目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験科目
    2. 試験試験時間
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
    1. 理論化学
    2. 無機化学
    3. 有機化学
    4. 高分子
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の振り返り
    2. 知識の補強
    3. 解法パターンの習得と計算力の増強
    4. 定番問題の習得
    5. 過去問演習

1. はじめに

tonaki-mjtp-ec
受験にこそパーソナルトレーナーを。4年間、一次試験すら通過できなかった僕が『医学部合格』を勝ち取れた理由
人気記事

2. 概要

2.1 試験科目
1次試験
・英語
・数学
・理科(物理・化学・生物から2科目選択)
・小論文

2次試験
・面接

2.2 試験時間
1次試験
・英語(60分)
・数学(60分)
・理科(120分)※2科目選択
・小論文

2次試験
・面接(10-15分)

2.3 配点
1次試験
・英語(200点)
・数学(200点)
・理科(200点[100×2])

2次試験
・面接(非公表)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)
前半の大問1・2はマークシート式で、後半の大問2〜3題は記述式という構成となっている。毎年大問1は小問集合で、大問2は理論分野から問題が出題されている。後半の大問2・3題のうち、例年有機と天然高分子から1題ずつ出題され、残り1題は無機か理論から出題されている。天然高分子は医学部において出題比率の高いテーマだが、東京女子医科大では毎年大問で出題されているので、十分な対策をしておきたい。全体的な特徴としては、いくつかの知識を関連付けて思考させるような問題が多い。現象理解を問う問題やグラフ問題も良く出題され、構造決定もやや複雑なので、受験生の実力が反映されやすい。また、東京女子医科大の理科の特徴として、生物の難易度が高いことが挙げられる。問題量は多くないが、文章が長いので問題を解くのに時間が掛かる。そのため、化学・生物受験者は時間配分にも気を付ける必要がある。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 理論化学
小問集合に関しては、幅広い分野から出題される。知識問題と計算問題はおおよそ半々ぐらいの比率で出題されている。小問集合で出される計算問題は難易度が高くない問題が多いので、簡単な計算問題を数多くこなし、正確に計算できるようにしたい。知識問題は、単純な知識問題よりはいくつかの知識を組み合わせて考察させるような問題が多いので、単純な暗記では難しい。また、気体の問題とグラフを関連させた問題も良く出題させるので、蒸気圧に関してはしっかりと理解しておきたい。大問で出題される問題は、無機の問題とセットで出題されることが多いので、無機は無機、理論は理論と分けずに繋がりを意識して学習することが望ましい。設問に現象理解に関する問題も多いので、浸透圧や蒸気圧などといった重要ワードを自分で説明できるようにしたい。

3.2 無機化学
小問集合で出題されるか、大問で理論と組み合わせて出題される形が多い。化合物の色や性質といった無機単独の知識問題などはあまり出題されていない。正誤選択問題においても、暗記で解くような問題というよりは、理論的な知識とセットで思考力を問うような内容が中心である。試薬の保存方法や実験に関する問題などを聞く場合でも物質の性質や化学反応と関連させて答えさせるような問題が多い。教科書に載っているような化学反応は、反応の原理を理解したり、化学反応式が書けるようにしたい。

3.3 有機化学
有機の問題に関しては、毎年一題構造決定の問題が出題されている。一般的な構造決定に加え、アルコールの脱水やオゾン分解、銀鏡反応を書かせるなどのやや難度の高いテーマからも出題されるので、難しめの問題集も使って色々なパターンの問題を演習しておきたい。天然高分子とセットで油脂が出題されることも多い。油脂は苦手意識を持っている人も多いが、本学では一般的な油脂の問題の解法がしっかりと入っていれば十分に解ける問題が多いので、確実に得点できるようになると差が付けやすい。

3.4 高分子
天然有機に関しては、毎年大問1題ぐらい出題されている。一方で、合成高分子に関しては、例年あまり出題されていない。アミノ酸・糖類の問題が頻出であるが、穴埋め問題を中心とした知識を問う問題が中心である。知識問題が中心であるが、大問で出題されるので必須アミノ酸などのやや細かい知識問題が聞かれることもあるので、隅々まで知識を深めておきたい。また、糖の還元性については構造から類推できるようにしておきたい。

4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介

■Step.1 教科書内容の振り返り

教科書を用意し、一章ずつ読み込む。入試問題は、原則として教科書から出題される。中には教科書から文章をそのままを抜き出したのではないかという問題さえも登場する。特に各教科書の参考・発展・コラム・実験などは、入試問題の格好の材料になり、出題頻度も高い。本学の特徴は、単純な知識力よりは、いくつかの知識を組み合わせて考えさせるような問題が多いこと、現象を正しく理解しているかを問うような問題が多いことにある。教科書に書かれている内容を自分の言葉で整理するような学習が望ましい。

ただし、教科書の表現は初学者には少し難しいこともあるので、Step.1では全てを理解する必要はない。この段階では、各教科書の発展やコラムには触れなくても良い。ざっとどんなことが書かれているか整理していくと良い。読んでもすぐには理解出来ないという人は、下記の紹介されている参考書などを教科書の対応する箇所を合わせて読み込むと良い。また、実験装置や沈殿の色など目で見た方が記憶に残りやすいので、資料集も一冊用意しておくと良い。得た知識をどう使っていくのかについては下記の問題集を利用して、確認していくと良い。

