アクセラレーターとは

・ アクセラレーターとは、有望なベンチャー企業の成長を加速させる(accelerate)ための支援を行う組織のこと。起業間もない段階のベンチャー企業が支援の対象となるため、シードアクセラレーターとも言う。

・ アクセラレーターは、創業してすぐの有望なベンチャー企業がビジネスモデルを確立して独り立ちできるよう、オフィススペースを提供してノウハウ面や人脈面、資金面でのアドバイスを行う。ベンチャー企業がアクセラレーターからの支援を受けるためには、選考を通過しなければならない。テクノロジー系、ヘルスケア系、地域特化系など、さまざまなジャンルのアクセラレーターがある。

・ アクセラレーターが実施する支援プログラムの流れについて、富士通総研が次のようにまとめている。

Startup Acceleratorは、創業間もない、あるいはこれから創業するような段階のベンチャー企業や創業チームに対して小額の資金を投資し、2-5%程度の株式を取得する。そして、メンターと呼ばれるシリアルアントレプレナーを中心とした企業経験者や業界の識者による2-3か月間の短期集中の育成プログラムを実施し、プログラムの最後にはエンジェルやVCを集めて追加投資を得るためのイベントを開催する。こうしたStartup Acceleratorが世界中で数多く生まれ、新たなICTベンチャー企業を次々と生み出し、その存在感を増している。

(引用元:富士通総研|Startup Acceleratorの出現から考えるイノベーション

・ 最初のアクセラレーターは、2005年にシリコンバレーで設立され、今も最もよく知られるアクセラレーターのひとつであるY Combinator。以後アクセラレーターの設立が続き、2014年までにはすでに、シリコンバレーではアクセラレーターブームが起きていた。日本でも2010年頃から、Samurai Incubate、MOVIDA JAPANなどのアクセラレーターが登場し、注目されるようになった。

・ 一般的なベンチャーキャピタルとアクセラレーターの違いは、投資金額の量と教育プログラムの有無。通常、ベンチャーキャピタルは100万ドル(約1億円)以上の投資を行うが、アクセラレーターが行う投資は数百万円程度。その資金は事業の拡大のためというより当面の生活資金として使われる。また、短期集中の教育プログラムはアクセラレーターならではのもの。アクセラレーターには経験豊富な起業家やシリアルアントレプレナー(連続起業家)がおり、彼らからの実践的なアドバイスや人的ネットワークは資金援助にまさる価値があると考えられている。

・ また、アクセラレーターと似ているものにインキュベーターがあるが、次のような点で異なっている。アクセラレーターは上述のように、すでに始まったベンチャー企業の成長を加速し、ビジネスを拡大させるための支援をする組織。一方インキュベーターは、同じベンチャー企業でも、より若いステージにある会社を対象としている。ビジネスモデルや会社を構築することがインキュベーターの目的で、ベンチャー企業からイノベーションを生み出す(incubate)ことを重視している。なお、資金は提供せず、アクセラレーターのように決まったスケジュールで活動するわけではない。

注目が高まるコーポレートアクセラレーター

・ 近年、オープンイノベーション(外部の知見を活かして革新的な開発をすること)の新たな手法として、「コーポレートアクセラレータープログラム」が注目されている。

・ コーポレートアクセラレータープログラムは、大手企業がスポンサーとなってアクセラレーターの役割を果たし、大企業とベンチャー企業が共同で新規事業を開発したりイノベーションを創出したりすることを目標としている。

・ 例えば、学研ホールディングスは、学研アクセラレーターというプログラムでベンチャー企業4社を選抜して投資した。ベンチャー企業側には、学研という大手企業がもつ豊富な経営資源やそのブランドを活用できるメリットがある。また、学研側にも次のようなプラスの効果がある。

学研教育アイ・シー・ティー北居誠也社長の話
(中略)
今回、数カ月間でベンチャーへの出資まで実現しました。このスピード感は社内によい影響を与えています。社員からは、自分たちも提案すれば新しいことができるという声が聞こえてきます。

(引用元:日本経済新聞|大企業とベンチャーの協業、仕掛け人が後押し

・ 次々と新しいコーポレートアクセラレータープログラムが登場している。その一例として、2016年6月、住宅設備大手のLIXILグループは、起業支援を手掛けるゼロワンブースターと共同で、住居に特化したコーポレートアクセラレータープログラムを開始することを発表した。

ベンチャー企業や中小企業が持つ「アイデア、スピード、行動力、覚悟」と、多岐にわたる建材・設備機器と幅広い住関連サービスを提供するLIXILグループが持つ「リソース、ネットワーク」、リーディング・コーポレートアクセラレーターである01Boosterの3者の力を合わせ、世界中の人びとのより豊かで快適な住まいと暮らしを実現させるための「アクセラレータープログラム」です。また、LIXILアクセラレーターは事前説明・交流会、ビジネスプランコンテスト、選抜されたチームが参加するアクセラレータープログラムを通じて、ベンチャー企業、中小企業、起業家の事業創造プロセスを支援していきます。

(引用元:PRTIMES|『LIXILアクセラレーター』をLIXILと01Boosterが始動!事前セミナー&交流会を7月8日と8月2日に開催

(参考)
ZDNet Japan|アクセラレーターとインキュベーターの違いは?–スタートアップ企業の基礎知識
一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター|シリコンバレー通信 Vol. 2 「スタートアップ・アクセラレーター最前線 ①」
BizZine|コーポレート・アクセラレーターとは何か―大企業とベンチャーの理想の関係をつくる方法
起業.tv|日本のシードアクセラレーター5つの種類まとめ
Wikipedia|シードアクセラレーター
Wikipedia|コーポレートアクセラレータープログラム
日本経済新聞|大企業とベンチャーの協業、仕掛け人が後押し
THE BRIDGE|アクセラレータープログラムがスタートアップと社内の「架け橋」になるーー大企業の窓口/富士通の場合
富士通総研|Startup Acceleratorの出現から考えるイノベーション
MFクラウド|有名スタートアップを続々輩出!起業の登竜門、シードアクセラレータープログラムまとめ
PRTIMES|『LIXILアクセラレーター』をLIXILと01Boosterが始動!事前セミナー&交流会を7月8日と8月2日に開催