目次

  1. はじめに
  2. 概要
    1. 試験日
    2. 試験範囲・試験時間・解答形式
    3. 配点
    4. 出題の傾向と特徴(概要)
    5. 合格得点
  3. 出題の傾向と特徴(詳細)
  4. 試験対策・勉強法とおすすめ参考書紹介
    1. 教科書内容の確認
    2. 基礎問題で解法のインプット
    3. 標準問題でアウトプットの練習
    4. 過去問を用いた演習

1. はじめに

早稲田大学基幹理工学部・先進理工学部・想像理工学部は理工系私立大学の最難関に位置しており、東大や東工大などを目指す理系トップクラスの受験生たちと合格を争うことになります。従ってそこで要求される学力水準も相当高くなると言えます。早稲田大学の理工学部は2007年に、基幹理工、創造理工、先進理工の3学部に分かれており、入試は統一して実施されます(創造理工学部の一部学科のみ空間表現(デッサン)の試験を実施)が、出願は別で行い、学部・学科の併願はできません。したがって、自分が進みたい分野をしっかりと考えて受験するようにしましょう。

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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2. 概要

2018年度一般入学試験の概要が、早稲田大学入学センターのホームページに掲載されています。

一般入試は、原則として3教科入試で、教科・科目は学部・学科によって異なります。創造理工学部建築学科では3教科に加えて「空間表現」の試験があります。政治経済学部以外の学部では、補欠合格者発表の制度があります。なお、同一学部・同一日・同一試験により実施する複数の入学試験を一度にまとめて出願する場合、学部によっては検定料の減額制度があります。

基幹理工学部
学系Ⅰ 40名(進級できる学科:数学科、応用数理学科)
学系Ⅱ 210名(進級できる学科:応用数理学科、機械科学・航空学科、電子物理システム学科、情報理工学科、情報通信学科)
学系Ⅲ 65名(進級できる学科:情報理工学科、情報通信学科、表現工学科)

創造理工学部
建築学科 80名
総合機械工学科 80名
経営システム工学科 70名
社会環境工学科 50名
環境資源工学科 35名

先進理工学部
物理学科 30名
応用物理学科 55名
化学・生命化学科 35名
応用化学科 75名
生命医科学科 30名
電気・情報生命工学科 75名

2.1 試験日

出願期間
2018年1月5日(金) ~ 1月26日(金)【締切日消印有効】

試験日
平成30年2月16日(金)

合格発表日
平成30年2月26日(月)

手続締切日
第1次:平成30年3月5日(月) 登録料(入学金)振込締切日
第2次:平成30年3月23日(金) 学費等(春学期分)振込締切日

2.2 試験範囲・試験時間

(試験範囲)
英語:コミュニケーション英語I・コミュニケーション英語II・コミュニケーション英語III・英語表現I・英語表現II
数学:数学I・数学II・数学III・数学A・数学B
数学Bの「確率分布と統計的な推測」は除く

理科は、次のうちから2つを選択(学部・学系・学科別の理科解答パターンは以下を参照してください)
①物理基礎、物理 ②化学基礎、化学 ③生物基礎、生物
【理科解答パターン】
●基幹理工学部 学系Ⅱ ●創造理工学部 ●先進理工学部 物理学科、応用物理学科、化学・生命化学科
→物理、化学
●先進理工学部 応用化学科
→物理、化学、または化学、生物
●基幹理工学部 学系Ⅰ、学系Ⅲ ●先進理工学部 生命医科学科、電気・情報生命工学科
→物理、化学、または物理、生物、または化学、生物

●基幹理工学部は学系別、創造理工学部・先進理工学部は学科別募集。3学部同一問題で入試を行っており、学部および、学系間、学科間の併願はできません。
●先進理工学部の志願者は、学部内で同一の理科解答パターンの他学科を第二志望とすることができます。第一志望が不合格(補欠)の場合で、総合点が第二志 望学科の合格最低点を上回る場合にのみ、第二志望学科合格となります。ただし第一志望学科が補欠合格になった場合は、第二志望学科の合格は取り消されます (同時に2学科に合格することはありません)。なお、補欠は第一志望学科のみ適用されます。

(出典:早稲田大学入学センター|学部入試情報|入試制度一覧|一般入試

(試験時間)
・英語(90分)
・数学(120分)
・理科(120分)
・空間表現(120分)※創造理工学部建築学科志願者のみ(2月17日に実施)

2.3 配点

・英語(120点)
・数学(120点)
・理科(120点、1科目60点)
・空間表現(40点)※創造理工学部建築学科志願者のみ(2月17日に実施)

