ブレンディッドラーニングとは

・ ブレンディッドラーニングとは、eラーニングによる個別学習と、座学による集合学習を組み合わせ(ブレンドし)、双方のデメリットを補い合いながら両方のメリットを活かして、効果的な学習を行う方法。

・ ブレンディッドラーニングの概念は、eラーニングの普及とともに、2000年頃から広まり始めた。アメリカでは最も注目されている学習方法のひとつで、インターネット環境の整備、デジタル機器の普及に伴い、ここ10年ほどで急速に広まった。アメリカの過半数の州でオンラインスクールが設立されており、約半数の高校、および相当数の小中学校において、ブレンディッドラーニングが実践されている。

・ 日本の学校教育では、以前に引き続き集団指導が主流ではあるが、新しい教育方法としてブレンディッドラーニングが注目され始めている。ブレンディッドラーニングのひとつの形態として「反転授業(※)」があるが、2013年頃から、教育現場へのタブレット導入とともに反転授業を実施する学校が登場している。また、ブレンディッドラーニングには、学習効率を高める効果があるため、教育にかけられる時間が限られている社員研修や社会人向けの人材育成においても注目されている。

(※反転授業とは、動画教材やオンライン教材を用いて自宅で講義内容を予習してから、学校での演習に参加することにより、深く学ぶという学習方法。)

ブレンディッドラーニングの方法とメリット

・ eラーニングと集合学習にはそれぞれに長所と短所がある。それらを補い合い、また活かしあうことで、時間効率や学習効果を高めるのが、ブレンディッドラーニングである。

- eラーニング
長所: 自分の好きなスケジュールで勉強ができる。指導者側が、学習者の進捗や理解レベルなどをデータで確認できる。
短所: 個別学習となり、モチベーションを維持しにくい。コミュニケーションがとれず、疑問点がその場で解消しにくい。

- 集合学習
長所: 仲間や指導者の励ましなどにより、モチベーションが維持しやすい。指導者の指導に直接触れることで、より実践的に学ぶことができる。
短所: 時間や場所が決められており、個人の理解度に関わらず、一律で学習を進めなければならない。

・ ブレンディッドラーニングは、例えば次のような形式で行われる。

1) eラーニング+集合研修
(事前学習を済ませた後、教室でインタラクティブな学習を実施する)

2) eラーニング+集合研修+双方向eラーニング
(事前学習と教室研修、その後のバーチャルクラス)

3) 集合研修+eラーニング
(集合研修後のフォローアップのために自己学習を実施する)

(引用元:特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアム|ブレンディッド・ラーニング(Blended Learning)(ぶれんでぃっど・らーにんぐ)

・ 学校教育におけるブレンディッドラーニングでは、例えば前述の反転授業の形であれば、教科書の内容は事前に自宅で予習させてから、実験や議論などの演習を教室で行う。予習をもとに演習に参加するため、学習者たちの学びを深める効果がある。また、個人個人の理解レベルに応じたブレンディッドラーニングも効果的。理解が不足している分野をeラーニングで個別学習することで、個人個人の学力レベルの引き上げをはかることができる。ブレンディッドラーニングに詳しい小松健司氏は次のように解説している。

BL(※)の効果が比較的早く表れやすい科目は、小1から高3までひとつひとつ系統的に理解を積み上げていくことが必要な算数・数学です。なかでも、割合や速さなどを学習する小学高学年から、あらゆる数学的知識を総動員しないと解けない方程式を初めて学習する中学1年前後でつまづいている生徒は、理解できていない単元・領域を特定し、理解できるレベルまで遡って個別カリキュラムで集中的に復習すれば直ぐに追いつくことができます。

(※ブレンディッドラーニング)
(引用元:リセマム|国内の脱“テクノ教室”、欧米で進む「ブレンディッドラーニング」手法を紹介

・ 企業におけるブレンディッドラーニングでは、例えば新入社員向け研修であれば、業界知識や製品知識などの基礎知識をeラーニングで自己学習させ、その後の集合研修で、マナーや実務的なスキル、心構えを教えたり、動機付けを行ったりする、といった手法がとれる。

・ また、以下のような分析結果(2009年、アメリカ教育省)もあり、ブレンディッドラーニングは成績を良くする点でも効果的であるといえる。

「同じ教材を使って学習した場合、オンライン環境の学生の方が、対面指導を受けた学生に比べて若干良い成績を残している」
また、「オンラインと対面の要素をどちらも取り入れた指導は、対面もしくはオンラインだけで学習した場合に比べてより良い結果が出た」

(引用元:Blackboard FOR HIGHER EDUCATION|ブレンディッドラーニング

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日本におけるブレンディッドラーニングの実施状況と課題

・ 日本におけるブレンディッドラーニングの普及は、アメリカほどではないものの、徐々に広まり始めている。大学で留学生向けの日本語教育にブレンディッドラーニングを導入し効果があったという報告例(立教大学)のほか、大学のWebデザインの授業にブレンディッドラーニングが実施されている例(デジタルハリウッド大学)もある。また反転授業の形では、小学生にタブレットを配り一部の学年の算数と理科でブレンディッドラーニングを行っている例(佐賀県武雄市内の小学校)や、高校の英語の授業でiPadを活用したブレンディッドラーニングを実施している例(近畿大学付属高校)がある。

・ ブレンディッドラーニングにおける課題は、eラーニングに必要なデジタル機器を学習者に行き渡らせ、どの学習者にも平等にデジタルでの学習環境を整えなければならない点。それに加えて、指導者・保護者がそれらの機器を使いこなせなければならない。また、指導者側にも課題がある。ブレンディッドラーニングでは、従来型の、教科書の内容を口頭で教える授業はeラーニングに代替されてしまう。学習者一人ひとりに合わせた指導に気を配ったり、教室での教え方を工夫したりするなど、意識を改革する必要がある。

(参考)
リセマム|ブレンディッドラーニングとは【ひとことで言うと?教育ICT用語】
特定非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアム|ブレンディッド・ラーニング(Blended Learning)(ぶれんでぃっど・らーにんぐ)
リセマム|個別化と学習者主導が主流…米国で急速に普及「ブレンディッドラーニング」
リセマム|知っておきたい「ブレンディッドラーニング」…メリット・デメリットと効果
リセマム|国内の脱“テクノ教室”、欧米で進む「ブレンディッドラーニング」手法を紹介
Blackboard FOR HIGHER EDUCATION|ブレンディッドラーニング
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