アクティブラーニングとは

・ アクティブラーニングとは、座学で知識をただ覚えるのではなく、学習者が自分で問題について考えたり、話し合ったり、調べたりして学ぶような、能動的・主体的な学習法のこと。文部科学省の資料によれば、以下のように定義されている。

教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。

(引用元:文部科学省|新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)用語集

従来のような知識の伝達・注入を中心とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)

(引用元:文部科学省|新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)本文

・ アクティブラーニングとは、もとは大学教育において使われていた言葉。2012年に文部科学省中央教育審議会が行った答申の中で、大学教育における学生の学習姿勢を、受動的な受講から能動的な学習に転換させる必要性が説かれた。上記の定義も、その答申の中で示されたもの。以後、大学教育ではアクティブラーニングが定着し、多くの大学がこれに取り組んでいる。そして2014年、学習指導要領において、小中高校におけるアクティブラーニングの推進が盛り込まれた。また、2016年8月には、中央教育審議会が2020~2022年の学習指導要領の改訂において、アクティブラーニングをすべての教科に取り入れる方針をまとめた。今後、アクティブラーニングをめぐる動きが加速すると見られている。

・ 近年アクティブラーニングが重要視されている背景には、2つの事情がある。1つ目は、グローバル化や高度情報化といった社会的な背景。国境に関係なくグローバルに活躍する人材を育成するためには、外国人とも躊躇せず意見を述べ合い協働していく能力や、他国との競争に勝つための新たな価値を自分で考えて生み出していける力を養う必要がある。2つ目は、2021年度入試から大学入試が変わるという背景。大学入試改革では、大学入試センター試験が廃止され、受験者の思考力・判断力・表現力を問う試験が導入されるほか、大学個別の選抜においても主体性・多様性・協働性が問われるようになる。そのため、小中高校でのアクティブラーニングにいま注目が集まっている。

アクティブラーニングの手法と具体例

・ アクティブラーニングの具体的な方法としては、グループディスカッションやディベートなどの形で教員と学習者、あるいは学習者同士が双方向にコミュニケーションをとりながら学んだり、与えられた課題に対して学習者がグループで話し合いながら取り組んだり、体験や現地調査を交えながら学んだりする方法が代表的。

・ 産業能率大学の小林昭文教授は、次のようなアクティブラーニングを提唱しており、広く紹介されている。

講義は授業の最初に短時間で済ませ、残りの時間を演習にあてる方法です。演習時間中は、生徒はおしゃべりも立ち歩きも自由というのがミソで、クラス全員が演習問題を解けるようになることが目標なので、早く分かった生徒が他の生徒に教えたりします。先生の一方的な講義を聞くよりも、生徒同士で教えあったり、学びあったりすることで、より理解も進み、生徒たちの主体性も育ちます。

(引用元:G-Edu|グローバル教育 気になるキーワード VOL.4 アクティブ・ラーニング

・ 淑徳中学校・高等学校(東京都板橋区)では、次のようなアクティブラーニングが実践されている。

思考力、表現力の育成プログラムとして同校が導入したのが、中学の「卒業論文」。
(中略)
卒論の作成は、1年次の夏休みから始まっている。「人に自慢できる研究」という意味合いで「自慢研究」と名付け、イラストや図表を交えた原稿用紙20枚程度の小論文を作成する。2年では論文の体裁を整えながら原稿用紙20枚程度。3年では発表用ソフト「パワーポイント」を使用しながら、プレゼンテーションの形で発表する。

(引用元:YOMIURI ONLINE|ICTとアクティブ・ラーニング導入に意欲…淑徳

・ 小中高校を中心とする教育現場にアクティブラーニングを導入することについてはいくつかの懸念もある。例えば、現場は教科書をベースに授業を進めるのに精一杯で、アクティブラーニングに手が回らないといった懸念。また、アクティブラーニングを交えた授業の手法は従来に比べ高度で、教員を十分に研修しなければならないこと。学生をうまく巻き込みながら授業を進めるスキルを教員に持たせる必要があり、学習者向けのアクティブラーニングの検討に加えて、教員向けにアクティブラーニングの指導法を教える仕組みも求められている。

(参考)
G-Edu|グローバル教育 気になるキーワード VOL.4 アクティブ・ラーニング
リセマム|アクティブラーニングとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】
文部科学省|新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)用語集
文部科学省|新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)本文
日本経済新聞 |英語、小5から正式教科に 次期指導要領案
マイナビ学生の窓口|能動的な学び「アクティブラーニング」の導入で大学の授業はもっともっと面白くなる?
日本経済新聞|実践アクティブ・ラーニング 脱・受け身の取り組み幅広く
YOMIURI ONLINE|ICTとアクティブ・ラーニング導入に意欲…淑徳