころに一度過去問を解いてみるといいかもしれない。どういった単元が頻出しているのか、難易度はどのくらいか、ということがイメージしやすくなるだろう。
また、過去問を解くときには時間を計るようにしよう。いくら正答率が高くても時間内に解ききれなければ意味がないからである。記述問題はなるべく自分の手を動かして解答してほしい。実際に手を動かすことでしか、記述レベルは上昇しないことを忘れないでほしい。

(参考)
東京女子医科大学|医学部|医学部カリキュラム