地方創生とは

・ 地方創生とは、安倍晋三首相によって組閣された内閣が推進している、地方活性化を目的とした一連の取り組み。2014年に発足した第二次安倍改造内閣によって設置された「まち・ひと・しごと創生本部」では、本部長を安倍首相、副本部長を石破茂・地方創生担当相(※)として、地方活性化のための様々な施策が議論・立案されている(※2016年8月まで。以降は山本幸三氏)。

2014年9月3日、第2次安倍改造内閣発足と同日の閣議決定によって「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されました。そして2014年12月2日に「まち・ひと・しごと創生法」が施行されたことにより、「まち・ひと・しごと創生本部」は内閣設置の法定組織になりました。この本部の通称が「地方創生本部」であり、第2次~第3次安倍内閣の地域活性化の取り組みが一般的に『地方創生』と呼ばれています。

(引用元:ニッポニア・ニッポン|「地方創生」がよく分かる!

・ 2016年度から「地方創生推進交付金」として1,000億円が予算案に計上されるようになった。交付金は「地方版総合戦略」に基づき、自治体が応募し、要件に沿うと認められた地域再生計画に対して交付される。交付金は地方における平均所得の向上を目的の一つとし、地方創生にとって効果の高い分野の重点的な支援に使われる。

・ この交付金は、2017年度予算案でも前年度と同額の1,000億円が計上された。1事業あたりの交付上限額が前年度より引き上げられ、都道府県は2億円から3億円に、市区町村は1億円から2億円に増額。交付の要件も緩和される。2016年度の交付予定額が106億円にとどまるため、2017年度はより多くの応募が期待されている。

東京一極集中の問題

・ 地方創生が推進される背景には、「東京一極集中」の問題がある。高度経済成長期には三大都市圏への人口流入、バブル期には東京への人口流入が強まった。そして2000年代以降は、関西圏および名古屋圏の人口は減少する一方で、首都圏の人口増加ペースが上がりつづけている。そのため、東京とその周辺の県の人口は過密になり、様々な問題が起こっている。

・ たとえば、特に首都圏での人口増加に対して保育園の増設が追いつかず、子どもを預けられない母親が仕事に復帰できないという問題は、近年メディアで頻繁に取り上げられている。また、首都圏の人口増加は、首都圏における高齢者人口の増加という問題にもつながっている。老人ホームへの入居を望む要介護の「待機老人」は東京都でおよそ4万人。高齢の親族を施設に入所させることがかなわず、自宅で介護するために現役世代が退職を選ぶ「介護離職」も、東京一極集中によって引き起こされている大きな問題である。

・ 上記のような問題を解決する一助とするため、政府は地方創生を進めている。交付金制度の創設や地域での雇用戦略によって、地方での新規事業を支援したり、地方移住を推進したりすることは、東京への人口流入を減らすことにつながる。地方創生は、地方の活性化と東京一極集中の解消という両方の課題を解決するための取り組みとして、期待がかけられている。

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大学をターゲットにした地方創生

・ 政府は地方から若者が流出することを防ぐため、大学をターゲットにした地方創生戦略も打ち出している。若者が地元で進学・就職する割合を高める目標を設定し、「地方大学強化プラン」「地方学生定着促進プラン」などを推進している。

・ たとえば、政府は2017年3月に都内でシンポジウムを開き、招待した地方の企業経営者や首都圏の大学関係者・学生に地方創生戦略を説明する予定。首都圏の学生に地方でインターンを経験してもらい、地方での就業に結びつける「地方創生インターンシップ」の導入拡大を呼びかける。

・ 同時に、東京での大学新設抑制も検討されている。全国知事会からの要望を受け、政府は地方創生の一環として2017年夏までに抑制の具体策を検討する方針を打ち出した。しかし、私立も含めた大学の経営を法律で縛ることは、国際競争力や学問の自由という点で懸念がある。小池百合子・東京都知事は「大学の世界ランキングも考えると、自由に国際競争力をつける大学の努力があってこそで、大学の経営そのものに大きな影響を及ぼす」と政府案に反対を表明している。

・ また、東京での大学新設を抑制するという案は、大学がひとつの地域に集中していることによるメリットを薄めてしまう可能性があることも指摘されている。たとえば、複数の大学が近接して存在すれば、近隣にある大学同士が単位互換制度を設けることで学生がより広い見識を得ることにつながったり、複数の大学図書館を利用してより広範囲な調査を行えたり、研究者もシンポジウムや研究会に人を集めやすくなったりするというメリットがある。確かに、東京圏に大学が集中していることは、若者を中心とする人口流入の一因であると言えるが、大学の集中は若者の勉強や学問の発展にとって有益であるため、東京での大学新設抑制については様々な業界関係者を交えた広範な話し合いが必要とされる。

(参考)
まち・ひと・しごと創生本部
首相官邸|まち・ひと・しごと創生
国土交通省|東京一極集中の状況等について
日本経済新聞 電子版|地方で就業体験を 政府、学生ら招きシンポ
日本経済新聞 電子版|政府、都内の大学新設抑制 「自由縛る」抵抗強く 来月にも検討会、調整は難航も
日本経済新聞 電子版|「待機老人」大都市で増加 「特養入れず」12万人
ロイター|地方創生交付金、運用弾力化
iRONNA|東京一極集中が地方を救う
ハフィントンポスト|東京への人口一極集中の必然とメリットを理解すべき時が来ている
ニッポニア・ニッポン|「地方創生」がよく分かる!
ニッポニア・ニッポン|地方創生の総合戦略
THE PAGE|待機児童より多い“待機老人”は52万人、特養老人ホームの整備は進んでる?
石破しげるオフィシャルサイト|略歴