こんにちは、STUDY HACKER編集部です。

今回は2015年4月にスペシャルサイト「探検!京都大学」をリリースした京都大学を訪問し、スペシャルサイトの意図や京都大学のビジョンについて京大広報課の山下さんに伺ってきました。

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京都大学 企画・情報部 広報課 山下武史様

badge_columns_1001711「探検!京都大学」について

京都大学では、昨年10月に就任した山極総長の“「おもろい」ことをどんどん仕掛ける大学へ”というメッセージを実現するため、京都大学創立以来初となる「主体的に仕掛けるブランド戦略」を始めました。当サイトもその戦略のひとつと位置づけ、積極的に個性や魅力に満ちた「京大らしさ」を強く打ち出すことで、あらたなブランドイメージの発信とファン層の拡大を狙います。

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京都大学のシンボル 時計台

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看護学部を卒業後、医学部受験に挑戦。卒業後わずか1年で合格を勝ち取った「教科書レベル」からの挑戦
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badge_columns_1001711「おもろい」大学

■本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。

■まず、今回のスペシャルサイト、探検!京都大学の概要をお話しいただけますか?

京都大学では、昨年10月に就任した山極総長の“「おもろい」ことをどんどん仕掛ける大学へ”というメッセージを実現するため、新たな取り組みを行っています。

今回のスペシャルサイトは、京都大学が創立以来大事にしてきた「フィールドワーク」のスタイルで、「惑星、京都大学」を探検いただけるものとなっています。サイト内を探検しながら、今まで伝えきれていなかった、京都大学の全体像、ユニークな研究内容や研究者を、中・高校生、一般の皆さまにもわかりやすく、楽しく理解いただけるよう、制作いたしました。

■公式HPとの棲み分けはどのようにお考えですか?

スペシャルサイトは、通常公式HPにリーチしないユーザーをメインターゲットにしており、京都大学に対する認知やイメージ形成の場としての役割を期待しています。その意味では、公式HPへの導線となるサイトだと考えています。

公式HPには、体系だった情報を整理した上で記載していますので、それぞれが異なる役割を担っていると考えています。

■スペシャルサイトでは、「おもろい」という単語がしきりに出てきますが、どのようなニュアンスでその表現を使っているのでしょうか。

京都大学での研究や経験を通して、物事に興味を持ち、感動や驚きを体験出来る、つまり「知的な面白さ」を追求出来るという意味で、「おもろい」という表現を使っています。

京都大学は、最先端の研究を行っていることや自由な校風を重んじていることなど、様々な強みを持っていますが、敢えてその強みを一言に集約すると、「おもろい」はぴったりな言葉だと考えています。

京都の上品なイメージと離れているのでは?という意見もありましたが(笑)。

■確かに、現役京大生、卒業生には、ユニークな個性を持った方が多い印象ですね。

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badge_columns_1001711創立以来初めての「攻め」の広報

■ところで、京都大学は国内でも有数の人気校でいらっしゃると認識しているのですが、スペシャルサイトを開設し、情報を発信することになったのはなぜですか。

近年の少子高齢化の進展、大学教育のグローバル化、新興国の台頭などにより、日本の大学の国際的な競争力が低下しつつあるといった背景に加えて、学生の目線でも、大学名や偏差値でなく、教育や研究の内容で大学を選ぶという認識が強まっている傾向があります。今回、これらの背景を受けて、他大学にはない京大のユニークさを出していきたいと思ったからです。

また、単に受験者数を増やしたいという意図で、今回の情報発信を始めたのではない、という点もポイントです。そうしたければ、もっと尖った受験情報満載のサイトにも出来ましたが、それは避けて京都大学としてのブランドイメージを分かり易く表現する場にしました。これは、京都大学の教育方針や研究マインド、そして風土に共感してくれる学生に受験してほしいというメッセージでもあります。

■なるほど、それで京都大学の特徴を分かり易く伝え、アピールする場として今回の特設サイトを公開されたのですね。

そうですね。これまではおかげ様で、口コミで京都大学のイメージやブランドを認知いただいている状況だったのですが、そのような背景もあり、創立以来初めて主体的な広報活動に踏み切りました。「攻め」の広報と言っても良いかもしれません。

■創立以来初めての取り組みということで、ハードルも多かったのでは?

