ブレストとは

・ ブレストとは、ブレインストーミングの略称。ブレインストーミングは、米国の実業家アレクサンダー・オズボーン(1888~1966)によって考案された、新しいアイディアを生み出す手段である。ブレインストーミングは日本でも浸透し、特にビジネスパーソンのあいだで広く使われるようになり、略してブレストと呼ばれることが多くなった。

・ あるテーマについてブレストを行うには、グループで集まり、思いついたアイディアを次々と出し合ってノートに書き留める。この際、実現可能性は考慮せず、頭に浮かんだアイディアをそのまま口にすることが重要となる。また、他のメンバーによる意見を批判したり、疑問を投げかけたりしてはならない。批判を恐れてアイディアを出しづらくなるためである。他のメンバーの発想に触発され、少し変更を加えたアイディアを挙げることも奨励されている。以上がブレストの基本である。それぞれのアイディアの検討は、ブレストが一通り終わってから初めて行われる。

ブレストへの批判

・ ブレストを会議に取り入れる企業が増えたことで、多くのビジネスパーソンがブレストを経験するようになった。ブレスト経験者の増加によって、ブレストの有用性だけでなく、その不都合さへの批判の声も挙がりはじめている。

・ 早稲田大学ビジネススクールの入山章栄准教授によれば、ブレストは意見を言いづらく、アイディアを出すには効率が悪い手段なのだという。上述したとおり、ブレストにおいて批判はルール違反であるものの、それでも他のメンバーからの評価を意識してしまう人がいるためである。また、ブレスト中、他のメンバーが発言しているあいだは耳を傾ける必要があるので、自分の思考に集中することができない。それゆえに、自分でアイディアを思いつきにくいのだという。

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ブレストのメリット

・ とはいえ、ブレストが無用の長物だというわけではない。仮に、アイディアを出すのに効率がよくなかったとしても、ブレストには多くのメリットがある。たとえば、ブレストを行うことによってグループ内で情報が共有され、「組織の記憶力」が高まる。グループのメンバーが集まってアイディアを出し合うことは、誰がどのような発想をするのか、どの分野に詳しいのかを知る機会になるからである。このようにして「組織の記憶力」が高まれば、グループで活動する際、誰に何を相談すればよいのか把握することができ、効率のよい活動が行える。

・ また、ブレストを繰り返すことによって、メンバー同士の価値観が共有され、普段の活動でも活発な意見交換を行える土壌が形成される。これによって、ブレストの場を設けなくても、普段のちょっとした会話から新たなアイディアが生まれる可能性が高まるのである。

・ このように、「アイディアを短時間で数多く出す」ことのみに注目すると、ブレストが効率の悪い場合もある。しかし、ブレストを行うことは、アイディアを出すという以上に、グループ全体の能力を高めることなのである。ブレストを実施する際は、ルールに従って活発にアイディアを出し合うのは勿論のこと、グループ全体で成長できるというメリットを意識するのがよいだろう。

(参考)
STUDY HACKER|ブレストはもう古い? 声に出さない『ブレイン・ライティング』の驚きの効果。
日経ビジネスONLINE|「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い!
エン転職|ブレストってどういう意味?|知っておきたいビジネス用語
事業構想|ブレストの「正しい」実践法
コトバンク|ブレーンストーミング
コトバンク|ブレインストーミング
コトバンク|オズボーン
Brainstorming.co.uk|What is Brainstorming?