コオロギパンとは

・ コオロギパンとは、乾燥させて粉末状にしたコオロギを混ぜて焼き上げたパン。2017年11月、フィンランドの食品関連企業・ファッツェルによってフィンランドでの販売が始まった。同社によると、コオロギパンの発売は世界初であり、その新奇性からコオロギパンは世界中で注目されている。

・ ファッツェル社のコオロギパンは、コオロギを粉末状にした「コオロギ粉」(cricket powder)を小麦粉に混ぜることによって作られている。1つのパンにつき約70匹の「ヨーロッパイエコオロギ」が含まれており、重さではパン1つの3%分に相当するという。

・ コオロギ粉の供給は限られているため、ファッツェル社が2017年11月にコオロギパンを発売したときの販売店舗は11店のみだった。今後は徐々に販売店舗を増やし、ファッツェル社がフィンランド国内で運営する47軒のパン屋全てで取り扱うのが目標とのこと。

なぜコオロギを使用するのか

・ ファッツェル社によると、「コオロギパンはタンパク質の良質な供給源であり、昆虫は脂肪酸・カルシウム・鉄分・ビタミンB12を多く含んでいる」。そのため、西洋では将来的に昆虫が食料として重要な存在になることが考えられるのだという。

・ 国際連合が抱える専門機関のひとつ・食糧農業機関も、昆虫を食べることには健康面で多くのメリットがあると主張している。多くのプロテイン・脂肪・ミネラルを含むためだ。また、食用として牛や豚などの家畜を育てるよりも、昆虫を飼育するほうが環境への負荷も少ないとされる。畜産の過程では、飼料となる穀物を育てるのに農薬を使用することで環境汚染が起こったり、家畜のフンからメタンガスが発生して地球温暖化が加速したりしている。しかし、ミルワーム1kgを飼育する過程で発生する温室効果ガスは、豚1kgに比べて10分の1~100分の1も少ないという。国際連合の試算によれば、2050年までに世界の人口は90億人に達するが、人口増加に合わせて食肉の生産量を増やすと環境への負荷も重くなってしまうため、代わりの栄養源として昆虫が重要視されつつある。

・ コオロギ粉生産大手の米企業、オール・シングズ・バグズも、コオロギを食用にすることは「エサの消費」「水の消費」「土地の消費」の3点において「サステナブル」だと主張している。なかでも土地については、牛肉1ポンド(約454g)を生産するのに115平方メートルを要する一方、1ポンドのコオロギにはわずか8平方メートルで充分だという。そのうえ、小さい箱があればどこでも育成できるとして、コオロギを含めた昆虫は「宇宙で飼育できる唯一の家畜」になるかもしれないと述べている。

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コオロギパンへの反応

・ フィンランドの旅行会社・フィンゲートは11月27日、ファッツェル社のコオロギパンについて「買おうと思ったけど、売れ切れでした」とTwitter上に投稿した。フィンランド国内における注目度の高さがうかがえる。米国のニュースサイト・ビジネスインサイダーの英国版によれば、フィンランドの首都・ヘルシンキのある学生はコオロギパンを食べて「パンみたいな味。よく分からないけれど、すごくおいしい」と述べたという。

・ コオロギパンのニュースが日本でも紹介されたところ、ソーシャルメディア上での反応はまちまちだった。「理にかなっていることは理解しているけど、やっぱり忌避感のほうが勝る」「無理」と生理的嫌悪を表明する人が目立つ一方、「国内でも買えるならば食べてみたい」と興味を抱く人や「動物性タンパク質も取れそうでよく考えてある」と理解を示す人も見られた。

(参考)
Fazer Group|Fazer first in the world to introduce insect bread to grocery stores
Griopro
United Nations|The latest buzz: eating insects can help tackle food insecurity, says FAO
ロイター|世界初の「コオロギパン」、フィンランドで発売
BUSINESS INSIDER UK|A bakery in Finland wants humans to eat high-protein bread made with crushed crickets
Study Hacker|人口培養肉
Twitter|コオロギパン