アダプティブラーニングとは

・ アダプティブラーニングとは、日本語では適応学習と言い、学習者個人個人の進捗に合わせて、学習内容やレベルを調整し、最適化すること。アダプティブラーニングと同じ趣旨のことは「個別指導」という手法で従来から行われているが、近年注目されているアダプティブラーニングは、ICT技術やソーシャルメディアなどを活用することによって、学習内容やレベルの最適化を行うという点が特徴である。EdTech(インターネットを活用した教育サービス)のひとつの形。

・ インターネットの普及とソーシャルメディアの充実により、近年ソーシャルラーニングという学習法が注目されるようになった。ソーシャルラーニングとは、学校や教室で行われる画一的な一斉授業ではなく、SNSなどのソーシャルメディアを学びのツールとして活用する学び方のこと。ソーシャルメディアとしての機能を生かし、学習者同士や学習者と講師がコミュニケーションをとることで教え合い、学びを深めていく点に特徴があり、代表的なソーシャルラーニングのサービスにはSchoo WEB-campusgaccoなどの、生放送で授業をWeb配信するプラットフォームがある。

・ アダプティブラーニングは、このソーシャルラーニングを進化させたものであると言われている。ソーシャル機能を活用して、学習者の進捗を記録に残したり講師側がそれを把握したりすることで、講師は学習者それぞれの苦手な分野や習熟の浅い分野に力を入れた学習内容を提供することが可能になる。画一的な教育になりがちな学校現場にも、IT技術の向上やインフラ整備、2020年までに小・中学校の児童・生徒にタブレットを配布するという政府の方針などにより、アダプティブラーニングが導入され始めている。

アダプティブラーニングの具体的な内容

・ アダプティブラーニングの最大の利点は、学習者の学習ログが取れる点。例えば学校では、生徒に1台ずつタブレットを配り教員とネットワークでつなげば、生徒個人個人の分野ごとの得手不得手や学習の定着度合いが、テストの正答率や課題の提出スピードなどの記録によって把握することができるようになる。そうすれば、生徒個々にとって最適なタイミングで適切な学習課題を与え、それぞれの不得意分野の勉強に集中させるといったことが可能になる。生徒同士の成績の競い合いや、生徒間の相互学習により、学習意欲を高める取り組みにも工夫をこらせるようになる。

・ アダプティブラーニングの具体例を、電通国際情報サービスオープンイノベーション研究所の関島章江氏は次のように説明する。まず、学習レベルの最適化については、

例えばハイレベルの数学ドリルを買ったら、ひたすらそのドリルを解き続けるという学習法が主流でした。しかしこれでは、「図形は得意だけど、計算は極端に苦手」といったような、単元ごとの得手不得手に対応することができません。それなら教科書を電子化し、単元ごとにバラバラにして、必要な部分だけを購入できるようにすればいい。(中略)不得意なところに関してはレベルを下げた教材を使う、解説映像を見て知識を深めるなどして、克服することができるようになりますよね。

(引用元:電通報|ICT×教育の力で実現する「アダプティブラーニング」

また、学び方の最適化については、

例えば、漢字を学習するとき。これまではひたすら紙に書いて覚えるというやり方が主流でしたが、他にもタブレット端末に書き込んだり、ゲーム的なアプリを使って覚えたりと、さまざまな学習方法があります。紙での書き取りでは覚えられなかったけれど、アプリでなら驚くほど覚えられるという子も、決して少なくありません。このように、できるだけ多くの方法を用意して、好みの学習方法を見つけてもらうこと(が「学びの最適化」です)

(引用元:同上)

・ アダプティブラーニングに注力したシステムもいくつか登場している。例えば、代表的なプラットフォームがアメリカ発の「Knewton(ニュートン)」。個々の学力や理解度から、最適な学習内容を提案する、世界有数のアダプティブラーニングシステムである。日本では、2015年に、ベネッセホールディングスとソフトバンクの合弁会社であるClassi(クラッシー)がKnewtonのシステムを実装。学校向けに導入している学習支援クラウドサービス「Classi」においてアダプティブラーニングを提供することを発表し、本格展開が進められている。

(参考)
リセマム|アダプティブラーニングとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】
Social Media Lab|ソーシャルの力で教育は変わる!?個人の能力に最適化した『アダプティブラーニング』が今、注目されているワケ。
サイバーユニバーシティ株式会社|「アダプティブラーニング」で記憶の定着を管理できる?
電通報|ICT×教育の力で実現する「アダプティブラーニング」
Classi株式会社|ベネッセとソフトバンクの合弁会社Classiが今夏よりアダプティブラーニングを本格提供
STUDY HACKER|EdTech