○参考書
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-無機化学+有機化学1-』(東進ブックス)
『岡野の化学が初歩から身につく-理論化学2+有機化学2-』(東進ブックス)
『フォトサイエンス化学図録』(数研出版)

○問題集
『セミナー化学』(第一学習社)
『リードα』(数研出版)

■Step.2 知識の補強

東京女子医科大では、知識問題に関しても単純な暗記よりは思考させるような問題の方が多い。上から順に丸暗記するような知識の詰め方ではなく、理論的な背景をきちんと整理していくような学習が望ましい。以下に各単元の注意すべきポイントとオススメの参考書について記載する。

○理論化学
東京女子医科大では、計算問題、現象理解を問う、グラフ的な理解を問う問題とバランス良く出題されている。知識問題も単純な知識より複合的に組み合わせていくような問題が多い。知識も詰め込むよりは、一つ一つ理解して、自分の言葉で説明できるようにするような学習スタイルが必要である。

『鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

『化学一問一答』(東進books)

○無機化学
化学物質の色やにおいを聞く問題のような単純知識で解く問題は少ない。理論と関連させた問題が多いので、教科書に登場する化学反応式は、反応の原理を整理し、自分で書けるようにしておくと良い。物質の精製や捕集法、試薬の保存などについても物質の性質に基づいて自分で説明できるような学習姿勢が必要である。

『福間の無機化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

○有機化学
東京女子医科大では、一般的な構造決定の問題が毎年一題程度出題される。ほとんどの問題は教科書レベルの問題で構成されているが、稀にオゾン分解や銀鏡反応の反応式を書かせるなどのやや難問も出題されている。問題集では難問扱いだが、教科書の発展項目には記載されているので、漏れなく知識として身に付けておきたい。教科書に載っているものは発展項目も知識としてしっかりと身に付け、問題演習とセットで知識を振り返ることも忘れないようにしたい。

○高分子
出題傾向として、合成高分子よりも天然高分子の出題比率が高い。アミノ酸や糖類に関しては、構造を書かせるような問題が多く出題されている。問題集だけだと知識は身に付いても、構造を自分で書けるようにはならない。知識を身に付けるのは前提条件として、グルコースやフルクトース、アミノ酸を自分で書けるように自主学習を進めておきたい。還元性を持つのか持たないのかをしっかりと構造から見抜けるようになるために自力で書けるようになっておきたい。

『鎌田の有機化学の講義 三訂版 (大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

■Step.3 解法パターンの習得と計算力の増強

Step.3では、計算問題の解法の習得に向けて学習を進めていく。東京女子医科大の入試問題は、計算問題の分量はそれほど多くなく、標準的な難易度の問題が多いので、合格者は確実に点を取ってくるだろう。そのため、計算問題をいかに正確に解いていくかが大事である。一つ一つの計算問題は、それほど難易度が高くないため、難しい問題よりは一行問題レベルでも数をこなし、正確に計算を行う力を身に付けたが良い。下記の問題集や参考書を使い、標準的な計算問題の解法を身に付けていく。

『鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)』(旺文社)

『化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 三訂版』(旺文社)

『ゼロから始める化学計算問題』(中経出版)・・・ドリル形式になっているので、苦手な人はこちらを使って練習すると良い。

『化学計算問題の徹底整理』(数研出版)・・・入試レベルの計算問題が良いという場合は、こちらの問題集で練習すると良い。

■Step.4 定番問題の習得

ここからは実際の大学入試問題を使って、定番の問題の解法を押さえていく。東京女子医科大では、標準的で典型的だが、しっかりと思考させるような問題が多い。定期テストのような詰め込み型の学習よりは、じっくりと腰を据え、なぜそのような現象が起こるのか、なぜこの反応は起こるのかと一つ一つ理論を積み重ねていくような国立型の学習スタイルが向いている。理論分野においては典型的で標準的な難易度の問題が多いので、一冊しっかりと問題集を理解しておくような勉強法が効果的である。有機化学の構造決定に関してはやや難易度の高い問題が出題されるため、国立上位の問題を使って、やや複雑な構造決定問題についても取り組んでおくと良いだろう。

○問題集

『化学重要問題集』(数研出版)

『化学の良問問題集』(旺文社)

○参考書

『化学の新研究』(三省堂)

■Step.5 過去問演習

Step.1-3をクリアしたら過去問演習に入りましょう。

『東京女子医科大学』(教学社)

本Stepでは下記のように過去問演習を進め、現時点での自分の学力を自己分析することを忘れないで下さい。時間を計って解き、解き切れなかった問題は時間を計らずに最後まで解く。採点後、解説を読み、解き方を理解する。自分には何が足らなかったのか自己分析を行う。自己分析を元に基礎の補強(Step.4)を行い、次年度に進む。

過去問をある程度進めたら、Step.4の自己分析を元に、同時並行で弱点補強を進めましょう。この時期に赤本や難しい問題ばかりに手を出したくなりますが、大事なことは難しい問題が理解できることではなく、合格点を取ることです。忘れていた知識を整理したり、計算のスピードや正確性を磨くことが意外と合格への近道だったりします。ちょっとした問題に足元をすくわれないようにしっかりと足場を固めましょう。