2.4 出題の傾向と特徴(概要)

解答時間は理科2科目で120分、大問3題で構成されています。第1問はマーク形式、第2問、第3問は記述形式です。詳しくは次節以降で紹介しますが、典型的な設定で発展的な内容を問う問題が多く出題されています。思考力や計算力、そしてスピードも求められる試験となっています。

3. 出題の傾向と特徴(詳細)

3.1 力学

毎年大問1題、記述形式の第2問または第3問で出題されています。近年出題されたテーマは、「箱の内部で運動し、箱にぶつかる小物体」、「ばねでつながった2物体の運動」、「回転する円筒面内での物体の運動」、「運動する台上での小球の運動」、「左右の糸で引かれる小球の運動」「斜面上を2次元的に運動する物体」などです。「箱の内部で運動し、箱にぶつかる小物体」に関する問題では箱を傾ける場合を問う設問が、「ばねでつながった2物体の運動」では、単振動をしながら落下して地面に衝突したときの運動の様子を問う設問が出題されており、かなり高度な思考が要求されています。「相対運動」、「単振動」に関係する問題が多く出題されており、これらの考え方を深く理解し、演習することが鍵といえるでしょう。

3.2 電磁気学

過去10年間、毎年大問1題は出題されています。第1問の小問集合においても、第2問、第3問の記述式の問題においても出題されました。近年出題されたテーマは、「磁場中を運動する導体棒」、「磁場中を運動する導体棒」、「コンデンサー」、「棒磁石の運動による電磁誘導」、「点電荷による電場、電位」、「手回し発電機」などです。「コンデンサー」と「磁場中を運動する導体棒」が頻出テーマですが、金属板がN枚あるコンデンサーに関する問題や、磁場中を運動する導体棒を仮想コンデンサーとみなして考える問題など、基礎的な考え方を発展させて解く必要がある、思考力を必要な応用問題が出題されています。

3.3 熱力学

およそ3年に1回の割合で出題されています。「気体分子運動論」、「気体の熱サイクル」が主な出題テーマです。「気体分子運動論」では、容器が弾性膜で出来ている設定で微小近似を使う問題や、気体の状態変化のサイクルを石けん膜に適用する問題など応用的な設問が出題されています。

3.4 波動

およそ2年に1回の割合で出題されています。第1問の小問集合においても、第2問、第3問の記述式の問題においても出題されています。近年出題されたテーマは、「光の屈折・回折」、「薄膜による光の干渉」、「凹面鏡」、「レンズ」、「回折格子」などです。ここでも応用的な問題が出題されています。例えば光の屈折・回折に関する問題では、プリズム列、スリット列に関する問題が出題されています。また「凹面鏡」に関しては、市販の問題集でもなかなか取り上げられていないので、解くのに苦労した受験生が多かったと思います。また、光の回折では、スリットの幅が無視できない場合の問題が出題されています。

3.5 原子

直近10年出題されたのは2017年のみです。しかも、大問全てが原子の単元というわけではなく、磁場中を運動する荷電粒子に関する問題の中で派生的に扱われています。しかし、今後も出題がないとは言えないので対策はしておきましょう。光電効果やコンプトン散乱、核反応など基本的な問題は確実に解けるようにしておきましょう。また、慶應義塾大学の医学部では原子分野からしばしば出題されているので、難易度的にも演習しておくと良いでしょう。

4. 勉強法とおすすめ参考書の紹介

4.1 教科書内容の確認

教科書で扱われている現象の理解し、語句の定義を正確に覚え、公式の導出が確実にできるようになることが第一段階です。グラフや図などがある事項については、現象とグラフ、グラフと式の関係も自分のものにしましょう。公式の導出は自分でできるようになって下さい。その過程で物理現象をより深く理解でき、問題を解くうえで必ず大きな力になります。そして、自分で導出ができるようになったら答案を書くつもりで書いてみて、添削してもらうと良いでしょう。教科書以外にも例えば、

『橋元の物理基礎をはじめからていねいに』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】力学編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】電磁気編』(東進ブックス)
『橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】熱・波動・原子編』(東進ブックス)
『宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)』(学研教育出版)
『宇宙一わかりやすい高校物理(電磁気・熱・原子)』(学研教育出版)
『秘伝の物理講義(力学・波動)』(学研プラス)
『秘伝の物理講義(電磁気・熱・原子)』(学研プラス)