私たちも、一定のネガティブな意見は覚悟していましたが、実際にリリースしてみると概ね好評で、学内からも多くのポジティブな声を貰っています。

リリース前も、多少気を揉む場面はあったものの、京都大学を盛り上げたいとの想いに共感していただき、教授陣も協力的に取材に応じてくれました。
山極総長に、探検ルックのキャラクター化をお願いした際にはさすがに断られるかなと冷や冷やしながらだったのですが、快くOKをいただきました(笑)

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スペシャルサイト「探検!京都大学」

■スペシャルサイトには、総長以外にも5名の先生が登場していますね。

はい、京都大学の先生は、その実績や研究成果に注目が集まりがちで、堅いイメージを持たれることが多いのですが、実はユニークな一面を持った研究者が多数在籍しています。そういった研究者の日々の活動やプライベートに関する内容を掲載することで、京都大学での学生生活を身近に感じていただけると考えております。

詳しくはスペシャルサイトをご覧いただきたいのですが、例えば、久保田先生はクラゲ研究の権威であるにも関わらず、「ベニクラゲマン」というキャラクターに扮して、クラゲになりきって講演を行うなど、個性溢れる活動を多々行っています。その他にも、「おもろい」ことに真剣に取り組む先生が、京都大学にはたくさんいます。今回の5人はあくまでその一部ですが今後も、このサイトで「京大先生図鑑」と題して順次個性溢れる先生を紹介予定ですので、是非ご覧になってください。

「京大先生図鑑」では、斬新でユニークな発想をもった京大ならではの研究者の人柄や研究テーマにふれることができます。ちょうど図鑑のように、「生息地」「生態」「鳴き声」などパロディ的な切り口でご紹介しました。大学進学を考える中高生に、興味ある学問分野や専門家との「出会い」を提供できれば、と考えています。

■なぜ京都大学には個性溢れる先生が多いのでしょうか。

京都大学には、回り道を良しとする文化があります。先生に短期的な研究成果や効率的な研究手法のみをもとめるのでなく、多少遠回りをしても多様な発想を尊重したいということですね。異分野の知識や経験は、専門の研究に好影響を与えることも多く、そのような「回り道」は最終的に研究成果に帰ってくると感じています。

これは学生に対しても同様で、領域を跨いで学びを深めることに対して京都大学は支援を惜しみません。たとえば、ポケット・ゼミという制度。ポケット・ゼミとは、新入生10人程度に対して、講師が1人の小規模クラスのことで、一対一の関係で様々な形態の授業を行うものです。このゼミは、学部や学科を跨いで、最先端の研究分野の担当教員やカリキュラムが用意されており、学びの多様性を担保するものとなっています。

■スペシャルサイトの今後の展開について教えてください。

今後も、「京大先生図鑑」に登場する先生たちは随時追加していきます。先生が増えれば、自分に興味のあるテーマやキーワードを入力すると、そのユーザーに合った研究室や先生が紹介されるシステムにしたいと考えています。

また、新たに「京大の発明」ページを設置する予定です。既に社会に溢れている製品から京都大学の研究を紐解く、というコンセプトで、京都大学での発明を紹介します。

また、このサイトを英語化し、外国人の学生や研究者にも興味を持ってもらえればと考えています。

badge_columns_1001711特色入試を開始

■その他にも「攻め」を感じる取り組みとして、平成28年度から特色入試が始まりますね。

はい、特色入試とは、従来の一般的な入試とは異なり、
①高等学校での学修における行動と成果の判定
②個々の学部におけるカリキュラムや教育コースへの適合力の判定
によって合否を判定する新しい入試制度です。
各学部・学科毎に募集人員を定めており、平成28年度特色入試においては、京都大学全体の合計で108 余名を募集します。

■なぜこのような制度を始めるのですか?

一律に学力を判定する従来の入試だけでは、多様で飛び抜けた個性を持った学生をきちんと評価できていなかったという点があります。この新しい入試制度によって、さまざまなタイプの学生が入学し、対話を重ね切磋琢磨することで、世界を変えるような独創性あるアイデアが生まれることを期待しています。また入学後それを支える環境も充実しています。京都大学では協力講座を積極的に開講しています。協力講座とは、研究所と研究科が一体となって学生の指導を行う授業を指し、その研究所で研究されている最先端の研究を、学生の指導に当たる研究科と共に、学生に伝えていくことで、野心ある学生の知的欲求に答えることが出来ます。
まさに、日本で一番多くの研究所を抱える京都大学の強みを生かしたものです。

また、先日行った、京都大学入学式の式辞でも、山極総長が述べていましたが、学生と教員が一緒になって対話を楽しみ協力関係を築く校風が浸透しており、学生の一見無茶なアイデアにも教員を中心に大学側が真摯に向き合うようにしています。

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京都大学 山極総長

■式辞ではどのようなお話しをされたのですか?

大学は、中学や高校のように、既存の知識を蓄積し、正しい答えを見つける時間を競う場所ではなく、分野を超えて異なる能力や発想に出会い、対話を楽しみ協力関係を形作る場であるべきだ、といった内容でした。また、そういった場を通じてタフで賢い学生を育て、彼らが活躍できる世界に向けて、学生たちを支援することが、京都大学教職員の夢であり目標だ、とも述べています。
まさしく、私たち教職員の学生に対する熱い思いが詰まっている言葉だと思っています。
京都大学のHPにも全文を掲載しておりますので、是非ご覧になって下さい。

■「おもろい」大学であることを表現するだけでなく、「おもろい」学生を受け入れる取り組みも行っているのですね。京都大学が更に「おもろい」大学になると良いですね。本日はありがとうございました。

ありがとうございました。