AltSchoolとは

・ AltSchool(オルトスクール)とは、2013年に、Googleの元社員エンジニアであるマックス・ヴェンティラ氏がアメリカ・サンフランシスコで開設した学校。テクノロジーを活用して子ども中心の教育を行う次世代の学校として注目されている。

・ 2015年5月に、マーク・ザッカーバーグ氏(Facebook創業者)などから1億ドルの投資を受けたことで話題となった。こうした資金をもとに、今後も引き続き学校の数を増やしていく見込み。現在AltSchoolのホームページに公開されている学校数は、カリフォルニアとニューヨークの9校(2016年10月17日確認)で、2017年秋にはニューヨークにもう1校と、シカゴにも1校開設される予定である。

・ 学費支援制度が設けられてはいるが、年間の学費は300万円ほどで生徒の経済階層は偏っているとみられる。しかし、2015年秋の入学者募集に対しては、200人の募集枠に3,500人もの応募があったほどの人気ぶりで、多くの保護者からの期待がうかがえる。今後AltSchoolがどのような人材を輩出するか、関心が高まっている。

AltSchoolの教育体制の特徴

・ AltSchoolの教育方針は、次の5つから成り立っている。

全人的教育 (whole child education)
コミュニティーへの寄与 (community involvement)
教科横断型プロジェクト学習 (transdisciplinary PBL)
基礎学習の徹底 (rigorous academics)
1-4(※) を包括する個別化学習 (Deeply Personalized learning)

(※1-4とは、直上の1点目から4点目のこと)

(引用元:一般社団法人こたえのない学校|マイクロスクール~学びの個別化と協働学習のミックスの理想を追うアメリカの新しい学校の形とは?

・ AltSchoolの教育体制の特徴は、ICTを駆使して、子ども一人ひとりそれぞれに合ったカリキュラムを提供していること。大きく分けて3点「少人数教育」「個別のカリキュラム作成」「社会の中での学習体験」に取り組んでいる。上記の教育方針は、この形で実践されている。

・ 少人数教育(マイクロスクール):

AltSchoolは、各校舎80~150人ほどの子どもが通うマイクロスクール(小規模学校)。通う子どもの年齢は4歳から14歳で、各クラスは上限25人。クラスは厳密な年齢別ではなく、小学校低学年、小学校中学年、中学生という大きく3グループに分けられている。異年齢の子どもたちが、教え合いながら一緒に学ぶのが特徴。

マイクロスクールならではのメリットは、学習の進捗はもちろんのこと、家庭環境や子どもが抱える特別なニーズをくみ取り、子ども一人ひとりに合わせた柔軟な対応ができること。また、異年齢の子どもと一緒に過ごすことで、大人が実生活で過ごすのと同じように多様な年齢・能力を持った人々と共に過ごすこととなり、社会性などを学ぶこともできる。

・ 一人ひとりに合わせたカリキュラム「プレイリスト」:

AltSchoolでは、プレイリストと呼ぶ、子ども一人ひとりの能力に合わせた個別カリキュラムを作成している。AltSchoolが個別学習を行う前提には、次のような考え方がある。

この学校は、あらゆる学科において子どもたちの学習能力は個人差が激しい、という前提から出発し、その個人差を“成績”という形で等級化するのは、子どもの成長にとって百害あって一利なし、と断ずる。この学校では、カリキュラムはあくまでも各個人のためのカリキュラム(である)

(引用元:TechCrunch Japan|‘子どもたち’の教育から‘その子のため’の教育へ–初等教育の変革を目指すAltSchool

一人ひとりの専用カリキュラムは、次のようにして作られる。

Alt Schoolに入学すると、まず生徒本人や両親からの情報から得た各生徒の興味や情熱、強みに基づいて個別の学習計画が設計されます。四半期ごとに更新されるその学習計画の下で毎週行うべき個別のカリキュラムが組まれるのです。

(引用元:グローリア|世界でいま最も注目されているサンフランシスコの小中学校『Alt School』

したがい、子どもたちは一つの教科書から皆同じように学習するわけではない。個別カリキュラムの中には、最先端のIT教育などのほか、少人数グループに分かれてのプロジェクト学習(話し合いながらものを作るなど)も含まれる。

また、AltSchoolは学校でもあるが、テクノロジー企業でもある。教師が子ども一人ひとりに合わせた教育を展開できるよう、教師間の連携を可能にしたり子どもの熟達度を記録したりするためのツールを開発している。AltSchoolは、長期的にはこうしたツールを、公立の学校にライセンスすることも目標にしている。

・ 社会の中での豊かな学習体験:

AltSchoolはマイクロスクールのため、校庭や体育館、カフェテリアなどがない。そのため、近隣の施設、例えば体育館、図書館、博物館などを頻繁に利用しながら、日々の学習を行っている。また、週に一回社会科見学を行うのも特徴的。昼食は公園に出かけて行って食べることもある。このように、学校の中で学ぶという物理的な制限を飛び越え、地域の施設やコミュニティと接しながら豊かな学習体験を得ることを目的としている。

(参考)
AltSchool|Locations
JIJICO|時代遅れの日本教育を覆せ!新任文部科学省大臣への期待
グローリア|世界でいま最も注目されているサンフランシスコの小中学校『Alt School』
WIRED|ザッカーバーグが出資する「学校」さらに拡大
TechCrunch Japan|‘子どもたち’の教育から‘その子のため’の教育へ–初等教育の変革を目指すAltSchool
IGNITION|元Google社員が創った、シリコンバレーでいま最も注目される学校「AltSchool」
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21st century 教育のかたち|Altschool 未来形の学校となるか
一般社団法人こたえのない学校|マイクロスクール~学びの個別化と協働学習のミックスの理想を追うアメリカの新しい学校の形とは?