などの参考書が、現象や公式の成り立ちについての理解を助けてくれるでしょう。また図説を持っている人は図説も読んでおいてください。

4.2 基礎問題で解法をインプット

教科書で学習した内容を実際の問題に使う練習です。基礎的な問題は解ける人にはこの段階は飛ばしても構いません。ただし、次段階以降で少しでも不確かであったり不安だったりする分野、単元、問題のタイプがあれば、必ずこの段階に戻って解消するようにして下さい。

この段階は、基礎的な典型問題をできるだけ短時間で解けるようになるのが目標です。問題演習には、
「物理のエッセンス」(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]入門問題精講』(旺文社)
などを用いるのが良いでしょう。この段階では自分で問題を解く必要はありません(もちろん、解けるようであれば解いても構いません)。まずは「どのような状況設定の時にどのような解法を使うのかをインプットする」というところに重点を置きましょう。

『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(力学・電磁気)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解法の発想とルール(波動・熱・原子)【パワーアップ版】』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)
『秘伝の物理問題集High[力学・熱・波動・電磁気・原子](ひとりで学べる)』(学研プラス)

なども、どのように問題を解くのかを丁寧に解説しているので参考になると思います。解答・解説をしっかり読んで、別解などもしっかりインプットしましょう。問題を見た瞬間に正しい解法が思い浮かぶようになればこの段階は終了です。

4.3 解法のブラッシュアップ

教科書レベルがしっかりと押さえられたら、大学受験の定番の問題集により演習を積みましょう。

次の段階は、大学受験における定番の問題で実際に問題が解けるかを演習していきます。この段階の問題演習には、

『良問の風 物理 頻出・標準入試問題集』(河合出版)
『物理[物理基礎・物理]基礎問題精講』(旺文社)

などを用いると良いでしょう。

基礎段階でインプットした解法を、入試標準レベルで正しく使うことができるようになることが目標です。この段階では必ず自分の手で解いてみて下さい。その時には基礎段階で身に付けた解法をどのように活用するのかを意識しながら解きましょう。問題を見た瞬間にどのような解法を使うのか最低1つは思い浮かべられない場合は前段階に戻った方が良いかもしれません。自分が思い浮かべた解法で解けない場合もあるでしょう。その時には解答を見て自分の考えに何が足りなかったのかをしっかりと分析してください。学校の先生など身近にアドバイスをくれる人がいるのであれば、ぜひ聞きに行きましょう。
 
これらの問題集が一通りきちんととけるようになれば応用問題に取り組む基礎が身についたと考えられます。以下のような問題集に取り組んで、応用問題を解いてみましょう。現役生であれば、少なくとも夏休みには解き始めておいてほしいところです。

『名問の森 物理』(河合出版)
『実戦 物理重要問題集 – 物理基礎・物理』(数研出版)
『難問題の系統とその解き方』(ニュートンプレス)
『物理[物理基礎・物理]標準問題精講』(旺文社)
『体系物理』(教学社)

4.4 過去問・模擬試験を用いた演習

最終段階は、実際に過去問を解いてみることです。赤本などを利用して時間を測りながら実際の入試のつもりで解いてみましょう。この段階のポイントは「時間を意識すること」、「問題を解く順番を意識すること」、「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」です。
実際の入試には制限時間があるので、まずは制限時間内に解くスピードを身に付ける必要があります。次に、問題を解く順番も意識しましょう。実際の入試では「解ける問題から先に解く」というのが鉄則です。時間をかけて難しい問題を1問解くよりもまずは簡単な問題を短時間で5問解きましょう。実際に入試問題を解いた後に、問題の解く順番も最適だったかどうか確認してみましょう。
「問題文を適切に解釈して自分が知っている解法に当てはめること」に関してですが、特に見慣れない設定の問題の場合、問題文を解釈して自分が知っている解法に当てはめるということが問題になってきます。現象の理解、設問の意図の理解などが正しくできていたかのチェックは時間をかけて行いましょう。解答や解説に書いてあることを理解するだけでなく、問題文を読んだ時に設問の意図をどのように理解するのか、自分はどのように考えるべきだったのかをしっかりと吟味して下さい。
 
時間がある人は、実戦力と応用力を身に付けるために他大学の入試問題にも挑戦してみましょう。慶應義塾大学や東京工業大学の問題が良い練習となるでしょう。さらに時間があるのであれば、様々な大学の入試問題にもチャレンジしてみて下さい。

また、河合塾では早稲田大学・慶應義塾大学を目指す受験生のための本番入試対策として「早大・慶大オープン」という模擬試験が毎年11月頃に行われています。実力確認のために受験すると良いでしょう。

(参考)
早稲田大学入学センター|学部入試情報|入試制度一覧|一般入試