カニバリゼーションとは

・ カニバリゼーションは、共食いの意味を持つ英語のcannibalizationを日本語にしたもの。カニバライゼーションと言われることもある。また、カニバリゼーションを略して「カニバリ」と呼んだり、カニバリゼーションが起きることを「カニバる」と表現したりする。

・ カニバリゼーションとは、自社の商品が自社の別の商品と競合し、共食いを起こしてしまう現象のこと。商品同士が似ていて、互換性が高い場合に生じる。例えば、新商品を導入したことにより既存商品の売上が減少することや、ブランド拡張によって生まれた新たなブランドが既存のブランドと競合し売上を奪い合うことなどがカニバリゼーションにあたる。カニバリゼーションが起きた場合、企業は、商品ラインを見直したり、商品の違いを顧客にアピールしたり、別のターゲットを狙ったりする施策を行う。

・ より具体的には、ビール企業が税率の低い発泡酒を投入したことで、価格の安い発泡酒に切り替える消費者が現れ、ビールの売り上げを発泡酒が奪う形となった例や、自動車メーカーが価格の安い新型車を投入したことにより、既存のランクの高い車が売れなくなる例などが挙げられる。

カニバリゼーションの例

・ 通常、企業は自社内でカニバリゼーションが起きないように製品を展開するが、競合他社を含めた既存の製品を陳腐化させるために、あえてカニバリゼーションを起こすこともある。その例が以下。

2009年、株式会社資生堂が新しいミストタイプ整髪料「ウーノフォグバー」の市場導入を検討した際、自社の既存男性用整髪料、特に「ウーノヘアワックス」とのカニバリゼーションは避けられなかった。
しかし、競合他社を含めたワックス製品を陳腐化させ、その利益を奪うことができる画期的な製品であると判断し、「ウーノフォグバー」の市場導入を推し進めた。
結果として、フォグバーがワックスの代替製品として成功を収めたことにより、ウーノは男性用整髪料市場でシェアNo.1を獲得した。

(引用元:マーケティングWiki ~マーケティング用語集~|カニバリゼーション

・ また、自社製品の中に少しずつカニバリゼーションを起こすことで、自社の競争力を高めた例もある。それはアメリカの自動車メーカーであるゼネラルモーターズ(GM)の元CEOアルフレッド・スローン氏が20世紀前半に実践した戦略。当時、自動車が本格的に普及してきたことで消費者が様々な車を求めるようになっており、スローン氏はそのニーズを取り込むために次のような戦略を考案した。

低価格帯の大衆車から高額な高級車までの製品ラインを揃え、その製品ライン同士で少しずつカニバリゼーションの状態を作ることで他のメーカーではなく、自社の製品ラインの中で買い替えを促進し、車種同士、また車種ごとの販売ディーラー同士で競わせることで、より強い競争力を発揮しようと考えた
(中略)
GMは世界最大の自動車メーカーに成長し、やがて世界の製造業の製品開発モデルの模範になった

(引用元:Marketing Campus|カニバリゼーションの戦略的な活用事例

・ 最近の例では、飲料や食品メーカーなどが小売企業とともに手掛けるプライベートブランド(PB)は、カニバリゼーションを引き起こしがちであると言われている。カニバリゼーションの無駄をなくすためには、幅広い顧客層を獲得するための商品展開が必要になる。これについて、企業のコンサルティングを手掛けるストラテジクスパートナーズ株式会社のエグゼクティブ・パートナー山田政弘氏は、次のように解説している。

明治や雪印など、著名ブランドの牛乳が200円くらいで売られていて、小売のPBの牛乳が188円ほどで売られていたらどうだろうか? この両者は同じ顧客を奪い合う構図になっている可能性がある。(中略)
これでは見るからに無駄が多い。できれば、主に富裕層の一部が買うであろう1000円の牛乳、徹底して低価格を求める顧客層には特売の89円の牛乳、コストパフォーマンスを求める大多数の層には200〜250円の牛乳と、それぞれの顧客層ごとに提供する商品をわかりやすくしたい。
こうすることで、幅広い顧客層を獲得できるためだ。

(引用元:Business Journal|PB先進企業・靴のABCマート、驚異の戦略〜ブランド単体と小売、2つの顔で相乗効果

(参考)
J-marketing.net|マーケティング用語集 カニバリゼーション
コトバンク|カニバリゼーション
英辞郎 on the WEB|cannibalization
マーケティングWiki ~マーケティング用語集~|カニバリゼーション
Marketing Campus|カニバリゼーションの戦略的な活用事例
MBA Solution|Lesson60 カニバリゼーションとは?
Business Journal|PB先進企業・靴のABCマート、驚異の戦略〜ブランド単体と小売、2つの顔で相乗効果